現在ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が行われている中で、多くの国がロシアに対して経済制裁を行っている。そこで経済制裁が機能するかどうかは対象の国の経済力によって変化するだろうという仮説を立て、経済制裁に詳しい大学の教授や実際に現地のロシアにいる方々からお話を伺って研究を進めた。その結果、対象国以外の国にも経済的打撃が出てしまうことから完全に経済制裁を行うことはそもそも難しいということが分かった。よって経済制裁自体の直接的な効果はあまりみられないという結論に至った。しかし過去の事例や現在のロシアによるウクライナ侵攻の例から経済制裁の定義や効果の判断基準などを明らかにすることができた。ならば私たちは経済制裁が経済的、政治的に与えるデメリットも考えた上で経済制裁をどの程度、どのように行っていくべきかを検討すること、また経済制裁以外に抑止力になるものはないのかを考えていくことが重要だと考える。