検証46
本ページで検証するサイトはいずれも金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者の登録リストに該当が見つかりません。日本居住者に対して勧誘が行われれば違法な無登録業者ということになります。本ページで検証するサイトは全て日本語表示に対応していて日本人を標的にしているのは確実ですし、少なくとも一部のサイトについては日本人に向けた勧誘、被害報告が確認されています。
削除の解除の再検討をお願いします。→ 雑記0
このサイトは最近、ニュースで頻繁に報道されているいわゆるSNS型投資詐欺、非常に被害者が多い中国系の詐欺グループと戦っているサイトです。このブログを削除 (閲覧不能) にしているのは詐欺グループに味方するも同然です。プラットフォーム企業としての社会的責任を考慮して頂けるよう配慮をお願いします。特にこのページで検証したサイトは2024年3月現在で全て何の告知もなく閉鎖されています。まともな投資サイトだったとは思えませんし、本ページ削除の意味がありません。
▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1
「検証13」、「検証14」、「検証15」、「検証16」、「検証17」、「検証18」、「検証19」、「検証20」、「検証21」、「検証22」、「検証23」、「検証24」、「検証25」、「検証26」、「検証27」、「検証28」、「検証29」、「検証30」、「検証31」、「検証32」、「検証33」、「検証34」、「検証35」、「検証36」、「検証37」、「検証38」、「検証39」、「検証40」、「検証41」、「検証42」、「検証43」、「検証44」、「検証45」に続いて中国系の詐欺グループによる可能性があるサイトについての検証34ページ目です。「検証47」、「検証48」、「検証49」、「検証50」、「検証51」、「検証52」、「検証53」、「検証54」、「検証55」、「検証56」、「検証57」、「検証58」、「検証59」、「検証60」、「検証61」、「検証62」、「検証63」、「検証64」、「検証65」、「検証66」、「検証67」、「検証68」、「検証69」、「検証70」、「検証71」、「検証72」、「検証73」、「検証74」、「検証75」、「検証76」、「検証77」、「検証78」、「検証79」にも続編があります。勧誘の手口などについては「検証13」の冒頭を参照してください。このページで検証するのは以下のサイトです。検証項目は順次追加の予定です。
●Grand Global Markets Limited (グランドグローバルマーケッツリミテッド http://grandgloballtd.com/jp)
●GLO Finance (GLOファイナンス https://www.glofinance.net/)
●INGFX (http://jp.ingfxgroup.com/)
●Hamen Prime Limited (ハメンプライムリミテッド https://jp.hamenprime.com/)
●Toff Super Market Ltd (Toffスーパーマーケットリミテッド http://www.toffsuper.com/index2)
●Allin Capital Market Limited (Allinキャピタルマーケットリミテッド https://www.allinltd.com/index2)
●Allin Capital Market Limited (Allinキャピタルマーケットリミテッド https://www.zxgfox.com/index2)
●Skyam Invest Ltd (Skyamインベストリミテッド http://skyamltd.com/jp)
まず以下の3つの互いによく似ているサイトを検証します。
●Grand Global Markets Limited (グランドグローバルマーケッツリミテッド http://grandgloballtd.com/jp)
●GLO Finance (GLOファイナンス https://www.glofinance.net/)
●INGFX (http://jp.ingfxgroup.com/)
最初のグランドグローバルマーケッツのサイトは「検証33」で検証したSHUN YUEN LIMITED (SHUN YUENリミテッド http://shunyuenltd.com/jp) というサイトと同じIPアドレス (43.229.115.234) 上にあるサイトとして見つかってきたサイトで2番目のGLOファイナンスと3番目のINGFXはグランドグローバルマーケッツのサイトからの画像検索で見つけてきたサイトです。画像検索で見つかってきてから調べて判明しましたが2番目のGLOファイナンスもグランドグローバルマーケッツやSHUN YUENリミテッドと同じIPアドレスを共有しているようです。
とにかく3つのサイトの冒頭部のキャプ画像を以下に順に示します。
▼グランドグローバルマーケッツリミテッド [表示言語:日本語、英語、中国語、ロシア語]
▼GLOファイナンス [表示言語:日本語、英語、香港語]
▼INGFX [表示言語:日本語、英語、ドイツ語、香港語、韓国語、スペイン語]
全く同じというわけではありませんが互いに明らかに似ています。暗くてよく分かりませんが背景になっている風景画像 (?) も同じ画像のようですし、「信頼出来るブローカーと取引する」とか「多くの国で5,000,00以上の顧客から信頼されています。」という文言も共通しています。ここで詳しくは後述しますが「5,000,00以上の顧客」は「50万人以上の顧客」ではなく、「500万人以上の顧客」の間違いだと思われます。
さらにこれら3つのサイトが互いに似ているのはこの冒頭部だけではありません。例えば以下はサイトの特長を7項目あるいは9項目にまとめて説明している部分の比較です。ここでも3つのサイトからのキャプ画像を表題と同じ順 (グランドグローバルマーケッツリミテッド → GLOファイナンス → INGFX) で示します。
項目数が最後のINGFXの場合のみ2つ増えていますがこの部分でも3つのサイトは互いに明らかに似ています。また以下はトレーディングソフトのメタトレーダー5について説明している部分でここでも3つのサイトからのキャプ画像を表題と同じ順 (グランドグローバルマーケッツリミテッド → GLOファイナンス → INGFX) で並べていますが、互いに全く違いが見つかりません。
また3つのサイトに共通して存在する「私たちに関しては」という項目の中にある文章の一部を以下に示します。ここでも3つのサイトからのキャプ画像を表題と同じ順 (グランドグローバルマーケッツリミテッド → GLOファイナンス → INGFX) で示します。
これだけ長い文章で3つのサイトの記述は全く同じです。特に「2009年設立」、「500万人以上の顧客」、「600人以上の経験豊富な金融専門家」「196ヵ国からのトレーダー」「25以上の安全な支払方法」といった具体的な数字の部分まで完全に一致しているのは異様です。これらの数字が信頼出来るようには思われません。特に設立年度や顧客数などについてはまた後述することにします。
次に3つのサイトで連絡先情報を探しましたが殆ど開示されていません。まずグランドグローバルマーケッツリミテッドの場合ですがわずかにメールアドレスが1つあるだけです (以下のキャプ参照)。
ところが2番目のGLOファイナンスの場合は左下のキャプに示したように連絡先情報が記されていると思われる部分は存在するものの具体的な連絡先情報は何もありません。一方で表題3番目の場合には右下のキャプに示したようにメールアドレスだけ記されています。
メールアドレスの情報をまとめておきます。
グランドグローバルマーケッツリミテッド: support@grandgloballtd.com
GLOファイナンス: 記載なし
INGFX: admin@ingfxgroup.com
連絡先情報がこれだけでは話にならないので例によって各サイトのWho Is 情報を確認しました。まずグランドグローバルマーケッツリミテッドのサイトのWho Is 情報を以下に示します。
まず黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日は2021年12月29日になっています。この検証は2022年1月上旬に書いているので半月も経過していない新しいサイトということになります。そして赤枠で囲った部分にある登録者の情報を以下にまとめます。
登録者名: William PITE
所属機関: Grand Global Markets Limited
所在地: イギリス・ロンドン
電話番号: +44.8456086363
メールアドレス: axing721@gmail.com
住所はイギリスのロンドンとだけ記されています。電話番号もイギリスの国番号である[+44]から始まっています。メールアドレスが記されていますが無料登録できるgmailのアドレスです。
次にGLOファイナンスのサイトのWho Is 情報を示します。
黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日は2021年10月15日になっています。開設から半月も経過していないグランドグローバルマーケッツリミテッドのサイトほどではありませんが、このサイトも開設から3ヵ月未満という新しいサイトということになります。そして以下には赤枠で囲った部分にある登録者の情報をまとめます。
登録者名: liguo yuan
所属機関: GLO FINANCE LIMITED
所在地: 中国・北京? カンボジア?
