アフリカ西部の人々について

始めに

wordsの中で取り上げたアフリカ西部関連人物を補足的に紹介していきます。

ところどころフランス語の影響も見られ表記するのに悩みました。

ハウサ諸国(ニジェール~ナイジェリア北部)

バヤジッダを祖とするハウサ人の諸王国

妃系の7王国(ハウサ・バグワイ)と妾系の7王国(バンザ・バグワイ)が誕生

イスラムの影響が強い地域

19世紀に入るとフラニ人のソコト帝国が統一


シェランデリ(Sherandeli)/シェランデビ(Sherandebi)

人物: 東方から来た精霊(alledjenu)/ボルグの創始者キスラ(Kisra)王の協力者

事績: 最初の槍を作ったとされる/中東から来たキスラ王を援ける/キスラ王の敵、預言者ヌフ(ノア)の軍を撃破/恩を忘れたキスラ王と戦う

所持: シェランデリノヤリ

登場: ビダ(ナイジェリア中部)の伝説 キスラ伝説の一バージョン キスラはホスロー2世がモデル?

参考: 「Kisra legend」(英語版Wikipedia)


バヤジッダ/バヤジダ

人物: バグダードから来た王子/ハウサ諸国の祖/バヤジッダの伝説はキスラ王の伝説を下敷きにしているとされる

事績: ダウラマの民を悩ます蛇を退治/ダウラマの女王の婿になる

所持: バヤジッダノケン/バヤジッダノタンケン

登場: 『カノ年代記』 - カノを中心にハウサ諸国の歴史を記したもの


コラウ/ムハンマドゥ・コラウ(Muhammadu Korau)

人物: 初代カツィナ王/ムスリム/カツィナは妃系王国

事績: カツィナの領主ジブダヤキ・サナウ(Jibda-Yaki Sanau)を倒す/ゴバラウミナレットを建設(16世紀~18世紀とする説も)

所持: ガジェレ

年代: d. 1398~1408

参考: 「Gobarau Minaret」(英語版Wikipedia)


ツォエデ/エデギ

人物: 初代ヌペ王/ヌペ族の文化英雄(金属加工)/ヌペは妾系王国/イガラの王子の庶子/120歳近かったとされる

事績: イダー(イガラの宮廷)に奴隷として送られる/父との面会/宮廷から脱出/ヌペコの領主となる

所持: エグバツォエデ

年代: 15世紀頃


ムハンマド・ルムファ(Muhammad Rumfa)

人物: カノのスルタン/ダウラからの移住者/カノは妃系王国

事績: 宮殿や市場の建設

所持: タグワイェンマス

年代: d. 1499

参考: 「Muhammad Rumfa」(英語版Wikipedia)


アミナ

人物: ザッザウ(ザザウ/ザリア)の戦士女王/ザッザウは妃系王国/征服した町々で愛人を作ったという伝説

事績: 周辺国に朝貢を強制する

所持: ザッザウ

年代: d. 1610

登場: 『カノ年代記』 - カノを中心にハウサ諸国の歴史を記したもの/『Infaku'l Maisuri(Ifaq al-Maysur)』 - ソコトのスルタン、ベロによる年代記


ガマガリ・カンタ(Gama-Gari Kanta)

人物: アルグング(ケッビ)の羊飼い/gamagari(コーラナッツ)/魔法の槍を所有

事績: アガデスのスルタンMuhammad al-Mubarakに対抗/槍をスルタンの息子アガバ(Agabba)に盗まれる/ソコトへ逃れる

所持: カンタノヤリ

モデル: Agabbaに殺されたKanta Ahmaduという人物がいるが?

年代: アガデスとケッビの衝突が17世紀後半

登場: ハウサの叙事詩 アガデスとケッビの衝突を下敷きに


アダ/アダ・グワウロ(Ada Gwauro)/アダ・ギャウロン・マザ(Ada Gyauron Maza)

人物: ドゥツェまたはリンギムの領主(sarkin)/フラニ人/カノの兵士に恐れられる

事績: ドゥツェを奪取/カノ王クンバリ(クンバル)との戦い/カノの王子4人を道連れに討たれる

所持: ワウィル

年代: d. 1735?


