検証19
本ページで検証するサイトはいずれも金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者の登録リストに該当が見つかりません。日本居住者に対して勧誘が行われれば違法な無登録業者ということになります。本ページで検証するサイトの少なくとも一部については日本人に向けた勧誘、被害報告が確認されています。
▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1
このページでは「検証13」、「検証14」、「検証15」、「検証16」、「検証17」、「検証18」に続いて中国系の詐欺グループによる可能性があるサイトについての検証7ページ目です。「検証20」、「検証21」、「検証22」、「検証23」、「検証24」、「検証25」、「検証26」、「検証27」、「検証28」、「検証29」、「検証30」、「検証31」、「検証32」、「検証33」、「検証34」、「検証35」、「検証36」、「検証37」、「検証38」、「検証39」、「検証40」、「検証41」、「検証42」、「検証43」、「検証44」、「検証45」、「検証46」、「検証47」、「検証48」、「検証49」、「検証50」、「検証51」、「検証52」、「検証53」、「検証54」、「検証55」、「検証56」、「検証57」、「検証58」、「検証59」、「検証60」、「検証61」、「検証62」、「検証63」、「検証64」、「検証65」、「検証66」、「検証67」、「検証68」、「検証69」、「検証70」、「検証71」、「検証72」、「検証73」、「検証74」、「検証75」、「検証76」、「検証77」、「検証78」、「検証79」にも続編があります。勧誘の手口などについては「検証13」の冒頭を参照してください。このページで検証するのは以下のサイトです。
●A Glance Group (ア・グランス・グループ https://aglance.co/#/index)
●MKJ GLOBAL (MKJグローバル http://mkj.cc/#/index)
●IATFXWELSHI SERVICES (IATFXWELSHIサービシーズ https://iatfxwelshi.com/#/index)
●BMI MARKETS (BMIマーケッツ https://www.bmimarkets.com/#/index)
●Bosco Mental Corporation (BMC, ボスコメンタルコーポレーション https://www.bmc-fx.com/jp/)
●TJV CAPITAL LLC (TJVキャピタル LLC https://ja.tjvy.com/)
●GBT CAPITAL (GBTキャピタル https://ja.gbtfxgroup.com/)
●Asian Custom Corporation (アジアンカスタムコーポレーション https://www.acc-fx.com/jp/)
まず以下の2つの互いに酷似しているサイトをまとめて検証します。
●A Glance Group (ア・グランス・グループ https://aglance.co/#/index)
●MKJ GLOBAL (MKJグローバル http://mkj.cc/#/index)
これらはいずれもYahoo知恵袋に質問投稿が出てきたサイトです。まずア・グランスに関する投稿を引用していきます。
LINEでやり取りしている自称・台湾人女性から勧誘されて日本の仮想通貨取引所で購入したビットコインを勧誘役が指定するア・グランスのサイトに入金して相手の指示通りに取引して資金は増えているが不安になっているという状況で質問したようです。その後、出金を申請したところ出金するには保証金が必要だという意味不明の要求が来たようです。
さらにこの質問投稿には同じサイトに勧誘されている回答者から下のキャプに示す回答が付いており、中国の美女から同じア・グランスのサイトに誘導されているようです。
「友達の中国人」にア・グランスのサイトを紹介されたようですが詳しい説明はありません。質問のリンクにはアフィリエイターのIDと思われる部分が付いており、アフィリエイト報酬目当ての勧誘役が使われているようです。
これは「検証15」のBTCUSDTインベストメント リミテッド の検証でも引用した投稿ですが、マッチングサイトのTinderで知り合った自称・台湾人に勧誘されてア・グランスとBTCUSDTインベストメントの2つのサイトに入金してしまい、出金出来なくなっているようです。
ネットで知り合った身元のはっきりしない人物ではなく、留学時代に知り合った中国人から勧誘されたというケースです。こういう現実での知り合いからも勧誘される事例は珍しいですが、ネットで勧誘を繰り広げるよりもある程度の信用があるだけに成功率が高いということでしょうか。
次は1件だけですが表題2番目のMKJグローバルに関する質問投稿です。
残念ながらなぜこの質問をしているのか説明は全くありません。
とにかくこれら2つのサイトの冒頭部分のキャプをア・グランス、MKJグローバルの順で以下に示します。
左上のロゴとメニューバーの項目が少し違うぐらいで互いに非常に似ています。右上のプルダウンメニューから選択出来る表示言語はいずれのサイトでもフランス語、日本語、英語、香港語、中国語、韓国語の6ヵ国語になっています。
この2つのサイトが互いに似ているのはこの冒頭部だけではありません。例えば以下はコミュニティ取引システムと題して自分でトレードするのではなく、サイト側が用意した実績のあるトレーダーの取引を真似て運用するいわゆるコピートレードのシステムを説明する部分ですが左下のア・グランスと右下のMKJグローバルで全く区別出来ません。