電話番号: +855.15663060
メールアドレス: cctj9999@gmail.com
ここに記されている連絡先情報は不可解です。住所の「City (都市)」という欄に「Bei Jing」と書いてあってこれは中国の北京としか思えないのですが「Postal Code (郵便番号)」が「10000」となっています。中国の郵便番号は5桁ではなく、6桁のはずです。さらに「Country (国)」という欄にはKHと書いてあってこれはカンボジアを意味すると思われます。そして電話番号も[+855]というカンボジアの国番号から始まっています。カンボジアに「Bei Jing」という市があるのかと思って検索してみましたが見つかりません。メールアドレスは無料登録できるgmailのアドレスです。
最後はINGFXのサイトのWho Is 情報を示します。
黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日は2021年11月3日です。やはりかなり新しいサイトです。そして赤枠で囲った部分に電話番号とメールアドレスのみ記されています。
電話番号: +86.17600000000
メールアドレス: wtg_fx@163.com
電話番号は中国の国番号である[+86]から始まっています。しかしゼロが8個も続く電話番号が実際に使われているのかどうか疑問です。メールアドレスも中国のポータルサイトである網易 (ネットイース) が提供している「@163.com」というフリーメールのアドレスであり、中国との結び付きが示唆されます。
Who Is 情報を見ても開示されている情報は充分とは言い難いですし、そもそも3つのサイトは同じグループによるサイトとしか思われないのに連絡先がイギリス、中国、カンボジアとバラバラというのは異様です。これだけの情報を並べると逆にどの情報も信用出来ないことが分かるだけということになってしまいます。
但しいずれのサイトも非常に新しいサイトであることは共通しています。また各サイトへのアクセス状況を調べてみるといずれも非常に新しいサイトであるだけに当然かもしれませんが非常にアクセスが少ないことが判明しました。以下にアクセス状況を解析できるサイトで調べた3つのサイトへのアクセス状況解析結果を順に示します。
いずれのサイトでも1日当たりの独立訪問者数、月間アクセス数といった数字が検出限界以下です。とてもではありませんが各サイトに共通して存在する「2009年設立」、「500万人以上の顧客」、「600人以上の経験豊富な金融専門家」「196ヵ国からのトレーダー」といった記述は事実とは思えません。
さらにWho Is 情報でグランドグローバルマーケッツリミテッドの所在地がイギリスになっていたことから例によってイギリスの法人登録にこれらのサイトに対応すると思われる法人登録が存在しないか探してみました。するとグランドグローバルマーケッツリミテッドだけでなく、3つのサイト全てについて対応すると思われる法人登録が見つかってきました。以下に順に示します。
▼グランドグローバルマーケッツリミテッドのものと思われる法人登録 (法人登録番号:13820956)
法人登録の日付は2021年12月29日です。これはサイトのWho Is 情報にあったサイトの登録・開設日と完全に一致しています。業種も金融関係となっています。そして住所は以下のようになっています。
>4d Salisbury Road, Weston-Super-Mare, Somerset, United Kingdom, BS22 8EW
これは「検証13」以降の一連の中国系と思われる詐欺サイトの検証で頻繁に登場している住所です。具体的には以下のサイトに対応するイギリス法人が同じ住所で法人登録されています。
「検証18」 Linkhumインベストメントリミテッド → 法人登録
「検証20」 JINGERグローバルリミテッド → 法人登録
WEIKE → 法人登録
「検証23」 キャメルファイナンシャルリミテッド → 法人登録
パットンセキュリティーズリミテッド → 法人登録
サウスセンチュリーグループリミテッド → 法人登録
アルトマンファイナンスインベストメント → 法人登録
「検証28」 CMMCIセキュリティーズインフォメーションカンパニーリミテッド → 法人登録
プラスマーケットリミテッド → 法人登録
MISNEAグローバルリミテッド → 法人登録
YUMグループグローバルリミテッド → 法人登録
EGMフォレックス → 法人登録
SAENマーケッツリミテッド → 法人登録
セントラルコーリションセキュリティーズ → 法人登録
「検証45」 KAIHERグローバルリミテッド → 法人登録
「検証48」 ETHERマクロキャピタルリミテッド → 法人登録
「検証57」 UNERNEYグローバルリミテッド → 法人登録
さらに以下で検証しているSkyamインベストリミテッドについても対応すると思われるイギリスの法人登録の住所が同じ住所です。これ以外にもかなり多くの法人が同じ住所で登録されており、オフショア会社などを利用した架空住所の疑いが濃厚です。そしてこの法人登録の経営者情報のページに示されている経営者はHUANG, Fenglinという中国国籍、中国在住の人物です。
そしてこの人物の中国の住所が記されています。
>No.805, District 1,Dongsheng New City, Shangsan Road, Cangshan District, Fuzhou City, Fujian Province, China, 350007
この住所は中国の福建省福州市倉山区(そうざん-く) という地域の住所のようです。
▼GLOファイナンスのものと思われる法人登録 (法人番号:13679512)
法人登録の日付は2021年10月14日になっています。上に示したWho Is 情報でサイトの登録・開設日は2021年10月15日となっていましたから1日違いでしかありません。業種も金融関係になっています。この法人登録がここで検証しているGLOファイナンスのサイトに対応しているものである可能性は高いと考えます。そしてこの法人登録の住所は以下のようになっています。
>Floor 1, Office 25, 22 Market Square, London, United Kingdom, E14 6BU
この住所は初めて見る住所でしたがイギリスの法人登録情報を調べてみるとこの住所でやはり非常に多くの法人が登録されているようです。また本サイトで検証しているサイトに対応すると思われるイギリスの法人登録でしばしば同じ住所が法人登録上の住所とされているようです。
「検証77」:USDCインベストメントリミテッド → 法人登録
また「検証60」で検証しているニュージーランドビジョンズ (https://www.nz-visions.com/index.htm) のサイトに記されている所在地住所が部屋番号まで全く同じ住所であることが分かりました。この住所にGLOファイナンスが実在するかどうかは非常に怪しいです。
そしてこの法人登録の経営者情報のページで経営者とされているのは以下のキャプに示しましたがやはり中国国籍、中国在住のMEI, Shengliangという人物になっています。
この人物の中国の住所は以下のようになっています。
>Huangtuling Community,, Intersection Of Dehua Road And Jiulian North Road,, Huangtuling Community, Shili Street,, Lianxi District, Jiujiang City, Jiangxi Province,, China, 332900
