アイスランド人のサガの人々について

始めに

wordsの中で取り上げた「アイスランド人のサガ」関連人物+αを補足的に紹介していきます。

サガごとにまとめた上で、物語開始時点の時代(ノルウェー王)でおおまかに並べてみました。

開始時点なので、分けた時代と物語のハイライト部分が合致しないものもあります。

『赤毛のエイリークのサガ』など有名なものでも項目にはなっていないものもあります、ご了承ください。

また、カナはノルウェー人などであってもノルド語風につけています。

ノルウェー統一以前 - 872

アイスランド発見は紀元前300年頃のギリシア人らしいが、ヴァイキングによる発見は9世紀

ハラルド美髪王(ハーラル1世)時代 872 - 930

アイスランドへの入植が進む

サガごとにハラルド王の描写や、登場人物のハラルド王へのスタンスが異なる

サガの舞台のほとんどがアイスランドの西半分なのは、レイキャビクを中心に移住が広まったから?

他に: ミュールキャルタン王(Aileach王Muirchertach mac Néill)/(ウェセックス王アルフレッド)


■ エギルのサガ

5代(?)に渡るクヴェルドウールヴ一族のサガ

ハラルド美髪王時代からエイリーク・ハーコナルソン時代までと長期間


ウールヴ・ビャールヴァソン/クヴェルドウールヴ(宵のウールヴ)

人物: ヴァイキングの長/雄鮭ケティル・ソルケルスソンの従兄弟/ベルセルクまたはウールヴヘジンとされる

事績: ハラルドを快く思わなかったが表立って敵対することは避けた/息子ソーロールヴを殺されハラルド王を襲撃/アイスランドへ向かう

所持: ドラグヴァンディル

モデル: (d. 878(瑞語版Wikipedia)/890(諾語版Wikipedia))


ソーロールヴ・クヴェルドウールヴスソン

人物: クヴェルドウールヴの息子/ハラルド美髪王の従者

事績: ハラルド美髪王に殺される

所持: ドラグヴァンディル


グリーム・クヴェルドウールヴスソン/スカラグリーム(禿のグリーム)

人物: ヴァイキング/クヴェルドウールヴの息子/Borg(アイスランド西部)に入植/エイリーク血斧王との付き合い

事績: 父とともにハラルド美髪王を襲撃/アイスランドへ移住

所持: ドラグヴァンディル/コヌングスナウト

モデル: (d. 930頃(諾語版Wikipedia))


ソーロールヴ・スカラグリームスソン

人物: Borg(アイスランド西部)のヴァイキング/スカラグリームの息子/エイリーク血斧王との付き合い

事績: 一旦エギルと別れる/Brunanburhの戦い(937)で戦死

所持: ドラグヴァンディル/ラング/コヌングスナウト

モデル: (d. 937)


エギル・スカラグリームスソン

人物: Borg(アイスランド西部)のヴァイキング/有名な詩人/オーラヴ・ホスクルドスソンの義父/エイリーク血斧王とグンヒルドの敵

事績: エイリーク王に命を狙われる/Brunanburhの戦い(937)

所持: ドラグヴァンディル/ナズ/ミュールキャルタンスナウト

モデル: (d. 990~995(Wikipedia))

他に: 『ラックス谷のサガ』


ステイナル・オヌンダルソン

人物: Elliðaey島(アイスランド南部)の人/コルマークの母方のおじ/スラーンドの主

事績: エギルの息子ソルステインと衝突

所持: スクリューミル

他に: 『コルマークのサガ』


■ Kjalnesinga Saga(キャラルネス人たちのサガ?)

親子間の悲劇を詠ったサガ


ブーイ・アンドリーズスソン

人物: Kjósarsýsla(アイスランド南西部)の人/スリングの名手

事績: ハラルド美髪王の宮廷でblámaðr(黒人?)と戦わされる/育児放棄を恨んだ息子に殺される

所持: エシュナウト


■ Svarfdæla saga(スヴァルフ谷のサガ?)

