論理学入門(京都学園大学,2012年度)

授業評価アンケート

講義概要

論理学の初歩を学ぶ。論理学では、話が矛盾しているとか整合的だというのが厳密に言えばどのようなことなのかを明らかにし、矛盾したものと整合的なものを区別する方法を見いだす。また、正しい論証とは何か、正しい論証とそうでない論証とを区別することも目指す学問でもある。

話が矛盾しているかどうか、論証が正しいかどうか、を見きわめることは、文系・理系にかかわらず、さまざまな勉強をするときに役立つことである。講義では、論理学の初歩的なテクニックを身につけることを目標にする。

教材(テキスト)なし、各講義でプリントを配布する。

教材(参考文献)

・野矢茂樹『論理学』東京大学出版会,1994年.

・戸田山和久『論理学をつくる』名古屋大学出版会,2000年.

※その他の参考文献については、授業中に適宜指示する。

教材(その他)

適宜プリントを配布する。

評価方法

平常点(10%)出席状況等による。確認テスト(20%) 定期テスト(70%)

到達目標

論理学の初歩的なテクニックを身につけ、論理的思考力を養う。

準備学習

各講義の最後に次の講義のための準備学習を指示する。

受講者への要望

受講者の理解度に合わせて授業を進めたいので、講義に積極的に出席するように心がけてください。

遅刻や私語を厳禁とします。

定期テストに加え、よりやさしい確認テストを実施します。

講義の順序とポイント

第1回:はじめに:論理学の3つの側面(妥当性・矛盾・論理的真理)

第2回:集合・関係とは何か

第3回:関数、妥当性・矛盾・論理的真理

第4回:同上

第5回:シンタクス(文法)とセマンティクス(意味論)

命題論理のシンタクス

第6回:命題論理のセマンティクス(1)真理表・論理式の真理値分析

第7回:命題論理のセマンティクス(2)解釈とは何か、妥当性・矛盾・論理的真理の定義

第8回:論理形式とは何か

第9回:命題論理で日本語を形式化する:日本語で妥当性・矛盾・論理的真理

第10回:述語論理のシンタクス

第11回:述語論理で日本語を形式化する

第12回:述語論理のセマンティクス(1)構造とは何か

第13回:述語論理のセマンティクス(2)割り当てとは何か

第14回:述語論理のセマンティクス(3)充足関係と真理の定義

妥当性・矛盾・論理的真理の定義

第15回:命題論理の自然演繹(1)

第16回:命題論理の自然演繹(2)

第17回:同上(スライドによる推論規則の復習)

第18回:述語論理の自然演繹(1)

第19回:述語論理の自然演繹(2)

第20回:同上

第21回:セマンティクスとシンタクスの結びつき:健全性と完全性

第22*回:日本語を形式化するときの注意点:述語記号の項数と存在措定

第23*回:述語論理で日本語を形式化する:『不思議の国のアリス』

第24*回:同一性記号を導入する(1)シンタクスとセマンティクス

第25*回:同一性記号を導入する(2)=I, =E

第26*回:確定記述句とテスト対策(1)

第27*回:ラッセル・パラドクスとテスト対策(2)

ラッセル・パラドクスに対する反応として直観主義論理を紹介するのは適切ではない(直観主義論理でもラッセル・パラドクスが生じるから)というご指摘を矢田部俊介氏から頂きました。「反応」を「解消」あるいは「解決」と受け取るかどうかにもよりますが、

直観主義論理でもラッセル・パラドクスが生じるということは指摘すべき重要な点でした。

第28*回:テスト対策(3)

第29*回:同上

第30*回:同上

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