コーカサス・トルコ・レバントの人々について
始めに
wordsの中で取り上げた西アジアの該当地域関連人物を補足的に紹介していきます。
トルコ~コーカサス
ハイク・ナハペト
人物: ハイ族の祖/ノアの血を引く(ヤペテ系統)/天空の神
事績: バビロンの暴君ベル(ニムロド)から逃れる/ベルを狙撃(紀元前2492年または紀元前2107年)
所持: ハイクナハペトノユミヤ
登場: 『アルメニア史』
トルク・アンゲグ(Tork Angegh)
人物: ハイクの曾孫の一人/粗野な巨人/力や建築の神
所持: スルハウルニ
登場: 『アルメニア史』/『Tork Angegh and Haykanush The Fair』 - 19世紀の叙事詩 悲恋の物語
ティグラネス/ティグラン(Tigran Yervanduni)
人物: オロンティド朝アルメニアの王/ヴァハグン(後の火神)の父とされる/ヴァハグンの父をエルワンド(初代オロンテス1世?)とする記述もある
事績: メディアのアズダハク(アステュアゲス)を殺す
所持: ティグランノヤリ
年代: 統治が560 BC–535 BC
アミラニ
人物: ジョージアの文化英雄/女神ダリの息子/猟師の妻ダレジャンの息子/バドリやウスプの兄弟/プロメテウスの類型/聖ゲオルギウスが名付け親という話も
事績: 天の乙女カマリ(火)を盗む/鍛冶の技術を修得/グメルティ神(またはキリスト)に捕えられ鎖に繋がれる
所持: アミラニノケン
登場: 『Amiraniani』 - ジョージアの叙事詩 キリスト教の影響
アミラン・ダレジャニスゼ(Amiran Darejanisdze)
人物: 中東あたりの騎士/名前からダレジャンの息子と思われる/アミラニとは名前ぐらいしか共通点がなく背景や経歴が不明
事績: 竜殺し
所持: アミラニノケン
登場: 『Amiran-Darejaniani』 - ジョージアの叙事詩 ペルシアのロマンス『Vis o Rāmin』が下敷き
ワスジェルジ(Wasgergi)/ワステュルジ
人物: 神または精霊/サタナなどの父
事績: ゼラセの死体と交わる
所持: フェリンク
モデル: 聖ゲオルギウス(d. 303?)
登場: ナルト叙事詩
エフサル(Æхсар)
人物: 勇士(ナルト)/ゼラセの夫エフセルテグ(Æхсæртæг)の双子の兄弟/バトラズの大おじ
事績: 水棲種族(Быценаги:露)のカラマグ(Карамаг:露)との戦い/ゼラセの誘惑を断るが兄弟から疑われる/身の潔白を明かして死ぬ
所持: エフサルガルド
登場: ナルト叙事詩
バトラズ/バタラズ/パタラズ
人物: 勇士(ナルト)/ヘミュツの息子/エフセルテグの孫/聖杯ナルタモンガの守護者
事績: サイネグ・エルダル(またはPshimaruquo)を殺す/父の死に加担したナルト達を虐殺/死の間際に剣を黒海に投げ込ませる
所持: サイネグエルダルノケン/ズスカラ/マイーサ
登場: ナルト叙事詩
サイネグ・エルダル/サイナグ
人物: サウ・ホフ(黒い山)の剣士/勇士アツェメズの義父/プシマルコにあたる?
