words の中で取り上げた西アジアの該当地域関連人物を補足的に紹介していきます。
アル=ナース・イブン・ムダル(al-Nas ibn Mudar) / カイス・アイラーン(Qays ʿAylan)
人物:
カイス族の祖
ムダル(Mudar ibn Nizar)の子
アイラーンは馬の名前、弓の名前など諸説あり
所持:
乗物:クッバ
年代:
曾祖父マアッド(Ma'add)の生まれが 598 BC とされる
アブー・カリブ・アスアド(Abū Karib As’ad al-Kāmil) / アブー・カリバ
人物:
第二次ヒムヤル王国の王(Tubba')
事績:
最初は父、弟との共同統治。ユダヤ教への改宗(諸説あり)
所持:
刀剣:リサーンアルカルブ
年代:
d. 430 頃
アル=ハーリス・イブン・アッバード(Al-Harith ibn ʿAbbad)
人物:
バクル族の指導者
事績:
バスースの戦い。息子ブジャイル(Bujayr)の仇討ち
所持:
乗物:アンナアーマ
年代:
バスースの戦いは 494-540 頃
サイフ・イブン・ズィー=ヤザン(Saif ibn Dhi-Yazan) / シュラビル・イブン・アムル(Shurahbil ibn ʿAmr) / マアディーカリブ・イブン・アビー・ムッラ(Ma'dikarib ibn Abi Murrah)
人物:
イエメンの支配者。ヒムヤルの王族
息子の名もマアディーカリブと見られる
『アンタル物語』の登場人物マアディーカリブと関連は?
事績:
アクスム(エチオピア)を排除。サーサーン朝との共同統治
所持:
刀剣:アーサフノケン / シェムノケン
乗物:バルクアルブルーク
年代:
d. 578
登場:
『Sīrat Sayf ibn Dhī Yazan』
アムル・イブン・クルスーム(ʿAmr ibn Kulthum ibn Malik)
人物:
タグリブ族の長。詩人戦士。ラフム朝のアムル 3 世(ʿAmr ibn Hind)に仕える
事績:
バスースの戦いがタグリブ族の敗北という形で終結。母を侮辱されアムル 3 世を殺害
所持:
刀剣:アルムスタリブ
年代:
d. 584
登場:
『Muʻallaqāt』 - アラブの詩集
シャッダード・イブン・アムル(Shaddad ibn ʿAmr ibn Muʿawiyah)
人物:
アブス族の詩人戦士。ジルワの乗り手と称される
アンタラの父
所持:
乗物:アルアガッル / ジルワ
登場:
『Mufaḍḍalīyāt』 - アラブの詩集
アンタラ・イブン・シャッダード(ʿAntarah ibn Shaddad) / アンタル(ʿAntar)
人物:
詩人戦士。アブス族の下層民
母はエチオピア(アクスム)の姫。従姉妹のアブラと苦難の末結婚
事績:
戦うことで部族内の地位を確立。おじマーリク(アブラの父)の難題。ムッラ族(ズブヤーン族)との戦い。マアディーカリブとの戦いと友情
所持:
刀剣:サイフアッリカーブ / ザミー
乗物:アブジャル / アルアガッル
年代:
d. 608/615
登場:
『Muʻallaqāt』 - アラブの詩集
『アンタル物語』 - アラブの騎士物語(ヨーロッパやインドも舞台)
ガムラー(Ghamra)
人物:
イエメンの女戦士
ファーイズの娘。ガッスーブの母
事績:
戦士ズール・ヒマール(Dhu'l-Khimar)と戦い恋に落ちる。アンタルとの一騎打ち。アンタルに襲われ子を宿す。色々あってアンタルの元に
所持:
刀剣:サイフアッリカーブ
登場:
『アンタル物語』
カイス・イブン・ズハイル(Qais b. Zuhair)
人物:
アブス族の長
先代の長ズハイル(Zuhayr b. Jadhimah)の息子
名馬ダーヒス(Dāhis)の持ち主
事績:
父の仇キラーブ族(ハーリド)との戦い。ラフム朝のアン=ヌウマーン3世からハーリス・イブン・ザーリムを匿う。ファザーラ族との間で馬争い。アビシニア(エチオピア)との戦い
所持:
刀剣:アルマグルーブ
乗物:ダーヒス
登場:
『アンタル物語』
マーリク・イブン・ズハイル(Malik b. Zuhair)
人物:
アブス族の長ズハイルの息子
アンタルの友。紳士的
事績:
アンタルの罪をかばう。馬争いの後ファザーラ族のハマルらに殺される
所持:
刀剣:ズーンヌーン
登場:
『アンタル物語』
アル=ハーリス・イブン・ズハイル(Al-Harith b. Zuhair)
人物:
アブス族の長ズハイルの息子
アンタルにも平等に接する
事績:
マーリクの仇ハマル・イブン・バドルを殺す
所持:
刀剣:ズーンヌーン
登場:
『アンタル物語』
ワルカー・イブン・ズハイル(Warqa' b. Zuhair) / ワラカー(Waraqa')
人物:
アブス族の長ズハイルの息子
事績:
父の仇ハーリド(Khalid ibn Ja'far ibn Kilab)との戦い
所持:
刀剣:ズールジャラーズ
登場:
『アンタル物語』?