この住所は中国の江西省九江市濂渓区(れんけい-く)十里街道という地域の住所のようです。
▼INGFXのものと思われる法人登録 (法人番号:13718924)
法人登録の日付は2021年11月2日とやはり新しく、サイトのWho Is 情報に記されていたサイトの登録・開設日、2021年11月3日と1日ずれているだけです。業種も金融関係になっていてこれがここで検証しているINGFXのサイトに対応する法人登録である可能性は高いように思われます。そしてこの法人登録の住所は以下のようになっています。
>Apartment 1804 55 Upper Ground, London, England, SE1 9EY
この住所は「検証13」以降の一連の中国系と思われる詐欺サイトの検証の中で対応すると思われるイギリスの法人登録上の住所として何度も登場している住所と同じです。具体的には以下のサイトに対応すると思われる法人登録上の住所がこの住所になっています。
「検証27」 AREインターナショナルフォレックス → 法人登録
「検証48」 BOLONI CREATET FXカンパニーリミテッド → 法人登録
Kraemfxトレーディングカンパニーリミテッド → 法人登録
「検証50」 ロフティーフォレックスリミテッド → 法人登録
アクチュアリーフォレックスグローバルリミテッド → 法人登録
「検証51」 DACLANDキャピタルリミテッド → 法人登録
INTERVATE キャピタルマネージメント → 法人登録
「検証54」 ウィルターマネジメントリミテッド → 法人登録
MokFXグローバル → 法人登録
さらに以下で検証しているハメンプライムリミテッドについても対応すると思われる法人登録の住所として同じ住所が登場しています。そしてこの住所には調べてみるとSOUTHBANK TOWER (https://www.southbanktower.com/) という高層ビルがあるようですが、「Apartment 1804」という部屋に何があるのかは不明です。しかし一連の中国系と思われる詐欺サイトの検証で既に4回目の登場、さらにイギリスの法人登録情報をこの住所で検索するとやはり非常に多くの法人がこの住所で登録されているようでやはりオフショア会社などを利用した架空住所の可能性を疑わざるを得ません。そしてこのINGFXのものと思われる法人登録で経営者情報のページを見ると以下に示した中国国籍、マレーシア在住のCHIA, Kong Shinという人物が経営者として登録されています。
残念ながらこの経営者のマレーシアの住所は公表されていないようです。
以上、3つのサイトに対応すると思われる3つの法人登録を調べてみましたがいずれもWho Is 情報にあるサイトの開設日と法人登録の日付がほぼ一致しており、法人登録の業種が金融関係、経営者はいずれも中国国籍であるなどイギリスの法人登録は名目上だけのもので「検証13」以降で検証してきた一連のサイトと同様に実際に運営しているのは中国系の組織ではないかと思われます。
これらのサイトについていずれも開設されてから間がないということもありますが、これらのサイトでの投資を勧誘されたとか出金出来なくなったといった証言が確認されているわけではありません。しかしこれらのサイトの記述には到底事実とは思われない部分が多い、金融ライセンスも確認出来ない、イギリスに法人登録があるが中国系の組織によって運営されている可能性が高いなどといった点から考えてこれらはやはり危険な詐欺目的のサイトである疑いが濃厚と考えます。これらのサイトでの投資勧誘を受けても絶対に応じないことを強く推奨します。
※付記
Yahoo知恵袋にINGFXでの被害事例と思われる投稿が出てきました。
INGFXで取引してしまうことになった経緯は不明ですが出金しようとしたところ所得税20%として追加入金を求められたということのようです。税金分を追加入金するなんて有り得ませんし、これはまさに中国系と思われる詐欺グループによる詐欺の手口と合致します。
●Hamen Prime Limited (ハメンプライムリミテッド https://jp.hamenprime.com/)
上で検証したINGFXと同じIPアドレス (47.75.113.220) 上にあることで見つかってきたサイトです。また後述しますがイギリスの法人登録上の経営者がINGFXの法人登録上の経営者と同一人物のようです。つまり組織的にもINGFXと繋がりがあるようです。まずサイト冒頭のキャプ画像を示します。
表示言語の選択肢は英語、日本語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、香港語の6つになっています。以下は取引対象の説明のようです。日本語訳がおかしくて意味がよく分からない部分があります。
英語表示にして比較したりすることで例えば「索引」はどうやらインデックス (株式指数) を意味するらしいことなどが分かりました。もっと分からなかったのが「最小で広がる0.0pips」という部分ですがどうやら「広がる」はスプレッドを意味しているらしいことが分かりました。つまり「最小で広がる」はスプレッドが小さいという意味のようです。外国為替 (FX) に加えて株式指数、貴金属、商品 (コモディティ)、株式、暗号通貨 (仮想通貨) が取引できるということになっています。
次に連絡先情報を探しましたが殆ど開示されていません。住所とか電話番号は見当たらず、経営者情報や金融ライセンスに関する情報もありません。わずかに右にキャプ画像を示しましたが脚注部分にメールアドレスだけ記されています。
>admin@hamenprime.com
それ以外に右のキャプの一番下にFacebook、TwitterなどSNSのアイコンが4つ並んでいてしかも「フォローする」と書いてあるのでハメンプライムのSNSアカウントへのリンクになっているように見えますが実際にはいずれもこのハメンプライムのサイト自体にリンクされていてクリックしても何処にも繋がりません。見せかけだけのリンクです。
他に「会社概要」というページが存在するのですが記されているのは連絡先情報などではなく、どれほど歴史があり、事業規模が大きくて信頼出来る金融機関なのかという主張です。例えば会社概要のページの冒頭には以下のような記述があります。
>2015年の設立以来、Hamen Primeは、業界をリードするグローバルなマルチアセットオンライン取引サービスプロバイダーに成長しました。
さらに以下にキャプを示しましたが2015年の設立以来、口座数 (顧客数) が拡大し続けているといったことが書いてあります。2021年時点での口座数は12万以上となっています。
しかし2015年からの事業実績とか12万人以上の顧客といった記述は信頼出来るかどうか極めて疑問です。まず以下にハメンプライムのサイトのWho Is 情報を示します。
上のキャプでまず一番上に登録者であるHAMEN PRIME LIMITED (ハメンプライムリミテッド) のメールアドレスと電話番号が記されています。
>wtg_fx@163.com
>+86.17600000000