入植者間のトラブルを描いたサガ


ソルステイン・ソルグニュースソン

人物: Naumudalur(ノルウェー)の生まれ/Svarfaðardalur(アイスランド北部)に移住

事績: スウェーデンのヤルルの頼みでヴァイキングのモルディ退治/ハラルド王の圧政から逃れるためアイスランドへ

所持: ヤルルスナウト

他に: 『植民の書』


カルル・ソルステインスソン

人物: Svarfaðardalur(アイスランド北部)に暮らす/ソルステイン・ソルグニュースソンの息子/hinn rauða(赤いもの)の二つ名

事績: クラウヴィ(ハヴソールスソン)の仇討ち/リョートールヴとの戦い

所持: アトラナウト

登場: 『植民の書』


リョートールヴ・アルレクスソン

人物: ヴァイキングでSvarfaðardalur(アイスランド北部)のゴジ/goði(神官/良い)の二つ名

事績: ソルステイン・ラウズスソンとの緊張状態/カルルとの戦い

所持: アトラナウト

登場: 『植民の書』

モデル: (10世紀)


■ ヴァトン谷のサガ(みずうみ谷のサガ)

インギムンド一族の移住とキリスト教伝来を描く

オークニーのヤルルシグルズが登場することを考えればオーラヴ・トリュグヴァソン王時代までか


インギムンド・ソルステインスソン

人物: ヴァイキングでGautland(スウェーデン南部)のヤルル/gamli(老いた)の二つ名/ノルウェーの伝説の王Raumrの血を引く

事績: Hafursfjörður(Hafrsfjord)の戦い(872年)でハラルド側につく/アイスランドへ移住/ヴァトン谷(アイスランド北部)の土地を手に入れる/フロルレイヴに殺される

所持: エッタルタンギ

他に: 『植民の書』


ヨクル・インギムンダルソン

人物: Jökulsstaðir(アイスランド北部)の地主/第六感に優れる

事績: 父の仇討ち

所持: エッタルタンギ(ヨクルスナウト?)

他に: 『植民の書』


ソルケル・ソルグリームスソン

人物: ヴァトン谷(アイスランド北部)のヴァイキング/krafla(力)の二つ名

事績: 裁判で魔法に頼る/キリスト教への改宗を断る

所持: ヤルルスナウト/ホグヌズ

モデル: (d. 1013)

他に: 『オーラヴ・トリュグヴァソン王のサガ』


■ ソルスカフィヨルズのサガ(金のソーリルのサガ)

ソーリル達の冒険と、宝の分配を巡る争いを詠ったサガ

伝説のサガの『エイステインの息子ハールヴダンのサガ』の内容を受ける形


ソーリル・オッドスソン/グッルソーリル(金のソーリル)

人物: Þorskafjörður(アイスランド北西部)のヴァイキング/Gotland(スウェーデン南部)王フロズヴェルの孫

事績: Dumbshaf(アイスランドの北の海)で竜ヴァルの宝を手に入れる

所持: アグナルスナウト/ホルンヒャルティ/アグナルスナウタル


ヒュルニング・ハルスソン

人物: Hofstaðir(アイスランド北部)/ソーリルの仲間

事績: Dumbshaf(アイスランドの北の海)で竜ヴァルとの戦い/宝の分配を巡ってソーリルと父親ハルが揉める

所持: アグナルスナウト


■ 植民の書

アイスランド入植者の人名録、写本ごとに多少内容が異なる


スケッギ・スキンナビャルナルソン/ミズフャルザルスケッギ(ミズフィヨルズのスケッギ)

人物: Miðfjörðr(アイスランド北部)のヴァイキング

事績: フロールヴ・クラキの墓を暴く/コルマークに剣を貸す

所持: スコヴヌング

他に: 『コルマークのサガ』


ロズレク

人物: フロスケルの下男

事績: Mælifellsdalの調査に派遣される

所持: ランドコンヌズ


■ コルマークのサガ

コルマークの愛と詩に生きた一生を描く


コルマーク・オグムンダルソン

人物: Melstaður(アイスランド北部)の戦士/ステイナル・オヌンダルソンの甥/詩人としてハラルド王やシグルズ(ラーデのヤルル)に仕える

事績: ステインゲルズを求め続ける/ベルシとの決闘

所持: スクリューミル/スコヴヌング/ヴィグ

モデル: (d. 970(諾語版Wikipedia))


ベルシ/ホールムガングベルシ(決闘のベルシ)

人物: Saurbær(アイスランド西部)の地主/ステインゲルズの夫

事績: コルマークとの決闘(怪我)/ステインゲルズは出て行った

所持: フヴィーティング/ソールヴェイガルナウト


■ Hrana saga hrings(輪のフラニのサガ?)

