日本では2020年7月からレジ袋の無償提供が規制されているが、環境配慮型素材へと代替をはかるべく、バイオプラ等の環境配慮型レジ袋は有償化義務化の対象外となっている。この規定を設けた理由のひとつとしては、全面的に有料化した場合、製造業者が受ける影響が大きいという指摘を受けたことが挙げられる。この省令を受けて、多くの小売業者がバイオプラ製レジ袋を採用し、素材の代替は進んだ。しかし、石化由来プラより高額なバイオプラをわざわざ採用しているのにも関わらず、この例外規定が利用されることは少なく、ほとんどが有償提供となった。レジ袋依存度の高い中小零細企業が多いレジ袋製造業界では、有償提供が広がってレジ袋需要が大幅に減少した結果、業績が悪化し、多くの雇用が失われた。環境保護は人類にとって喫緊の課題である。だからこそ、政策が適切に作用しているか、雇用の安定との兼ね合いも含めて検討する必要があるだろう。