アグワラギ(Agwaragi)

人物: カツィナ王

事績: ゴビールのサルキン・ゴビール・ヤクブ(Sarkin Gobir Yakubu)に勝利(1795年)

所持: ベベ

年代: 18世紀末


マカウ/ムハンマド・マカウ・ダン・イシャク・ジャタウ(Muhammad Makau dan Ishaq Jatau)

人物: ハウサ系ザッザウ最後の首長

事績: 以後ザッザウはフラニ系となる

所持: ザッザウ

年代: 統治は1806-1808

参考: 「Zazzau」(英語版Wikipedia)


ギダド・ダン・ライマ(Gidado dan Laima)/ワジリ・ギダド

人物: ソコト帝国の宰相(waziri)/ムハンマド・ベロに仕える

事績: フラニ戦争に参加/ンガザルガムで戦利品の調査 

所持: ビサラム

年代: 在任は1817–1842

ニジェール~マリ

ソニンケ族のガーナ王国崩壊後はマンディンカ族のマリ帝国が有力となる

モーリタニアやブルキナファソも


サガジギ(Saga-djigi)

人物: マンデの天候神/Tulluguri、Kunato、Fiantoらに指示を与える

所持: サガジギカムドルブレ


トゥルグリ(Tulluguri)/クナト(Kunato)/フィアント(Fianto)

人物: マンデの天候神/Saga-djigiの指示を受ける/それぞれ雨季を担当するが性格が違う

所持: ジェレケセ/ジェレカラ


ディンガ(Dinga)/ディンガ・シセ(Dinga Cisse)

人物: 伝説の都市ワガドゥ(ガーナ帝国)の創始者/術師/泉の精の娘たちを妻とする

事績: 泉の女精と戦い従える/末子のジャベ・シセ(Djabe Cisse)がワガドゥの王となる/後のクサ王マレン・ジャグに術を教える

所持: バンダビレ

年代: ワガドゥのMajan Dyabe CisseまたはDinga Cisseが8世紀後半

登場: ソニンケの叙事詩


ラガレ(Lagarre)

人物: ママ・ディンガ(Mama Dinga)王の末子/ジャベ・シセにあたる人物?(同様のエピソードが存在)

事績: 消えた女神ワガドゥを探し出す/都市ワガドゥの蛇ビダと争うバージョンも

所持: タベレ

登場: ソニンケの叙事詩


アマディ・クルンテ(Amadi Kurunte)/マーディ(Maadi)

人物: ソニンケ人/Djamere Soukhounouの息子/Asiyan Ngerente(Siya Yatabare)の許嫁/ビダ殺しがソニンケの衰退を招いたとされる

事績: 許嫁がワガドゥの黒蛇ビダの生贄に選ばれる/ビダを殺す

所持: マアンダタウ

登場: ソニンケの叙事詩


ファンタ・マー(Fanta Maa)

人物: 漁民(ボゾ)の英雄/ジンの息子

事績: 5年間母親の腹の中にいたという話も/ワニ神バマ・ンガラ(Bama-Ngala)との戦い

所持: ゴニンスナーバリ/ジェニカグワントビイェ/バラバラジョナ

年代: ボゾ人の文化は10世紀頃に形成

登場: 『Fanta Maa』 - マリの叙事詩 動物(精霊)たちとの戦いを描く


サンバ・ガナ

人物: ファラカ(Faraka)の王子/ドラゴンはニジェール川(干ばつ?)を暗示しているとも/時代などは不明

事績: ワガナの女王アナリア・トゥバリ(Annalia Tu-Bari)に会う(何をしようと笑わない)/女王に言われるがままファラカ中の町を征服し、ドラゴンのイサ・ベレ(Isa Bere)と戦う/それでも笑わない女王に絶望し自らの剣で死ぬ

所持: サンバノケン

登場: ソニンケの伝説 笑わない女王を笑顔にしようと奮闘する物語


ガッシーレ

人物: ファラカ(Faraka)の王子/ファサ(Fasa)人/優れた戦士/王位やリュートへの執着

事績: ブルダマ(Burdama)人との戦い/リュートの音を聴きたくて戦いを続ける/周囲があきれ果て追放/ようやくリュートに認められる

所持: ダマンギレ

登場: 『ガッシーレのリュート』 - ソニンケの叙事詩 ガーナ王国時代?