入植者たちの姿を描いたサガ

王の名前は登場しないが、この時代だと思われる


フラニ(・エギルスソン)

人物: hring(輪の/頬に輪っかのあざがあることから)/Lundarbrekka(アイスランド中北部)の人/ヘルギ・ゴズラウグスソン(krókr/鉤の)の友/父エギル・グヌーパバールザルソンは『植民の書』に記載あり

事績: ガウトランド(イェーアト)のGautiらと戦う

所持: ヘルガナウト


■ Reykdæla saga(レイク谷のサガ?)

4代に渡るスクータの一族を中心にしたサガ(曾祖父ソルステインから)

王の名前は出てこないが、開始はこのあたりと推測


スクータ・アースケルスソン/ヴィーガスクータ(殺しのスクータ)

人物: ヴァイキングの長/アースケル・エイヴィンダルソンの息子/Mývatn(アイスランド中東部)に土地を得る/騙し討ちを得意とする/サガ後半の中心人物

事績: 父アースケルの仇討ち/最後は妹の夫に討たれる

所持: フルガ

モデル: (d. 990(西語版Wikipedia))

他に: 『Víga-Glúms saga』


ソルケル・ゲイラソン

人物: Mývatn(アイスランド中東部)の人/ゲイリの息子

事績: ハルに代わってソルステインと決闘/夢の中にスケヴィルが現れ剣を託す

所持: スケヴィルスナウト


ソルヴァルズ・ソルゲイルスソン

人物: 槍を持っているという記述のみ

所持: ヴァグンスナウト

エイリーク血斧王(エイリーク1世)時代 930 - 934

アルシング(全島集会)が開設される

植民の終了と共和制の開始

ハーコン善王(ホーコン1世)時代 934 - 960

他に: アザルステイン王(イングランド王アゼルスタン)/ゴルム王(デンマーク王ゴーム)


■ Þórðar saga hreðu(恐ろしいソールズのサガ?)

移住先での軋轢と和解の様子を描く


ソールズ・ホルザカーラソン

人物: hreða(恐ろしい)の二つ名/エイリーク王の息子ガムリに仕える/Miðfjörðr(アイスランド北部)に土地を得る

事績: エイリーク王の息子シグルズ殺し/アイスランドへ逃れる/ミズフャルザルスケッギとの和解

所持: ガムラナウト


■ スールの子ギースリのサガ

嫉妬や虚栄心の為に、兄弟や義兄弟の絆が引き裂かれていく様子を詠ったサガ

ギースリはホルズ、グレティルと並ぶ有名な無法者


ギースリ・スールスソン(ソルビャルナルソン)

人物: Súrnadal(ノルウェー)生まれ/父はソルビョルン・ソルケルスソン/スールスソンは故郷に因んだものか/Haukadalur(アイスランド中西部)域内に入植(950年頃)

事績: 兄弟・義兄弟の絆の証として槍を打つ/義兄弟ヴェーステインの仇討ち/長年に渡る逃亡生活

所持: グラーシーザ

モデル: (d. 979(諾語版Wikipedia))


ギースリ・ソルケルスソン

人物: Súrnadal(ノルウェー)生まれ/ギースリ・スールスソンのおじ/褒められた人物では無さそう

事績: 奴隷コルから剣を借りベルセルクのビョルンと決闘/コルとの揉み合いでグラーシーザを破損/スケッギとの決闘

所持: グラーシーザ


スケッギ/ホールムガングスケッギ(決闘のスケッギ)