メールアドレスは「163.com」というドメイン名になっており、これは中国のネット関連企業・網易(ネットイース) が提供するフリーメールのアドレスです。また電話番号は [+86] という中国の国番号から始まっています。こうした情報からは登録者が中国人である可能性が当然考えられます。但しゼロが8個も続く電話番号が実際に使われているかどうかは疑問です。そして上のWho Is 情報で黄色の枠で囲った部分が問題です。サイトの登録・開設日が2021年10月8日になっています。上に示した2015年設立というサイトの記述と明らかに矛盾しています。
さらにサイトへのアクセス状況を調べてみると以下のキャプに示したように1日当たりの独立訪問者数とか月間の訪問者数といった数字が全て検出限界以下になっています。
とてもではありませんが2015年からの実績があり、12万以上の顧客を抱えているFX業者とは思えません。またそもそもハメンプライムの名称やURLアドレスをそのままGoogle検索に掛けても検索結果はせいぜい20件程度しか出てきません。12万人もの顧客がいるとはやはり到底思えません。しかし一方でハメンプライムを検索することでイギリスにハメンプライムのものと思われる法人登録があることが分かりました。以下に見つかってきたハメンプライムのものと思われる法人登録を示します。
この法人登録の日付は2021年9月30日となっていてサイトのWho Is 情報に記されていたサイトの開設日 (2021年10月8日) と8日ほどしか離れていません。業種は金融関係になっています。そして住所が以下のようになっています。
>Apartment 1804 55 Upper Ground, London, England, SE1 9EY
これは上で検証したINGFXのものと思われる法人登録の住所と同じ住所であり、さらに「検証13」以降の一連の中国系と思われる詐欺サイトの検証で検証対象とした複数のサイトで同じ住所が法人登録上の住所として登場しています。具体的にこの住所を法人登録上の住所としているサイトについては上のINGFXの項目を参照してください。それ以外にもかなり多くの法人が部屋番号まで同じ住所で法人登録しているようであり、この住所に何があるのかは不明ですがオフショア会社などを利用した架空住所の可能性が濃厚と考えます。
そしてこの法人登録で経営者情報のページを見ると以下のキャプに示したCHIA, Kong Shinというマレーシア国籍、中国在住の人物が唯一の経営者になっています。
そしてこのCHIA, Kong Shinという経営者は上で検証したINGFXに対応するイギリスの法人登録で経営者となっていた人物と名前、マレーシア国籍で中国在住、1971年3月生まれという情報が一致しており、同じ人物と思われます。つまり本項の最初に書いたようにハメンプライムは上で検証したINGFXと法人登録上の住所が一致するだけでなく、経営者が同一人物と思われます。またこれも本項の最初に書きましたがハメンプライムはそもそもINGFXと同じIPアドレス上にあるサイトとして見つかってきたサイトです。INGFXとハメンプライムはサイトの見かけは互いに似ているようには思われませんが、同じ組織によるサイトである可能性が極めて濃厚だと思われます。
また連絡先などの情報開示は明らかに不適切ですし、開業の時期とか顧客数など事実とは認められない記述も多いです。当然ながらハメンプライムは信頼できるサイトとは思われません。このサイトでの投資を勧誘されたとか入金したら出金出来なくなったという情報は確認されていませんが極めて危険なサイトと思われるので投資勧誘を受けても決して応じないようにするべきです。
●Toff Super Market Ltd (Toffスーパーマーケットリミテッド http://www.toffsuper.com/index2)
●Allin Capital Market Limited (Allinキャピタルマーケットリミテッド https://www.allinltd.com/index2)
●Allin Capital Market Limited (Allinキャピタルマーケットリミテッド https://www.zxgfox.com/index2)
最初のToffスーパーマーケットリミテッドのサイトは「検証33」で検証したSHUN YUEN LIMITED (SHUN YUENリミテッド http://shunyuenltd.com/jp) や上で検証したGrand Global Markets Limited (グランドグローバルマーケッツリミテッド http://grandgloballtd.com/jp)、GLO Finance (GLOファイナンス https://www.glofinance.net/)、INGFX (http://jp.ingfxgroup.com/)、Hamen Prime Limited (ハメンプライムリミテッド https://jp.hamenprime.com/) といったサイトと同じIPアドレス (43.229.115.234) 上にあるサイトとして見つかってきたサイトです。表題2番目、3番目のAllinキャピタルマーケットリミテッドという名称のサイトはToffスーパーマーケットリミテッドからの画像検索で見つかってきたサイトなのですが、調べてみるとこれら2つのサイトもToffスーパーマーケットリミテッドなどと同じIPアドレス上にあるサイトのようです。つまり本項で検証する3つのサイトも上で検証している4つのサイトとIPアドレスを共有していておそらくは同じグループによるサイトです。尚、3番目のAllinキャピタルマーケットリミテッド (https://www.zxgfox.com/index2) は存在を確認してから検証を書くまでの間、2022年の1月末から2月上旬に閉鎖されたようです。残しておいたキャプ画像を頼りに検証を書くことになるので不充分な検証になるかもしれません。
まずこれら3つのサイトの冒頭部のキャプを順に示します。
説明するまでもなく3つのサイトは互いに非常によく似ています。表示言語の選択肢も英語、日本語、ロシア語、香港語で共通しています。キャプでは活字が小さくて分かりにくいですが、上の3つのキャプ画像の左上の部分にメールアドレスが記されています。そのメールアドレスを以下に書き出しておきます。
Toffスーパーマーケットリミテッド:support@toffsuper.com
Allinキャピタルマーケットリミテッド (https://www.allinltd.com/index2):support@allinltd.com
Allinキャピタルマーケットリミテッド (https://www.zxgfox.com/index2):support@allinltd.com
URLアドレスが異なる2つのAllinキャピタルマーケットリミテッドのサイトに記されているメールアドレスは全く同じです。メールアドレスが同じとなれば運営元は同じとしか思われませんが、なぜ2つのサイトが存在するのか意味不明です。
さらにこれら3つのサイトが互いに非常によく似ているのはこのサイト冒頭部だけではありません。例えば以下はサイトの特長を3項目にまとめて説明している部分の比較です。3つのサイトからのキャプ画像を表題と同じ順で並べてありますが、全く同じに見えます。
さらに以下はマルチプラットフォーム対応を説明する部分の比較です。これも3つのサイトからのキャプ画像を表題と同じ順で並べてありますが互いに全く同じに見えます。
さらに以下はトップページの一番下にあるサイトの自己紹介的な部分のキャプの比較です。右側のテキスト部分にToffスーパーマーケットリミテッド、Allinキャピタルマーケットリミテッドの違いは分かりますが、2番目、3番目の2つのAllinキャピタルマーケットリミテッドのサイトの比較ではこの部分でも全く区別出来ません。