あるいは以下の2つのキャプはサイトの特長を6項目にまとめて説明している部分ですが、これもア・グランスとMKJグローバルのサイトでタイトルに含まれているサイト名以外は全く同じです。
そして2つのサイトに共通して存在する「スマートドキュメンタリー」というタイトルの部分ですが背景画像や説明文など全く同じです。
文章の内容としては外国為替取引 (FX) の専門知識がなくてもサイト側が用意しているトレーダーの取引を真似るシステムを使えばだれでも利益を得られるといったことが書いてあります。これでFX取引を扱っているサイトであることは分かるのですがそれ以外に株価指数、貴金属相場、原油などのコモディティも取引出来ると書いてあるものの例えばFXならどんな通貨ペアが取引可能なのかといった具体的な情報は見当たりませんし、「検証13」以降で検証している中国系の詐欺グループによると思われる一連のサイトに共通しているのですがリアルタイムの相場情報とかチャートが見当たりません。口座を開設してログインすればリアルタイムの相場情報やチャートが出てくるのかもしれませんが相当に違和感があります。
さらに違和感があるのはこれら2つのサイトには連絡先情報とか経営者に関する情報が殆ど見当たらないことです。連絡先情報が記されていそうな項目として「私たちに関しては (About Us)」という項目がありますが記されている情報は非常に乏しいです。まず以下はア・グランスの「私たちに関しては」の記述のキャプです。
この文章では日本語訳は明らかに不自然で意味がよく分かりませんが世界100ヵ国・地域を超える数十万人の投資家を顧客に抱えていると主張し、親会社であるINSTREET INVESTMENT LIMITEDは2013年に設立されておりオーストラリアに本拠があると書いてあります。しかし住所とか電話番号、メールアドレスといった連絡先情報は全く記されていませんし、オーストラリアの法人登録を検索出来るサイトで「A Glance Group」とか「INSTREET INVESTMENT LIMITED」を検索してみましたがそれらしい登録は見つかりません。正確に言うと以下のキャプに示した「INSTREET INVESTMENT LIMITED」という法人の登録は見つかるのですが登録日は2007年12月13日となっていてサイトの2013年設立という記述と合致しません。残念ながらオーストラリアの法人登録情報は無料で開示されている情報が乏しく、これ以上の情報を望むなら有料ということもあって追及は断念しました。
またアクセス状況を解析出来るサイトでア・グランスのサイトへのアクセス状況を調べてみると以下のキャプに示したようにアクセス数が検出限界以下です。数十万人の投資家を顧客に抱えているという主張は全く信用出来ません。
もう一方のMKJグローバルについては「私たちに関しては (About Us)」の記述が日本語表示を選んだ場合でも英語で書かれています (以下のキャプ参照)。また文章の内容もア・グランスの場合と大きく異なっています。
こちらは本拠地に関する情報は何も書かれていません。どこの国の企業なのかさえ全く記されていません。そして最後の行にメールアドレスのみ記されています。
>EMAIL: services@mkj.cc
これは論外でしょう。
そして所在地情報についてはア・グランスのサイトの場合のみですが以下のキャプに示したWho Is情報にわずかな情報があります。
赤枠で囲った部分に登録者とその所在地が記されているのですが殆どの情報がプライバシー保持の為に非公開となっている中で登録機関名が「A GLANCE GROUP LINITED」、所在地が「honkong」という情報だけ開示されています。ア・グランスのサイトに書いてあったオーストラリアの企業という主張と全く一致しません。また黄色の枠で囲った部分にサイトの登録・設立日が2020年11月16日と書かれています。この検証を書いている2021年2月上旬の時点で3ヶ月も経過していない非常に新しいサイトということになり、2013年に親会社が設立されたとか、世界各国の数十万人の投資家を顧客に抱えているといったサイトの主張はやはり信用出来ません。
結論としてこれら2つのサイトは全く信用出来ません。そもそも明らかにコピペで作ったとしか思えない2つの互いに酷似したサイトが存在することが怪しいとしか思えません。またこの検証の最初に引用したYahoo知恵袋の複数の投稿に書かれていた中国系の人物に勧誘された、出金出来ないといった情報からもこれらは中国系の詐欺グループによる詐欺サイトの疑いが極めて濃いです。これらのサイトでの投資を勧誘されても決して応じないことを強く推奨します。
※付記1
2021年3月18日、Yahoo知恵袋に以下のキャプに示した質問投稿が出てきたことでア・グランスのサイトが閉鎖されたことを知りました。
自称・中国の上海在住という女性に勧誘されて1000ドルをア・グランスに入金してしまい、しばらくは順調に資産が増えているように見えたけれどサイトが閉鎖されて回収不能になったということです。
※付記2
ア・グランスやMKJグローバルのサイトに酷似した明らかに同じグループによるサイトが見つかってきました。それが以下で検証しているIATFXWELSHIサービシーズおよびBMIマーケッツというサイトです。そしてIATFXWELSHIサービシーズはイギリスに法人登録があることが判明したのですが、同時にア・グランス・グループの場合にもイギリスに法人登録があってしかもア・グランス・グループとIATFXWELSHIサービシーズの法人登録に出てくる経営者は中国国籍、中国在住の同一人物であることが判明しました。以下にア・グランス・グループの法人登録のキャプを示します。
