若者は共感性関係なく同世代の知人と話すのが楽しく、高齢者は誰とでも会話は楽しいが共感性が高いとより楽しい。

投稿日: Aug 04, 2014 7:54:35 AM

Gould, O. N. & Gautreau, S. M. (2014) Empathy and Conversational Enjoyment in Younger and Older Adults. Experimental Aging Research: An International Journal Devoted to the Scientific Study of the Aging Process, 40:1, 60-80, DOI: 10.1080/0361073X.2014.857559

(Abstract)

共感研究には様々な知見があるが,いずれも社会的相互作用を円滑にするということが報告されている。本研究では,144名の若者と120名の高齢者において,会話の楽しさと共感性の関係を調べた。対象者は3種類の共感性尺度(IRI, TEQ, AIM)と,様々な対象者との会話を想起してその楽しさの評価を行った。その結果,高齢者は若者よりも共感的関心が高く,個人的な苦痛や想像といった下位側面は低かった。若い人にとって,同じぐらいの年齢の知人同士の会話が最も楽しく,子どもや高齢者との会話はもっとも楽しくない,と回答していた。高齢者はどのグループの人との会話も同じぐらい楽しい,と回答していた。会話の楽しさと共感性の関係は高齢者の方が強かった。これらの結果から,共感性を多次元的に見ることの重要性と,加齢によって共感性が会話での相互作用に与える影響が異なってくる可能性を示すことができた。