人物: Saxa島(場所不明)の人

事績: おじバールズの仇ギースリ・ソルケルスソンとの決闘(逃亡)/後に殺される

所持: グンロギ

ハラルド灰衣王(ハーラル2世)時代 961 - 970

■ ホルズのサガ

有名な無法者ホルズの一生が語られる


ホルズ・グリームケルスソン

人物: Ölfusvatn(アイスランド南西部)のヴァイキング

事績: トロールの塚を破壊

所持: ビャルナルナウト/ソータナウト

モデル: (d. 983(西語版Wikipedia))


■ ラックス谷のサガ

孔雀のオーラヴの一族について詠ったサガ

前半はオーラヴの出自について、後半はグズルーンを巡る男たちについて

マグヌース善王時代まで描かれる


オーラヴ・ホスクルドスソン

人物: ラックス谷(アイスランド西部)の商人で族長/pái(孔雀)の二つ名/アイルランドのミュールキャルタン王(Muirchertach mac Néill)の孫/エギルの娘を娶る

事績: ミュールキャルタン王に面会

所持: ミュールキャルタンスナウト

モデル: (d. 1006(英語版Wikipedia))


ゲイルムンド

人物: Hörðaland(ノルウェー)のヴァイキング/魔法使い

事績: オーラヴ・ホスクルドスソンの娘スリーズを娶る/スリーズにフォートビートを持ち去られる(呪いを掛ける)

所持: フォートビート


キャルタン・オーラヴスソン

人物: ラックス谷(アイスランド西部)の人/オーラヴ・ホスクルドスソンの息子/エギル・スカラグリームスソンの外孫/キャルタンとグズルーンのすれ違いが悲劇に

事績: グズルーンを巡ってボリと決闘(死亡)

所持: コヌングスナウト

モデル: (d. 1003(※))

※『The Topography of Violence in the Greco-Roman World』(Riess)


ボリ・ソルレイクスソン

人物: ラックス谷(アイスランド西部)の人/オーラヴ・ホスクルドスソンの甥/グズルーンの3番目の夫

事績: キャルタンとの決闘/遺族側の戦士ヘルギに殺される

所持: フォートビート/コヌングスナウト


ソルケル・エイヨールヴスソン

人物: グズルーンの4番目の夫/ゴジのスノッリの友人

事績: 海で溺れ死ぬ

所持: スコヴヌング


■ フローアマンナ・サガ

4代に渡るソルギルス一族についてのサガ

冒頭で登場するのはソグン(ノルウェー)のハラルド金髭王

オーラヴ・トリュグヴァソン王時代までが描かれる


ソルギルス・ソールザルソン

人物: Traðarholt(アイスランド南西部)の人/Örrabeinsstjúpr(オッラヴェインの養子)の二つ名/祖先にはラグナル・ロズブローク、シグルズ、オーディン神などがいる/赤毛のエイリークの友

事績: 鉄頭のSvartr(Surtur)を斬る/ブリテンやアイルランドを巡る旅/キリスト教への改宗/グリーンランド探索

所持: ブラズニル/ヤルズフーススナウト/アウズナルナウト

モデル: (d. 1020(西語版Wikipedia))


アウズン・ギュズソン

人物: ソルギルスの友

事績: 夢の中でソルギルスに武具を与える

所持: ブラズニル/アウズナルナウト


ソルステイン

人物: ソルギルスの友/ヤルルのハーコンの臣下/hinn hvíti(白いもの)の二つ名/『Þorsteins saga hvíta』の主人公とは別人か(土地が一致しない)

所持: アウズナルナウト


■ ニャールのサガ

ニャールとグンナルの友情や、彼らを巡る血讐の連鎖などが描かれる

ヤルルハーコンの時代まで


ニャール・ソルゲイルスソン/ブレンヌニャール(炎のニャール)

人物: Bergþórshvoll(アイスランド南西部)の人/グンナルの友/法律家で穏やかな人物

事績: 息子たちが起こす面倒に巻き込まれる/フロシの焼き討ちに遭う(焼死)

モデル: (d. 1011(瑞語版Wikipedia))


グンナル・ハームンダルソン

人物: Hlíðarendi í Fljótshlíð(アイスランド南西部)の戦士/武芸に優れる/ニャールの友

事績: 白のギッスルとの揉め事/アイスランドに留まり殺される

所持: オルヴィスナウト/グンナルノヤリ

モデル: (d. 990)


