インドシナ半島の人々について

始めに

wordsの中で取り上げたインドシナ半島関連人物を補足的に紹介していきます。

『ラーマーヤナ』や『マハーバーラタ』の派生作品については除外しています。

ミャンマー

古くはモン族やピュー族、後にビルマ族やシャン族などが国を興した

タイの勢力とはしばしば衝突


シャー・トゥ・ペ(Shar Tu Phe)

人物: カレンニー族の英雄/母は出産後まもなく死亡

事績: 天使(Dwe Mae Naw)から魔法の剣を授けられる/ユアン族との戦い/剣の一撃で湖を作る/亀に変化

所持: ダーセッチャル

登場: カレンニー族の伝説


クラ・ナウン(Khra Naung)

人物: 後にKala(ヨーロッパ)の国を治める/鍛冶屋兄弟の弟/兄はクラカム(Khrakam)

事績: 九頭のワニを退治/兄と別れる/Kalaの国でヘビ退治/兄探し

所持: ルントンニントゥ/ルンクランクンリ

登場: カチン族の伝説


クン・ロン(Khun Long)/クン・ルン(Khun Lung)/クン・ルアン(Khun Luang)

人物: タイ族の先祖/Lengdon神(インドラ)の孫または息子/クン・ラーイの兄弟

事績: 弟とともに降臨/Mung-Ri Mung-Ram(Mong Mao?)を創設

所持: ヘンダーン/ダープラーンバーン/クロンラーンムアン

年代: 568年?に天下り


クン・ラーイ(Khun Lai)

人物: タイ族の先祖/Lengdon神(インドラ)の孫または息子/クン・ロン(クン・ルン)の兄弟/息子Ai-Khun-LongがMong Kongを創設

事績: 兄とともに降臨/Mung-Ri Mung-Ram(Mong Mao?)を創設/兄から王位を奪おうとするバージョンも

所持: ヘンダーン/ダープラーンバーン/クロンラーンムアン

年代: 568年?に天下り


ドゥッタバウン

人物: スリ・クセトラ王/トンバンラ(Pan Htwar)を妃に迎える

事績: 部下の讒言を信じトンバンラを冷遇する

所持: ティラウンタ/アレインダマ

年代: 第二王朝が739年から/伝説では紀元前444年から統治開始


マハータインサンダ

人物: サンダ(チャンダ)朝アラカンの創始者

事績: ムスリムを容認

所持: アリンダマ

年代: 統治が810年まで/首都の建設が327年という話もある(または788年)


スーラタインサンダ(Sula Taing Sandra)

人物: サンダ(チャンダ)朝アラカン最後の王

事績: モンゴル軍に殺される?/中国からの帰り道に溺死?

所持: ムヤーリェット/ナワヤットレツウェット

年代: 統治が957年まで


クンソー・チャウンピュー(Kunhsaw Kyaunghpyu)

