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前史時代

連邦影響圏の固有の文字の祖はラネーメ表意文字である。この文字はいわゆる象形文字である。主に石に彫られたものがみつかっているが、まだ研究が不十分であるため、全解読には至っていない。

このラネーメ表意文字から 派生したのが前期ファルファベットと後期ファルファべット、そして藍牌文字(アイル・パイグ古字)である。

ファルファベットは、後世の学者に「前期」、「後期」と名付けられ、親子関係の文字と思われていたが、これは誤りであり、発生は同時期という兄弟関係の文字ということが近年の研究で明らかとなった。何故「前期」、「後期」と名付けられてしまったかというと前期ファルファベットが非常に早く廃れ、親子のように誤解されたからである。このため、両者の乖離は著しく、前期ファルファベットはほとんど解読されていないが、後期ファルファベットは解読が進んでおり、子音記号や母音記号を組み合わせて音節を記す結合音節文字である。

藍牌文字は石、木簡、竹簡、布、(紙)など非常に色々なものに彫ったり書かれたことが発掘調査によって明らかとなっている。石に彫ることを目的とした書体を刀字、書くことを目的としたものを筆字と読んでおり、筆字は官字、官風、風字に分かれる。官字は公的な文書に用いる書体であり、風字は日常筆記やメモのための崩された書体で、官風はその中間である。また、筆字の祖であり、刀字の子である官刀は、両者の特徴を併せ持っている。アイルとパイグの使用した文字には多少の差異があるが、同系統とみなされている。

後期ファルファベットの変種

そして、後期ファルファベットから、ヴァンデーファ文字、シュペライル文字、新理字(デュテュスンリパーシェ)碑文体が生まれた。

ヴァンデーファ文字はヴェフィス語を書き表すために生まれたもので、当初はファルファベットと同じく結合音節文字であったが、後に崩れ、音素文字化した。

シュペライル文字はアイル語研究者がアイル語の発音を書き記すために使用した文字である。

新理字と燐帝字音

新理字(デュテュスンリパーシェ)碑文体は、旧理字(後述)より歴史が古い。ヴァンデーファ文字が音素文字化した時期とデュテュスンリパーシェが音素文字化した時期とが近いため両者の関係性を指摘する研究者も多い。

藍牌文字からは燐帝字音が生まれた。これはアレス国王アレス=リン(ales.lin)が、アイルとパイグとの文字の差異解消、また多数あった異体字整理を目的として、大規模な文化改革に乗り出したものである。藍牌文字にあった書体をそのまま引き継いでおり、一部の文字は、パイグ人が現在でも使用している。

旧理字とヴェフィス文字

碑文体より筆画が少ないため急速に普及した。これを旧理字と呼ぶ。今でも一部でこの文字は使われている。

一方ヴェフィスはその影響を受けず、ヴァンデーファ文字から、現在のヴェフィス文字が生まれた。

新理字の再興

旧理字を用いて書き記されていたリパライン語であるが、独立国家戦争時の民族主義の高まりにより、新理字碑文体を基礎として、新理字書写体、新理字手記体が生まれた。「新」理字の名はこれに由来している。

書写体は写本時の文字スペース削減による紙や羊皮紙の節約や直線を主体とすることで速く書いても乱れにくいことを重視した一方、手記体は碑文体の早書きから生まれたため、曲線が多い印象を受ける。

この両者を参考にして新理字活字体が生まれた。そのため、活字体は書写体と碑文体の特徴を併せ持っている。

パイグ文字

そして、書写体がパイグ語に接触した。これにより、初期は平ペンを用いて書写体でパイグ語を書いていたが、次第に筆書きされるようになり、さらに1音節を1文字で書き表すために結合音節文字化した。これをパイグ文字と言う。前期と後期があり、それぞれ母音の表記方法が異なっている。

また、手記体が更に早書きされ、文字同士が繋がった新理字筆記体が生まれた。

このようにして、現在の連邦影響圏の文字体系(旧理字、ヴェフィス文字、新理字手記体、新理字手記体、新理字活字体、パイグ文字)は生まれたのである。

本項ではファイクレオネの文字の歴史に関して扱う。

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