ザーリム・イブン・ハーリス(Dhalim ibn Harith) / ザーリム(Zalim)
人物:
ムッラ族(ズブヤーン族)
事績:
ラビーア(アンタルを憎み続ける人物)に誘われアンタルと戦う。捕らわれるが逃亡
所持:
刀剣:ズールハヤート
登場:
『アンタル物語』
アル=ハーリス・イブン・ザーリム(Al-Harith b . Dhalim)
人物:
ムッラ族(ズブヤーン族)
ザーリムの息子
詐欺師と称される
事績:
アブス族のカイスとキラーブ族のハーリドを天秤にかける。ハーリドやラフム朝のアン=ヌウマーン 3 世の息子を殺す。アンタルとの戦い
所持:
刀剣:ズールハヤート / マルーブ
登場:
『アンタル物語』
フザイファ・イブン・バドル(Ḥudhayfah ibn Badr)
人物:
ファザーラ族(ズブヤーン族)
バドル(Badr b. 'Amr)の息子
事績:
アブス族との馬争い。アブス族の報復を受ける
所持:
乗物:アルガブラ
登場:
『アンタル物語』
ハマル・イブン・バドル(Hamal b. Badr)
人物:
ファザーラ族(ズブヤーン族)
バドル(Badr b. 'Amr)の息子
事績:
マーリク・イブン・ズハイルを殺す。アル=ハーリス・イブン・ズハイル(またはカイス)に殺される
所持:
刀剣:ズーンヌーン
登場:
『アンタル物語』
アン=ヌウマーン 3 世(Al-Nuʿman III)
人物:
ラフム朝の王
アル=ムンズィル4世(Al-Mundhir IV)の子
アンタルの敵(ペルシア側の人間)
事績:
サーサーン朝のホルミズド 4 世から王に任じられる。ホスロー 2 世を一旦匿う(馬を貸さなかった逸話)。復帰したホスロー 2 世の不興を買い処断される
所持:
乗物:アルヤフムーム
年代:
d. 609
登場:
『アンタル物語』
カイス・イブン・アル=ハティーム(イブヌル=ハティーム / Qais ibn Al-Khatim)
人物:
メディナの詩人。アウス族
事績:
祖父の仇討ち。詩集(diwan)を残す
所持:
刀剣:ズールフルサイン
年代:
d. 620?
ドゥライド・イブン・アッ=シンマ(イブヌッ=シンマ / Durayd b. al-Simma) / Dorayd bin Al Summah / Dorayd bin Al Soma
人物:
ジュシャム族(ハワジン族)の詩人
百戦錬磨の老戦士。ムスリムへの抵抗
事績:
フナインの戦いで捕えられ死亡
所持:
刀剣:ズールジャムル
年代:
d. 630
ムハンマド・イブン・アブドゥッラーフ(Muhammad ibn ʿAbdullah)
人物:
イスラムの預言者。ハーシム家(クライシュ族)
事績:
啓示(610年)。ヒジュラ(622年)。バドルの戦い(624年)。ウフドの戦い(625年)。マッカ占領(630年)
所持:
刀剣:アシブナフル? / アッラスーブ / アルアズブ / アルカジーブ / アルバッタール / アルハトフ / アルフェハル / アルマスール / アルミクザム / カリー / ズールフィカール
槍戟:アナーザ / アルバイダー / アルムスウィ / アルムスニ / ナバー
杖棒:アルアウーン / アルアルジューン / アルマムシューク
弓矢:アッサフラー / アッラウハ / アルカトゥーム / アルバイダー / ザウラ / サダド
盾:アッザッルク / アルフタク / アルムジーズ / ザカン
防具:アッサディーヤ / アッサブーグ / アルキルニク / アルバトラー / アルムワシャ / ザートゥルウィシャー / ザートゥルハワーシー / ザートゥルフドゥル / ズールジャビーン / フィッダー
乗物:アルウカーブ / アッサクブ / アッサバ / アッザリブ / アッシラーン / アッドゥルドゥル / アッラヒーフ / アッリザーズ / アルアズバー / アルウブリヤ / アルカスワー / アルジャザー / アルバフル / アルブラーク / アルマンドゥーブ / アルミルワー / アルムルタジズ / アルヤスーブ / アルヤフール / アルワルド / アンナジーブ
