哲学(長浜バイオ大学,2012年度)
哲学(木)4時限目15:10-16:40
■科目概要・内容
1.授業の概要と目標:
哲学とは、何でも根拠を問いただし、できるだけ筋を通して納得するやり方を探す学問です。この意味で、哲学は、何事も直感や気分で済まそうとせず、慎重に考えることをわたしたちに求めます。しかしながら、そこで扱われる問題の多くには解答がありません。おそらく、みなさんにとって答えが出ない問題を学校で考える最初の機会になるでしょう。本講義は、答えのない問題について、慎重に、しかし積極的に考えてゆく能力を養うことを目的にします。そのため、受け身の姿勢でいることは許されません。自発的・積極的に取り組むことを求めます。
講義の後半では、「科学とは何か」という問いを前半で学んできた哲学的な視点から探ってゆきます。
2.学生の到達目標: 答えのない問題について、慎重に、しかし積極的に考えてゆく能力を養う。
■授業計画(各回の授業内容)
1.イントロダクション:哲学とは何か
2.この世界は本当に存在するのか
3.他人に心があるとどうやってわかるのか
4.心は脳にあるのか
5.ことばの意味はどこにあるのか
6.物理法則に従った世界のなかで自由であるとは何か
7.何が正しいことで不正なことか
8.平等や公平とは何か
9.死は悪いものか
10.人生の意味とは何か
11.ここまでのまとめ
----「科学とは何か」を哲学的に考えてみる ---
12.科学の正しいやり方とは何か――進化論と創造科学
13.科学は昔から科学だったのか――天文学と占星術
14.目に見えないものも存在するのか――電子と超能力
15.科学と社会の関係――西洋近代医療と代替医療
■授業方法
講義形式とする。毎回の講義内容をまとめた資料を配布する。
■授業外学習の指示
1.具体的な指示:毎回の授業の最後に課題を提示するので、「講義の配布資料」や授業で紹介した参考文献を用いながら課題に挑戦してみてください。
2.必要な時間:およそ10分〜30分
■成績評価方法等
学期末試験の得点によって評価する(90%)。出席率、時折行なわれる講義中の質疑応答やアンケートなどを加点のための調整点(10%)として用いることにする。
■テキスト
特に指定しない。授業時に資料を配布する。
■参考文献
(前半)トマス・ネーゲル(岡本裕一朗・若松良樹訳)『哲学ってどんなこと?—とっても短い哲学入門–』昭和堂、1993年。
(後半)伊勢田哲治『疑似科学と科学の哲学』名古屋大学出版会、2002年。
■学生からの質問への対応方法
前期木曜日の授業前後、あるいは学内Web上のメールアドレスまで。
■関連項目
■その他履修上の注意事項や学習上の助言
授業中に紹介した参考文献を図書館等で入手し読むと、本講義の理解が深まると思います。