高齢者の抑制機能の低下が記憶成績を上げる!?

投稿日: Mar 28, 2014 7:3:4 AM

Biss, R. K., Ngo, K. W. J., Hasher, L., Campbell, K. L., & Rowe, G. (2013) Distraction CanReduce Age-Related Forgetting. Psychological Science, 24(4), 448–455. DOI: 10.1177/0956797612457386

(Abstract)

3つの実験により,「邪魔な情報を処理してしまう」という高齢者に一般的に認められる傾向が,記憶の忘却における年齢差を抑えるかどうかを検討した。若者と高齢者に単語を覚えて想起してもらい,15分後に遅延再生してもらった。遅延期間の途中(実験1aと2)および最後(実験3)に,先程覚えてもらった単語がディストラクターの選択肢として現れる,1-back課題をしてもらった。すべての実験において,高齢者は,1-back課題に登場しなかった単語は忘れていたが,登場した単語についてはほとんど,もしくは全く忘れていなかった。一方,若者はどちらのカテゴリーの単語も忘れていた。ディストラクターの選択肢を見ることが高齢者にとってはリハーサルの効果を持っており,一般的な高齢者の注意散漫性が記憶の強化に使われる可能性が示された。