平成20年度春の園芸学会アスパラガス研究小集会は平成20年3月27日,神奈川県伊勢原市の現地生産者ほ場ならびに東京農業大学厚木キャンパス約30名の参加のもと開催されました.
開催にあたりまして快くご支援いただきました神奈川県農業技術センターの皆様に厚くお礼申し上げます.なお、本小集会開催費用の一部は日本アスパラガス研究会からの補助によるものです。
神奈川県アスパラガス生産ほ場視察
神奈川県農業技術センターのご厚意により、伊勢原市のアスパラガス生産者の現地視察を行いました。まず、田村さんの案内で、神奈川県のアスパラガス生産者の多くが販売に活用している直売所の視察を行いました。
直売所はJAの建物と並ぶ敷地内にあり、かなり大規模で、週末には川崎や横浜からも買い物客が訪れるそうで、比較的小規模のアスパラガス生産者はこうした直売所で生産物はすべて売り切ってしまうそうです。生産者に入る売上も市場経由するよりは良い条件のようで、大規模消費地を抱える産地ならではの取り組みは参考になりました。
続いて、伊勢原市の生産者、細野さんの圃場を視察させていただきました。収穫開始間もないということで、盛んに萌芽してきているハウスと、そろそろ萌芽がはじまりつつある露地圃場の視察を行いました。細野さんは神奈川県農業技術センターの現地試験から栽培が本格化にスタートし、試験場、普及員との連携のもと、さらにアスパラ小集会ではおなじみの長野県野菜花き試験場の技術を参考にして栽培を拡大してきているとのことでした。
講演会
講演1 神奈川県農業技術センター 普及指導部 野菜課 田村律子氏
「神奈川県におけるアスパラガス栽培の普及活動」
ハウス長期どり栽培の導入で病害対策と長期安定出荷が可能となり、直売の活用による有利販売も今のところ出来ていることから、今後も栽培は広がりそうです。
講演2 日本貿易振興機構アジア経済研究所 清水達也氏
「ペルーのアスパラガス産業の発展」
世界一の輸出国に躍り出たペルーのアスパラガス産業についてのご講演をいただきました。
ペルーは1980年代から急速にアスパラガス産業が発達し、近年日本でもペルーからの輸入量が増加しており、大変注目されている国です。今回のご講演ではアスパラガスが導入された時期から急速な発展までの経緯紹介の他、現地の写真も多数紹介していただきました。
来年は国際アスパラガスシンポジウムがペルーで開催されます。私を含め、今回の参加者の多くの方がこのシンポジウムに参加し、ペルーのアスパラガスを目の当たりにしたいと感じたことと思います。 貴重なご講演をいただいたお二方に心より感謝申し上げます。
荒木 肇(北海道大学北方生物圏フィールド科学センター)[代表]
前田智雄(北海道大学大学院農学研究院)[世話人]
尾崎行生(九州大学大学院農学研究院)
浦上敦子(農生研機構 野菜茶業研究所)
園田高広(福島県会津農林事務所)
元木 悟(長野県野菜花き試験場)
佐藤達雄(茨城大学農学部)
(連絡先)
【世話人】前田智雄 北海道大学 大学院 農学研究院 園芸学研究室
〒060-8589 札幌市北区北9条西9丁目
電話 011-706-2450、Fax 011-706-4937