日本ではヤングケアラーが孤立する状況にある。一方、ヤングケアラー支援先進国のイギリスでは法律や地域・学校での支援制度が整っている。そこで,「日本でも学校での支援体制を整えれば,ヤングケアラーの孤立を防げるのではないか」という仮説を立てて、研究を行った。研究手法はアンケート調査とヤングケアラーについてのセッションへの参加である。研究を通して、ケアラーと周囲の人々の認識の差が、ケアラー社会的孤立を生んでいる事が分かった。ケアラーは「かわいそう」「苦しそう」というを持たれたくないと感じているが、周囲の人々はそのイメージをもってしまっている。実際、福高生の約9割がヤングケアラーにマイナスイメージを持っていることがアンケート調査から明らかになった。これらの事から、今の日本ではヤングケアラーへの支援よりも周囲の人々に適切な理解を広める事を最優先すべきだという結論に至った。