人物: パガンの王

事績: ソッカテに殺される

所持: ティラウンタ/アレインダマ

年代: d. 1048


マヌーハー(Manuha)/マヌーホー(Manuho)/Sri Tribhavanadityapavarasudhammaraja

人物: 最後のタトゥン(タトン)王

事績: パガンのアノーヤターに敗れる

所持: マノマヤ

年代: 統治が1057年まで


アノーヤター

人物: パガン朝の初代/チャウンピューの息子

事績: 父の仇ソッカテを討つ/タトゥンを征服

所持: ティラウンタ/アレインダマ

年代: d. 1077


チャンシッター

人物: パガン朝の3代目/アノーヤターの息子

事績: 父の妃に手を出し殺されかける/アーナンダ寺院などを建設

所持: アレインダマ

年代: d. 1113


シュウェナンチョーシン/ナラパティ2世

人物: アヴァ朝の王

事績: ソーロンの反乱に悩まされる/アヴァ包囲戦で死亡

所持: イェインウェパダー

年代: d. 1527


トハンブワ/思洪発

人物: アヴァ朝の王/反乱指導者ソーロン(思倫)の息子/暴君として知られる

事績: タウングーのバインナウンらとの戦い/仏教を弾圧

所持: イェインウェパダー

年代: d. 1542


ミンチーヤンアウン

人物: アヴァ朝の軍人/トハンブワに仕える

事績: トハンブワを暗殺/コンマインを王に推挙し下野

所持: イェインウェパダー


アラウンパヤー/アウンゼーヤ

人物: コンバウン朝の創始者/もとは集落の長

事績: モン族との戦い/タイのアユタヤ朝との戦い

所持: タンリェット/ヤンボンチュイン

年代: d. 1760


ミンドン・ミン

人物: コンバウン朝の王/前王パガンの異母兄弟/近代化を推し進めた

事績: パガンから王位を奪う/息子たちの反乱に遭う

所持: ガモーク/カラピャン

年代: d. 1878


ティーボー・ミン

人物: コンバウン朝最後の王/ミンドンの息子

事績: 第三次英緬戦争に敗北

所持: ヤインウェバル

年代: d. 1916


スーパヤーラッ

人物: コンバウン朝ティーボー王の后/ティーボーの異母兄弟

事績: 王位を脅かす人間を殺す

所持: ナントゥサメイッ

年代: d. 1925

タイ

ミャンマーやカンボジアなど周辺勢力の影響を受け続けた

13世紀頃からタイ族による支配が進む


ラーオ・チョン(Lao Chong)/ラーオ・チョック/Lawachangkarat/Lavachankaraja

人物: グンヤーン(ラーオチョン/チャッカラート)王国の祖/グンヤーンが首都になるのは後の話

事績: 伝説のラヴォ王プラヤ・カラヴァーナディトゥからヒラン(チエンセーン)の統治を任される

所持: シーカンジャヤー

年代: 建国が638年


イスマイル・シャー/ラジャ・スリ・ワンサ

人物: パタニの初代スルタン/伝説上の人物?

事績: 都を定める

所持: スリヌグリ/トゥクブク/ナンリウリウ

年代: 13世紀中ごろ

登場: 『Hikayat Patani』(15c末~?) - パタニの年代記


シーインタラーティット/ポークン・バーンクラーンハーオ

人物: スコータイ朝最初の王/もとはバーンヤーンの領主

事績: クメール人との戦い

所持: カモーンテンゴーン

年代: d. 1270頃


ポークン・パームアン

人物: スコータイ朝の創始者/シーインタラーティットの摂政/もとはラートの領主

事績: クメール人との戦い

所持: カモーンテンゴーン/プラカーンジャヤーシー


マンラーイ

人物: ラーンナー王国の祖/グンヤーン王家の末裔とされる/モンゴルに対抗

事績: ハリプンチャイ攻め/法典の整備/落雷で死亡

所持: シーカンジャヤー

年代: d. 1311


クン・ペーン

人物: アユタヤの戦士/ラーマーティボーディー2世に仕える/『クンチャンとクンペーン』のモデル

事績: チエンマイ(ラーンナー)との戦い

所持: ダープファーフーン

年代: ラーマーティボーディー2世の統治が1491–1529

登場: 『クンチャンとクンペーン』(1600年頃~) - タイの叙事詩 一人の女性を巡る二人のライバルの物語


ナレースワン/サンペット2世

人物: アユタヤ朝中興の祖/タイ三大王の一人/ムエタイの始祖

事績: タウングー朝ビルマからの独立/シッタン川の戦い/ナンダ・バイン王の包囲を退ける/象合戦

所持: プラセーンコーンガーオチャオプラヤーセーンフォンラファーイ/プラセーンダープカープカーイ/プラセーンプーンノクサプ/プラマーラービーアン

年代: d. 1605


ラジャ・ビル/ラトゥ・ビル

人物: パタニの女性スルタン/アユタヤに対抗

事績: 大砲を作らせる

所持: スリヌガラ/パヤータニ/マハルラ

年代: d. 1624


ナーラーイ/ラーマーティボーディー3世

人物: アユタヤ王/黄金期を実現/文化と外交に功績

事績: タウングー朝との戦い

所持: ダープラーンアータン

年代: d. 1688


サムッタコート

人物: 王子/魔法の剣の持ち主/『ラーマーヤナ』のラーマと比較される

事績: 姫とともに天界を旅する

所持: サムッタコートノケン

登場: 『サムッタコート・カムチャン』(1657-1849) - タイの郷土文学 ナーラーイ王時代 パンニャーサジャータカの逸話が題材


ナーラークップ(Narakup)

人物: Romyaburiの王/『ラーマーヤナ』のジャナカと比較される

事績: 娘への求婚者を試す

所持: サハツァファン

登場: 『サムッタコート・カムチャン』(1657-1849)


チャオプラヤー・タップ(Chaophraya Thap)

人物: アユタヤのプーミンタラーチャー王の息子

事績: 内戦の際王宮の宝を持ち去った?

