ポジティブな遺産への動機は環境保護行動につながる

投稿日: Mar 22, 2016 2:38:57 PM

Zaval, L., Markowitz, E. M., & Weber, E. U. (2015) How Will I Be Remembered? Conserving the Environment for the Sake of One’s Legacy. Psychological Science, 26(2), 231–236. DOI: 10.1177/0956797614561266

(Abstract)

ずっと先に起こる問題や遠い社会的距離は,地球温暖化問題といった環境保護の問題解決行動への心理的障害であると考えられている。本研究では,長期的な目標や将来への動機づけをすることで,「今の自分」と「未来の他者」の優先傾向が入れ替わるので,環境保護行動のための動機となると考えた。ここでは,ポジティブな遺産への動機が,地球温暖化や他の環境問題へ積極的に関わろうとする行動を増加させるのではないかと考えた。予備調査では,遺産動機における個人差が,環境保護行動と正の関係性であることを見出した。そこで本実験を行ったところ,遺産の動機が,環境保護のための寄付行動や環境保護の意図や,地球温暖化を防ぐための信念を増加させることが明らかとなった。遺産動機が,環境保護行動の強いメカニズムとなっていることが示された。