スンジャタ・ケイタ/ソン・ジャラ

人物: マリ帝国の祖/マンディンカのナレ・マガン・コナテ(Naré Maghann Konaté)王の息子/優れた戦士であり狩人

事績: 兄により国を追われる/ソソ(スースー)王スマングルをキリナの戦いで破る/ダマ・ンギレに与えられるべき剣を手元に置こうとする

所持: ファラッラ/ムルニニャモホジャタ/ムルニペンペテ/ボボソンベ/タンバダレジョケ/タンバダレビネ/ソンジャラノツエ/トゥルクムルク

年代: d. 1255

登場: マリやガンビアの叙事詩


マンディング・ボリ/マンデン・ボリ/ファボリ/アブバカリ1世/Abu Bakr

人物: マリ帝国の摂政・王(mansa)/スンジャタの異母弟/優れた戦士であり狩人/マンサ・ムーサの祖父とされる/スンジャタの弟とマンサを別人とする説もある

事績: 兄スンジャタを補佐/将軍サクラ(Sakoura)に王位を奪われる

所持: フィリジュバ

年代: 統治が1275-1285

登場: マリやガンビアの叙事詩


ファコリ・コロマ/ファコリ・ドゥンビア/マンデン・ファコリ

人物: マリ帝国の将軍/スマオロ(スマングル)王の甥/soora(piercer)、kumba(大頭)、daba(大口)などの二つ名/スマオロ王の秘密を知っていたというバージョンも

事績: スマオロに祖国を滅ぼされ(または妻を奪われ)反旗を翻す/キリナの戦いなどで活躍

所持: トゥルクムルク

年代: スンジャタ王の治世は13世紀頃

参考: 「Fakoli Doumbia」(仏語版Wikipedia)


ファビ/ファピ

人物: 漁民(ソルコ/Sarkawa)の祖先の一人/おそらく水の精

事績: 漁や水に関する知識を伝える

所持: アルカンバ

登場: ボゾ(ソルコ)人の文化は10世紀頃に形成/ソンガイ時代(15世紀~)?


クレ(Kure)

人物: 漁民(ソルコ/Sarkawa)の祖先の一人/水の精(Danduの一族)?/ハイエナの精(Innaの息子)?

事績: 銛の持ち主ということ以外は不明

所持: ドゥンク


サンボ(Sanbo)

人物: 漁民(ソルコ/Sarkawa)の祖先の一人/Sambo(Sarikin Filani/Sarikin Bakka)という精霊?

事績: 銛の持ち主ということ以外は不明

所持: ビンゲル


ウマル(Umaru)

人物: 漁民(ソルコ/Sarkawa)の祖先の一人/Umaru Sanda Babugaという守護霊?

事績: 銛の持ち主ということ以外は不明

所持: マブウォイ


ファラン・マカ・ボーテ/ファラ・マカ

人物: 漁民(ソルコ/Sarkawa)の祖先の一人/ソンガイの伝説的英雄/漁師ニシリ・ボーテと水の精マカの息子/水精の女王Harakoy Dikkoの孫

事績: 悪霊ジルビン・サンガイ・モヨ(Zirbin Sangay Moyo)の体を銛の材料に/悪霊ジン・キバルとの戦い/思い上がったためドンゴ神の罰を受ける

所持: ジルビン/バビンガイ

年代: ソンガイ帝国時代の話(建国が1464年)/ハリルを基にするなら16世紀頃か


ハリル(Halilu)/チャラコイ(Tyarakoy)/キャラコイ(Kyarakwoi)

人物: 漁民(ソルコ/Sarkawa)の祖先の一人/水精の血を引く/ファラン・マカの姉妹ガウォコイ(Gawokwoy)の息子(ファラン・マカとの関係は甥、息子、孫と諸説あり)

事績: ファランからジルビンを受け継ぐ/漁具の開発

所持: ジルビン/ババルハウニ

年代: ハリルの時代にソンガイがモロッコに敗れる(16世紀後半)


ナーバ・カンゴ(Naaba Kango)

人物: ヤテンガ(ブルキナファソ)の王(naaba)/モシ人

事績: ナーバ・ウォグボ(Naaba Wogbo)から国を取り戻す/ヤコとの戦い

所持: ケブコロ

年代: d. 1787


ダ・ジャラ/ダ・モンゾン・ジャラ

人物: バマナ(バンバラ)王/創始者ンゴロ・ジャラの孫/史実においてはマシーナ帝国(イスラム)から領土を守る立場/マシーナから見てヒールなのは当然だが、セグ叙事詩でもヒールに近い?