次に各サイトで連絡先情報を探しましたがいずれのサイトでもサイトの冒頭左上に示されていたメールアドレス以外に情報がありません。そこでまず各サイトのWho Is 情報を確認しました。まず以下が最初のToffスーパーマーケットリミテッドのサイトのWho is 情報です。
黄色の枠で囲った部分にあるサイトの登録・開設日は2021年10月21日となっています。この検証を書いている2022年2月上旬の時点で4ヶ月にも達していない新しいサイトです。そして赤枠で囲った部分にあるサイトの登録者に関する情報を以下にまとめて書き出します。
登録者名: lin jia
登録者所属機関: Toff Super Market Ltd
所在地: 香港?台湾?
電話番号: +86.13020131111
メールアドレス: anqi.la372859304@yahoo.com
この連絡先情報は滅茶苦茶です。所在地は「hk (香港)」「TW (台湾)」という記述が並んでいてさらに電話番号は[+86] という中国本土の国番号から始まっています。明らかに矛盾しています。そしてメールアドレスはYahooのフリーメールのアドレスです。信頼出来る情報とは全く思えません。
次はAllinキャピタルマーケットリミテッド (https://www.allinltd.com/index2) のWho Is 情報を示します。
黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日は2022年1月11日でこの検証を書いている時点で開設からまだ1ヶ月にも満たない非常に新しいサイトであることが分かります。そして上のToffスーパーマーケットリミテッドの場合と同様に赤枠で囲った部分にある登録者の情報を以下にまとめます。
登録者名: han jinlong
登録者所属機関: Allin Capital Market Limited
所在地: シドニー? シンガポール?
電話番号: +86.13028327***3
メールアドレス: hanbaobao6501@gmail.com
ここに書かれている情報もやはり異様です。所在地はまずSydneyと書いてある部分がありますがこれはオーストラリアのシドニーを意味しているように思います。しかし一方でSGとも書いてある部分もあってこれはシンガポールを意味しているとしか思えません。そして電話番号はまたしても[+86] という中国本土の国番号から始まっています。明らかに矛盾しています。さらにメールアドレスは無料登録できるgmailのアドレスです。信頼出来る情報とは全く思えません。
最後は既に閉鎖されてしまったAllinキャピタルマーケットリミテッドのサイト (https://www.zxgfox.com/index2) のWho Is 情報です。
黄色の枠で囲った部分を見るとこのサイトは2021年1月28日に登録・開設されています。開設から1年ほど経過したところで閉鎖されたことになります。そして赤枠で囲った部分にある登録者に関する情報は以下のようになっています。
登録者所属機関: ZADA XMAS GLOBE MARKETS LIMITED
所在地: イギリス・ロンドン
サイト名と登録者の所属機関名が全く異なります。そして上の同名のサイトを含む2つのサイトと運営元は同じとしか思われないのに所在地は上の2つのサイトの所在地とは全く異なるイギリス・ロンドンになっています。これらWho Is 情報にある記載も到底信用は出来ません。
そこで「検証13」以降で検証している一連の中国系と思われる詐欺グループによるサイトの多く、特に上で検証した同じIPアドレス上の4つのサイトについて対応するイギリスの法人登録が見つかっていることから本項で検証している3つのサイトについてもイギリスの法人登録を調べてみました。すると予想通り、3つのサイトの全てについて対応すると思われるイギリスの法人登録が見つかってきました。
まずToffスーパーマーケットリミテッドのものと思われる法人登録を示します。
法人登録の日付は2021年10月26日となっており、上で示したWho Is 情報に記されているサイトの登録・開設日、2021年10月21日と5日しかずれていません。業種も金融関係となっていて矛盾がありません。そしてこの法人登録の住所は以下のようになっています。
>71-75 Shelton Street, Covent Garden, London, United Kingdom, WC2H 9JQ
この住所は初見ですが検索すると1st Formations Limited (https://www.1stformations.co.uk/) というオフショア会社の住所に一致することが分かりました。以下はそのオフショア会社のサイトのキャプ画像です。
法人登録は12.99ポンドから請け負うと書いてあり、さらに (1年につき39ポンドで) 住所も用意するとなっていて上のキャプの右下、赤枠で囲った部分にこのオフショア会社が提供する住所が示されています。この住所はまさに上に示したばかりのToffスーパーマーケットリミテッドのものと思われる法人登録の住所と一致します。これは架空住所で間違いないでしょう。
さらにイギリスの法人登録で経営者情報のページを見ると経営者となっているのは以下のキャプに示しましたがWEIJUN, Xiaという中国国籍、インド在住という人物になっています。
この人物のインドの住所
>Flat 1104, Tower A, Sarvodaya Apartment,, Gujarat, Vadodara, India, 390011
はインド西部のグジャラート州、ヴァドーダラーという都市の住所のようですが、グジャラート州という州の名称とヴァドーダラーという都市の名前の順序が逆になっていて違和感があります。いずれにしろイギリスの法人登録にはあまり意味があるとは思えません。
次は2つのAllinキャピタルマーケットリミテッドのサイトに対応すると思われる法人登録を以下に示します。
まず法人登録の日付は2021年12月24日です。Allinキャピタルマーケットリミテッドという2つのサイトのWho Is情報に記されていたサイトの開設日は以下のようになっていました。
Allinキャピタルマーケットリミテッド (https://www.allinltd.com/index2):2022年1月11日
Allinキャピタルマーケットリミテッド (https://www.zxgfox.com/index2):2021年1月28日
このAllinキャピタルマーケットリミテッドのものと思われる法人登録の登録は表題2番目のAllinキャピタルマーケットリミテッド (https://www.allinltd.com/index2) のサイトの開設に伴うものではないかと思われます。2021年1月に開設されて既に閉鎖されている表題3番目のAllinキャピタルマーケットリミテッド (https://www.zxgfox.com/index2)の方はURLアドレスとかWho Is 情報の記載から考えるとWho Is 情報の登録者所属機関として記されていた「ZADA XMAS GLOBE MARKETS LIMITED (ZADA クリスマスグローブマーケッツリミテッド)」という名称で立ち上げられ、その後、Allinキャピタルマーケットリミテッドに改称したという可能性が考えられます。
Allinキャピタルマーケットリミテッドのものと思われる法人登録に戻りますが法人登録上の住所は以下のようになっています。
