人の心と西洋思想
生命言語説入門―世界平和を実現するための人間の心と西洋思想
―認識論の変革が意識を変える.または、意識の変革が人間と世界を変える―
西洋の合理主義と科学技術は、資本主義的発展の中で、どのようにして現代社会のグローバルな諸問題を生み出したか? また、進行しつつある縮小社会の危機と混乱をどのように克服していくか?
はじめに 問題意識
1)人間の心とは何か―心の構造
2)言語と思考と知識―認識論の革新
3)西洋思想上の心の分析
4)社会契約説と個人主義
5)経済学における道徳性の欠如
6)縮小社会と現代社会の諸問題
7)世界連邦と日本国憲法の改正
8)おわりに 社会の縮小と人間の成長
現代社会(移行期)の諸課題
① 現代社会のグローバルに拡大する諸問題とは?
・思想的問題:宗教、哲学、社会科学等価値観の混乱
・人口問題、食糧問題、地域間格差・南北問題
・資源エネルギー問題、自然環境破壊、気候変動
② 起こりつつある縮小社会の混乱・危機とは何か?
・民族主義:衆愚政治・扇動政治・大衆迎合(ポピュリズム)
・過激思想・非寛容、テロ・戦争⇒人間と世界の縮小化
・資本主義の腐敗:金融バブルと資源争奪と格差拡大
③ 人類普遍的価値と政治経済的な世界連帯の創造
・近代西洋の人権と民主主義の限界⇒新しい人権と社会契約
・資本主義の市場経済合理主義の限界⇒交換的正義の追求
移行期の危機状況の根源・現象・解決 1
①拡大社会への発展(産業資本主義の成立)
・言語を持つ人間の安定拡大志向―農耕牧畜・余剰生産・私有制・戦争
・近代西洋文明の加速度的拡大―産業革命・科学技術の発達
・拡大社会の特徴:資本主義的発展、浪費の奨励、利己的個人主義
②拡大社会の飽和と限界(世界経済持続性の危機)
・人類の地球的一体化―西洋文明の世界拡大と戦争・支配
・資源エネルギーの地球的限界、地球温暖化と環境の激変
・気候変動と農業・食糧危機、人口減少、格差(地域・民族・階級)の拡大
③縮小社会の必然と混乱(文明と価値観の転換時代)
・化石資源の減少、資源の偏在、人心の不安、刹那主義、享楽主義
・地球の限界と物質文明の過剰発展⇒人間の欲望の調整・道徳的抑制
・利己的資本主義の致富追求は限界⇒互助互恵・共存共栄・格差是正
④文明の再建と混乱防止(西洋思想の限界の克服)
・検証可能な科学的知識による普遍的人間観の確立⇒心の構造の解明
・西洋的合理的発展思想の限界と世界連邦の建設⇒永遠平和の確立
・道徳的抑制―人権と民主主義、互恵互助、情報の透明性⇒正義の再建
・物質的豊かさの限界と精神的貧困の克服⇒イデオロギーの創造へ
⑤西洋思想の根源と限界(ロゴス構造から創造へ)⇒西洋思想批判
・アリストテレス(BC384-322)
「すべての人間は、生まれつき、知ることを欲する。・・・というのは、感覚は、その効用をぬきにして も、すでに感覚することそれ自らのゆえにさえ愛好されるものだからである。」 ( 『形而上学』出隆 訳 )
・ ニーチェ(1844-1900)
「世界は私たちには論理的なものと見える。というのは、私たちがまずもって世界を論理化しておいたからである。」 (『権力への意志』原佑 訳)
・政治経済学の革新(ロゴスを「知る」から主体的・創造的に「生きる」へ)
⇒人権思想と社会契約、自由放任と市場経済の限界⇒社会的責任SR
1)人間の心とは何か―心の構造
① 問題の所在
・心(精神・意識・魂)についての定説はない。
・西洋思想上の心は、神の被造物としての心、人は受動的存在
・古来の心は、身体と対立し永遠不滅(観念論)をめざしてきた。
・哲学的心は、観念論と唯物論・唯名論の認識論論争を招く。
・哲学的認識論:真理の認識の根拠は何か。言語論の忌避
・無意識の発見:欲望と感情が無意識の神経症的反応(フロイト)
・言語の役割:対象の記号化・思考・創造と意味づけ・自己統制
・心の三要素:欲望・感情・言語(思考)<欲・情・言>
⇒理性(言語・意識)的思考は、無意識の欲望・感情をどのように理解しコントロール(意味づけ・合理化)しようとしたか?
⇒人間は自己を欺き、世界を誤解し、他者を威圧し従えてきた。
(真理[知識]探求・発見の歴史は、偏見克服・誤解更新の歴史であった。)
②人間の「心と言葉」を知る意義
a.人間は欲の塊(カタマリ)、感情の動物――それを言葉でひねくり回し、人生の意味づけをしながら生きています。
b.まず人間の行動の源となる「心のしくみと働き」について考え、その上で、心を癒したり強くする方法や、社会との関わり方についての提案をします。
c.人間の心を知る ことによって相互理解が進み、過剰な欲望や競争を抑制し、社会の平和共存・互恵互助と個人の幸福・平安を促します。
d.神の本質がロゴス(『ヨハネ福音書』)とすれば、人間を意味づけ合理化する言葉が神の創造者になります
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