格と緩衝音
さて、前回では代名詞と共に格と緩衝音について少し説明したけど、覚えているかな?
はい、格は名詞の役割を表す接辞のことでしたね。
緩衝音は読みづらいところに挟む音のことです。
そうだね、まずは格から見ていこう。
名詞の役割を表す接辞とは言うけど、これは日本語の格助詞(~は、~を、など)に当たるんだ。
ルテリス語ではこれが名詞にくっ付いて表されるんだ。
文章中での名詞の役割を名詞にくっつけて表現するんですね。
下の表に格の名前、接辞の形、日本語での意味を書いておくよ。
六種類ですか、割と覚えられそう……。
ところで、この最初についている-はなんなんですか?
接辞は主に語末に付く語尾辞と語頭に付く前置辞に分かれるんだ。
語尾辞なら-が一番最初に、前置辞なら一番最後についていて、どうやって繋がるかが分りやすく表記されているんだ。
-は接辞が接続する側と覚えておくと良いよ。
接辞がくっ付く側に-が付いているんですね。
なるほど!
それじゃあ、前回やった代名詞に格をくっつけてみるよ。
表にしたから、見てみてね。
ところどころ違う変化をしてるところがあるじゃないですか!
alsの対格はalsiなのに、miの対格がmirgiになってるし!
これが前回に言っていた緩衝音だね。
まず、これを理解するには単語のクラスから、理解する必要がある。
これが、緩衝音ですか。
つまり、代名詞と格と緩衝音はそれぞれ分けられるんですね?
良いところに気付いたね。
ちなみに、単語のクラスについてはこのように分けられるよ。
miは第二名詞……ってのは分りますけど、alsはどれに当たるんですか?
第一名詞だよ。
最後の母音って書いてあるけど、子音と母音が並んでいるうち子音で終わっていても、一番最後の母音を取るんだ。
なるほど!
じゃあ、qarsは第一名詞で、girsは第二名詞ですね?
正解だよ。
緩衝音は次のように変化するんだ。
緩衝母音と緩衝子音に分かれてますけど、これはどうやって使い分けるんですか?
例えばalsと主格の-sがくっ付く時のように子音と子音がぶつかってしまう時は必ず緩衝母音を入れるよ。
miと対格の-iがくっ付く時のように母音と母音がぶつかってしまう時は緩衝子音を入れるよ。
これらは機械的に行なわれるから何の不規則性も無いよ。
なるほど!
英語やドイツ語みたいに不規則変化があったりはしないんですね!
今回のまとめ
ルテリス語には、主格、対格、与格、属格、処格、呼格の六種類の格が存在する。
接辞は主に語末に付く語尾辞と語頭に付く前置辞に分かれる。
-は接辞がくっ付く側を表している。
子音と子音がぶつかってしまう時は必ず緩衝母音を入れる。
母音と母音がぶつかってしまう時は緩衝子音を入れる。
これらに不規則性は無いので不規則変化はルテリア語に存在しない。