年代:
d. 632
アル・ヒドル(Al-Khidr) / ヒズル(Khizr) / フズル(Hızır)
人物:
イスラム世界の預言者
様々な伝承があり助言者として描かれる
所持:
乗物:ボズドンル
登場:
『クルアーン』
ウマル・イブン・アル=ハッターブ(イブヌル=ハッターブ / ʿUmar ibn al-Khattab)
人物:
教友。2 代目正統カリフ。アディ家(クライシュ族)
女傑 Umm Hakim の夫
当初はイスラムに抵抗。武勇に優れる
事績:
バドル参戦組。東ローマ帝国との衝突。ペルシアやエジプトへの遠征。不満分子に暗殺される
所持:
刀剣:アルムサンミム / ズールウィシャーフ
年代:
d. 644
アリー・イブン・アビー・ターリブ(Ali ibn Abi Talib)
人物:
教友。4代目正統カリフ。初代イマーム。ハーシム家(クライシュ族)
ムハンマドの従弟。妻はムハンマドの娘ファーティマ
猛将として知られる。ムハンマドの妻アーイシャとの確執
事績:
バドル参戦組。ムアーウィヤと争う。ハワリージュ派による暗殺
所持:
刀剣:アッラスーブ / アルミクザム / アルヤマーニー / ズールフィカール(ジュルカファ) / ファララ? / マスローリ
変種:マムシューク
防具:ハティマ
乗物:アッドゥルドゥル / マイムーン
年代:
d. 661
登場:
『アンタル物語』
ムアーウィヤ・イブン・アビー・スフヤーン(Muʿawiya ibn Abi Sufyan)
人物:
教友。ウマイヤ朝初代カリフ。ウマイヤ家(クライシュ族)
優れた政治手腕。アリーのライバル
事績:
マッカ征服後に改宗。対東ローマ帝国(シリア方面)で戦果。アリーとの戦い。カリフ世襲制への移行
所持:
刀剣:サムサーマ
年代:
d. 680
ハムザ・イブン・アブドゥル・ムッタリブ(Hamza ibn ʿAbd al-Muttalib) / アミール・ハムザ(Amir Hamza)
人物:
教友。ハーシム家(クライシュ族)
ムハンマドのおじ
伝説ではサーサーン朝のクバド(カワード 1 世)やナウシェルヴァン(ホスロー 1 世)に仕える
事績:
イスラム最初の遠征の指揮。バドル参戦組。ウフドの戦いで戦死
伝説ではジンと戦う
所持:
刀剣:アルリヤハ / カムカーム / サムシャーム
盾:クルサバブ
乗物:アシュカル / アルヤッカーン / シヤーキータース
年代:
d. 625
登場:
『アミール・ハムザの冒険』
ルスタム・ピールタン(Rustam Piltan) / ルスタム・ピールゾル(Rustam Pilzor)
人物:
アミール・ハムザの息子
事績:
捕らえた Khwari の王女と結婚。Frangis の王を改宗させその王女と結婚。Bakhtar 王ザハル・シェルガルダーン(Zahar Shegardan)との戦いで死亡
所持:
乗物:サルマーアッダーマー
登場:
『アミール・ハムザの冒険』
アブドゥッラーフ・イブン・ジャフシュ(ʿAbd-Allah ibn Jahsh)
人物:
教友。アサド族
ムハンマドの従兄弟(後に義理の兄弟)
事績:
ナフラの襲撃を指揮。バドル参戦組。ウフドの戦いで奇跡の剣を授かるが戦死
所持:
杖棒:アルアルジューン
年代:
d. 625
サイード・イブン・ザイド(Saʿid ibn Zayd) / アブール・アワル(Abuʾl-Aʿwar)
人物:
教友。ムハンマドの秘書。アディ家(クライシュ族)。楽園を約束された十人の一人
ウマルの義理の兄弟
事績:
クルアーンの記録。ムアーウィヤの下でクーファを統治
所持:
刀剣:アルハイル / アルファーイズ
年代:
d. 671
シマーク・イブン・カラシャ(Simak ibn Kharasha) / アブー・ドゥジャーナ(Abu Dujana)
人物:
教友。サーイダ家(ハズラジュ族 / アンサール)
卓越した剣士として知られる
事績:
イスラム最初の遠征。ウフドの戦いでムハンマドから剣を授かる。ヤマーマの戦いで受けた傷により死亡
所持:
刀剣:アルハト
盾:アッザーイダ