事績: バカリジャンを重用しながらも怖れを抱く(『セグ叙事詩』)/マシーナのシラーマカらの反乱を鎮圧(『シラーマカとプローリ』)

年代: 統治が1808-1827

登場: 『バマナ・セグ叙事詩』 - バマナ王家三代に渡る物語


バカリジャン・コネ

人物: バマナ(バンバラ)帝国の戦士/農夫の息子/ダ・モンゾン(ダ・ジャラ)王に仕える/セグの盾と称される

事績: 王子の挑戦を受け殺してしまう/水の精ビリシとの死闘/王に命を狙われるが切り抜ける

所持: コティギネレ?/ジャティギファージョーナ?/フィンカリニキセブグ?

年代: ダ・ジャラの統治は1808-1827

登場: 『バマナ・セグ叙事詩』 - バマナ王家三代に渡る物語


シラーマカ(Silâmaka)

人物: マシーナの指導者(ardo)の一人/フラニ族の勇士/マシーナはバマナへ朝貢する立場(帝国成立前か)

事績: 勇士ハムボデージョとの諍いと和解/バマナ(バンバラ)の王ダ・モンゾン(ダ・ジャラ)に対抗/戦いのさなか傷を負い死亡/後のことをハムボデージョに託す

所持: ボナゴッレアル

年代: ダ・ジャラの統治は1808-1827/マシーナ帝国成立は1818年

登場: 『シラーマカとプローリ』 - マリの叙事詩 ダ・モンゾンサイクル/『シラーマカとハムボデージョ』 - マリの叙事詩


プローリ(Poullôri)/プルール(Puluru)

人物: シラーマカの奴隷で友人/フラニ族の勇士

事績: バマナ(バンバラ)の王ダ・モンゾン(ダ・ジャラ)に対抗/シラーマカの死後彼の息子たちを連れて忽然と姿を消す

所持: ヤージャウッデアル

登場: 『シラーマカとプローリ』 - マリの叙事詩


ハムボデージョ(Ham-Bodêdio)/ハマディ・パーテ(Hammadi Pate)

人物: クーナリの指導者(ardo)/シラーマカらに並ぶフラニの勇士/ダ・モンゾン(ダ・ジャラ)王の娘婿/息子ゲラージョがマシーナ帝国の立ち上げに貢献

事績: ダ・モンゾンの敵を打ち破る/王の娘テナン(テニン)を妻に/シラーマカら亡き後、マシーナへの寛大な処置を王に乞う

所持: タラーレパーテ

年代: ダ・ジャラの統治は1808-1827

登場: マリの叙事詩 ハムボデージョとダ・モンゾン王/『シラーマカとハムボデージョ』 - マリの叙事詩

大西洋沿岸諸国(セネガル~リベリア)

ソニンケ族のガーナ王国崩壊後はマンディンカ族のマリ帝国が有力となる

北部はイスラムの影響が強い


ダマ・ンギレ/ダマン・ンギレ

人物: キンギ(首都ディアラ)の王/ディアワラ人/元はマリ帝国の猟師/スンジャタ王の仲間とされる(スンジャタ側の伝説には登場しない?)/建国者を息子Fie Mamadouとする説もある

事績: スンジャタ王から剣を返してもらうかわりに国外退去を命じられる/ディアラ(ジャラ)の暴君ベンバ・ニャカテ(Bemba Nyakhate)を倒し王となる

所持: ファラッラ

年代: 統治が1335-1385


バカリ・マカン・カマラ(Bakari Makhan Kamara)

人物: Gemuの人?/時代などは不明

事績: 詩人のムサの賞賛を受ける/ムーア人との戦い

所持: バラモネ

登場: ソニンケの叙事詩


サレ・シタ(Salle Sita)

人物: バカリ・マカンの奴隷

事績: 詩人ムサを呼びに行く

所持: バラモネ

登場: ソニンケの叙事詩


マリック・シー・ダウダ/マリク・シー

人物: ブンドゥー(シシベ朝)の創始者/Sonymaの人/ダマ・ンギレの子孫

事績: ジャラの地から移住

所持: ファラッラ

年代: 統治が-1699


サンバ・ゲラージョ・ジェーギ(Samba Gelaajo Jeegi)

人物: フータ・トロの長(デニアンケ王)/ジョウォル(Diowol)の長(デニアンケ王)の息子/コリ・テンゲラの子孫?

