和牛の繁殖経営を行う農家にアンケート調査を行ったところ、「発情発見」や「発情回帰」など、母牛に関する課題が多く挙げられた。そこで本校では、母牛に血液生化学検査を実施し、内面把握を行うこととした。その結果、総コレステロールやビタミンA、β-カロテンなどが基準値よりも低いということが分かったため、飼料管理の改善を実施した。これにより、発情回帰の早期化や発情徴候が明瞭化され、分娩間隔の短縮に成功し、一定の経済効果が認められた。私たちはこの結果を地域の和牛繁殖農家へ普及すべく、JA全農福島や県北家畜衛生保健所などと協力し普及活動を行った。実際に飼養管理を改善した農家でも同様の結果が得られ、定着化を図ることができた。今後は、子牛の生産数増加による飼育環境の課題点について、さらに研究を進めていく。