昨今の社会問題のひとつに、未婚率の上昇やDINKs の増加による少子化がある。主な原因は低賃金と出産によるキャリアへの悪影響だ。内閣府が行ったアンケートでは、結婚しない理由について約30%の人が「お金が無いから」と回答し、子供を持たない理由についても、60%を超える人が「お金が無いから」と回答している。また「自分の仕事に差し支えるから」と回答した人も20%近くいた。そこで、解決の糸口は子育て世代(30~40代)における労働環境の改善にあるのではないかと考えた。しかし、それが企業に負担になってしまうものであれば継続できない。今回は、資金面等の理由から大企業と同様の福利厚生が難しく、かつ労働者の大半が勤める中小企業に焦点を置き、中小企業診断士の方による講義や各省庁のデータを元に、子育て世代(30~40代)の労働者にとって理想の労働環境とはどのようなものなのか、労働者と企業の両者が現在抱える問題は何かを考える。