年代:
d. 632
アル=ハーリス・イブン・ラビー(Al-Harith ibn Rab'i) / アブー・カターダ(Abu Qatada)
人物:
教友。スライム家(ハズラジュ族 / アンサール)
アリー派。最高の騎手と称される
事績:
多くの遠征に参加
所持:
刀剣:アルフジューム
年代:
d. 656
サアド・イブン・アビー・ワッカース(Saʿd ibn Abi Waqqas)
人物:
教友。ズフラ家(クライシュ族)。ペルシア方面の指揮官
アラブ帝国の名将。弓の名手
事績:
バドル参戦組。カーディシーヤの戦い。ニハーヴァンドの戦い
所持:
刀剣:アルキファー / アルマラー
乗物:アルバルカー
年代:
d. 674
アル=アルカム・イブン・アブル=アルカム(Al-Arqam ibn Abi al-Arqam)
人物:
教友。マフズーム家(クライシュ族)
事績:
家をムスリムの隠れ家として提供。バドル参戦組
所持:
刀剣:アルマルズバーン
年代:
d. 675
ウカーシャ・イブン・アル=ミフサン(イブヌル=ミフサン / Ukasha ibn al-Mihsan) / ウッカーシャ・イブン・ミフサン(ʿUkkasha ibn Mihsan)
人物:
教友
事績:
ナフラの襲撃に参加。バドルの戦いで奇跡の剣を授かる。何度か遠征を指揮
所持:
杖棒:アルアウーン
乗物:アルジャナー
年代:
d. 630 以降
カターダ・イブン・アン=ヌウマーン(イブヌン=ヌウマーン / Qatada ibn al-Nuʿman)
人物:
教友。ザファル家(アウス族 / アンサール)
優れた射手
事績:
バドル参戦組。ウフドの戦いで失った眼をムハンマドが治す
所持:
弓矢:アルカトゥーム
登場:
d. 675 頃?
ムハンマド・イブン・マスラマ(Muhammad ibn Maslamah) / マフムード(Mahmud)
人物:
教友。ザフラーン家(アウス族 / アンサール)
預言者の騎士と呼ばれる。アリーに関しては距離を置く
事績:
バドル参戦組。徴税官や監察官を務める。エジプト方面で活躍
所持:
乗物:ズールリンマ
年代:
d. 663/666
イブン・アーイズ・アル=マフズーミ(Ibn 'A'idh al-Makhzumi)
人物:
特定できず
事績:
バドル参戦組。剣をアル=アルカム・イブン・アブル=アルカムに譲った
所持:
刀剣:アルマルズバーン
年代:
d. 624 以降
ヌサイバ・ビント・カアブ(Nusaybah bint Kaʿb) / ウンム・ウマーラ(Umm ʿUmarah)
人物:
女性の教友
事績:
ウフドの戦いでムハンマドを守る
所持:
盾:ウンムウマーラノタテ
年代:
d. 625 以降
ハーリド・イブン・サイード(Khalid ibn Saʿid ibn al-ʿAṣ) / アブー・サイード(Abu Sa'id)
人物:
教友。ウマイヤ家(クライシュ族)
女傑 Umm Hakim の夫
事績:
ムスリムとなったアムル・アッ=ズバイディーの家族を助けてやる。シリア遠征。Marj al-Saffar の戦いで戦死
所持:
刀剣:アッザルク / サムサーマ
年代:
d. 634
ハーリド・イブン・アル=ワリード(イブヌル=ワリード / Khalid ibn al-Walid ibn al-Mughira)
人物:
教友。マフズーム家(クライシュ族)。サイフッラー(神の剣)
アラブ帝国の名将。当初はイスラムに抵抗
事績:
ウフドの戦いではマッカ軍として勝利。シリア方面軍の指揮
所持:
刀剣:アルクルトバク
乗物:アルアイヤール
年代:
d. 642
アル=ワリード・イブン・アル=ワリード(イブヌル=ワリード / Al-Walid ibn al-Walid ibn al-Mughira)
人物:
教友。マフズーム家(クライシュ族)
ハーリド・イブン・アル=ワリードの異母弟。父ワリードはイスラムを迫害
事績:
改宗時に一族から殺されかけた。マッカからアイヤーシュらを救出
所持:
刀剣:ズールマルワ
年代:
d. 624 以降(620 年代)?