>222 Skipton Road, Keighley, England, BD20 6AA
この住所も検索してみましたがGoogle ストリートビューでこの住所を見るとイギリスでテラスハウスと呼ばれる2階建ての集合住宅の一角であることが分かりました。このストリートビューの画像が撮影された2021年7月の時点でこの住所のテラスハウスには売り物件を示す「For Sale」という不動産屋の看板が出ています (以下のキャプ画像参照)。
この住所に現時点で誰が入居しているのかは分かりませんが、このテラスハウスにFX業者が実在するとは考えにくいです。これも架空住所の可能性を疑わざるを得ません。
さらにこの法人登録の経営者情報のページを見ると以下のキャプに示しましたがDESHENG, Gongという中国国籍、イギリス在住の人物とISHTIAQ, Kashifというパキスタン国籍、イギリス在住の人物が共にDirector (社長) という肩書で経営を担っていることになっています。
次にAllinキャピタルマーケットリミテッド (https://www.zxgfox.com/index2) のWho Is 情報に出てきた「ZADA XMAS GLOBE MARKETS LIMITED」という法人についても相当するイギリスの法人登録がないか探してみました。するとやはり「ZADA XMAS GLOBE MARKETS LIMITED」のものと思われる法人登録が出てきました。以下にキャプを示します。
この法人登録を見るとまず業種が金融関係になっていて矛盾がありません。そして法人登録の日付は2021年1月28日になっており、これはAllinキャピタルマーケットリミテッド (https://www.zxgfox.com/index2) のWho Is 情報に示されていたサイトの登録・開設日である2021年1月28日と完全に一致しています。やはり既に閉鎖された方のAllinキャピタルマーケットリミテッドのサイト (https://www.zxgfox.com/index2) は当初は「ZADA XMAS GLOBE MARKETS LIMITED」という名称のサイトであった可能性が高いように思われます。「www.zxgfox.com」というURLアドレスが「ZADA XMAS GLOBE」の頭文字に一致しているのも偶然ではないでしょう。そしてこの法人登録の住所は以下のようになっています。
>Unit G1, Capital House 61 Amhurst Road, London, United Kingdom, E8 1LL
この住所は「検証13」以降の一連の中国系と思われる詐欺グループによる詐欺サイトの検証で出てきたイギリスの法人登録でしばしば出てくる住所です。具体的には以下のサイトに対応すると思われる法人登録でこの住所が登場しています。
グリーンスタンウエルス → 法人登録
IDFパワーウエルス → 法人登録
「検証27」 Bsusdfes Investmen Ltd → 法人登録
「検証28」 Carrodセキュリティーズカンパニーリミテッド → 法人登録
「検証29」 Loowire グローバルリミテッド → 法人登録
「検証34」 グリーンスタンウエルスリミテッド → 法人登録
カウトレーディングウエルスリミテッド → 法人登録
DBAYEマーケット → 法人登録
CoWosホールディンググループリミテッド → 法人登録
「検証50」 Visenoキャピタルリミテッド → 法人登録
「検証53」 エリートストラテジーコーポレーションリミテッド → 法人登録
BULUTUN → 法人登録
POOPAC → 法人登録
「検証59」 Poipexマーケットリミテッド → 法人登録
アイコニックマネジメント → 法人登録
さらに本サイトの姉妹サイトである「仮想通貨(暗号通貨)を辛口評価」の「検証95」で検証しているやはり中国系と思われる詐欺グループによる詐欺サイトの疑いが濃厚なPLASMAORACLE (プラスマオラクル) という仮想通貨取引所のサイトに対応すると思われるPLASMA ORACLE GLOBAL LIMITEDの法人登録 (会社番号 13430842)でもこの住所が法人登録上の住所として登録されています。部屋番号まで同じ住所が繰り返し使われているということはこの住所がオフショア会社などを利用した架空住所である疑いを強く示唆するものと考えます。
それからこの法人登録の「Filling History」というページを見るとこの法人登録の住所は以下のキャプに示したように2021年8月3日付で変更になっていることが分かります。
住所変更以前の住所は以下のようになっています。
>275 New North Road London N1 7AA United Kingdom
この旧住所も「検証13」以降の一連の検証で何度か登場している住所です。具体的には以下のサイトのイギリスの法人登録上の住所が全く同じ住所になっています。
「検証15」:ETHBTC インベストメントリミテッド → 法人登録
「検証16」:Hui Deli グローバルリミテッド → 法人登録
「検証18」:ETHBTC インベストメントリミテッド → 法人登録
さらにこの住所はこれらのサイトの検証でも指摘しましたがN1 Mailboxというバーチャルオフィス業者の拠点の住所に一致します。架空住所の疑いが濃厚です。
そしてこの法人登録の経営者情報のページを見ると途中で経営者が交代しており、新旧2人の経営者が記されています。
現在の経営者はWANG, Tianという中国国籍でアメリカ在住、2021年1月28日の法人登録時から2021年9月29日まで経営者だったAHMED, Spencerは中国国籍でスペイン在住となっています。但し前経営者の名前「AHMED, Spencer」は中国系の名前のようには思えません。
本項で検証した3つのサイトについては投資を勧誘されたとか出金出来なくなったといった証言が確認されているわけではありません。しかしこうして調べてみるとやはり「検証13」以降で検証してきた中国系と思われる詐欺グループによる詐欺目的で立ち上げられたサイトの一角である可能性が濃厚です。これらのサイトでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。
●Skyam Invest Ltd (Skyamインベストリミテッド http://skyamltd.com/jp)
このサイトも「検証33」で検証したSHUN YUEN LIMITED (SHUN YUENリミテッド http://shunyuenltd.com/jp) というサイトと同じIPアドレス (43.229.115.234) 上にあるサイトとして見つかってきたサイトです。すなわち上で検証した以下の5つのサイトともIPアドレスを共有していることになります。
▼Grand Global Markets Limited (グランドグローバルマーケッツリミテッド http://grandgloballtd.com/jp)
▼GLO Finance (GLOファイナンス https://www.glofinance.net/)
▼Toff Super Market Ltd (Toffスーパーマーケットリミテッド http://www.toffsuper.com/index2)
▼Allin Capital Market Limited (Allinキャピタルマーケットリミテッド https://www.allinltd.com/index2)