法人登録の日付は2020年11月10日となっており、サイトの開設日が2020年11月16日になっていましたから時期的に一致します。法人登録上の住所は
>Unit G25 Waterfront Studios, 1 Dock Road, London, United Kingdom, E16 1AH
となっていますがこれは「検証13」以降で検証している一連の中国系の詐欺グループによると思われるサイトでしばしば登場している住所と全く同じであり、以下で検証しているIATFXWELSHIサービシーズやBMIマーケッツの法人登録上の住所ともなっています。他にも本サイトで検証している以下のサイトで同じ住所がサイト記載の住所あるいは法人登録上の住所として登場しています。
「検証13」ゴールド エイト サービシーズおよびXHFXマーケット
「検証14」オールブライトファイナンシャルおよびDarkasマーケッツリミテッド
「検証15」ユナイテッドインターナショナルフォレインインベストメントセンターリミテッド
「検証16」ビクトリーファルコンサービスリミテッド
「検証18」UKフュージョン・インターナショナル、BtcethインベストメントリミテッドおよびビットリンクFXインターナショナルリミテッド
「検証20」KSGリミテッドとDingsheng
「検証21」Odinサービスグループ
「検証22」イーストセンチュリーグループリミテッド、MARVALLE 3THグループリミテッド、ONDERSONおよびクリアリングファルコン
「検証23」センターフォーカスガイドグローバルリミテッド、Antsテクノロジーデベロップメントリミテッド、ゼロリファイングループリミテッド、リードディアカンパニーリミテッドおよびJUNE BOWESデベロップメントグループリミテッド
「検証24」ミリオンhui FXリミテッド
「検証27」アルトマンファイナンインベストメント
「検証29」Ueeインターナショナルリミテッド
「検証30」アクトゴールドリミテッドとVPマーケッツグローバルリミテッド
「検証31」FTFゴールドグローバル、PKGグローバル、BOPグローバルおよびMWHマーケッツリミテッド
「検証32」TIXインベストメントマネージメントリミテッドおよびJIAXINGインターナショナルリミテッド
「検証34」FUNRATS ウエルスリミテッドおよびLEBWAYウエルスリミテッド
「検証35」セレクトグローバル、トレジャーリーフグループリミテッド
「検証39」HNDグローバルリミテッド、ITEグローバルリミテッド、RTSゴールドグローバルリミテッド、SODグローバルリミテッド、インダスゴールドマーケッツリミテッド、YLLグローバルインベスティングリミテッド、BSVグローバルインベスティングリミテッド、KBLグローバル インベスティングリミテッド、FFFAグローバルインベスティングリミテッド、HANグローバルインベスティングリミテッド、TUFマーケッツリミテッド、KBLグローバル インベスティングリミテッド、FFFAグローバルインベスティングリミテッド、HANグローバルインベスティングリミテッド、TUFマーケッツリミテッドおよびパワーファンクションキャピタルリミテッド
「検証40」FOGEEリミテッド (https://www.fogee.net/index21.html)
「検証44」エクセレントリベニューリミテッド
これだけのサイトが同じ住所に同居しているということは到底有り得ないでしょう。この住所にア・グランス・グループの事業実体が存在するとは到底思えません。
法人登録上の事業内容はソフトウエアの開発、IT分野のコンサルティング、データー処理などとなっており、金融関係の事業ではありません。一応はイギリスの金融ライセンスを管理するFinancial Conduct Authority (FCA, 金融行動監視機構)のサイトでA Glance Groupの登録を検索しましたが該当なしという結果になります。そして法人登録の経営者情報を見ると以下のキャプに示した中国国籍、中国在住のCHENG, Gangという1971年7月生まれの人物が経営者になっています。
法人登録時の提出書類を見るとこのCHENG, Gangという人物は100%の株主ともなっており、中国の住所が記されています。
>NO. 72, ZHAITUO VILLAGE, SONGSHAN ROAD, LIUTIAN GEZHUANG TOWN, LULONG COUNTY, QINHUANGDAO CITY, HEBEI PROVINCE, CHINA 066400
これは中国の河北省秦皇島市(しんこうとう-し)盧竜県(ろりょう-けん)という場所の住所のようです。この情報がどれほど信頼出来るかは疑問ですが、ア・グランス・グループの運営はやはり中国に本拠がある可能性が高いと思われます。
ちなみにMKJグローバルについてもイギリスに法人登録が存在しないか探してみましたが該当するような登録は見つかりませんでした。明らかに同じグループの運営と思われるのにイギリスに法人登録があったりなかったりするのは理由が分かりません。
●IATFXWELSHI SERVICES (IATFXWELSHIサービシーズ https://iatfxwelshi.com/#/index)
●BMI MARKETS (BMIマーケッツ https://www.bmimarkets.com/#/index)
