『なぜ道徳的であるべきか──Why be moral? 問題の再検討』サポートサイト
杉本俊介『なぜ道徳的であるべきか──Why be moral? 問題の再検討』、勁草書房、2021年2月18日。
本書は杉本が2015年に京都大学に提出し、学位を授与された論文『‘Why Be Moral?’問題の再検討』を基に、加筆・修正したものです。出版社の許可を取って、博士論文との主な相違点を以下に示します。本書では、博士論文の頃よりも私自身の立場を明確にしています。また、本書の草稿を使って立命館大学と関西大学で授業を行い、学生が抱いた疑問点に可能なかぎり答えました。博士論文よりもテキストがかなり読みやすくなったと思います。ぜひお手にとって頂ければ幸いです。
2021年2月15日
杉本俊介
重版修正箇所
・71頁 1行目 〜と呼びます。 → 〜と呼ぶ。
・130頁 1行目 スーパーソン → スパーソン
・276頁 14行目 鵜殿慧 → 鵜殿憩 【ペンネームに変更】
・奥付 著者略歴
・その他、表記上の細い点(例.21頁 註23 〜については序で説明した。 → 〜については序で説明した。【序を太ゴチに】)
書評
・奥田太郎さんに拙著の書評を書いていただきました。今後の研究のなかで応答できればと思います(リンク)。
・週刊読書人(2021年7月23日)で森村進先生に拙著をご紹介いただきました。身に余るお言葉です。
・『図書新聞』(3502号)で熊本学園大学の長友敬一先生が拙著の書評を寄稿されています。本書の議論をわかりやすくまとめてくださったうえで、代案の可能性も指摘していただき、とてもうれしく思いました。
その他、ツイートやコメントくださりありがとうございます(ブクログ)。またAmazon.jpに書いていただいたレビューもありがとうございます(Amazonレビュー 1、2)。
レビューへの応答を以下書きました。
Golden Mountainさんへ。丁寧にお読み頂き、ありがとうございます。論争のサーベイ的側面がかなり強いというのはそのとおりだと思います。第一に、私の研究スタイルがサーベイ重視であることと、第二に、ベースにした博士論文の性格上そうならざるをえないというところがあります。ただし、サーベイにも整理するための枠組みがあり、11頁のWhy be moral?問題の射程や現代のカント主義が考察する問題をWhy be moral?問題として解釈する部分などに独自性があると思っています。「薄味のカント主義」というところを濃くできないかと考えて、その後以下の論文を書きました。
杉本俊介「カントとWhy be moral?問題──北尾宏之先生の著作に基づいて」、『立命館文学』第680号(北尾宏之教授退職記念論集)、2022年12月16日、437-448頁。
にゃんさんへ。「なぜその立場が正当なのかは、よくわからない。」は25-26頁で提示した論証のとおりです。規範的調和主義の十分な正当化がなされていないというのであれば、それはそのとおりで今後の課題です。234頁で循環的正当化を受け入れる条件の特定はしてみました。功利主義的アプローチの反論についてですが、行数は関係ありません。また「その内容もあまりに雑駁で笑った」などというのは失礼なコメントだと思いました。反論については元論文のほうでもう少し書いています。
Sugimoto, Shunsuke "Philippa Foot's Theory of Practical Rationality without Natural Goodness", Journal of Philosophical Ideas, CCPEA2016 Special Issue, August, 2017, pp.223- 244.
その他
・ニコニコ動画でフレンド・オア・エネミーさんという人に拙著の内容を取り上げていただきました(ニコニコ動画)。最後に出てくる投稿者の反論や疑問楽しみ待っています。投稿されたらリプライします。