第10回IASレポート(2001年9月)

主催

第10回国際アスパラガスシンポジウム組織委員会

共催

新潟大学

国際園芸学会 (ISHS)

園芸学会 (JSHS)

理化学研究所 (RIKEN)

農業技術研究機構 野菜茶業研究所 (NIVTS)

協賛

新潟大学農学部附属フィールド科学教育センター

東北インテリジェンスコスモス振興財団

第10回国際アスパラガスシンポジウムを終えて

第10回国際アスパラガスシンポジウム(8月30日~9月2日、新潟大学)は多くの機関や団体から支援をうけ、無事終了することができました。協力および支援していただいた機関や団体および個人に御礼申しあげます。

シンポジウムには19ケ国から約100名の研究者や生産者が参加し、さらに37名の国内の農業者や技術者が短期間参加しました。シンポジウムでは口頭・ポスター発表あわせて60課題の発表がありました。今回はアジア地域において初めて開催される大会であることや、アスパラガスは我が国の代表的な輸入野菜であることから、中国でのアスパラガス生産、アスパラガスの機能性、収穫後生理と流通、長期立茎栽培の確立と育種およびアスパラガス育種における染色体操作等に関する5課題の招待講演を行いました。

この国際シンポジウムでは、開催期間中に生産地や流通の現場視察ツアーを組み入れることを一つの特徴としていますが、今回も福島県喜多方地域のアスパラガス生産圃場を視察し、経営者からも説明をいただき、現地で意見交換を行いました。さらに、プレおよびポストツアーでは東京大田市場や長野および香川県のアスパラガス生産地(露地と施設)を視察し、それぞれの地域でジョイントミーティングを開催しました。

シンポジウム開催期間中、同伴者として参加される方には日本の文化に親しんでいただく同伴者プログラムを準備し、日本庭園、日本酒の酒蔵、神社や大凧博物館等を見学しました。本プログラムには約20名の参加者がありました。参加いただいた外国人には記念品として「風呂敷」を贈呈いたしました。

外国人のほとんどが帰国されてまもなく、アメリカ合衆国のニューヨークとワシントンDCで悲惨なテロ事件が発生しました。シンポジウム組織委員会は来日の御礼とテロ事件に遭遇していないことを願い、復興を願う書簡を参加者に送りました。

シンポジウムを運営して、このシンポジウムは世界のアスパラガス研究と産業に深く関与していることを実感しました。次回の開催国も立候補が3か国もあり、それぞれが開催方法をアピールし、投票により決定されました。次回は2005年にオランダで開催されることになりました。

シンポジウムの取り組みが、今後の日本国内の植物研究および関連産業の発展に少しでも寄与できれば幸いと考えます。改めて、協力と支援を頂いた機関、民間会社および個人に御礼申し上げます。

シンポジウム組織委員会 委員長 荒木 肇