アル=ハーリス・イブン・ヒシャーム(Al-Ḥarith ibn Hisham ibn al-Mughira)
人物:
教友。マフズーム家(クライシュ族)
イブン・アル=ワリードらの従兄弟。イクリマのおじ。女傑 Umm Hakim の父
当初はイスラムに抵抗
事績:
ウフドの戦いではマッカ軍として勝利。シリア方面での活躍
所持:
刀剣:アルウハイリス
年代:
d. 634/636/639
イクリマ・イブン・アムル(ʿIkrima ibn ʿAmr ibn Hisham ibn al-Mughira) / イクリマ・イブン・アビー・ジャハル(ʿIkrima ibn Abi Jahl)
人物:
教友。マフズーム家(クライシュ族)
父アムルはイスラム最初の遠征の敵将。女傑 Umm Hakim の夫。イブン・アル=ワリードらの従甥
当初はイスラムに抵抗
事績:
ウフドの戦いではマッカ軍として勝利。シリア方面での活躍
所持:
刀剣:アンナジーフ
年代:
d. 634/636
マーリク・イブン・アル=ハーリス(イブヌル=ハーリス / Malik ibn al-Harith) / マーリク・アル=アシュタル(Malik al-Ashtar) / マーリク・イブン・アシュタル
人物:
教友。イエメンのマズヒジュ族
アリー派の重臣。軍事的才能
事績:
ラクダの戦い。スィッフィーンの戦い。エジプトへ向かう途中でムアーウィヤに暗殺される
所持:
刀剣:アッルジュ / アルヤム
年代:
d. 658
ハーシム・イブン・ウトバ(Hashim ibn Utbah ibn Abi Waqqas)
人物:
教友。ズフラ家(クライシュ族)
サアド・イブン・アビー・ワッカースの甥
アリー派
事績:
リッダの戦い。ヤルムークの戦い。スィッフィーンの戦いで戦死
所持:
刀剣:アルマティーン
年代:
d. 657
アブー・ムーサー・アブドゥッラーフ・イブン・カイス(Abu Musa ʿAbd Allah ibn Qays al-Ashʿari) / アブー・ムーサー・アル=アシュアリー(Abu Musa al-Ashʿari)
人物:
教友。イエメンのアシュアル族。クーファやバスラの知事
アリーに関しては距離を置く
事績:
イエメンで布教活動。ペルシア方面での活躍
所持:
刀剣:アッサダー
年代:
d. 662/672
アムル・イブン・アル=アース(イブヌル=アース / ʿAmr ibn al-ʿAs ibn Waʾil al-Sahmī)
人物:
教友。サフム家(クライシュ族)。エジプトの終身総督
ムアーウィヤとの同盟
事績:
シリア遠征。エジプト遠征。カリフのウスマーンに敵対。アリー派のアル=アシュタルを暗殺。エジプト平定
所持:
刀剣:アッルジュ
年代:
d. 664
アムル・イブン・アル=マアディー・カリブ(イブヌル=マアディー・カリブ / ʿAmr b. al-Maʿdi Karib al-Zubaydi) / アムル・イブン・マアド・ヤクリブ(Amr ibn Maʿad Yakrib) / アブー・サウル(Abu Thawr)
人物:
イエメンの詩人戦士。教友に数えられることも。ズバイド族(マズヒジュ族)
父は Maʿdikarib ibn Abd Allah とされるが詳細不明(『アンタル物語』の登場人物マアディーカリブと関連は?)