これら2つのサイトもYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトで上で検証しているア・グランス・グループおよびMKJグローバルのサイトに極めてよく似ているのでここで検証します。まずこれらのサイトを知ることになったYahoo知恵袋の質問投稿を引用します。
▼2021年3月17日投稿 (IATFXWELSHIサービシーズに関する投稿)
あまり明確ではありませんがマッチングアプリで知り合った自称・台湾人から勧誘されたという状況のようです。
▼2021年3月26日投稿 (BMIマーケッツに関する投稿)
かなり長い投稿ですが、マッチングサイトのTinderで知り合った中国人女性から勧誘されて当初は上で検証したア・グランス・グループのサイトを紹介されて取引していたけれども途中からア・グランス・グループが閉鎖になるということで後継サイトと紹介されたBMIマーケッツで取引を続けていたという状況のようです。そして取引で運用資金を全て吹き飛ばした上に5700ドルのマイナスが発生したということでマイナス分を請求されているようです。
とにかくこれらの投稿に出てきたIATFXWELSHIサービシーズ、BMIマーケッツという2つのサイトの冒頭部のキャプを以下に順に示します。
これら2つのサイトは上で検証したア・グランス・グループおよびMKJグローバルのサイトに極めてよく似ています。表示対応言語はIATFXWELSHIサービシーズについては日本語、英語、香港語の3ヵ国語だけですがBMIマーケッツについてはア・グランス・グループおよびMKJグローバルのサイトと同様にフランス語、日本語、英語、香港語、中国語、韓国語の6ヵ国語に対応となっています。以下に比較の為にア・グランス・グループのサイト冒頭のキャプを再掲します。
IATFXWELSHIサービシーズとBMIマーケッツのサイトがア・グランス・グループおよびMKJグローバルのサイトに極めて似ているのはこの冒頭部だけではありません。例えばア・グランス・グループおよびMKJグローバルの検証でもキャプを示したサイトの特長を6項目にまとめて説明している部分も明らかに似ています。以下に順にIATFXWELSHIサービシーズ、BMIマーケッツ、ア・グランス・グループのサイトからのキャプ を示します。
青と黒の四角形が3個ずつ並んでいるという点が同じというだけでなく、それらの四角形の中に書かれている文章も全く同じで3つのサイトで違うのは大きな活字で記されているサイトの名称だけです。ア・グランス・グループ、MKJグローバル、そして本項の検証対象であるIATFXWELSHIサービシーズとBMIマーケッツの計4つのサイトは明らかに同じテンプレートから作られたサイトであり、同じグループによって運営されている可能性が極めて高いと考えざるを得ません。
そしてア・グランス・グループやMKJグローバルのサイトの場合と同様にIATFXWELSHIサービシーズとBMIマーケッツのサイトには連絡先情報が見当たりません。以下はIATFXWELSHIサービシーズとBMIマーケッツのサイトの「About Us」のページのキャプですが、住所とか電話番号といった連絡先情報は全く記されていません。どこの国の業者なのかも不明でこれは話になりません。
そこで同じグループによると思われるア・グランスのサイトのWho Is 情報に断片的な連絡先情報があったことからIATFXWELSHIサービシーズとBMIマーケッツのサイトについてもWho Is 情報を確認しました (以下のキャプ参照)。
まず黄色の枠で囲った部分にサイトの登録・開設の日付が記されています。
▼IATFXWELSHIサービシーズ 2020年11月3日
▼BMIマーケッツ 2021年2月22日
閉鎖されたア・グランスのサイトの登録・開設日は2020年11月16日でしたからIATFXWELSHIサービシーズのサイトの方が2週間ほど前に開設されていることが分かります。一方でア・グランスのサイトの代わりと紹介されたというBMIマーケッツのサイトは2021年2月22日となっていてかなり新しいサイトです。
そして赤枠で囲った部分に断片的な連絡先情報があります。2つのサイトの所在国は共にGBとなっています。これはグレートブリテン、つまりイギリスの意味と思われます。そしてIATFXWELSHIサービシーズのWho Is 情報ではイギリスという国名しか分かりませんが、BMIマーケッツのWho Is 情報には住所や電話番号、メールアドレスが記されています。
>Registrant Organization: BMI MARKETS SERVICE LIMITED
>Registrant Street: Unit G25 Waterfront Studios
>Registrant Street: 1 Dock Road London United Kingdom E16 1AH
>Registrant City: London
>Registrant State/Province:
>Registrant Postal Code: M34 4AB
>Registrant Country: GB
>Registrant Phone: +852.93661876
>Registrant Phone Ext:
>Registrant Fax:
>Registrant Fax Ext:
>Registrant Email: services@BMIMARKETS.com
この連絡先情報を以下に整理して書き直してみます。
登録機関名:BMI MARKETS SERVICE LIMITED
住所:Unit G25 Waterfront Studios, 1 Dock Road London United Kingdom E16 1AH, London, M34 4AB