事績: おじコンコ(Konko)に殺されそうになる/おじを倒し長に/ワニのチャーマーバ(Caamaaba)を撃つ/フランスを援けモロッコのムーア人と戦う

所持: ブシラルウェ/ブブロワケ

年代: 統治が1725-1731

登場: セネガルの叙事詩


マシレ・イサ・ジェイェ(Ma Siré Issa Dièye)/マシリ・イサ/マシレ・イセ/Gnay

人物: カヨルの英雄/カヨル・バオルの統一王ラト・スカーベ(Lat Soukabé)の血を引く

事績: マーワ(Mawa Mbatio)王に敵対/マカ(Makka)の戦いで活躍

所持: アムンジョック

年代: カヨル・バオルの王マーワ・ムバチョの統治が1749-1757

登場: セネガルの叙事詩


ハマダドゥ・セガニ・デンバ(Hamadadu Segani Demba)

人物: 狩人で鍛冶/ジンにさらわれ育てられる

事績: ニウミの王デンバ・ソンコ(Demba Sonko)への反乱を主導/ニウミ側の戦士ケレファ・サネ(Kelefa Sanneh)との戦い

所持: ドゥドゥンブル

年代: Mansa Demba Sonkoの統治が1834年から

登場: ジョカドゥ(ガンビア)の伝説


マチルダ・ニューポート

人物: アメリカから入植してきた女性/リベリアの国民的英雄

事績: 原住民との戦い

所持: マチルダニューポートノカノン

年代: d. 1837


サネ・モネ・ファイ(Sane Mone Faye)/Maad a Sinig Sanmoon Faye

人物: シネの王/偉大な戦士/邪悪な一面も

事績: 宮廷鍛冶師の長ソナル(Sonar)とbisik(役職?)のモダネ(Modane)を撃つ

所持: テーファール

年代: 統治が1870-77

登場: セレール(セネガル)の叙事詩


アルファ・イブラヒマ・フグンバ

人物: フグンバ(ギニア)の宗教家集団(alfaya)の長

事績: アルマミのボカル・ビロ(Bokar Biro)との戦い(敗走/1896年)/フランスに降伏

所持: ラトラプアメ


アルファ・イブラヒマ・イイリリ/ソリ・イイリリ(Sori Yilili)

人物: フータ・ジャロン(ギニア)の戦士集団(soriya)の長

事績: アルマミのボカル・ビロ(Bokar Biro)との戦い(敗走/1896年)

所持: ランヴォワエドラモール


サモリ・トゥーレ

人物: サモリ帝国(ギニア)の創始者

事績: フランスに抵抗/1898年に降伏

所持: コンケ

年代: d. 1900

登場: ギニアの叙事詩


ケメ・ブレマ

人物: サモリ帝国(ギニア)/サモリ・トゥーレの兄弟

事績: 3つの宝を手に入れる(three big brides)/フランスに抵抗/シカソ包囲(1887-1888)のさ中に死亡

所持: ジュウファ

登場: ギニアの叙事詩

ギニア湾岸諸国(コートジヴォワール~ベナン)

ソニンケ人のガーナ王国が栄える

ガーナ王国の衰退後にエウェ族やアカン族の国々


マウ

人物: ダホメ(エウェ系フォン族)の創造神/リサの母/マウ・リサという夫婦神のバージョンも

事績: リサに金属の道具を与える

所持: アリッスボーグクレー


リサ

人物: ダホメ(エウェ系フォン族)の神/マウの息子/マウ・リサという夫婦神のバージョンも

事績: 金属の道具で自然を切り開く

所持: アリッスボーグクレー


アベレワ/アサセ・ヤ(Asase Ya)

人物: アシャンティ(アカン族)の女神/大地を司る/ニャメ神との間にアナンシ(トリックスター)をもうける

事績: アナンシと魔法の剣の逸話

所持: アベレワノケン


アナンシ/クワク・アナンセ

人物: アシャンティ(アカン族)のトリックスター/蜘蛛の姿

事績: 魔法の剣の逸話/魔法の壺の逸話/鞭の逸話

所持: アビリディアブラダ


マレン・ジャグ(Marain Jagu/Mareñ Jagu)

人物: クサ(ガーナ)の王/Dukure族の長ビンチギ(Bincigi)の息子/荒れた青年/呪術の力/ダマ・ンギレのナイフの元の持ち主?

