投稿日: Mar 28, 2014 7:1:1 AM
Quadflieg, S., Vermeulen, N., & Rossion, B. 2013 Differential Reliance on the Duchenne Marker during Smile Evaluations andPerson Judgments. Journal of Nonverbal Behavior, 37:69–77
DOI 10.1007/s10919-013-0147-z
(Abstract)
他人の笑顔を評価する(楽しんでいる笑顔か,自然な笑顔か,爆笑か,などなど)とき,評価する側は,相手の目の周りにしわができる眼輪筋で判断している。この,いわゆる「デュシェンヌ・スマイル」の指標は,相手の個人特性の評価(相手の魅力度や知性,優位性や信頼性など)にも影響を与えているのではないだろうか?本研究では,実験参加者にデュシェンヌ・スマイルとそうじゃない笑顔の刺激を見せ,笑顔の評価と個人特性評価をさせた。その結果,デュシェンヌ・スマイルの指標が現れると笑顔の評価は一様に上がるのに対し,個人特性の判断は笑顔の評価とは独立したものだった。魅力・優位性・知性の判断は,予想通り指標の出現に従って高くなる一方,信頼性は顔の指標の変化に影響を受けなかった。本研究より,デュシェンヌ・スマイルの指標が,相手との社会関係を推測するための指標となるかは,個人特性のどこに着目するかによると考えられる。