電話番号:[+852] 93661876
メールアドレス:services@BMIMARKETS.com
住所はイギリスのロンドンになっています。この住所については後述します。一方で電話番号は[+852]という国番号から始まっており、国際電話の国番号リストを調べると香港の国番号であることが分かります。住所と電話番号が矛盾していることになります。
さらにいずれについてもどれほど信頼できるかどうかはともかくとして所在地がイギリスとなっていたことからイギリスの法人登録を探してみました。すると以下にキャプを示しますがIATFXWELSHIサービシーズのものと思われるイギリスの法人登録、BMIマーケッツのものと思われる法人登録があっさり見つかってきました。
まず法人登録の日付は以下のようになっています。それぞれのサイトのWho Is 情報にあったサイトの登録・開設日と比較します。
▼IATFXWELSHIサービシーズ 2020年10月30日 (サイト開設日:2020年11月3日
▼BMIマーケッツ 2021年3月4日 (サイト開設日:2020年2月22日)
いずれも新しい法人であり、法人登録の日付とサイトの登録・開設日はせいぜい10日ほどしか違いがなく、矛盾がありません。法人登録情報の一番下に見える事業内容はいずれもソフトの開発とかIT関連のコンサルタント業務、データー処理などとなっていてBMIマーケッツについてのみ意味がよく分かりませんがFinancial Intermediation (金融仲介業務?)という項目が加わっています。一応、イギリスの金融ライセンスを管理しているFinancial Conduct Authority (FCA、金融行動監視委員会)のサイトで金融ライセンスの登録があるかどうか探してみましたがいずれも該当なしという結果になります。
そしてこの法人登録上の住所はいずれも以下のようになっています。
>Unit G25 Waterfront Studios, 1 Dock Road, London, United Kingdom, E16 1AH
この住所はBMIマーケッツのWho Is 情報に遭った住所と一致し、さらに「検証13」以降で検証している一連の中国系の詐欺グループによると思われるサイトでしばしば登場している住所であり、上で検証したア・グランス・グループのイギリスの法人登録にある住所と同じでもあります。具体的にこの住所が使われているサイトについては上のア・グランス・グループの検証の付記2を参照してください。この住所にIATFXWELSHIサービシーズやBMIマーケッツの事業実態があるとは到底思えません。
さらにイギリスの法人登録では経営者に関する情報が開示されていますが、IATFXWELSHIサービシーズとBMIマーケッツの経営者はいずれも中国国籍、中国在住の人物になっています。まずIATFXWELSHIサービシーズの経営者情報では以下のキャプに示した通り、CHENG, Gangという1971年7月生まれの人物が経営者であるとされています。
この経営者は上で検証したア・グランス・グループのイギリスの法人登録上で経営者、株主となっていた人物と同一人物と思われます。IATFXWELSHIサービシーズの法人登録時の提出書類を見るとやはりこのCHENG, Gangという人物が株主にもなっており、中国の住所が開示されています (以下のキャプ参照)。
>NO. 72, ZHAITUO VILLAGE, SONGSHAN ROAD, LIUTIAN GEZHUANG TOWN, LULONG COUNTY, QINHUANGDAO CITY, HEBEI PROVINCE, CHINA 066400
この住所もア・グランス・グループの法人登録にあった住所と同じで中国の河北省秦皇島市(しんこうとう-し)盧竜県(ろりょう-けん)という場所の住所のようです。ア・グランス・グループとIATFXWELSHIサービシーズはサイトが互いに酷似しているだけでなく、同じ経営者によって運営されていることが確認されたことになります。
一方のBMIマーケッツの経営者情報で経営者となっているのは以下のキャプに示したXUE, Xiaomingという中国人です。1995年7月生まれですからこの検証を書いている時点で25歳という若さです。
この人物についても法人設立時の提出書類を見るとやはり100%の株主となっており、中国の住所が開示されています。
>470-1 XIKENG VILLAGE, LONGTIAN TOWN, FUQING CITY, FUJIAN PROVINCE, CHINA 350300
これは福建省福清市という場所の住所のようです。同じグループによって運営されていると思われるサイトの検証で出てきた住所とは全く異なる住所であり、信頼できる情報かどうかはかなり疑問です。
結論としてこれら2つのサイトも中国系の詐欺サイトである可能性が濃厚と考えざるを得ません。情報開示は明らかに不適切ですし、金融ライセンスも全く確認出来ません。少なくともBMIマーケッツについては本項目の最初に引用したYahoo知恵袋への質問に被害報告が出ていますし、明らかに同じグループによって運営されているア・グランス・グループのサイトは上のア・グランス・グループの検証の「付記1」に書いたように何の告知もなく閉鎖され、入金していた人が出金不能になっているという証言が既に出ています。これらのサイトでの投資は極めて危険と考えられ、勧誘を受けても絶対に応じないことを強く推奨します。
※付記1
Yahoo知恵袋に2021年4月13日付でiatfxwelshiでの被害報告と思われる投稿が出てきました。自称・台湾人から勧誘されて入金してしまったところ残高がマイナスになり、マイナスになった分の返済を求められているようです。
