開催報告 世話人 弘前大学農学生命科学部 前田智雄
平成22年度園芸学会春季大会(日本大学)におきまして、アスパラガス研究小集会を開催しました。
お忙しい中ご講演をいただいた茨城大学の成澤先生、国際アスパラガスシンポジウムの報告をいただいた長野県野菜花き試の元木様、九州沖縄農研の渡辺様、またはるばるご参集いただいたみなさまにあらためて感謝申し上げます。
また、小集会とは別になりますが、同日午前には東京で北海道大学主催のアスパラガスに関するセミナーが、ISHS(国際園芸学会)のアスパラガス部会長であるユタ州立大のDrost教授をお招きして開催されました。こちらにてご講演されたみなさま、また参集されたみなさまも大変ご苦労さまでした。
<アスパラガス研究小集会開催報告>
日 時:平成22年3月20日(土) 15:00~17:00
1. 開会挨拶 発起人代表 荒木 肇(15:00~)
2. 講 演、話題提供
アスパラガスにおける最新の話題
講演
「アスパラガス栽培への共生菌利用の試み -生育促進と病害抑制を目指して-」
茨城大学農学部 准教授 成澤才彦
茨城大学の成澤先生から、アスパラガス栽培における共生菌(エンドファイト)の利用に関する研究報告をいただきました。
アスパラガスは永年性作物で、土壌環境によっては深刻な被害が発生することがあり、生育中の土壌改良は困難で、土壌由来の病虫害をどのように回避するかが大きな課題です。その解決策のひとつとして、エンドファイトの活用の可能性についてご講演いただきました。これからの持続可能な農業の発展にも寄与しうる有意義なご報告をいただきました。
話題提供
「第12回 国際アスパラガスシンポジウム(於ペルー)報告」
報告者 長野県 野菜花き試験場 元木 悟
(独)九州沖縄農業研究センター 渡辺慎一
2009年10月末にペルーにて開催された国際アスパラガスシンポジウムに参加されたお二人から、現地視察を中心にご報告いただきました。私もペルーには行きましたが、その生産規模や政府と企業がうまくスクラムを組み、アスパラガスなど輸出品目の生産を拡大することで貧困層の雇用や生活水準の向上や安定に寄与している点が素晴らしいと感じました。
国際アスパラガスシンポジウムに関しては、各国からの注目すべき研究発表などについて次回、本年秋季大会時のアスパラ小集会でどなたかに報告していただこうと考えております。
また、もうひとつの話題提供として、北海道大学大学院の宮坂さんから研究紹介をしていただきました。このように、学生を含めた若手研究者の方にも積極的にご発表をいただけるとありがたいです。
世話人までご連絡いただければ日程を調整いたしますので、遠慮なくお問い合わせください。
3. 議 事
アスパラガスの休眠性解明に関する全国的な試験について
近年伏せ込み促成栽培の生産が拡大するにつれて、アスパラガスの休眠に関してさまざまな議論が活発になってきました。そこで、アスパラガスの休眠について全国の研究者が協力して知見を得ようというプロジェクトがスタートすることになりました。まずは参加各機関は手弁当で基礎的知見を得て、その後詳細な研究についてグラント獲得を目指そうということになりました。
研究内容の詳細については農研機構 野菜茶業研究所 浦上敦子氏にお問い合わせください。連絡先はアスパラガスネット内のFAQページからお願いいたします。
なお、次回は秋季大会(大分)で開催になります。企画は現在検討中です。もし何かご要望があれば世話人までご連絡ください。