投稿日: Mar 22, 2016 2:50:59 PM
Oda, R., & Hiraishi, K. (2015). Willingness to provide is more important than ability to provide: Women’s choice of a long-term male Partner. Letters on Evolutionary Behavioral Science, 6(2), 21-24. doi: 10.5178/lebs.2015.37
(Abstract)
進化の理論によれば,女性は子孫を残す能力と意欲のある配偶者を選択する,とされている。しかしながら,魅力的な潜在能力をもった男性は他の女性にも資源を分配し,様々な女性に対して短期間だけ機会を設ける可能性がある。相手の男性の資源が他の女性や,彼自身の子孫を残すことに対して裂かれていたとすれば,女性が男性の能力を見抜くための能力が無駄に終わってしまうことになる。そのため,女性にとっては,その男性が長期的な配偶者である意欲があるのかを見抜く能力が重要となってくる。そうした意欲は直接的に遺伝的な質に関係しないにも関わらず,実際の生殖能力は,「良い遺伝子」の証として遺伝的な要因や機能が基となっている。本研究では,妊娠可能性の高い,あるいは低い期間の女性に対して,子どもをもうける能力と意欲を表明した6人の男性に関する望ましさを評定してもらった。女性が相手と短期的な関係性だと判断した場合には,能力と意欲はあまり重要ではなかったが,長期的な関係性である場合は重要だと判断された。女性は男性の長期的な能力に絶対的価値を置いているわけではなく,能力よりも長期的に一緒にいる意欲に重きを置いていることが明らかと成った。この傾向は,女性の月経パターンには影響されなかった。