※付記2
上のア・グランス・グループなどの検証の付記3にも書きましたが、このページで検証してきた互いに明らかに似ているア・グランス・グループ、MKJグローバル、IATFXWELSHIサービシーズ、BMIマーケッツの4つのサイトに似た、同じグループによって同じテンプレートから作られたと思われるサイトがさらに複数見つかってきました。「検証31」で検証しているので参照してください。
●Bosco Mental Corporation (BMC, ボスコメンタルコーポレーション https://www.bmc-fx.com/jp/)
●TJV CAPITAL LLC (TJVキャピタル LLC https://ja.tjvy.com/)
●GBT CAPITAL (GBTキャピタル https://ja.gbtfxgroup.com/)
明らかに似通ったサイトなので3つまとめて検証します。1つ目のボスコメンタルコーポレーションはYahoo知恵袋に複数の質問が出てきたサイトです。2番目のTJVキャピタルと3番目のGBTキャピタルはボスコメンタルのサイトにあった画像から画像検索で出てきたサイトですが、TJVキャピタルについてはこの検証を書いている2021年2月中旬の時点で既に閉鎖されているようです。
まず最初のボスコメンタルについて出てきたYahoo知恵袋の質問を引用していきます。
質問には台湾の人とラインしていて勧誘されたとあるだけですが添付画像の上端に勧誘されたサイトのURLアドレスが見えています。
この投稿では誰にどういったきっかけで勧誘されたのか全く不明です。
勧誘してきた「台湾の方」と知り合った経緯が不明ですがボスコメンタルのサイトを紹介されて10万円入金してしまい、勧誘役の言いなりで取引したところ利益が出るどころか逆に40万円のマイナスになってその負債を請求されたということのようです。さらに法的処置とか毎月の固定費が掛かるとか解約にも10万円が必要とか要するに次々と追加請求されているという状況のようです。
Facebookで知り合った自称・台湾の女性ブティックオーナーから勧誘されたようです。質問に出てくるボスコメンタルへのリンクはアフィリエイターのIDと思われる部分が付いているのでアフィリエイターも動員して勧誘が行われているようです。
この投稿ではSNSで台湾の台北在住の人物から勧誘されたとありますがあまり詳しい経緯は分かりません。
この投稿はこの検証を書き終わってから出てきた投稿です、勧誘された経緯などは全く分かりませんが口座を凍結されて凍結解除の為には5万ドルのさらなる入金が必要とされているようです。5万円を追加入金したところで凍結が解除される可能性は極めて低いものと思われます。
これらの投稿にある情報をまとめると「検証13」の冒頭でまとめた中国系と思われる詐欺グループによる詐欺と考えて矛盾がないように思われます。被害が発生していることが確認されるのは2020年12月21日の投稿と2021年2月28日の投稿だけですが非常に危険なサイトと考えざるを得ません。
とにかくこれらの投稿にあったリンクからボスコメンタルのサイトにアクセスしてみました。以下がサイト冒頭部のキャプです。
表示対応言語は上のキャプの右上に国旗のアイコンが見えますが英語、中国語、日本語の3つです。例によって画像検索で関連サイトを探してみるとまず見つかってきたのが表題2番目のTJVキャピタルのサイトです。以下にサイト冒頭のキャプを示します。
このキャプの範囲では左上のロゴ以外は殆どボスコメンタルのサイトと非常に似ていることが分かります。表示対応言語はボスコメンタルと同じ英語、中国語、日本語に加えてタイ語が選択可能になり、4言語となっています。ところがこのTJVキャピタルのサイトはこの検証を書こうとして2021年2月半ばに再度アクセスしてみたことろ閉鎖されていることが分かりました。そこで再度ボスコメンタルのサイトにある画像から画像検索を試みると閉鎖されたTJVキャピタルのサイトの代わりにまた新しい非常によく似たサイトを発見しましたそれが表題3番目のGBTキャピタルというサイトです。これも比較の為にサイト冒頭のキャプを示します。
左上のロゴがなければ見分けが困難なほどにボスコメンタルやTJVキャピタルのサイトと似ています。表示言語の選択肢はTJVキャピタルと同じく英語、中国語、日本語、タイ語の4つです。
これら3つのサイトが互いに似ているのはこの冒頭部だけではありません。以下は順にボスコメンタル、TJVキャピタル、GBTキャピタルのサイトの取引対象を説明している部分のキャプです。
よく見ればイラスト部分が見えている割合とか活字の色など細かな違いはありますが互いに酷似しているのは間違いありません。実はボスコメンタルのサイトのこの部分のイラスト画像を画像検索に掛けてTJVキャピタルやGBTキャピタルのサイトを見つけてきたので似ているのは当然なのですがこれだけ互いに似ているとなればこれら3つのサイトは同じグループによって運営されている可能性が高いと考えざるを得ません。
そしてこれらのキャプに見えるようにいずれのサイトでもデジタル通貨 (仮想通貨)、外国為替 (FX)、貴金属、原油や天然ガスなどのコモディティが取引されていることになっているのですが、いずれについてもこれ以上に具体的な取引対象に関する情報がありません。例えばどんな仮想通貨が取引されているのか、FX取引ならどんな通貨ペアが取引されているのかとかスプレッドがどれほどなのかといった情報が必ず公表されているはずと思うのですがそういった情報が全く見つかりません。さらにFX業者のサイトならば必ず用意されているであろうリアルタイムの相場情報とかチャートといったものも全く見当たりません。勿論、顧客として登録してログインすればリアルタイムの相場情報やチャートが用意されている可能性はあるものの非常に違和感があります。こうしたリアルタイムの相場情報やチャートが存在しないというのは「検証13」以降で検証している中国系の詐欺サイトで共通する特徴でもあり、やはりこれら3つのサイトも中国系の詐欺グループによる詐欺サイトである可能性がますます高いように思われます。
