dyinen lurkxarg
リパライン語デュイン方言(標準口語:Dyinen lurkxarg, デュイン方言)とはデュインで話される口語リパライン語である。デュインではデュイン方言が口語リパライン語のスタンダードになっており、非リパライン語母語話者も口語ではデュイン方言を利用する傾向にあり、リパライン語の方言としては話者数一位の巨大リパライン語方言となっている。デュイン語(Dyinevirel)やデュイン標準語(Dyinen foblerkolank)とも呼ばれる。
概要
デュイン方言はデュイン戦争後のユエスレオネの希望開拓者やハタ王国からの大量の資本家、宗教家が移植民として流入されていく中で構成されていった口語リパライン共通語と言える。基層としては古理語デーノ方言を基盤としており、そこにユーゴック語やラネーメ語派、諸リパライン方言が混ざったことにより、それらが平均化した形になった。話者数概算はデュイン全体で7~8億人。下位方言はデュイン南洋方言とデュイン北洋方言があり、南洋方言が一般的なデュイン方言である。
字母名称
デュイン方言では字母名称が異なる。
これら以外は子音+ar/母音+r(北洋方言は母音+rl)になる。
Ex)IEAP → Ir Er Ar Per/Irl Erl Ar Par
音声
一部の字母の読みに変化が生じている場合があるが、標準語と同じような発音でも通じる。北洋方言の影響が強くなるほどこの音声の変化は強くなるがこのように読まなくてはならない義務的なものではない。
音韻
一部の下位方言ではCi/jVの子音が変化する。
iの軟音化は適用されず、xia, dziaなどにおいては[ʃia],[d͡ʒia]のように発音される。
lの弱化
lは色々なケースにおいて弱化し、Ł, ł([w]~[β̞͡ɰ])に変化する。
母音間のl
Ex) kieled -> chełed 「四つ」
二重子音の構成要素であり、前後が有声子音であるもの
Ex) blard -> błard 「農民」
弱化したlの前後で統語的に支配的関係にあるもの
Ex) la lex -> ła łex 「それ」
c'alari, ies-> c'ałarĭes 「呼ばれたから、育てた」
アクセント・イントネーション
アクセントは強弱で語頭に付く場合が多いが、標準口語と同じアクセントの場合もある。
イントネーションは標準語と同じだが、公式な場やテレビなどでは抑揚をつけないで話す。
Ex)helzaren [helˈt͡sa:en] → helzären [ˈxɛɾʈʂe:ɛŋ]
緩衝音
デュイン標準語ではクラスは一部合流している。
南洋方言では、語末母音がi/uで終わる二重母音である場合、i/uがw/jと混同されて、その主母音が語末母音として選択される場合がある。この場合の緩衝音は以下の通りになる。現代語と相違がある部分のみ赤字で示している。
・例
クラスの残存
デュイン方言の単語で語幹母音が標準語と違うものは残存クラスと言って標準語の語形と同じクラス(つまり、その語形から判断する本来クラスとは異なる)になる場合がある。名前は以下のように変更される。
クラスⅦaは標準語の紅クラスに対応し、クラスⅦbは標準語の烏クラスの緩衝音と対応する。
名詞クラスのまとめ表
ウムラウト
デュイン方言の一部の下位方言では、単語にiかeが最初の母音として続く接辞が付く場合は、ウムラウトが発生する。
Ex) larfa(物語) + -'i(を) -> larfä'i
falto(重曹) + -en(の) -> faltöven
縮約
デュイン方言の一部の下位方言では
単語間の降下二重母音以外の母音連続が後ろの単一母音に
-i j-, -u w-がそれぞれĭ, ŭに
-o V-がw̮Vに
縮約される場合がある。縮約された母音の上にはブレーヴェが付される。
縮約母音のウムラウトは下につく。
Ex)
Nu alverkiska enforle icce arte'el. -> nălverkïskĕnforlĭccărte'el (都市部で客は金を受け取る)
