2015年度前期ビジネス特殊講義(倫理学Ⅰ)

詳細は、シラバスをご覧ください。

講義は、スライドを中心にしています。

(すべての資料が必ずしも肯定的に使われるわけではありません。)

授業では、倫理学を学んでゆきます。まず事例を通して倫理・道徳とは何かについて考えるところから始めます。次に、倫理学の三つの理論を学びます。さらに、「そもそも倫理なんて必要なのか」、「価値観なんて人それぞれだから倫理に答えなんて出ない」、そういった否定的な意見を、道徳の外部から、そして、メタ的視点(一段上から見た視点)から検討します。

この授業では、倫理・道徳を通して、社会の成立に不可欠な良識を学び、社会人として価値観の異なる他者との共存の在り方を考える能力を身につけることを目標にします。

(必ずしも後期でビジネス倫理IIを受講する必要はありません。)

第1回 イントロダクション:倫理・倫理学とは何か

第2回 事例1:尊厳死法案の提出

  • 配布資料

  • 新聞記事:「(耕論)尊厳死法は必要か 周防正行さん、鈴木裕也さん、安藤泰至さん」『朝日新聞』、2014年5月9日、15頁。

  • 映像資料:クローズアップ現代「“私の人工呼吸器を外してください”~「生と死」をめぐる議論~」(2009年2月2日(月)放送)

第3回 事例2:死刑反対の声

  • 配布資料

  • 新聞記事:「死刑の停止・廃止を求め宣言:欧州委などシンポ、袴田さんも」『朝日新聞』、2014年10月28日、朝刊、24頁(都区内)。

  • 映像資料:ブラー(英国のロックバンド)のドラマーが日本の死刑制度についてコメント(英国大使館)

第4回 事例3:戦争と平和

  • 配布資料

  • 新聞記事:「米空爆、人質2人死亡 米・伊の民間人 アフガン国境」、『朝日新聞』、2015年4月24日、朝刊、13頁。

  • 映像資料:サミラ・マフマルバフ「イラン」「11'09''01/セプテンバー11」、2002年

第5回 理論1:できるだけみんなが幸せになる行いが正しい(功利主義)

第6回 理論2:幸せよりも義務のほうが大事(イマヌエル・カントと義務論)

第7回 理論3:「行い」よりも「人間」を見て評価すべき(徳倫理学)

  • 配布資料

  • 映画:『アイリス』(リチャード・エアー監督、イギリス・アメリカ、2001年)の予告編

第8回 ここまでの復習とディスカッション

  • 配布資料

  • 配布資料:杉本俊介「コラム0-1 功利主義と義務論」、大庭弘継・高橋良輔(編)『国際政治のモラル・アポリア』、ナカニシヤ出版、2014年6月30日、5-6頁。

第9回 倫理の外部:何をしても結局は「自分のため」?(利己主義)

  • 配布資料

  • 「(悩みのレッスン)優しさは利己心?」、『朝日新聞』、2009年9月12日、夕刊、7頁。

第10回 倫理の外部:そもそもなぜ道徳的であるべきか(Why Be Moral?)

  • 配布資料

  • 映像資料:映画『ビューティフル・マインド』(ロン・ハワード監督、アメリカ、2001年)の予告編

第11回 メタ的な視点1:「道徳」を定義できるか?(自然主義)

  • 配布資料

  • 映像資料:The Late Late Show With Craig Ferguson(Prof. Jonathan Dancy)

第12回 メタ的な視点2:「その行為は不正だ」と判断することは、ブーイングをしているにすぎないのか?(情動主義、表出主義)

第13回 メタ的な視点3:道徳的判断は判断する人を必ず動機づけるか?(動機づけに関する内在主義、外在主義)

第14回 ここまでの復習とディスカッション

第15回 総論:これまで学んできたことの確認・整理

定期試験

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