2021年度総合教育セミナーD a(II類)(ビジネスの倫理を考える)
本セミナーで扱うテーマはビジネスの倫理です。経営トップの逮捕、過労死や過労自殺の問題、仮想通貨に関する消費 者トラブル、内部告発者に対する制裁や報復、今なお多くの子どもたちが虐げられている児童労働の問題、など現代は ビジネスにも倫理が強く求められる時代です。こうした時代のなかで、倫理学はいかなる意味をもち、役割を担うので しょうか。
春学期は倫理学、特にビジネス倫理学の基本を楽しく学びます。教科書として、児玉聡『功利主義入門』(ちくま新書、 2012年)を使います。担当者が教科書を要約したものを発表し、グループでディスカッションを行います。また、理解 を深めるために中間レポート課題を出します。後半では、グループに分かれて、ビジネス倫理学に関連するテーマを選 び、そのテーマについて何が問題だと思うか(受講生のレベルに応じてさらに、その問題の解決案)をプレゼンテーシ ョンしてもらいます。プレゼンテーションは互いに評価し合い、ブラッシュアップしたもので2回目のプレゼンテーシ ョンを行います。
秋学期はみなさん一人ひとりの関心に従ってビジネス倫理学のテーマを選び、研究を行います。研究は孤独になりがち ですが、研究の進捗について他の人たちに向けたプレゼンテーションを行い、皆の知恵を出し合って取り組んでいけれ ばと思います。研究の成果物としてレポートを作成します。作成したレポートについては相互に講評し合います。
到達目標として次の三点を挙げます。
ビジネス倫理学の現状と課題を説明することができる(専門知識)。
何でも根拠を問い、筋を通して議論するスキルを身につける(論理的思考力・コミュニケーション力)。
自分の考えをプレゼンテーションや論文を通して他の人に示す(実践的技能)。
春学期
第1回 自己紹介、今後の予定、アイスブレーク
第2回 担当者決め、アイスブレーク
ビジネス倫理学とは何か?(理論編)(リンク)
宿題:功利主義入門の「はじめに」を読んできなさい。
第3回 倫理学の基本を学ぶ(1)
TED:Michael Porter, The case for letting business solve social problems (リンク)
グループワーク用資料
功利主義入門「はじめに」
第4回 倫理学の基本を学ぶ(2)
功利主義入門第1章「倫理と倫理学についての素朴な疑問
前半、後半
第5回 倫理学の基本を学ぶ(3)
第2章「功利主義とは何か」
前半、後半
第6回 ビジネス倫理学を学ぶ(1)
ビジネスの倫理学第4章・第5章
第7回 ビジネス倫理学を学ぶ(2)
第8章・第9章
第8回 フィードバックとレポート課題
参考:新版論文の教室作文ヘタ夫くん
参考:「剽窃について」 アカデミック・スキルズ ©慶應義塾大学教養研究センター
レポート課題:ビジネス倫理のテーマを一つだけ取り上げて、問題提起を行い、肯定意見と否定意見の両方を紹介し、それに答えなさい。その際、受講生2人以上に読んでもらい、そのコメントを記載し、そのコメントに対する返答も書きなさい。
第9回 グループでプレゼンテーション準備(1)
参考:大学生からのプレゼンテーション入門
プレゼン評価シート
第10回 グループでプレゼンテーション準備(2)
第11回補講
第12回 グループでプレゼンテーション準備(3)
第13回 グループでプレゼンテーション本番
1班(ちーむ いち):ペットショップビジネスは許されるか
2班(hydrangea):JTと倫理
3班(いなかもん):広告倫理
その他 まとめ
秋学期
第1回 担当者決め、アイスブレーク
第2回 アイスブレーク、MS Wordの使い方、レポート課題
授業資料
MS Word テンプレート見本
セミナーレポートの採点基準(pdf)
研究計画調書を見せ合う。
研究計画調書の見本(杉本)
宿題:研究計画調書を作成し次回授業までに提出する。
第3回 企業インタビュー の仕方、アンケート調査の仕方
授業資料
研究調査紙(サンプル)
アンケート調査(サンプル)
宿題
第4回 杉本発表
杉本の研究発表「パンデミックの倫理──全体的枠組みと主要な論点の研究状況の概観──」
第5回 研究の進捗についてプレゼンテーション(1)
第6回 研究の進捗についてプレゼンテーション(2)
第7回 研究の進捗についてプレゼンテーション(3)
第8回 研究の進捗についてプレゼンテーション(4)
コンセプトマップ
第9回 フィードバック
第10回 研究の成果発表(1)
第11回 研究の成果発表(2)
第12回 研究の成果発表(3)
先行研究のまとめ方
内容に困ったら
第13回 研究の成果発表(4)
その他 まとめ