曖昧表情を怒り顔じゃなく幸せ顔と判断するバイアスをかけると、怒り感情や攻撃的行動が抑制される

投稿日: Mar 28, 2014 7:5:54 AM

Penton-Voak, I. S., Thomas, J., Gage, S. H., McMurran, M., McDonald, S., & Munafo, M. R. 2013 Increasing recognition of happinessin ambiguous facial expressions reduces anger and aggressive behavior. Psychological Science, 24(5), 688-697. DOI: 10.1177/0956797612459657

(Abstract)

相手の感情を見分ける能力は、社会的機能にとって非常に重要である。本研究における一連の実験を通して、複雑な表情における感情の理解と攻撃的な考えや行動との関係を、健康的な大人と犯罪や非行に走るリスクの高い青年期の若者で調べた。その結果、複雑な表情において怒りよりも幸せを認知するように感情理解のバイアスを実験的に修正することが可能であることが示された。このバイアス修正により、健康的な大人においても犯罪のリスクの高い若者においても、自己報告の怒りや攻撃性を下げることができ、さらに他者評価においても攻撃的行動が減少していた。さらに、感情認知におけるバイアス修正のための2つの異なる方法(フィードバックトレーニング・視覚適応)を用いて、同じような気分への効果も得ることができた。これらの結果により、感情認知プロセスが怒りや攻撃的行動の持続の原因となっている強い証拠が示された。