外集団に脅威を感じている人ほど,一人でいると,外集団をより「近く」に感じる

投稿日: Mar 22, 2016 2:43:23 PM

Cesario, J. & Navarrete, C. D. (2014). Perceptual Bias in Threat Distance: The Critical Roles of In-Group Support and Target Evaluations in Defensive Threat Regulation. Social Psychological and Personality Science, 5(1), 12-17. DOI: 10.1177/1948550613485605

(Abstract)

ここでは2つの研究によって,外集団脅威への距離感覚が,内集団の有無や,外集団からの危険性に対する潜在的意識によって,どのように制御・調整されるのかを調べた。脅威の制御とは,その人が脅威を感じるものとの主観的な距離にバイアスがかかるということ,つまり,弱い人(草食動物)に比べて,強い人(肉食動物)の方が,「脅威」に対してより距離があると判断する。ここでは,対象者が一人でいるか自分の内集団に囲まれているかどうかが,外集団男性への近さに関する感覚のバイアスを調整し,それが外集団男性をネガティブに評価する程度に影響されると仮定した。本研究の知見は,動機バイアスの心理学の研究が,いかに脅威制御システムの機能における知覚バイアス(McNaughton & Corr, 2004)や,生存競争の戦略的論理(Parker, 1974)の知見から示唆が得られるのかを示した。