当初はイスラムに抵抗
事績:
アリーの軍に敗れる。ムスリムとなり家族を解放してもらう。カーディシーヤの戦い
『アミール・ハムザの冒険』ではハムザと戦う。『アンタル物語』ではイエメンの戦士ズール・ヒマール(Dhu'l-Khimar)の仲間として登場
所持:
刀剣:サムサーマ / ズーンヌーン
乗物:アルカーミラ
年代:
d. 636/637 以降
登場:
『アミール・ハムザの冒険』
『アンタル物語』
アブー・ミフジャン・アッ=サカフィー(Abu Mihjan al-Thaqafi)
人物:
アラブの詩人。サキーフ族
当初はイスラムに抵抗。酒好きが祟り幾度も追放や投獄の憂き目に
事績:
カリフのウマルに追放される。カーディシーヤの戦いで赦しを得る。再度ウマルに追放される
所持:
乗物:アルバルカー
年代:
d. 637 以降
アル=ムタンナ・イブン・ハリタ(Al-Muthanna ibn Haritha)
人物:
アラブ帝国の将軍。シャイバーン族(バクル族)。ペルシアの司令官
事績:
Buwaib の戦いでサーサーン朝を撃破。ペルシア方面で活躍
所持:
乗物:アッシャムース
年代:
d. 636 以降
サルマン・イブン・ラビア(Salman b. Rabiʿah al-Bahili)
人物:
ウマルに仕える。ウマイヤ家。アルメニアの司令官
騎兵を統括
事績:
土地を巡ってアシュアス・イブン・カイスともめる
所持:
刀剣:ジュンシー
年代:
d. 650
サイード・イブン・アル=アース(イブヌル=アース / Saʿid ibn al-As)
人物:
ウスマーンやムアーウィヤらに仕える。ウマイヤ家。クーファやメディナの司令官を歴任
事績:
アゼルバイジャン遠征。マリク・イブン・アシュタルら反体制派を追放。ウスマーンの復讐を誓うがアリーとの戦いは避ける
所持:
刀剣:アルキファー / サムサーマ
年代:
d. 678/679
ハキーム・イブン・ジャバラ(Hakim b. Jabalah al-ʿAbdi) / フカイム(Hukaym ibn Jabalah)
人物:
アリーに仕える
ウスマーンに敵対
事績:
シンド地方に侵入(649 年)。バスラでアリーの政敵タルハに殺される
所持:
刀剣:アッルジュ / ヤービス
年代:
d. 656
ウバイド・アッラーフ・イブン・ウマル(ウバイドゥッラー / Ubayd Allah ibn Umar)
人物:
ウマル・イブン・アル=ハッターブの息子
事績:
サーサーン朝の降将ホルムザーンを父の暗殺に加担したとして殺す。アリーなどに追われムアーウィヤを頼る。ムアーウィヤに暗殺される
所持:
刀剣:ズールウィシャー
年代:
d. 658 頃?
ムフリズ・イブン・アッ=サフサ(Muhriz b. al-Sahsah)
人物:
ムアーウィヤらに仕える
事績:
ウバイド・アッラー・イブン・ウマル暗殺を実行
所持:
刀剣:ズールウィシャー
フサイン・イブン・アリー(Husayn ibn Ali)
人物:
3 代目イマーム
アリー・イブン・アビー・ターリブの息子
事績:
ムアーウィヤに抵抗。カルバラーの戦いで戦死
所持:
刀剣:アッラスーブ / バリクハティーフ
防具:タブラ
乗物:ズールジャナー / ラーヒク
年代:
d. 680
登場:
『Utenzi wa Seyyidna Huseni bin Ali』 - スワヒリ語の叙事詩
ウマル・イブン・サアド(ʿUmar ibn Saʿd)
人物:
ムアーウィヤらに仕える
サアド・イブン・アビー・ワッカースの息子
事績:
カルバラーの戦いでフサインを破る。アル=ムフタール軍に殺される
所持:
防具:タブラ
年代:
d. 686
ヤズィード 1 世 / ヤズィード・イブン・ムアーウィヤ(Yazid ibn Muʿawiya)
人物:
ウマイヤ朝カリフ
ムアーウィヤの息子
イスラムの分裂(第二次内乱)を招く
事績:
父の遺言に反しフサイン掃討を命じる。マッカ包囲(アル=ハッラーの戦い)
所持:
兵器:ウンムファルワー
年代:
d. 683
アル=ムフタール・イブン・アビー・ウバイド(Al-Mukhtar ibn Abi Ubayd al-Thaqafi) / ムフタール・アッ=サカフィー
人物:
第二次内乱における反乱指導者。サキーフ族
アリー家の支持者でフサインの復讐にこだわる。ウマイヤ家とズバイル家の両カリフと敵対