▼Allin Capital Market Limited (Allinキャピタルマーケットリミテッド https://www.zxgfox.com/index2)
さらに「検証48」で検証している以下のサイトも同じIPアドレス上にあります。
▼ETHER Macro Capital Limited (ETHERマクロキャピタルリミテッド https://ethermacrocapital.com/)
とにかくサイト冒頭のキャプ画像を以下に示します。
表示言語の選択肢は上のキャプの右上に並んでいる日本語、香港語、英語の3つです。但し日本語に対応しているのはトップページのみでサブページは香港語あるいは英語のみのようです。この冒頭部に続いては取引対象を説明する部分が出てきます。
取引対象は「外貨」「バルク品」「株価」「先物」「暗号通貨」の5項目になっています。2番目の「バルク品」の意味が分かりませんが英語表示にしてみると「Commodities」となっていますから原油先物などを意味するものと思われます。
さらにこの続きを見ていくと自動売買とかMAM口座に関する説明が出てきます。
自動売買に用いられるEA (Expert Adviser) を提供するとか強力な遅延のないサーバーを使っているといったことが書いてありますが、提供しているEAでどれほどの実績が出ているのかといった具体的な情報は示されていないようですし、最初に説明した通り、Skyamインベストリミテッドのサイトは複数の似たようなFX業者のサイトとおそらくレンタルサーバーを共有しているような状況ですからこれらの記載がどれほど信頼できるかどうかはかなり疑問です。
そしてこのサイトの見かけはこれまで検証してきたサイトのいずれにも似ているようには思われません。サイトにある幾つかの画像を画像検索に掛けて似たようなサイトがないか探してみましたが、特にSkyamインベストリミテッドのサイトに似たサイトは見つかりません。しかし他のサイトと似ている部分がないわけではありません。以下はこのSkyamインベストリミテッドの口座開設申し込みのページのキャプ画像です。
この口座開設画面のみですが中国語、香港語、英語、日本語、韓国語、タイ語、ベトナム語の7ヵ国語に対応していることが分かります。そしてこの口座開設画面は他の幾つかのサイトの口座開設画面と非常によく似ています。例えば以下は上で検証し、本項の最初で説明したようにSkyamインベストリミテッドのサイトと同じIPアドレス (43.229.115.234) 上にあることが確認されてているサイトの1つであるAllin Capital Market Limited (Allinキャピタルマーケットリミテッド https://www.allinltd.com/index2) のサイトの口座開設申し込みのページのキャプ画像です。説明するまでもなく、Skyamインベストリミテッドの口座開設申し込みのページと非常によく似ています。右側のプルダウンメニューに見える表示言語の選択肢も中国語、香港語、英語、日本語、韓国語、タイ語、ベトナム語の7ヵ国語で同じです。
さらに以下はやはりIPアドレス (43.229.115.234) をSkyamインベストリミテッドのサイトと共有していることが確認されており、「検証48」で検証しているETHERマクロキャピタルリミテッド (https://ethermacrocapital.com/) の口座開設申し込みのページのキャプ画像です。
これもまたSkyamインベストリミテッドやAllinキャピタルマーケットリミテッド (https://www.allinltd.com/index2) のサイトの口座開設申し込みのページと明らかに似ています。表示言語の選択肢は英語、日本語、韓国語、タイ語、ベトナム語、香港語の6言語となっていてSkyamインベストリミテッドやAllinキャピタルマーケットリミテッド https://www.allinltd.com/index2) の場合と比べると中国語に対応していないという違いがありますが、やはり到底偶然とは思われないほどに互いに酷似しているのは間違いないでしょう。
同様に以下のサイトの登録画面が本項で検証したSkyamインベストリミテッド (http://skyamltd.com/jp) の登録画面と似ていて同じテンプレート由来としか思われません。
「検証27」 gsfx (https://kraewd.com/en)
「検証27」 AUSグローバルリミテッド (https://ausglobald.com/)
「検証27」 Auricマーケッツリミテッド (https://auricvip.com/jap)
「検証33」 SHUN YUENリミテッド (http://shunyuenltd.com/jp)
「検証33」 WMグローバルフォレックスリミテッド (https://www.tradingpointuk.com/jp)
「検証34」 Kwillowインターナショナルリミテッド (https://www.kwillow.net/)
「検証42」 ビッグアンクルリミテッド (https://www.biggloballtd.com/ja.html)
「検証48」 ETHERマクロキャピタルリミテッド (https://ethermacrocapital.com/)
「検証48」 Starekcoリミテッド (https://www.starekco.com/jp)
「検証48」 ビッグアンクルリミテッド (https://biggloballimited.com/jp)
「検証48」 Carrod セキュリティーズカンパニーリミテッド (https://carrodsecurities-ltd.com/jp)
「検証60」 Xinkeリミテッド (https://xinkelimited.com/jp)
「検証60」 Huixinリミテッド (https://www.huixinlimited.com/jp)
「検証60」 カウトレーディングウエルスリミテッド (https://www.cowtradingvip.com/jp)
「検証61」 Arakaフィンテックリミテッド (https://arakaltd.com/jp)
「検証61」 リライアンスキャピタルマーケッツリミテッド (https://reliancecapitalltd.com/jp)
「検証61」 Ludaマーケッツリミテッド (https://www.ludamarkets.com/jp)
「検証62」 トレーディングウェブ (https://www.tradingwebpro.com/jap/index)
「検証62」 GMWリミテッド (https://www.gmw-limited.com/jp)
「検証62」 IGグローバルリミテッド (https://igglobal.co/jap/index)
「検証62」 コンセプトリミテッド トレードMT5 (https://newconcept-fx.com/index3.html)
「検証63」 LANLASAKI (https://www.lanlasaki.com/)
「検証63」 FUCIIリミテッド (https://fucsfx.com/zh-hk/)
「検証66」 FTIコーポレーション グローバル (https://www.fticorporationsglobal.com/jp)
「検証66」 ARLTインベストメン トリミテッド (https://www.arltinvestmentltd.com/)