事績: 父を暴君ガラケ(Garakhe)に殺される/ディンガの弟子となる/強力な術具と仲間を得て暴君を倒す

所持: バンダビレ

登場: ソニンケの叙事詩


スマングル/スマオロ・カンテ

人物: ソソ(スースー)の暴君/呪術の力

事績: キリナの戦いに敗れる(1235年)

所持: ケニェ/ペンペテ/ムルパンバニャ/タママラカタ/ソソバラ/ドゥンドゥンムルクトゥ

年代: d. 1235

登場: マリやガンビアの叙事詩


コンフォ・アモナ(Komfo Amona)

人物: ファンテ族(アカン族系)の神官

事績: 槍を刺した地にマンケシム(Mankessim)王国が誕生

所持: アキインエニイム

年代: マンケシム建国は1252年

登場: ガーナの伝説


オフォリ・オカエ・ボアディ(Ofori Okae Boadi)

人物: Asakyiri族(アカン族系)/アダンシ・アクロケリ(ガーナ)の初代/創造神オドマンコマが作った国の一つ

事績: アダンシに移住/怪物ササボンサムから剣を譲られる

所持: アフェナクワオ


トグブイ・アグベシ1世(Togbui Agbesi)

人物: アンロ・エウェ族の初代の王(awadada)/偉大な戦士

事績: 野牛の腸からKaklakuの床几などを発見/移住者たちを統率

所持: アヅォイイバダ/ヅェングバ

年代: d. 15世紀半ば


アイェクラ・アデボ(Ayekra Adebo)/Nana Adebo/デボ

人物: アゴナ(アカン族)の女神官/アゴナはデンキーラ(ガーナ)の前身

事績: Abankanの床几などを発見/ウィエメの制作

所持: ササティア

年代: アゴナの創設が1500年頃


トグブイ・テグリ(Togbui Tegli)

人物: アンロ・エウェ族の指導者の一人/アソグリと同じ伝説を有する

事績: ノツェ(トーゴ)の暴君トルグブイ・アゴルコリ(Torgbui Agorkoli)に留められる/壁を破壊し一族を脱出させる

所持: アデクプイ


トグベ・カクラ(Togbe Kakla)

人物: アソグリ(エウェ系)の指導者/アンロと同じ伝説を有する

事績: ノツェ(トーゴ)の暴君トルグブイ・アゴルコリ(Torgbui Agorkoli)に留められる/壁を破壊し一族を脱出させる

所持: グリグバイイ


トグブイ・アウス1世(Togbui Awusu)

人物: アンロ・エウェ族の四代目の王(awadada)

事績: トーゴのノツェから脱出/アンロ(ガーナ・トーゴ国境)の地を征服

所持: アヅォイイバダ

年代: 移住の時期が17世紀後半とされる


アウラデ・バサ(Awurade Basa)/アワラデ/エウラデ

人物: アダンシ・アクロケリ(ガーナ)の支配者/先代アサレ・ミンティム(Asare Mintim)の息子/強力な指導者

事績: デンキーラ王ムムヌンフィ(Mumunumfi)によるアダンシ征服/その際オティビレク・アサレ(Otibireku Asare)王に代わって統治を任される/デンキーラ王ボアド・アハフォ・ベレンポン(Boado Ahafo Berempon)に敗れる

所持: アフェナクワオ

年代: Berempon王の統治が1701-1702


モリマカレ

人物: コング帝国の祖セク・ワッタラ(Sékou Ouattara)の息子

事績: アシャンティ人の王コカブを殺す

所持: カラベニ

年代: 父セク・ワッタラの統治が1710-1742/1745


オセイ・トゥトゥ1世

人物: アシャンティ王国(アカン族系)の創始者/元々はクマシの領主

事績: 黄金の床几を手に入れる/デンキーラを征服/アキェム(アカン系)との戦い

所持: ギャギイティレ/ボソンムル

年代: d. 1717

参考: 「Osei Kofi Tutu I」(英語版Wikipedia)


オコンフォ・アノキェ

人物: 神官/オセイ・トゥトゥ1世に仕える

事績: 王権の象徴である黄金の床几をもたらす/地面に突き刺した剣が統合の象徴に

所持: オコンフォアノキェノケン

年代: オセイ・トゥトゥ1世より後に死亡


オポク・ワレ1世

人物: アシャンティ王/領土拡大を成し遂げる

事績: 同じアカン系のアキェムやボノなどと争う

所持: ムポンポンスオ

年代: d. 1750

参考: 「Opoku Ware I」(英語版Wikipedia)


クワメ・キェレ(Kwame Kyere)/オキェレ

人物: クマウ(Kumawu)の長

事績: アシャンティのオポク・ワレ1世の戦いに協力

所持: アサントロフィ

年代: オポク・ワレ1世の治世は1720–1750


クシ・オボドム/オボドゥム/オボアドゥム/ボアドゥム

人物: アシャンティ王/オセイ・トゥトゥ1世の後継者と見なされていた

事績: 酒に溺れ退位

所持: ギャパティア

年代: クシ・オボドムの治世は1750–1764


オセイ・クワドウォ/オセイ・コジョ

人物: アシャンティ王

事績: バンダ王ウォロサ(Worosa)を破る

所持: デンキェム

年代: d. 1777?