所持: プラカクライ

年代: プーミンタラーチャーの統治が1709–1733


プラー・シースリヤパハ(Phra Si Suriyaphaha)/プラヤー・シースリヤパット(Phraya Sri Suriyaphat)

人物: アユタヤの軍人/サトコップの守将

事績: ビルマ軍を撃退(1766年)

所持: マハカラマリタユラット

年代: エーカタット王の時代(1758–1767)


タークシン/鄭信

人物: トンブリー朝の王/華僑/アユタヤのエーカタット王に仕える/文化の保護

事績: アユタヤ朝に反旗/ラーマキエンの編纂/乱心し王位を追われる

所持: プラピルン

年代: d. 1782


プラヤー・ピチャイ

人物: トンブリーの戦士/タークシン大王に仕えた/ダープハック(broken sword)の異名/二君にまみえず

事績: ビルマ軍との戦い

所持: ダープナンタカーウット

年代: d. 1782


ラーマ1世/チャオプラヤー・チャックリー

人物: チャクリー朝シャムの初代/タークシン大王に仕えた

事績: 将軍として各地を転戦/タークシンを処刑/ビルマを撃退

所持: プラセーンダープファークトンクリアン/ナーラーイサンガーン/パヤータニ

年代: d. 1809


クライトーン

人物: ノンタブリーの商人/ワニを倒すための術を修得

事績: ワニ王Chalawanを倒す

所持: サッタロハ

登場: 『クライトーン』 - ラーマ2世の作 ピチット地方の伝説が題材


サントーン

人物: Thao Yosawimon王の息子/金色のほら貝から生まれた/神の生まれ変わり

事績: 女怪Panturatに育てられる/逃亡/Rochana姫への求婚/父母との再会

所持: ゴーパ

登場: 『サントーン』 - ラーマ2世の作 パンニャーサジャータカの逸話が題材


チャオプラヤー・マハーヨータ(Chaophraya Mahayotha)/Chao Phya Maha Yotha/Phraya Cheng

人物: モン族の指導者/チャクリー朝の副王スラシンハナートやラーマ3世に仕える

事績: ビルマとの戦い/イギリス軍の戦法を学習

所持: プルー

年代: ラーマ3世の統治は1824–1851


クーバ・シヴィチャイ

人物: タイの僧侶

事績: ワット・プラタートハリプンチャイの改修

所持: ハリプンチャイ

年代: d. 1938

カンボジア

古くからクメール人の国が栄えた

インドネシア、中国、タイ、ベトナムなど外敵の侵入に悩まされ続けた


レムソ/リエムソー/リアム・エイソー(Ream Eyso)

人物: 太陽の悪魔/パラシュラーマとされる

事績: Preah Vorachhunを殺す/海と雷の女神モニメカラ(Moni Mekhala)と戦う

所持: リアムエイソノオノ

登場: 『Robam mekhala-reamsor(Robam moni mekhala-ream eyso)』 - カンボジアの舞踊劇


プリヤ・ヴォラチュン(Preah Vorachhun)/Varjuna

人物: 地の王子/女神モニメカラの仲間/アルジュナとされる/近代的なバージョンの追加キャラ?

事績: Ream Eysoに殺される

所持: プリヤヴォラチュンノタンケン

登場: 『Robam mekhala-reamsor(Robam moni mekhala-ream eyso)』- カンボジアの舞踊劇


混填/カウンディヌヤ

人物: 扶南の祖/混填(建国者)とカウンディヌヤ(ナーガ婚伝説)を別人とみる説も

事績: 柳葉(ソーマ)を撃退

所持: カウンディヌヤノユミ

年代: 建国が50または68年


ジャヤーヴァルマン2世

人物: クメール(アンコール)朝の祖

事績: ジャワ島から帰還/シャイレーンドラ朝からの独立

所持: ブラーカールガ/プリヤカーンリーチ

年代: d. 835


インドラヴァルマン3世

人物: クメール王/学問に通じる

事績: 部下がチャンパから女神像を強奪してくる

所持: インドラヴァルマンノボウ

年代: 統治が1295–1308


タ・チェイ/トロソク・ピヤム(Trosok Peam)/Lompeng Reachea

人物: クメール王/元はJayavarman Parameshwara(ジャヤーヴァルマン9世/Sihanouk)の庭師/Nippean Batを息子とする資料も/パガン朝のNyaung-u Sawrahan王と同様のエピソード

