福島県農業試験場(旧農業試験場)

沿革

福島県農業試験場は、1896年(明治29年)に現在の郡山市小原田に県農事試験場として設置されました。1948年(昭和23年)に現在地に移転し、1961年(昭和36年)に現庁舎が落成しました。現庁舎建設の際には、関係者が募金箱を持って寄付を募り、建設費の半分を賄ったほど、地元から熱い期待を背負ってきました。現在、アスパラガスの品種育成を郡山市の本場育種担当でおこなっています。

福島県のアスパラガス

アスパラガスは水田転換作物として導入され、会津地方で産地が形成されています。以前は春芽の収穫が中心でしたが、最近では立茎栽培による長期どり作型が普及し、夏秋期の収穫も多くなってきました。

アスパラガスの新品種育成について

育種目標

病害抵抗性を有し,全雄性で,品質,食味,収量性に優れた品種を育成する.

これまでの経過

1 遺伝資源収集 10種,27品種,278遺伝資源を収集 1991-2001

2 交配 215組合わせを実施 1996-2001

3 特性検定Ⅰ(茎枯病抵抗性検定) 48交配系統を供試し,選抜系統なし 1997-2001

4 特性検定Ⅱ(萌芽性検定) 143交配系統を供試し,68系統を選抜 1998-2001

5 組合わせ検定 69交配系統を供試し,8系統を選抜 1999-2001

6 生産力検定 7郡交付与系統を供試し,選抜中 2000-2005

7 現地試験 5郡交付与系統を供試し,会津地域4ヵ所で選抜中 2001-2005

8 育種関連試験 県内産地における株腐病の実態調査ならびに抵抗性の品種・系統間差比較

福島県農業試験場のアスパラガス品種育成方法

*は,福島県農業試験場での開発技術

萌芽性検定を行う保冷庫
遺伝資源保存



定植当年苗 マルチは雑草対策
Gijnlim間性個体などを利用した組合せ検定予備試験
UC157の立茎状況
福島農試育成系統の立茎状況 茎の太さがよく揃っている
日本産野生種キジカクシAsparagus schoberioides Kunth
遺伝資源保存状況
下:A品,上:B品 (A品の方が頂部のしまりがよい)
PETボトルを利用した収穫台車
病害接種試験圃 両側の接種株から中央部の検定苗に自然感染させる
福島農試本庁舎と園田研究員