ナナ・ナカー・アビシ(Nana Nakaa Abisi)

人物: オフィンソの長

事績: オセイ・クワドウォ王に従いバンダ王ウォロサと戦う

所持: バンダウォラサ


オセイ・ボンス/クワメ・アシバ・ボンス

人物: アシャンティ王/イギリスと組む

事績: ファンテ族連合との戦い

所持: アフェフェバー

年代: d. 1824

参考: 「Osei Bonsu」(英語版Wikipedia)


クワク・ドゥア1世/Panyin

人物: アシャンティ王

事績: ジャマンとの戦い(Katamansoの戦い)/オランダに兵士を提供/北部部族との戦い

所持: クラーク/ボソムプラ

年代: d. 1867

参考: 「Kwaku Dua I Panyin」(英語版Wikipedia)


コフィ・カリカリ

人物: アシャンティ王/クワク・ドゥア1世の大甥

事績: 戦火の拡大を抑える

所持: アクマ

年代: d. 1884

参考: 「Kofi Karikari」(英語版Wikipedia)


クワク・ドゥア2世/クマー

人物: アシャンティ王

事績: 突然の病死により内戦が始まる

所持: アペム/ニムサーカキイ

年代: d. 1884


プレンペー1世

人物: アシャンティ王/王国最後の王

事績: イギリスとの戦い/セーシェルに追放される(1896年頃/ブガンダのムワンガ2世やブニョロのチュワ2世も同時期)

所持: アココバータン/アセープレブオ

年代: d. 1931


クワドウォ・アギェマン2世/コジョ・ジュマニ(Quodio-Djumani)

人物: ジャマン(コートジヴォワール)王

所持: ボモイシュー?

年代: d. 1944

登場: 『Sorcerers' Village』 - アメリカ人夫妻の旅行記?


プレンペー2世

人物: アシャンティ王/プレンペー1世の甥

事績: ガーナの諸国連合の一員に

所持: オトウェー/ベム

年代: d. 1970

ナイジェリア

ヨルバ族(南西)やエド族(海岸)、イグボ族(南東)などの国々

ヨルバとエドはオドゥドゥワを共通の祖先としている


ナナ・ブルク/ナナ・ブクー

人物: 西アフリカ諸族の女神/Obaluaiye(Babalú-Ayé)神の母(ヨルバ族)/マウやリサの母(フォン族)/新大陸の神話系に組み込まれる

事績: 不格好な杖を産み地中に埋める(ヨルバ)

所持: イビリリ


オヤ/イヤンサン

人物: ヨルバ族の女神/嵐を司る/オシュンの姉妹でともにシャンゴの妻/新大陸の神話系に組み込まれる

所持: オヤノケン/オヤノハタキ


オロクン

人物: ヨルバ族の海神/新大陸の神話系に組み込まれる

所持: ウウェンリオタン


オルンミラ

人物: ヨルバ族の神/占いを司る/新大陸の神話系に組み込まれる

事績: オロフィ(オロフィン)神より遣わされる

所持: オパオレレ


ショポナ/ソンポンノ(Sonponno)/ババル・アイェ(Babalú-Ayé)

人物: ヨルバ族の神/ナナ・ブクーの息子/病気を司る/新大陸の神話系に組み込まれる

事績: ナナ・ブクーが捨てた杖を掘り起こす

所持: オファソンポンノ


最初の人間の息子

人物: 7年間母の子宮で育つ

事績: 創造神オバシ(Obassi)の住まいにたどり着く

所持: イサウム

登場: エコイ族の伝承?