「検証68」 外為ファイネスト (https://www.gaitamefinestltd.com/)
「検証68」 RHトレード (https://rhtradefx.com/jap/index)
「検証68」 Kaerm IM (https://www.kaermim.com/jap/index)
「検証68」 Tongliウェルスインコーポレーション (https://www.tongliwealth.com/jap/index)
「検証68」 BLOOMSマーケッツリミテッド (https://www.blmforex.com/jap/index)
「検証70」 YIDUGJ グローバルリミテッド (https://www.yidugj.com/)
「検証71」 CVNマーケッツ (https://www.cvnmarkets.com/jap/index1.html)
「検証71」 CATマーケッツ (https://cat-market.com/jap/index1.html)
「検証71」 Enog (https://www.enogltd.com/jap/index1.html)
「検証71」 Xチャーター (https://www.xcharterltd.com/jap/index1.html)
「検証71」 Xチャーター (https://xchanfx.com/jap/index1.html)
「検証75」 Weastarグローバルマーケッツリミテッド (https://weastartop.com/jp/)
「検証78」 Lioppa グローバルマーケットリミテッド (https://www.lioppafx.com/)
「検証79」 DASANGJ (https://www.dasangj.com/jp)
「検証79」 ファーストトレード (https://fasttradeltd.com/int/jp/index.html)
「検証79」 DCNフォレックス (https://www.dcnfex.com/int/jp/index.html)
「検証79」 YZZキャピタル (https://yzzcapital.com/int/jp/index.html)
これらのサイト自体はSkyamインベストリミテッドのサイトと必ずしも似ているわけではありませんが、登録画面だけでも同じテンプレート由来の可能性があるとなれば、やはり同じグループによるサイトの可能性が高いものと考えざるを得ません。これらのサイトが単に偶然IPアドレスを共有しているのではないということも意味していると考えます。
次にSkyamインベストリミテッドのサイトで連絡先情報を探しましたが殆ど開示されていません。唯一開示されているのは以下に示したメールアドレスのみです。
>support@skyamltd.com
これだけでは話にならないので「Skyam Invest Ltd」を検索してみると「検証13」以降で検証してきた一連の中国系と思われる詐欺サイトでしばしば見つかる対応すると思われるイギリスの法人登録が見つかりました。以下がSkyam Invest Ltdに対応すると思われるイギリスの法人登録のキャプです。
法人登録の日付は2021年11月9日です。そして住所は以下のようになっています。
>4d Salisbury Road, Weston-Super-Mare, Somerset, United Kingdom, BS22 8EW
これは「検証13」以降の一連の中国系と思われる詐欺サイトの検証で頻繁に登場している住所であり、例えば上で検証したグランドグローバルマーケッツリミテッドのサイトに対応すると思われる法人登録でも同じ住所が法人登録上の住所になっています。この住所を法人登録上の住所としているそれ以外のサイトのリストはグランドグローバルマーケッツリミテッドの検証を参照してください。
さらにこの法人登録の経営者情報のページを見ると以下に示したWENG, Shoumiaoという中国国籍、中国在住の人物が唯一の経営者として登録されています。
住所は中国の福建省漳州市 (しょうしゅう-し) 薌城区 (きょうじょう-く) という地域の住所のようです。やはりSkyamインベストリミテッドのサイトも中国系のグループによるサイトの疑いが濃厚です。
さらに例によってサイトのWho Is 情報を確認しました。以下にキャプを示します。
まず黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日は2021年11月10日となっています。上に示したSkyam Invest Ltdに対応すると思われるイギリスの法人登録の法人登録の日付が2021年11月9日ですから1日しかずれていません。やはり上に示した法人登録はここで検証しているサイトに対応するものである可能性が高いと考えます。またイギリスのこの検証は2022年2月下旬に書いているので開設から3ヵ月を経過したばかりというかなり新しいサイトであることが分かります。上で示したようにSkyamインベストリミテッドのサイトには自動売買システムを提供していることが書いてありますが、どれほどの実績があるかどうかは疑問でしょう。さらに赤枠で囲った部分にある登録者の連絡先情報を以下にまとめて書き出します。
登録者名: wu fanfan
登録者所属機関名: Skyam Invest Ltd
住所: 香港
電話番号: +1.13002211111
メールアドレス: zhenghe2021@gmail.com
登録者名は「wu」という中国系かと思われる名前の人物になっています。そして住所は香港とだけ記されているのですが、電話番号は [+1] というアメリカあるいはカナダの国番号になっています。住所と電話番号が明らかに食い違っています。そしてメールアドレスがここにも記されているのですがこれは無料登録できるgmailのアドレスです。信頼出来る連絡先情報とは到底思えません。
本項の最初に書いたようにこのサイトはこれまで調べてきた中国系の詐欺グループによると思われるサイトを調べてきた過程で同じIPアドレスを共有していることで見つかってきたサイトであり、この検証を書き始めた時点ではこのサイトでの投資を勧誘されたとか、出金出来なくなったといった証言が確認されているわけではありませんでした。しかし、検証を書き終えた直後にYahoo知恵袋に以下の質問投稿が出てきました。
勧誘の経緯がよく分かりませんがとにかくLINEでSkyamインベストリミテッドでのFX投資を勧められ、20万円入金したもののマイナスが続き、残額を出金しようとしたところ10万円以上でないと出金できないという意味の分からない出金拒否を受けたようです。
これはYahooファイナンスの掲示板にLINEのIDが書き込んであって連絡してみるとSkyamインベストリミテッドでの投資を勧誘されるという証言です。個人名義の三井住友の銀行口座に入金するように指示されたということのようです。非常に危険です。
やはりSkyamインベストリミテッドは詐欺目的のサイトであったと考えて間違いないものと考えます。このサイトでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。
この質問の投稿者はさらなる被害を防ぎたいということでどのような経緯で詐欺に遭ってしまったのか説明する動画をYoutubeに投稿しています。
【注意喚起】FX詐欺被害にあってしまいました (詐欺被害を無くそうの会)
きっかけとしてはYahooファイナンスの掲示板に書いてあったLINEのアカウントから引きずり込まれたようです。