事績:
フサインの反乱に加担し追放される。カリフを自称したイブン・アッ=ズバイルに合流するがすぐに離反。クーファで独立。ズバイル家のムスアブに滅ぼされる
所持:
刀剣:ズールラーハ
年代:
d. 687
アブドゥルマリク(ʿAbd al-Malik)
人物:
ウマイヤ朝カリフ
マルワーン 1 世の子
中央集権体制を確立
事績:
ズバイル家、ハワーリジュ派を降し第二次内乱を収める。ビザンツとの戦い
所持:
乗物:アルフサイフィサー
年代:
d. 705
アリー・イブン・フサイン(Ali ibn Husayn) / ザイヌル=アービディーン(Zayn al-Abidin)
人物:
4 代目イマーム
フサイン・イブン・アリーの息子。母はサーサーン朝のヤズデギルド 3 世の娘という伝説
事績:
カルバラーの戦いには参加せず捕虜となる。後に釈放され学問の道へ。ムフタールに復讐を説かれるが拒否
所持:
乗物:ラーヒク
年代:
d. 713
ムハンマド・イブン・アル=カーシム(イブヌル=カーシム / Muhammad ibn al-Qasim) / ムハンマド・ビン・カーシム
人物:
ウマイヤ朝の武将。ワリード 1 世に仕える
総督ハッジャージュの甥
事績:
ハッジャージュに軍事を学ぶ。シンド侵攻(711 年)。新カリフのスライマーンに粛清される
所持:
兵器:アルアルース
年代:
d. 715
ヤズィード・イブン・アル=ムッハラブ(イブヌル=ムッハラブ / Yazid ibn al-Muhallab)
人物:
ウマイヤ朝の武将・東部副王。ヤズィード 2 世までの歴代カリフに仕える。ホラーサーンやイラクの司令官を歴任
事績:
ムハンマド・イブン・アル=カーシムなどハッジャージュの一派を弾圧。ハッジャージュの親族ヤズィード 2 世への反乱
所持:
乗物:アルカーミル
年代:
d. 720
ジュンダバ・イブン・アル=ハーリス(イブヌル=ハーリス / Jundaba b. al-Hārith)
人物:
キラーブ族の長
Fatima(デルヘンマ)の曽祖父。養父はダーリム(Dārim)
アブドゥルマリクの時代
事績:
悲劇的な誕生。養父から殺されかけるが返り討ちに。母の仇を討つ。部族に合流。Tayy 族のガトリーフ(Ghatrīf)に襲われ死亡
所持:
乗物:ムズナ
登場:
『デルヘンマ物語』
アッ=シャフサーフ(al-Şaḥsāḥ / al-Sahsah) / シャフサーフ
人物:
キラーブ族の長
ジュンダバの息子。二人の妻の間に二人の子(争いの元)。Fatima(デルヘンマ)の祖父
アブドゥルマリクの時代
事績:
父の仇を討つ。スライム族のマルワーンから“ベドウィンの王”の地位を奪う。マスラマ・イブン・アブドゥルマリク王子の遠征に参加(717-718 年のコンスタンティノープル包囲など)。ジンの王女とのロマンス。豹と戦い死亡
所持:
乗物:ムズナ
登場:
『デルヘンマ物語』
ガリーブ(Gharib bin Kundamir)
人物:
イラク(クーファ)王
クンダミル王の息子
時代などは不明
事績:
身ごもった母が異母兄アジーブに追放される。アジーブとの戦い。国を救い王となる
所持:
刀剣:アルマヒク
登場:
『千夜一夜物語』- クンダミル王の子アジーブとガリーブ
金剛王子
人物:
シャムス・シャーの息子
出会う女性出会う女性に言い寄られる。場所や時代などは不明
事績:
モホラ(Muhrah)姫の謎に挑む。鍵を握るワーカークの町を目指す。途中黒人の王と戦う。謎を解き 4 人の妻と妾(モホラ姫)を連れ国に帰る
所持:
刀剣:スライマーンノサソリ / タンムーズノタンケン
弓矢:サーリフノユミヤ
登場:
『千夜一夜物語』 - 金剛王子の華麗な物語
アルマス・ルフ・バクシュ(Almas-ruh-bakhsh)
人物:
Saman-lalposh 王の三男
『千夜一夜物語』の金剛王子にあたる
事績:
トルキスタンの Mihr-afruz 姫の謎かけ。兄 2 人を失う
所持:
刀剣:アクラブスライマーニ / ライムーシ
登場:
『QissA Gul-o-Sanaubar(The Story of the Rose and the Pine)』(Chand 訳 1860)
アブー・ムスリム(Abu Muslim ʿAbd al-Rahman)
