「ホワイトアスパラガス伏せ込み促成栽培における雌雄株の収量特性」

Productive Differences between Male and Female Plants in White Asparagus Production Using the Rootstock-planting Forcing Culture Technique (2016年3月)

Atsuko Uragami, Reiichirou Ueno, Atsushi Yamasaki , Kentaro Matsuo, Takayuki Yamaguchi, Hideo Tokiwa, Tamio Takizawa, Hiroaki Sakai, Takao Ikeuchi, Shin-ichi Watanabe, Kuninori Matsunaga, Miyuki Kunihisa, Hiroaki Kitazawa and Satoru Motoki.,Productive Differences between Male and Female Plants in White Asparagus Production Using the Rootstock-planting Forcing Culture Technique.The Horticulture Journal Preview doi: 10.2503/hortj.MI-115

website: https://www.jstage.jst.go.jp/article/hortj/advpub/0/advpub_MI-115/_article

Abstract

アスパラガス伏せ込み促成栽培は日本で開発され,近年普及が進んでいる.

アスパラガスは雌雄異株で,雄株と雌株の収量関連の特性に差があることが,これまで露地栽培を中心に報告されてきた.伏せ込み促成栽培では,特に太い茎と萌芽の早さが重要な特性であるため,日本で初めての広域連携試験を行って雌雄株の特性を解析した.

本研究では,予め雌雄を判別した定植苗を準備し,北海道から九州までの8か所に送付して栽培を行い,2回の掘り上げ時期を設定して,低温履歴の異なる根株を養成した.育成して掘り上げた根株は,長野県の廃棄トンネル内で伏せ込み促成栽培を行った.

分散分析の結果,根株重,株あたり若茎1本重,早期若茎1本重は雌株の平均値が雄株に比べて有意に高く,株あたり茎数,株あたり早期茎数は雄株の平均値が雌株に比べて有意に高く,萌芽までの日数は雄株で有意に短かった.根株貯蔵根の可溶性固形分含量,株あたり茎重,株あたり早期茎重には雌雄の平均値間に有意差が認められなかった.根株重あたりの茎数および茎重は雄株で高い傾向が認められた.また,雄株は雌株に比べ少ない積算低温量に反応して早く萌芽する傾向が認められた.

本研究で解析されたほとんどの特性の値の範囲は雌雄間で重なっていたが,若茎1本重および早期若茎1本重では雌株の値の範囲が雄株に比べ広かった.