哲学(公立南丹看護専門学校,2012年度)

科目名:哲学

授業目標(テーマ及びねらい)

決まった答えがない問題について、慎重に、しかし積極的に考えてゆく能力を養う。

授業の内容(テーマ・スケジュールなどの計画)

哲学とは、何でも根拠を問いただし、できるだけ筋を通して納得するやり方を探す学問です。この意味で、哲学は、何事も直感や気分で済まそうとせず、慎重に考えることをわたしたちに求めます。しかしながら、そこで扱われる問題の多くには模範解答がありません。おそらく、みなさんにとってこうした問題を学校で考える最初の機会になるでしょう。本講義は、決まった答えがない問題について、慎重に、しかし積極的に考えてゆく能力を養うことを目的にします。そのため、受け身の姿勢でいることは許されません。自発的・積極的に取り組むことを強く要求しておきます。

トマス・ネーゲル著『哲学ってどんなこと?—とっても短い哲学入門–』を通して、決まった答えがない問題についてひとつひとつ考えてもらいます。臨床現場で直面しうる問題のなかにも答えが出ないものは多々あります。そのとき自ら考えてゆけるように、講義後半ではより具体的な問題について扱います。

第1回 イントロダクション

Ⅰ.疑うことを通して信じることについて学ぶ

第2回 どうやって私たちは何かを知るのだろうか

第3回 他人の心

Ⅱ.物質的世界とは違うように見える事柄について触れる

第4回 心身問題

第5回 ことばの意味

第6回 自由意志

Ⅲ.倫理を意識する

第7回 正しいことと不正なこと

第8回 正義

Ⅳ.生・死を掘り下げてとらえる

第9回 死

第10回 人生の意味

第11回 総論

Ⅴ.医療について悩んでみる

第12回 患者さんの秘密を守るべきか

第13回 着床前診断

第14回 動物実験

第15回 性別適合手術は許されるか

試験

受講上の注意と評価の方法

出席および学期末の試験で評価します。毎回の講義内容をまとめた講義ノート(資料)を配布します。

教科書・参考書

トマス・ネーゲル著(岡本裕一朗・若松良樹訳)『哲学ってどんなこと?—とっても短い哲学入門–』昭和堂、1993年。

授業アンケート(対象人数39名、回答数39名、無記名式)