ヘジン・ニャールスソン/スカルプヘジン(不毛のヘジン/鋭いヘジン)

人物: Bergþórshvoll(アイスランド南西部)の人/ニャールの息子/日頃の行いが悪く人気が無い

事績: 義理の兄弟ホスクルドを殺す/フロシの焼き討ちに遭う(焼死)

所持: リッムギューグ/スカルプヘジンスナウト

モデル: (d. 1011)


カーリ・ソールムンダルソン

人物: ヴァイキング/オークニー伯シグルズに仕える/ニャールの息子たちの友

事績: フロシへの復讐を誓う/老いてからフロシを赦す

所持: フョルスヴァーヴニル

モデル: (d. 1030)


ソールハル・アースグリームスソン

人物: 法律家/ニャールの養子アースグリームの息子

事績: モルズの弁護人としてフロシと対立/民会の決定を不服とし全島集会へ殴り込む

所持: スカルプヘジンスナウト


ホスクルド・スラーインスソン

人物: スラーインの息子(父はニャールの実子達に殺される)/ニャールの養子/Hvítanesのゴジ

事績: 嫁取りの条件としてゴジに/奸計に乗ったニャールの実子達に殺される

所持: フロサナウト

モデル: (d. 1010)


フロシ・ソールザルソン/ブレンヌフロシ(炎のフロシ)

人物: Svínafell(アイスランド南部)の人/ニャールの養子ホスクルドの義理の伯父/Svínfellingar一族の祖/有力者シーズハルと姻戚関係

事績: ニャール一家を焼き討ちする/カーリに追われるが何だかんだで生き延びる

所持: フロサナウト

ハラルド青歯王(デンマーク王ハーラル1世)時代 961 - 980

ハーコン・シグルザルソン(ラーデのヤルルホーコン)時代 965/970 - 995

ノルウェー王不在の時代

他に: ヴァルディマル王(キエフ大公ウラジーミル1世)/アザルラーズ王(イングランド王エゼルレッド2世)/皇帝オッタ(神聖ローマ皇帝オットー1世~3世)/(フランス王ユーグ・カペー)


■ 蛇舌グンラウグのサガ

生涯に渡るフラヴン・オヌンダルソンとの争いを詠ったサガ

ラーデのヤルルエイリークやオークニーのヤルルシグルズの時代まで


アザルラーズ

人物: イングランド王/ヤートゲイル(エドガー)の息子

事績: グンラウグとの交流

所持: アザルラーズスナウト

モデル: イングランド王エゼルレッド2世(d. 1016)


グンラウグ・イールガソン

人物: イールギの息子/Ormstunga(蛇舌)の二つ名/Borg(アイスランド西部)の辺りに身を寄せる(エギルの本拠地)

事績: エギルの孫娘を巡ってフラヴン・オヌンダルソンと争う

所持: アザルラーズスナウト

モデル: (d. 1008)


■ イーサフィヨルド人ハーヴァルズのサガ

ハーヴァルズの復讐について語られる

オーラヴ・トリュグヴァソン王の登場まで


ソルビョルン・スョーズレクスソン

人物: イーサフィヨルズ(アイスランド北西部)のヴァイキング/物語の敵役

事績: ハーヴァルズの息子オーラヴを殺す/逃げ回るがハーヴァルズに討たれる

所持: グンロギ

モデル: (d. 1003)


■ Gunnars saga Keldugnúpsfífls(Keldugnúprの愚か者グンナルのサガ?)

うつけ者と思われたグンナル・ソルビャルナルソンの活躍を描く

ラーデのヤルルハーコンが登場


ファーラ

人物: 女トロール/ガーラの姉妹

事績: グンナルを助けトロールと戦う

所持: スルム

オーラヴ・トリュグヴァソン王(オーラヴ1世)時代 995 - 1000

ノルウェーからのキリスト教改宗への圧力

他に: ブリャーン王(アイルランド王ブライアン・ボル)/シグトリュッグ王(ダブリン王シトリック)

オーラヴ聖王(オーラヴ2世)時代 1015 - 1028

他に: クヌーズ王(イングランド王クヌート1世)


