2015年度後期演習I

詳細は、シラバスをご覧ください。

倫理というと堅苦しいものだと思いませんか。実は堅苦しくありません。倫理はみなさん一人ひとりがこれまで生きた経験のもとにあるものだからです。このゼミを通して、倫理の対するイメージを楽しいものに変えて、みなさんがこれから生きてゆくうえで支えになるような大事な「何か」に変えてゆけたらいいなと思います。

本ゼミでは、ビジネス倫理を中心に学んでゆきます。「ビジネス倫理」なんてきくと、ビジネスと倫理は互いに相反するものであり、「丸い四角」と同様に矛盾したものにきこえるかもしれません。しかし、現実には多くの人々がビジネス倫理の必要性を訴えています。

このゼミではまず、倫理を通して社会人に不可欠な良識を学び、価値観が異なるなかで議論するスキルを身につけることを目指します。具体的には、ディスカッションやプレゼンテーションを通して、自身の価値観を再確認し、それを他の人に示す練習を行います。さらに、卒業論文に向けて現実社会の倫理的問題にぶつかってもらおうと思います。テーマはビジネス倫理であれば基本的には自由です。私は学生のとき、社会的責任投資を卒業論文のテーマにし、理想と現実のギャップに悩みながら書きました。みなさんもぜひ、倫理をキレイゴトで済まさず、その限界と可能性を探求していってください。そのために、私はみなさんをサポートします。

第1回:イントロダクション

  • ゼミの概要と自己紹介

  • 担当者決め

  • アイスブレーク(商品企画プレゼン)

第2回:倫理学の基本を学ぶ1

  • 係決め

  • 児玉聡『功利主義入門−はじめての倫理学』、ちくま新書、2012年。第1章「倫理と倫理学についての素朴な疑問」。

第3回:倫理学の基本を学ぶ2

  • 児玉聡『功利主義入門−はじめての倫理学』、ちくま新書、2012年。第2章「功利主義とは何か」。

  • 御子柴善之『自分で考える勇気:カント哲学入門』、岩波ジュニア新書、2015年。第3章「<善く生きる>って難しい?『実践理性批判』を読む」前半1節から3節(92頁)まで。

第4回:倫理学の基本を学ぶ3

  • 御子柴善之『自分で考える勇気:カント哲学入門』、岩波ジュニア新書、2015年。第3章「<善く生きる>って難しい?『実践理性批判』を読む」後半4節から6節まで。

  • アイスブレーク(自分のキーワード3つ紹介)

第5回:倫理学の基本を学ぶ4

  • 伊勢田哲治『動物からの倫理学入門』、名古屋大学出版会、2008年。第七章7-3「徳倫理学」前半7-3-1(徳倫理学の基本的な考え方)から7-3-2(徳のいろいろ)、286頁まで。

  • 後半7-3-3(ケアの倫理)から7-3-4(徳と共同体)まで。

  • 配布資料:杉本俊介「コラム0-1 功利主義と義務論」、大庭弘継・高橋良輔(編)『国際政治のモラル・アポリア』、ナカニシヤ出版、2014年6月30日、5-6頁。

第6回:持ち寄りでディスカッション1

  • 「生命倫理学:世界初の「頭部移植手術」を実施へ!!」、Exciteニュース、2015年4月14日。

  • 秋元ひろと【ルール】、川本隆史・須藤訓任・水谷雅彦・鷲田清一(編)『マイクロ・エシックス:小銭で払う倫理学』、昭和堂、1993年、186-189頁。

  • 浜下昌宏【いじめ】、川本隆史・須藤訓任・水谷雅彦・鷲田清一(編)『マイクロ・エシックス:小銭で払う倫理学』、昭和堂、1993年、6-9頁。

第7回:持ち寄りでディスカッション2

  • 「「私は11月1日に死にます」尊厳死を選んだ29歳の女性は、どうしてここまで前向きに人生を語れるのか」、The Huffington Post、2014年10月15日。

  • 「「ロボットカーは乗員をどこまで守る?」AIが倫理ジレンマに遭遇したらどう判断させるかの研究結果」、Engadget Japan、2015年10月28日。

  • 「生体肝移植、再開の矢先...死亡の男性「1%に賭けたい」」、『朝日新聞』、2015年6月5日。

第8回:持ち寄りでディスカッション3

  • ドーピング、「ロシア「メダルは国力」「勝利のために手段を選ばない文化」旧ソ連時代の国威発揚復活」、産経ニュース、2015年11月10日。

  • 浜野喬士「動物倫理はカニバリズムを認めるかー人間と動物をめぐる諸問題」、YOMIURI ONLINE、2012年2月13日。

  • 宮本顕二「今こそ考えよう 高齢者の終末期医療:欧米になぜ、寝たきりはいないのか」、ヨミドクター、2012年6月20日。

第9回:ここまでのまとめ。レポートの書き方とレポート課題(卒論のための練習)

  • 配布資料

  • 英語の記事も読んでみる:Peter Singer "Volkswagen and the Future of Corporate Honesty", The Japan Times, Oct 11, 2015.

第10回:グループでプレゼンテーションを行なう。4グループ(4人か5人)に分かれて、テーマ決め。

  • プレゼンテーションとは何か(中野美香『大学生からのプレゼンテーション入門』、ナカニシヤ出版、2012年。)

  • 先輩のプレゼンテーションを見る

  • 準備

第11回:準備のつづき

第12回:プレゼンテーション

  • JR福知山線脱線事故

  • 企業に罪は問えるのか?ーJR福知山線脱線事故から10年

  • 食品偽装ー阪急阪神ホテルのエビの食品偽装について

  • 「日本人お断り」

第13回:準備

第14回:プレゼンテーション、アゲイン

第15回:総論