ここ数年かなり参加人数が増加し、盛況になってきたアスパラガス研究小集会ですが、今回も予想を超える人数の参加をいただきました。
お忙しい中ご参加いただいた皆様と、貴重な研究データをご報告いただいた演者の皆様にあらためて感謝申し上げます。
1. 特別企画:実用技術開発事業成果発表会
演者 長崎県総合農林試験場 井上勝広氏
「九州におけるアスパラガスの周年安定供給を目指した技術開発の取り組み」
九州地区の産地が一体となって農林水産省の高度化事業に取り組んできた成果報告として企画させていただきました。
九州地区で行われている立茎長期どりは、年間10か月の収穫が可能で反収では世界一のレベルです。今回の事業では更なる収量の安定化技術や、周年生産・供給に向けて残りの2か月を埋めるべく取り組まれた研究成果について発表していただきました。さまざまな研究成果は九州地区のみならず全国の生産者にとってプラスになる技術だと感じました。
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2. 「アスパラガスに関する最近の話題」
講演1 「アスパラガスの発育調節、並びに二価鉄イオン資材の効果」
○奥田延幸1・笹本博彦2・川田和秀1 (1:香川大学農学部、2:愛知製鋼株式会社)
まず香川大学の奥田先生から、アスパラガスの生理生態に関する基礎研究についての報告がありました。地下茎や花芽分化の鮮明な電子顕微鏡写真も紹介していただきました。
また、愛知製鋼笹本氏、川田氏からは、二価鉄イオンが植物の生長に与える影響と、アスパラガスに二価鉄イオンを含む農業資材を施用した際の効果について報告がありました。
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講演2 「伏せ込み促成アスパラガスの1年半(夏まき短期)株養成法」
群馬県中山間地園芸研究センター 小泉丈晴
小泉氏からは、群馬県で開発された、アスパラ伏せ込み栽培の1年半株養成法について報告がありました。冬期間に播種・育苗をする1年株法よりも省力的で、収量や規格も良いということで今後他府県でも導入が進むのではないかと考えられます。
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2009年園芸学会春季大会でもアスパラ小集会の開催を予定しております。みなさまのご参加をお待ち申し上げます。