■ ヒータル谷の勇士ビョルンのサガ

オッドニューを巡るソールズ・コルベインスソンとの争い


ビョルン(・アルンゲイルスソン)

人物: ヒータル谷(アイスランド西部)の人/エギル・スカラグリームスソンの大甥(エギルの孫と共に育つ)/ヴァルディマル王のところで世話になる

事績: Garðaríki(キエフ大公国)の戦士カルディマルを倒す/ソールズにオッドニューを奪われる

所持: メーリング


■ グレティルのサガ

有名な無法者グレティルの一生を詠ったサガ

ハラルド苛烈王の時代まで

(兄ソルステインが到達した頃のMiklagarðr(ビザンツ)の皇帝はコンスタンティノス9世モノマコス?)


グレティル・アースムンダルソン

人物: Bjarg í Miðfirði(アイスランド北部)の人/sterki(強い)の二つ名/母はヨクル・インギムンダルソンの孫

事績: 兄アトリの仇討ち/長年に渡る逃亡生活

所持: カールスナウト/ヨクルスナウト

モデル: (d. 1031(※))

※『The A to Z of the Vikings』(Holman)


アトリ・アースムンダルソン

人物: Bjarg í Miðfirði(アイスランド北部)の地主/グレティルの兄

事績: グレティルに恨みを持つ者らを返り討ちにする/そこで更に恨みを買い殺される

所持: ヨクルスナウト


ソルステイン・アースムンダルソン

人物: ヴィーク(アイスランド最南端)の生まれ?/グレティルの半兄弟/drómundr(戦艦)の二つ名

事績: 弟グレティルの仇討ち/Miklagarðrに到達

所持: カールスナウト


■ Heiðarvíga saga(荒野の殺人のサガ?)

ステュル・ソルグリームスソンの戦いが部族間の争いに発展していく


バルジ・グズムンダルソン/バールズ?

人物: Ásbjarnarnes(アイスランド北部)のヴァイキング/オーラヴ・ホスクルドスソンの外孫/Húnavatnssýsla(北部)側の中心人物/ゴジのスノッリの娘を娶る

事績: 兄弟の復讐を誓う

所持: ソルガウトスナウト

マグヌース善王(マグヌス1世)時代 1035 - 1047

■ Þorsteins saga Síðu-Hallssonar(シーズハルの息子ソルステインのサガ?)

ソルステインの見た夢と彼の復讐を描く


ソルステイン・シーズハルスソン

人物: Álftafjörður(アイスランド東部)のヴァイキング/ゴジのシーズハルの息子

事績: クロンターフの戦いにオークニーのシグルド側で参加/ソールハッド一家への復讐

所持: シズランダナウト/ヤルルスナウト

インギ王(インゲ1世)時代 1136 - 1161

■ Sturlu saga(ストゥルラのサガ?)

『ストゥルルンガ・サガ』の一部

フヴァムストゥルラの生涯を詠ったサガ、レイクホルトの神父パールとの争いの様子も

A.D. 1148-1183とある


ヴィズクズ・リーヌソン(ガルマンスソン)

人物: Staðarhóll(アイスランド南西部)の人/斧の持ち主ということで挙げたが重要人物ではない

事績: ビョルン(・ギルスソン)を殺す

所持: ステインスナウト

ハーコン老王(ホーコン4世)時代 1217 - 1263

アイスランドのノルウェーへの従属が決定する


■ Svínfellinga saga(スヴィーナフェル人たちのサガ?)

『ストゥルルンガ・サガ』の一部

オグムンドとSvínfellingar一族との争いが語られる


オグムンド・ヘルガソン

人物: Kirkjubær(アイスランド東部)の人

事績: 妻の兄弟たち(Svínfellingar一族)との抗争/Eyjafjöllum(南部)の方に移る

所持: スヴァルトレッギャ

モデル: (d. 1255(西語版Wikipedia))


■ アイスランド人たちのサガ

ストゥルルング一族の興亡を詠ったサガで、『ストゥルルンガ・サガ』の中核

一族はシグフヴァト、その息子ストゥルラの下で権勢を誇ったが、Örlygsstaðirの戦い(1238年)に敗れ勢いを失った


● ストゥルルング一族

ストゥルラ・ソールザルソン1/フヴァムストゥルラ(フヴァムのストゥルラ)

