研究紹介:倫理学

現代の英米圏で中心的なアプローチを使って倫理学を研究しています1。倫理学は「道徳哲学」とも言います2

現代英米倫理学は主に以下の三つの分野に区分されます。

・メタ倫理学(metaethics):そもそも道徳なんて存在するのか、なぜ道徳的であるべきか(前提)

・規範倫理学(normative ethics):道徳的に正しい行為とはどういう行為か(理論)

・応用倫理学(applied ethics):実際の状況で何をすべきか(理論の応用や現場での議論)


図:哲学と倫理学の関係をどう捉えるか?ひとつの捉え方3

規範倫理学については こちら(規範倫理学入門) で解説しています。

私はメタ倫理学、規範倫理学、応用倫理学(ビジネス倫理)を相互に関連づけながら研究しています。また、応用哲学として医学の哲学(philosophy of medicine)都市の哲学(philosophy of cityも研究しています。

関連する研究プロジェクト(個人・共同)にも参加しています。

1.メタ倫理学

Why be moral?(なぜ道徳的であるべきか)という問いに答えを出そうと試みています。同時に、Why be moral?を中心的な問いとして現代の倫理学を構築し直そうと試みています。

Why be moral?

主な業績

メタ倫理学

主な業績

2.規範倫理学

功利主義、義務論/カント主義、徳倫理学などを統合する理論の構築を目指しています(詳しくはこちら)。そのため、それぞれの理論を検討しているところです。今は特にビジネス倫理学の観点から検討しています。

功利主義

主な業績


翻訳

義務論/カント主義

主な業績

徳倫理学

主な業績

人生の意味/ウェルビーイング

主な業績

3.応用倫理学:ビジネス倫理

投資倫理(The Ethics of Investing)

これまでの社会的責任投資(SRI)に関する先行研究と現在の「責任ある投資」のあり方を比較しながら、「善くお金を使うとはどういうことか」(そもそもそんな使い方などないのか)を考察しています。

主な業績

企業の道徳的責任

企業の道徳的行為者性(Corporate Moral Agency)や法人処罰の倫理学的根拠の探求を中心に、企業や法人に帰する道徳的責任のあり方を探求しています。

主な業績

広告倫理

広告のあるべき仕方を考察しています。広告倫理研究会をオーガナイズしています。

主な業績

宇宙ビジネスの倫理

宇宙ビジネスの倫理的問題を探っています。京都大学宇宙総合学研究ユニット宇宙倫理学研究会およびSPIRITS学際型プロジェクト「将来の宇宙開発に関する道徳的・社会的諸問題の総合的研究」ELSI班のメンバーです。

主な業績

信頼の研究

経営学での組織的信頼研究をふまえながら、ビジネスにおいて信頼の果たす役割を倫理学的に考察しています。安心信頼技術研究会のメンバーです。

主な業績

4.その他:応用哲学としての医学の哲学と都市の哲学

健康と疾患

健康や疾患とは何かを考察しています。医学基礎論勉強会にも参加しています。

主な業績

パンデミックの倫理学

新型コロナウイルス感染症パンデミックがはじまってから、パンデミックに伴う倫理的問題を考えています

主な業績

都市の哲学

スマートシティなど都市計画・まちづくりのあるべき仕方を考察しています。

主な業績