事績: 野菜泥棒と見なしJayavarman Parameshwara王を殺す

所持: プリヤロンペンチェイ

年代: 統治が1351年まで

ラオス

ラーオ族が各地に都市国家(ムアン)を建設


クン・ボロム/クン・ボーロム/クン・ブロム/クン・ブーホム

人物: ムアン・テーンの王/インドシナ諸国の祖/南詔の皮羅閣と同一視またはその先祖とされるが根拠はない

事績: インドラ神により下界に遣わされる/7人の息子たちに各地を統治させる

所持: サーイファーメーブ/ハーンコン/ファーンリーアウ/メーウィー/レッコンケープアック

年代: 698年に息子のクン・ローがスワー侯国(ムアン・スワー)を建国


クン・ロー

人物: ムアン・スワーの王/ラオスの祖/クン・ボロムの長男

事績: 兄弟たちと父の領地を分け合う

所持: メーウィー

年代: d. 780


スリウォン(Suri-Wong/Suriwoŋ)

人物: Cetaranakoonの王子

事績: 悪魔の国に置き去りにされる?/マカク(猿)の王を従える

所持: スリークンチェーイ

登場: カム(クム)族の民話か

ベトナム

中国との関係が深い


タィン・ゾン(Thánh Gióng)/聖𢶢/Phù Đổng Thiên Vương/扶董天王

人物: 文郎国の少年/四不死の一人

事績: 殷寇を撃退

所持: タィンゾンノボウ

年代: 6代目雄王(雄暉王)の時代(1712 BC-1632 BC)


アン・ズオン・ヴォン(An Dương Vương)/安陽王/蜀泮

人物: オーラック(甌雒)の祖/古蜀の王子

事績: 文郎国を滅亡させる/南越国の趙佗に滅ぼされる

所持: キムクイノド

年代: d. 208 BC


ファム・ヴァン(Phạm Văn)/范文

人物: チャンパ第二王朝の祖/揚州生まれ/野心家で策略家

事績: 范稚の奴隷となる/チャンパ王范逸に取り入る/晋との戦い

所持: ギョトウ

年代: d. 349


レ・ロイ/黎利/ビン・ディン・ヴォン/平定王

人物: 後黎朝大越の太祖/藍山の豪族

事績: 明の永楽帝に抵抗

所持: トゥアンティエンキエム

年代: d. 1433


グエン・ニャック/阮岳/グエン・ヴァン・ニャック/阮文岳/泰徳帝

人物: 西山朝(帰仁政権)の祖/広南国の人/阮侶、阮恵の兄

事績: 広南国を滅ぼす/チャクリー軍を撃退

所持: ドックタンキエム

年代: d. 1793


グエン・フエ/阮恵/グエン・ヴァン・フエ/阮文恵/光中帝

人物: 西山朝(富春政権)の皇帝/広南国の人/阮岳、阮侶の弟

事績: 東京国を滅ぼす/兄から独立/清軍を撃退し後黎朝を滅ぼす

所持: オロンダオ

年代: d. 1792


ヴォ・ディン・トゥ/武廷秀

人物: 西山朝(富春政権)の将軍/七虎将の一人

事績: 帰仁防衛で死亡

所持: ガンコン

年代: d. 1799


チャン・クワン・ジェウ/陳光耀

人物: 西山朝(富春政権)の将軍/七虎将の一人/裴氏春の夫

事績: 清軍を撃退/武文勇との対立/阮福暎に最後まで抵抗

所持: フインロンダオ

年代: d. 1802


リー・ヴァン・ブウ/李文宝

人物: 西山朝(富春政権)の将軍/七虎将の一人

事績: 清軍を撃退/光中帝没後に争いを嫌い下野

所持: キーナムクン


グエン・クワン・フイ(Nguyễn Quang Huy)/阮光輝?

人物: 西山朝(帰仁政権)の将軍/阮家の一族か/阮福暎を何度も苦しめた

事績: 泰徳帝死後も抵抗を続ける/西山朝滅亡後はHòn Ông島で暮らす

所持: ティエッタイクン


レ・シ・ホァン(Lê Sĩ Hoàng)

人物: 西山朝(富春政権)の将軍

事績: 陳光耀との試合で名を上げる

所持: シッロンダオ


ダン・スァン・フォン(Đặng Xuân Phong)/鄧春鋒

人物: 西山朝(富春政権)の将軍

事績: Tôn Thất QuyềnとTôn Thất Xuânの反乱を鎮圧/引退/富春陥落後家族を連れて消える

所持: ティエッコン/リエンファックン


ラ・スァン・キェウ(La Xuân Kiều)

人物: 西山六奇士の一人/詩才や弓才で知られる

所持: ヴィマオクン