人物: Hvammur í Dölum(アイスランド西部)に土地を得る/Sturlungar一族のゴジ

事績: レイクホルトの神父パールとの争い

モデル: (d. 1183)

他に: 『Sturlu saga』


ソールズ・ストゥルルソン

人物: ストゥルラ・ソールザルソン1の息子/ストゥルラ・ソールザルソン2の父/Ölduhrygg(Staðarstaður)の農夫

事績: 殺されずに生涯を全う

モデル: (d. 1237)


ストゥルラ・ソールザルソン2

人物: ソールズ・ストゥルルソンの息子/中立的な立場

事績: 『アイスランド人たちのサガ(ストゥルルンガ・サガ)』などの編纂

所持: ケトリング

モデル: (d. 1284)


シグフヴァト・ストゥルルソン

人物: ストゥルラ・ソールザルソン1の息子/ストゥルラらの父/Sturlungar一族のゴジ/Eyjafjörður(アイスランド北部)へ移住

事績: ストゥルラの戦いに巻き込まれる/Örlygsstaðirの戦い(戦死)

所持: スチャルナ

モデル: (d. 1238)


トゥミ・シグフヴァトスソン1

人物: シグフヴァトの息子

事績: Hólarの所有を巡り司教グズムンドと揉める/アロンに殺される

所持: トゥマナウト

モデル: (d. 1222)


トゥミ・シグフヴァトスソン2

人物: シグフヴァトの息子

事績: バールズ・スカルズスノッラソンを殺す/Reykhólarで殺される

モデル: (d. 1244)


ストゥルラ・シグフヴァトスソン

人物: Sauðafell(アイスランド西部)の地主/シグフヴァトの息子/Örlygsstaðirの戦い当時のゴジ/全方位に敵を作る

事績: 司教グズムンドとの争い/ハーコン王に従うことを決める/Haukdælir一族のギッスルとの争い/Örlygsstaðirの戦い(戦死)

所持: ケトリング/ブリュニュビート/スヴェジャ/スナガ/ヒミンテルギャ/グラーシーザ

モデル: (d. 1238)


コルベイン・シグフヴァトスソン

人物: シグフヴァトの息子/父の斧による死

事績: Örlygsstaðirの戦い(Miklabærで殺される)

所持: ロストゥング

モデル: (d. 1238)


マルクース・シグフヴァトスソン

人物: シグフヴァトの息子

事績: Örlygsstaðirの戦い(戦死)

モデル: (d. 1238)


ソールズ・シグフヴァトスソン1

人物: シグフヴァトの息子/kakali(吃音)の二つ名/ハーコン老王に仕える/ストゥルルングに一時の輝きを取り戻す

事績: 親族の死を聞きノルウェーから戻る/Húnaflóiの戦い/Haugsnesの戦い/ハーコン王から召喚されノルウェーに戻る

モデル: (d. 1256)


ソールズ・シグフヴァトスソン2

人物: シグフヴァトの息子/krókur(鉤)の二つ名/父の斧による死

事績: Örlygsstaðirの戦い(Miklabærで殺される)

モデル: (d. 1238)


スノッリ・ストゥルルソン

人物: ストゥルラ1の息子/オーレーキャらの父/野心家/Oddi(アイスランド南部/Oddaverjar一族の本拠地)で育つ/Borgarfjörður(アイスランド西部)一帯に土地を得る/ログソグマズル(法の宣言者)/ストゥルルング主流派との対立

事績: 『スノッリのエッダ』や『ヘイムスクリングラ』の編纂/ヤルルのスクーリへの接近/ギッスルに討たれる

モデル: (d. 1241)


オーレーキャ・スノッラソン(Órækja)

人物: スノッリの息子/騙し討ちで不自由な体に

事績: Surtshellirの洞窟でストゥルラ・シグフヴァトスソンの騙し討ちに遭う/スノッリの死後ノルウェーに追い払われる

所持: ケトリング/ステイピル?/セーッタスピッリル

モデル: (d. 1245)


ソルヴァルズ・ソールザルソン

人物: シグフヴァト・ストゥルルソンの郎党

事績: Örlygsstaðirの戦い(戦死)?

