平成29年3月19日~20日にかけて日本大学生物資源科学部において開催されました園芸学会平成29年春季大会に合わせ、平成29年3月18日にアスパラガス研究小集会を開催し、40名の方々にご参加いただきました。
明治大学大学院農学研究科の蕪野有貴氏とパイオニアエコサイエンス株式会社の松永邦則氏からは新しいアスパラガスの栽培法である「採りっきり栽培」について、開発に至る経緯から現在の普及状況まで丁寧に説明していただきました。
一度の収穫で栽培を終える、短期集中型の新たな栽培法の提案であり、生産者からの注目度も高く、今後の広い普及が期待されています。
香川県農業試験場の池内隆夫氏からはアスパラガスの防除法に関する試験研究結果をご報告いただきました。
アスパラガス栽培の害虫であるネギアザミウマの防除に歩行型のスピードスプレイヤーを用いた試みで、慣行の動力噴霧器を用いた手散布と比較すると薬剤散布の所要時間が大幅に削減され、高い防除効果が得られたとのことです。2条植えで通路幅が広い香川県内のハウス栽培の実態にあった新たな防除法の提案であり、すでに県内の生産圃場において導入が進んでいるそうです。
于海虹氏からは現在、北大農場で実施されている品種比較試験の情報提供をいただきました。
新旧の品種間には明瞭な収量差が認めらており、今後はこの品種間差の要因解析を中心に研究を進めたいとのことで、今後のさらなる研究の進展が期待されます。
小集会終了後、18名の方々にご参加いただき、情報交換会を開催しました。
次回は、北海道で9月1日に開催予定です。