親密な関係で不安な状況になると,不安の高い人は温かい物を好み,温かいものを考えると不安が高い人でも親密な関係に満足できる

投稿日: Mar 28, 2014 7:0:15 AM

Vess, M. 2012 Warm thoughts: Attachment anxiety and sensitivityto temperature cues. Psychological Science, 23(5) 472–474. DOI: 10.1177/0956797611435919

(Abstract)

近年の感覚具現化認知研究では,対人間の親密さは概念的に身体温度に基づいていると言われている。例えば,温かい飲み物を持つことは冷たい飲み物を持つよりも,社会的な近接性を増加させるといった報告や,社会的孤立によって気温をより寒く感じるようになるという報告がある。これらの研究から,温度と親密さは心理学的に互換性があると言える。つまり,身体的経験やプライミングを通して一方を活性化させると,もう一方を変化させることができる。こうした結果は,アタッチメントにおける体感温度の重要さを指摘している過去の研究ともつながっているといえるため,アタッチメントプロセスの理解にとっても有用である。高レベルのアタッチメント不安を持っている人は親密さの手がかりに敏感だが,同様に温度にも敏感なのだろうか?本研究は,アタッチメント不安は温度の敏感さにつながるという仮説を検証し,成人アタッチメント理論での体感温度と親密さの関係の研究へと展開させるものである。