所持: フッルトルーイ

モデル: (d. 1238)


● その他勢力

ギッスル・ソルヴァルドスソン

人物: Haukdælir一族(アイスランド南西部)のゴジ/後にアイスランドのヤルルとなる/ストゥルルング最大の敵

事績: 反ストゥルラ勢力の結集/Örlygsstaðirの戦い/スノッリを暗殺

所持: エイヴァラナウト/ブリュニュビート

モデル: (d. 1268)


ゲイルムンド

人物: ギッスルの郎党/þjófr(盗賊)の二つ名

事績: Oddaverjarのソールズ・アンドレースソン殺し(1264)

所持: ギュルタ


ソールズ・ソルヴァルドスソン

人物: Vatnsfjörður(アイスランド北西部)の人/父ソルヴァルド・スノッラソンはVatnsfirðingar一族のゴジ/イールギの兄弟/スノッリと連携?

事績: 父ソルヴァルドの死にストゥルラ・シグフヴァトスソンが関与/ストゥルラの家に押し込む/後に殺された?

所持: スナガ?/ヒミンテルギャ?

モデル: (d. 1232)


イールギ・ソルヴァルドスソン

人物: Vatnsfjörður(アイスランド北西部)の人/父ソルヴァルド・スノッラソンはVatnsfirðingar一族のゴジ/ソールズの兄弟/スノッリと連携?/Æðey島(アイスランド北西部)に移る?

事績: どこかで殺された?

所持: チャルドスペッラ

モデル: (d. 1241)


コルベイン・アルノールスソン

人物: Ásbirningar一族のゴジ(アイスランド北部)/ungi(若い)の二つ名

事績: ギッスルの呼びかけに応じる/Örlygsstaðirの戦い/Húnaflóiの戦い

モデル: (d. 1245)


グズムンド・アラソン

人物: Hólarの司教/góði(神官/良い)の二つ名

事績: Víðinesの戦い/ÁsbirningarとSvínfellingarの連合軍を破る/トゥミ・シグフヴァトスソン1を殺させる/その兄ストゥルラとの戦い/ノルウェーへ追放される/晩年アイスランドに戻る

モデル: (d. 1245)

他に: 『Guðmundar saga biskups』


アロン・フョルレイヴスソン

人物: Miklaholt(アイスランド西部)で育つ

事績: トゥミ・シグフヴァトスソン1を殺す/その兄ストゥルラとの戦い/ノルウェーのハーコン王の下へ

所持: トゥマナウト

モデル: (d. 1255)

他に: 『Guðmundar saga biskups』/『Arons saga』


コルスヴェイン

人物: オッド(Svínfellingar一族)の郎党/kröbbungrの二つ名

事績: アースビョルン・イールガソンから剣を盗む

所持: ニージング


セームンド・ヨーンスソン

人物: Oddaverjar一族のゴジ(アイスランド南部)/Skálholtの神父パールは兄弟/父ヨーンはスノッリの養父

事績: 衰退した勢力の立て直しを図る

モデル: (d. 1222)


ソールズ・アンドレースソン

人物: Oddaverjar一族の長(アイスランド南部)/セームンド・ヨーンスソンの孫

事績: ギッスルの排除に失敗し逆に殺される

所持: シグフーススナウト

モデル: (d. 1264)


ヨーン・ソルゲイルスソン

人物: grunda(疑わしい?)の二つ名/Kvennahóllのスキージ・ソルケルスソンと何らかのトラブル?

事績: Hvammでストゥルラ・ソールザルソンと面会(スキージの斧を贈る?)/古い斧でスキージ・ソルケルスソンを殺す?

所持: ドロプラウグ/ヤルラバニ


シグムンド・スカルズスノッラソン

人物: Skarðverjar一族の長スノッリ・ナルヴァソンの息子

事績: ストゥルルングとの付き合い/兄弟バールズがトゥミ・シグフヴァトスソン2に殺される

所持: ドロプラウグ

モデル: (d. 1245)