悲しいときは青黄系の色の識別ができなくなる

投稿日: Mar 22, 2016 2:49:54 PM

Thorstenson, C. A., Pazda, A. D., & Elliot, A. J. (2015). Sadness Impairs Color Perception. Psychological Science, in press. DOI: 10.1177/0956797615597672

(Abstract)

先行研究によれば,感情は,色の知覚といった低レベルでの視覚処理に影響し,それが高次の視覚処理に影響を与えるといわれている。感情と色の名前の言語的なつながりが広まっていることからも,感情的体験と色の知覚が関連していることが推測できる。本研究では,感情が色の知覚に与える影響について調べた。2つの実験の中で,ビデオにより感情を実験的に統制(実験1では悲しさと楽しさ,実験2では悲しさとニュートラル感情)し,色の知覚(彩度の違う色を正しく見分けることが出来るか)を測定した。2つの実験の結果から,悲しみは青―黄軸の色の知覚を低下させ,赤-緑軸の知覚は低下させないことが明らかとなった。