促進の学生は先生の怒りで頑張る,予防の学生は先生のにこにこで頑張る。

投稿日: Jun 24, 2014 2:27:18 PM

Doorn, E. A., Kleef, G. A., & Pligt, J. 2014 How Instructors' Emotional Expressions Shape Students' LearningPerformance. Journal of Experimental Psychology: General, 143(3), 980-984. doi: 10.1037/a0035226

(Abstract)

指導者の感情表出は学生の学習パフォーマンスにどのように影響しているのだろうか?専門家たちはこぞって、良い学習のためには、ポジティブな「はぐくみ育てる」的な感情が大切だ!と主張してきた。しかし、先生たちはしばしば、学生に対してカッとなって怒りを表すこともある。社会的情報としての感情理論(EASI)に基づいて、本研究では怒りを表出することが学習パフォーマンスにとってメリットとなると仮定した。実験1では、幸せそうな指導者よりも怒りを露わにしている指導者を目の前にしている対象者の方が、1週間後の語彙再認課題の成績がよかった。実験2でもこの再認課題における効果が再現されたが、この効果が認められたのは予防焦点の人よりも促進焦点の人においてであった。本研究の結果は、社会的情報としての感情の概念化を支持するものであり、これまで一般的に言われてきたポジティブパラダイムに疑問を投げかけるものであった。