Mi jella apo askis'i jan. -> mĭ̤ellăpăskis'ĭan. (杖は高価だと思ったつもりだ)
Mi ji josnuk si iësel'i jujo ydicelo -> mĭĭosnuk sĭësel'ĭujydicelo (私はいつも彼の呼び方に恐怖で驚いていた)
s(t)語尾語幹の接辞縮約
デュイン方言の一部の下位方言では語尾がs(t)の場合、s(t)から始まる接辞(-stan, -sti, -ste, -ska, -ski -ssなど)のs(t)が縮約される。このとき、緩衝母音は入らない。また、これの現象が起こる下位方言におけるこの類の単語は複数形と単数形が同じ形態になる。
母音調和
一部方言では母音調和が発生する。
母音調和によって変化した母音には倒置ブレーヴェ(ȃ, ȇ, ȋ, ȏ, ȗ)が付く。
赤性母音:a, o/ a, o, (ȋ[ə])
青性母音:e, i / e, (ȏ[œ]), i
中性母音:u, y
Ex)
《どれかの母音が多いケース》
・多い母音に調和する
lineparine aがアウト(linepȇrine)
prarcinast iがアウト(prarcȋnast)
xalija iがアウト(xalȋja)
《母音が同数のケース》
・第一音節の母音で調和する
cela aがアウト(celȃ)
gable eがアウト(gablȇ)
・第一音節が中性母音なら次の音節で調和
tuli'o oがアウト(tuli'ȏ)
・接尾辞が付くと調和も変わる
tuli'oska iがアウト(tulȋ'oska)
celaska eがアウト(cȇlaska)
ウムラウトは下につく
〈celȃ̤'ĭat〉 {cela'i jat} [seləjat]
「構造を認める」
語彙
標準語と異なる語形の単語が多く存在している。
・発音が異なる
・語源が異なる
・社会の相違による語差
・標準語に対応する単語が存在しない
・標準語と語義が違う
単語
virot
firlex
意味
ゲストとして泊まる (fl. 会う、参加する)
区別する 見分ける (fl.理解する)
・不規則な変化、活用
単語
quante
意味
=qanteo
・綴りが違う
単語
svitzlatj
意味
=svizlatj
名詞の数
デュイン方言での名詞の数は複数と集合を区別する。
-ssは複数を表すが、-は集合を表す
Ex)
格語尾・接置詞
幾つかの格語尾・接置詞が方言として存在する。
接辞
幾つかの接辞が方言として存在する。
前置詞
また古語の影響で接置詞は格支配を持つ。
しかし、これ以外の比較的新しい時期に出来た接置詞は格支配を持たない。
(scidz → 主与対属前)
・後置詞
動副詞由来の後置詞
標準語と異なり動副詞を由来とする格支配がある後置詞が存在する。
法助動詞
法助動詞は基本的に動詞+V-oに変わっている。
Mi's suite lkurf fal linepurine'c. 私はリパライン語が話せる。
fe, fenxisは消滅する。
時制・相助動詞
デュイン方言における時制・相は保守的な古理語に強い影響を受けており、過去完了(edioll liaxa)、未来(wioll)、現在進行(liaxu)の三つが優先して利用される。
表現
古い表現の残留
デュイン方言においては古いyの表現やlex類においても助動詞切りの効果を全て持ったり古い表現が残っている。
lex類は全て助動詞切りの効果を持つ、la lexはlexだけでも良く使われる。
y類より古語のyを利用する事が多い、lut, lotが常用される。
esは代動詞用法が無く、teles, stevypで代用される。
受動態、使役態もvel, celを利用する。
名詞を取った動詞の名詞化があまり行なわれない。
敬語が無いためluを使わなかったり、挨拶表現はsalar novarなどになる。
-stiは余り使わずtalを使う(しかし大げさな表現として日常語としては忌まれる)
副詞は副詞を修飾できないため、adで繋ぐ。
動詞の動名詞形は語末が母音ならそれと交換になる場合が多い(北洋方言で顕著)