イタキリビ(ltakilibi)

人物: アンクパ(Ankpa)の先祖の一人/文化英雄

事績: 農耕・狩猟・製薬の技術をもたらす

所持: オクウテ


オジディ

人物: イジョ族の英雄/祖母オレアメ(Oreame)の力を借りる

事績: アウカ(Awka)の鍛冶に剣を作らせる/父の仇討ち/無益な殺生をして天然痘の王の罰を受ける

所持: オジディノケン

登場: イジョ族の伝説


エリ

人物: イボ諸族の祖/彗星(隕石)はエリの姿であるとされる

事績: チュクウ神により下界へ送られる

所持: イグボオフォエリ/オドゥドゥエゼ

年代: 統治が1041年まで?


オバタラ

人物: 歴史上はイフェの領主/伝説では主神オロドゥマレ(Olodumare)の息子/オドゥドゥワ(オロフィ神)のライバル/新大陸の神話系に組み込まれる

事績: 史実においても伝説においてもオドゥドゥワに敗れる

所持: オパソロ


オドゥドゥワ/オロフィン/エカラデラン(Ekaladerhan)

人物: 初代イレ・イフェ王(ooni)/ヨルバ諸国の祖/中東から来たとされる/ヨルバの地神オロフィと同一視される/新大陸の神話系に組み込まれる/オギソ朝ベニン最後の王オウォド(Owodo)の息子(エドver.)/ベニン王国の祖でもある

事績: 息子たちにそれぞれの地を治めさせる/晩年息子たちに蔑ろにされオワ・オボクンに復讐を託したという話も/父オウォド王に呪いを掛けた(エドver.)

所持: イダアジャセ/オグボ/ウウェンリオタン/エペ

年代: 少なくともベニン建国(1180年)の前?


オワ・オボクン/アジボグン

人物: 初代イレサ(イジェサ)王/オドゥドゥワの息子(または孫)

事績: 父の目を癒すため海水を取りに行く/国を開くにあたり父から勝利の剣を受け取る

所持: イダアジャセ


オラニャン/オランミヤン

人物: 初代オヨ王(alaafin)/オドゥドゥワの孫(または息子)/オグンの息子とも/ベニン建国者エウェカ1世の父とされる(エドver.)/新大陸の神話系に組み込まれる

事績: ベニンでエウェカを儲ける/さらに移動を続けオヨを建国

所持: イダアジャセ

年代: オヨ建国が1300年頃とされる


ソラ(Sora)

人物: イフェの神官(占い師)/Soraは役職名で通称/オラムフェ(Oramfe)神の神官か?

事績: オンドに移住/オンドの王宮前に剣を突き立てる/オンドの災いを祓う

所持: オイェレン


オゾルア

人物: ベニン(エド人)の王(oba)/アルアンやエシギエの父

事績: 民会により選出される/ポルトガル人の到達(1485年)/アルアンに都選定の剣を渡す

所持: アルアンノケン

年代: d. 1520(または1514)

参考: 「Ozolua」(英語版Wikipedia)


アルアン/アルアラン

人物: ウド(Udo)の支配者/オゾルア王の息子/エシギエの兄弟

事績: エシギエの謀略により都の選定に失敗/跡目をエシギエに奪われる

所持: アルアンノケン


エクペン

人物: ウロニグベ(Urhonigbe)の領主(enogie)/ベニン王エヘングブダ(Ehengbuda)に仕える/ウグアン(オゾルアの息子)の息子オラ・エクペンと同一?

事績: エヘングブダ王から災いを呼ぶ剣を受け取ったという話

所持: オホル

年代: Ehengbudaの治世が1580–1602


アダシュ/Sarkin Kwararafa Adashu/Adashu Katakpa

人物: クワララファ(ジュクン人)の王/偉大な戦士

事績: 前王Adi(Agi?)から実権を奪う/カノやザリアへの侵攻/ボルヌに敗北

所持: アツォシ

年代: 統治がおよそ1640–1670と見られる


エウアクペ(Ewuakpe)

人物: ベニン(エド人)の王(oba)

事績: 王妃イデンの命懸けの説得により生贄の儀式を廃止/大臣(iyase)ン・オデ(N'Ode)の指揮の下、領地を拡大/ン・オデの反乱に遭う

所持: ウクレオヴビオド

年代: 統治が1701–1712


ザロ・デンブネ(Zaro Dembune)/マティヤヴネ(Matiyavune)

人物: バチャマの創始者

事績: 双子の兄ザロ・クパラメ(Zaro Kpalame)と袂を分かつ

所持: コフェダマティヤヴネ/ガラトアマティヤヴネ/クルモト

年代: バチャマ創設はフラニ戦争(1804–1808)以後