人物:
アッバース朝の武将で革命指導者
事績:
ホラーサーンで反ウマイヤ運動。クーファ占領。部下がタラス河畔で唐を破る。マンスールのカリフ即位に尽力するが粛清される。夢の中でムハンマドから斧を授かったという伝説
所持:
斧鎌:タバレマクズシェカーファンデ
年代:
d. 755
登場:
『アブー・ムスリム・ナーマ』
ムハンマド・アル=マフディー(Muhammad al-Mahdi) / マフディー
人物:
アッバース朝カリフ
マンスールの息子
事績:
東ローマ帝国との戦い
所持:
刀剣:サムサーマ
装飾:アルジャバル / イスマーイーリ
年代:
d. 785
ムーサー・アル=ハーディー(Musa al-Hadi) / ハーディー
人物:
アッバース朝カリフ
マフディーの息子
事績:
急死
所持:
刀剣:サムサーマ
装飾:イスマーイーリ
年代:
d. 786
ハールーン・アッ=ラシード(Harun al-Rashid)
人物:
アッバース朝カリフ
マフディーの息子。ハーディーの弟
最盛期を迎える
事績:
東ローマ帝国との戦い。バルマク家の粛清。シャルルマーニュとの交流
所持:
刀剣:サムサーマ
刀剣:アルジャバル / イスマーイーリ
年代:
d. 809
登場:
『千夜一夜物語』
ズバイダ(Zubaidah bint Jaʿfar)
人物:
ハールーン・アッ=ラシードの妃(従妹)。マンスールの孫
事績:
水道などのインフラ整備
所持:
装飾:アルスバーン
年代:
d. 823/831
登場:
『千夜一夜物語』
イブラーヒーム・イブン・ウスマーン(Ibrahim b. ʿUthman b. Nahik)
人物:
シュルタ(警察)の長。ハールーン・アッ=ラシードに仕える
事績:
ラッカを任される。バルマク家の処分への復讐を誓うが息子に密告される。ハールーンによる粛清
所持:
刀剣:ズールマニヤ
年代:
d. 803
ハールーン・アル=ワースィク(Harun al-Wathiq) / ワースィク
人物:
アッバース朝カリフ
ムウタスィムの息子。ハールーンの孫
事績:
遊牧民の反乱。Mauropotamos の戦いで東ローマ帝国に勝利
所持:
刀剣:サムサーマ
年代:
d. 847
ムハンマド・イブン・アブドゥルワッハーブ(Muhammad ibn ʿAbd al-Wahhab)
人物:
ワッハーブ派の開祖。第 1 次サウード王国
事績:
宗教改革
所持:
刀剣:ラハイヤン
年代:
d. 1792
シャーリフ・アッ=ディート(Šāliḥ ad-Dīt)
人物:
'Idyān 族の長
英雄シュレーウィーフ・アル=アターウィー(Šlēwīḥ Al-ʻAṭāwī / シュライウィーフ(Shlaywīḥ))の義父
事績:
オスマン帝国に対抗
所持:
刀剣:アルアムージュ
年代:
d. 1819 以降
登場:
アラブの物語?
トゥルキー・ビン・アブドゥッラー(Turki bin Abdullah Al Saud)
人物:
第 2 次サウード王国の初代
事績:
エジプトのムハンマド・アリー朝に抵抗。東部(ペルシャ湾沿岸)の制圧。暗殺される
所持:
刀剣:アルアジュラブ
年代:
d. 1834
ザーイド・ビン・ハリーファ(Zayed bin Khalifa)
人物:
アブダビ首長。大帝。遊牧民として育つ
UAE 大統領の先祖
事績:
シャールジャの首長を倒す。ペルシャ湾岸で勢力を確立。イギリスの保護下に
所持:
刀剣:アルガマーマ
年代:
d. 1909
アブドゥルラフマーン・ビン・ファイサル(Abdul Rahman bin Faisal Al Saud)
人物:
第 2 次サウード王国
トゥルキーの孫
事績:
兄弟との争い。ラシード家に敗れ実権を握られる。クウェートへ亡命
所持:
刀剣:ラハイヤン
年代:
d. 1928
アブドゥルアズィーズ・ビン・アブドゥルラフマーン(Abdulaziz bin Abdul Rahman) / イブン・サウード(Ibn Saud)
人物:
初代サウジアラビア王
アブドゥルラフマーンの息子
事績:
シャンマル王国(ラシード家)との戦い。リヤド奪還(1902 年)。1921 年にラシード家を降伏させる。ヒジャーズ王国の併合
所持:
刀剣:アルガッサブ / スワイラ / ハタフ / ハフィーク / ラクバン
年代:
d. 1953