そして次に連絡先情報を探しましたが開示されているのはいずれのサイトでもサイトの脚注部分に書かれているメールアドレスだけです。以下にキャプを示します。
ボスコメンタル: support@bmc-fx.com
TJV キャピタル: support@tjvy.com
GBTキャピタル: support@gbtfxgroup.com
メールアドレスしか連絡先情報がないというのは明らかに情報開示が不適切でしょう。一連の検証でしばしば断片的な連絡先情報が見つかったWho Is情報を見ても連絡先に結びつくような情報は記されていません。また経営陣に関する情報も皆無です。
また少なくともボスコメンタルとGBTキャピタルについてはトップページに以下のキャプに示した記述があります。(おそらくTJVキャピタルのサイトにも同様の記述があったものと思われますがサイトが閉鎖された為に確認不能です。)
日本語訳がおかしくて意味がよく分からない部分がありますが、いずれのサイトでも「世界100を超える国と地域の数十万人の投資家」に取引機会を提供しているといったことが書いてあるようです。しかしアクセス状況を解析出来るサイトでTJVキャピタルを含む3つのサイトへのアクセス状況を調べてみると非常にアクセスが少ないことが判明しました。以下、順にボスコメンタルへのアクセス状況、TJVキャピタルへのアクセス状況、GBTキャピタルへのアクセス状況の結果です。
アクセスが最も多いのが既に閉鎖されているTJVキャピタルのサイトでそれ以外の2つのサイトへのアクセス数は2021年2月中旬現在で検出限界以下という結果になります。とてもではありませんが数十万人の投資家に取引機会を提供しているサイトとは思えません。
結論としてこれら3つのサイトはいずれも全く信用出来ません。既に被害報告が出ているボスコメンタル、何の告知もなく閉鎖されているTJVキャピタルだけでなく、GBTキャピタルについても取引は避けるべきと結論します。
●Asian Custom Corporation (アジアンカスタムコーポレーション https://www.acc-fx.com/jp/)
Yahoo知恵袋に質問が出てきたサイトで上で検証しているボスコメンタルコーポレーション、TJVキャピタル、GBTキャピタルの3つのサイトに明らかに似ており、同じグループによるサイトと思われます。ボスコメンタルコーポレーションなど3つのサイトはこの検証を書いている2021年8月上旬の時点で閉鎖されており、アジアンカスタムコーポレーションはそれらの後継サイトと思われます。まずこのサイトを知ることになったYahoo知恵袋への投稿を引用します。
Facebookで接触してきた自称・台湾人の女性投資家から投資勧誘を受けているということのようです。送られてきたリンクのURLアドレスを見ると明らかにアフィリエイターのIDと思われる部分 (introduce?iid=06933j5V&uid=14) が最後についており、このアフィリエイターのID部分を除いても同じサイトに繋がります。勧誘役はアフィリエイト報酬目当てであることが分かります。
ちなみに上で検証したボスコメンタルコーポレーションについて勧誘されたというYahoo知恵袋の複数の投稿でも勧誘役が自称・台湾人だったようです。
とにかくこの投稿にあったURLアドレス (http://broker.acc-fx.com/) に行ってみましたが左のキャプに示した登録だけの画面なのでドメイン名の部分 (acc-fx.com) だけ抜き出して検索することにより表題のサイトを見つけてきました。そのサイトの冒頭部のキャプを以下に示します。
このサイト冒頭を見て直ぐに気が付きましたがこれは本項の冒頭で書いたように上で検証したボスコメンタルコーポレーションなど3つのサイトと酷似しています。以下にボスコメンタルコーポレーションのサイト冒頭のキャプを再掲しますが、左上にあるロゴとサイト名が違うこと、ボスコメンタルコーポレーションのサイトには存在していた表示言語選択用の国旗アイコンの部分がアジアンカスタムコーポレーションには存在しないことなど細かい違いはあっても明らかに似ています。同じグループによるサイトであることはほぼ間違いないでしょう。
アジアンカスタムコーポレーションのサイトには表示言語切り替えの国旗アイコンがないと書きましたが、複数の表示言語に対応していないわけではありません。少なくとも英語のサイト、中国語のサイトは存在するようです。
英語サイト: https://www.acc-fx.com/en/
中国語サイト: https://www.acc-fx.com/cn/
なぜ表示言語をトップページから切り替えることが出来なくなっているのか理由は全く不明です。
この冒頭部に続いては会社概要という部分が出てきます。日本語版と英語版のキャプを以下に示しますが日本語版には明らかにおかしな部分があります。
日本語版、英語版の最初の文章を以下に書き出します。
日本語版: ACCのフルネームはBoscoMental Corporationです。
英語版: The full name of ACC is Asian Custom Corporation.
