集団と個人の目指す目標が違う状況下では，促進的な人たちは，集団の目標よりも個人の目標をより追い求める

投稿日: Mar 22, 2016 2:42:25 PM

Zaal, M. P., Laar, C. V., Stahl, T., Ellemers, N., & Derks, B. (2015) “Self-promotion”: How regulatory focus affects the pursuit of self-interest at the expense of the group. European Journal of Social Psychology, Article first published online: 21 MAY, doi: 10.1002/ejsp.2109

(Abstract)

自己関心行動は，集団メンバーの個人個人にとってポジティブな影響をもたらすが，個人レベルの関心と集団レベルの関心がちぐはぐだと，集団レベルとしての成果に悪影響をもたらす場合がある。2つの研究で，集団の中での個人の行動を，制御焦点理論を用いて調べた。個人と集団レベルの関心が一致していない場合，促進の人は予防の人と比べて，集団の成果よりも個人の成果を追い求める行動をすると予測した。その結果，仮説通り，促進的になっている人は，個人レベルの目標が集団協力と相容れない場合，より自分の関心に合うような行動をとることが明らかとなった。本研究の知見から，社会的状況の中での制御焦点傾向の役割と，集団協力が集団での成功にとって重要な場面で個人と集団の目標が一致しない状況で，集団への誠実性をどう確保するかについて理解が深まった。