P63 アルミ缶を用いた人工ルビーの合成

要旨

身の回りに多く存在するごみであるアルミ缶から酸化アルミニウムを生成し、そこから価値のあるルビーを人工的に合成することを目指して研究を行った。初めに、フラックス法での合成を行った。純粋な酸化アルミニウムからルビーが合成されたものの結晶はごく小さく、アルミ缶原料の酸化アルミニウムからは合成されなかった。また、純粋な酸化アルミニウムを用いて、加熱後ゆっくり冷却すると脆いが大きな結晶が合成されることを確認できた。次に、酸化アルミニウム生成時にアルミ缶を溶かす水酸化ナトリウムを定量化したところ、アルミニウム以外の水酸化ナトリウムに可溶な物質(亜鉛など)の存在が確認された。そこで硫化ナトリウムを用いた除去を試みたところ少量の沈殿が見られたため、硫化亜鉛として亜鉛を除去できたと考えた。今後は亜鉛の除去を行ったアルミ缶原料の酸化アルミニウムを用いて、緩やかな冷却や焼成、異なるフラックスを用いた合成を行う。

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