日本語版の記述は明らかにおかしいです。既にこのアジアンカスタムコーポレーションのサイトは上で検証したボスコメンタルコーポレーションのサイトと酷似していることを指摘しましたが、どうやらアジアンカスタムコーポレーションのサイトはボスコメンタルコーポレーションのサイトをテンプレートにして作られていて英語版では「ボスコメンタルコーポレーション」と書かれていた部分を「アジアンカスタムコーポレーション」に置き換えたものの、日本語サイトでは置き換えが完全でなかったということかと思われます。
同様の修正ミスと思われる部分は以下のキャプに示した部分にも見つかります。これも日本語版と英語版を比較します。
ここでも最初の文章が以下のようになっています。
日本語版: ACCのフルネームはBoscoMental Corporationです。
英語版: The full name of ACC is Asian Custom Corporation.
これもボスコメンタルのサイトを改編してアジアンカスタムコーポレーションのサイトを作る際に修正するべき部分を一部修正し忘れた結果としか思われません。
尚、この明らかに修正ミスと思われる部分に続いて以下のような文章があります。
>ACCFinancialGroupは、設立以来、世界100を超える国と地域で数十万人の投資家を提供し、主要なグローバル外国為替とロンドンの金/銀CFD電子取引を、最高のテクノロジー取引プラットフォームと組み合わせて提供してきました。
世界各国に数十万人の顧客がいるというのですがそれだけ多くの顧客を獲得しているという主張は極めて疑わしいです。この点についてはまた後述します。
さらにこの部分に続いては以下にキャプを示した取引対象を説明する部分があります。
取引対象はデジタル通貨、外国為替、貴金属、エネルギーの4項目となっていますがこの部分でも上で検証したボスコメンタルコーポレーションなど3つのサイトと非常によく似ています。以下に再掲したボスコメンタルコーポレーションのサイトの相当部分と比較すると一部活字の色が変わっていること、ボスコメンタルコーポレーションのサイトでBMCと書かれている部分がACCに変更になっていることぐらいしか違いがありません。
次は連絡先情報ですが、アジアンカスタムコーポレーションのサイトでも脚注部分にメールアドレスが記されているだけです。
>support@acc-fx.com
そこでさらに調べてみると「検証13」以降で検証してきた中国系と思われるグループによる多数のサイトでしばしば確認されるようにアジアンカスタムコーポレーションのものと思われるイギリスの法人登録があることが分かりました。以下のキャプを示します。
法人登録の日付は2021年2月26日とこの検証を書いている2021年8月上旬時点で半年未満であり、かなり新しいです。そして住所が以下のようになっています。
>63-66 Hatton Garden, Fifth Floor, Suite 23, London, England, EC1N 8LE
このロンドンの住所を調べてみると数千単位の法人がこの住所で登録されているらしいことが分かりました。さらに調べてみるとこれは以下に示したTHE LONDON OFFICE (https://thelondonoffice.com/) というバーチャルオフィス業者の拠点の住所に一致することが判明しました。
この住所にアジアンカスタムコーポレーションの事業実態があるとは思えません。さらに法人登録の経営者情報のページを見ると以下のキャプに示したSHAN, Hengchuanという中国国籍、中国在住の人物が唯一の経営者になっています。
残念ながらこの中国人経営者の中国における住所は公開されていません。
さらに以下はアジアンカスタムコーポレーションのサイトのWho Is 情報です。
黄色の枠で囲った部分を見るとサイトが登録・開設されたのが2021年1月28日となっています。イギリスの法人登録の日付よりもちょうど1ヵ月ほど先立ってサイトが登録・開設されていたことになります。そして赤枠で囲った部分に登録機関名 (ASIAN Custom Corporation limited) とその所在地情報として中国・上海とだけ記されています。
やはりイギリスの法人登録は名目だけで実際の運営元は中国にある可能性が高いように思われます。そしてこれは間違いなく上で検証したボスコメンタルコーポレーションと同じグループによるサイトです。ボスコメンタルコーポレーションのサイトが既に何の告知もなく閉鎖されていること、ボスコメンタルコーポレーションで複数の出金出来ないといった被害報告が出ていることなど考えるとアジアンカスタムコーポレーションのサイトも極めて危険な詐欺サイトの疑いが濃厚です。このサイトでの投資勧誘を受けても決して応じなうようにするべきと結論します。
※付記
この検証を書き終えてからアジアンカスタムコーポレーションでの被害事例と思われる投稿がYahoo知恵袋に出てきました。投稿に添付されていた画像と共にキャプを示します。
添付画像に見えるロゴやURLアドレスのドメイン名の部分は上で示したアジアンカスタムコーポレーションのロゴやURLアドレスのドメイン名に一致しています。
SNSで接触してきた自称・シンガポール人から勧誘されてアジアンカスタムコーポレーションに口座を開設して勧誘役の言いなりで取引していたら元本を失うだけでなく借金ができるような大きな損失が出て借金分を支払うように要求されているということのようです。「検証13」の冒頭で説明した中国系と思われる詐欺グループによる手口に合致するように思われます。
さらに以下の投稿もアジアンカスタムコーポレーションでの被害事例と思われます。
知り合った経緯が不明ですがメアリーと名乗る自称・台湾人女性から勧誘されてアジアンカスタムコーポレーションで口座を開設して100万円も入金してしまい、現時点では一応利益が出たことになっているものの情報料のようなものを求められているということのようです。段々と入金を勧誘する手口が複雑化、巧妙化しているように思われます。