2014年度前期公立南丹看護専門学校(哲学)

授業目標(テーマ及びねらい)

人間の哲学思想を通して、社会の成立に不可欠な良識を学び、社会人として価値観の異なる他者との共存のあり方を考える能力を身につけることができるようにすることを目標にします。

授業の内容(テーマ・スケジュールなどの計画)

哲学とは、何でも根拠を問いただし、できるだけ筋を通して納得するやり方を探す学問です。この意味で、哲学は、何事も直感や気分で済まそうとせず、慎重に考えることをわたしたちに求めます。 人間の哲学思想を通して、社会の成立に不可欠な良識を学び、社会人として価値観の異なる他者との共存のあり方を考える能力を身につけることができるようにすることを目標にします。

1.イントロダクション:哲学とは何か

2.この世界は本当に存在するのか(デカルトの方法的懐疑)

3.他人の心(他我問題)

4.心身問題(二元論と物理主義)

5.ことばの意味(意味のイメージ説と指示説)

ここまでの配布資料

6.自由意志(決定論、リバタリアニズム、両立可能論)

7.正しいことと不正なこと(功利主義、義務論、徳倫理)

8.正義(ロールズの正義論、リバタリアニズム、功利主義)

9.死(ネーゲルの剥奪説)

10.人生の意味

11.総論(これまで学んできたことの確認・整理、哲学をもっと学ぶためのアドバイス)

ここまでの配布資料

12.自分で考える(権威・規則に無批判に従わない)

13.創造的に問題を解決する(選択肢を拡げる、問題を立て直す)

ここまでの配布資料

14.二極化してはいけない(その意見のどこが正しいかと問いかける、意見を結びつける)

15.想像力をともなった倫理(想像力を開く、倫理的配慮の範囲を拡げる)

受講上の注意と評価の方法出席等を含め普段の授業態度および学期末のレポートで評価します。毎回の講義内容をまとめた講義ノート(資料)を配布します。

教科書・参考書

教科書:トマス・ネーゲル著(岡本裕一朗・若松良樹訳)『哲学ってどんなこと?—とっても短い哲学入門–』昭和堂、1993年。

参考:アンソニー・ウエストン( 野矢茂樹・高村夏輝・法野谷俊哉訳)『ここからはじまる倫理』 、春秋社、 2004年。