事績: 娘アグンダの婿取り/ヘミュツ殺しを請け負う/バトラズに討たれる
所持: サイネグエルダルノケン
登場: ナルト叙事詩
プシマルコ(Пши Маруко)/プシマルクオ(Pshimaruquo)
人物: 勇士(ナルト)/死の王子という名/ブジェドゥグにおけるサイネグ・エルダル?/チェルケスではWarzameg(ウリュズメグ)やYimis(ヘミュツ)の兄弟
事績: Khimish(ヘミュツ)を殺す/パタラズに討たれる
所持: マイーサ
登場: ナルト叙事詩
ソスラン/ソスリュコ
人物: 勇士(ナルト)/石より生じる/サタナの養子/プロメテウスやロキと比較される
事績: 火や穀物をもたらす/サイネグ・エルダルの娘の婿取りレースに敗れる/巨人殺し/シュルドンに謀殺される
所持: フェリンク/ツェレツィズゲル/ビダスィタカ
登場: ナルト叙事詩
ツヴィツヴ(Цвицв)
人物: 勇士(ナルト)/半身が白で半身が黒/人知れず他のナルトたちを助ける/アブハジアにおけるバトラズ
事績: 親元を離れナルト達の住処へ/こっそりБаталакла砦攻略を手伝う
所持: ブジェイクアブジャシュラ
登場: ナルト叙事詩(アブハジア)
アブルスキル(Абрскил)
人物: 婚外子の少年/無法者/プロメテウスの類型(文化英雄ではない)
事績: 神に挑み天使の追跡を逃れ続ける/運が尽きて捕えられる
所持: アラバシャ
登場: アブハジアの叙事詩
ティリダテス3世/トゥルダト
人物: アルサケス朝アルメニア/大王/アナヒット女神を信奉
事績: 父を暗殺されローマに逃れる/サーサーン朝から国を取り戻す/キリスト教に改宗した上、国教に定める
所持: ハウルニスル
年代: d. 330
登場: 『アルメニア史』
聖グレゴリオス/グリゴル・ルサヴォリチ(Grigor Lusavorich)
人物: パルティアの貴族アナクの息子/アナクはティリダテス3世の父を暗殺/啓蒙者と呼ばれる
事績: 逃亡先で洗礼を受ける/ティリダテス3世に捕えられ幽閉される/王の病を治し洗礼を授ける/王の剣を光の十字に変えた逸話
所持: ハウルニスル?
年代: d. 331
登場: 『アルメニア史』
聖ニコラオス/ニコライ
人物: ミラの大主教/海運の守護聖人/神の恩寵による奇蹟/死後、不朽体に
事績: 水死した水夫を蘇生/ローマからの迫害/罪なき人々を救う
所持: (ヴォイェンノイェオドレニェ)
年代: d. 326~365と諸説あり
エウノミウス
人物: テオドシオポリス(エルズルム)の司教
事績: サーサーン朝バハラーム5世の包囲を受ける(421年)/投石器で敵の指揮官を殺す
所持: トマエアポストリ
サナサル
人物: サスンの領主/バグダード王の息子/バグダサル(バルタサル)の双子の兄弟
事績: サスンに移住/姫との結婚を巡り兄弟で争う
所持: スルケツァキン
年代: 8~10世紀
モデル: アッシリア王センナケリブの息子サルエツェル?
登場: 『Sanasar yev Baghdasar』
ムヘル
人物: サスンの領主/サナサルの息子/ダヴィトととミスラ・メリク(Misra Melik)の父/超人的な力
事績: 素手でライオンを殺す/エジプト王ミスラ・メリク(息子と同名)と義兄弟に/ミスラ・メリクから王妃を託される
所持: スルケツァキン
年代: 8~10世紀
モデル: ミスラ神
登場: 『Aryudz Mher』
ダヴィト
人物: サスンの領主/ムヘルの息子/ミスラ・メリクの異母兄弟/息子の小ムヘルはアミラニに類似
事績: 恭順派のおじオハンから実権を奪う/エジプトのミスラ・メリクとの戦い/息子の小ムヘル(P'ok'r Mher)と戦い呪いを掛ける
所持: スルケツァキン
年代: 8~10世紀
登場: 『Sassountsi Tavit』
アミール・アルサラン
人物: ルーム(コンスタンティノープル)の王子/ファラング(フランク)王の娘を娶る
事績: 魔神Fulad-zerehとの戦い/故国ルームの王となる
所持: シャムシーレゾモロドネガル
登場: 『Amīr Arsalān-e nāmdār』 - ペルシアの物語/『Amīr Arsalān-e Rūmī』 - ペルシアの物語
オスマン1世
人物: オスマン帝国の祖/族長(遊牧民?)の息子
事績: ルーム・セルジューク朝から独立/ビザンツ帝国に対抗
所持: タクリデセイフ
年代: d. 1326
メフメト2世
人物: オスマン帝国のスルタン/最大領土を実現
事績: ビザンツ帝国を滅ぼす/東欧進出/ワラキアのヴラドやアルバニアのスカンデルベグらの抵抗
所持: エリポロス/シャヒ/バシリカ/マホメッタ
年代: d. 1481
キョロール
人物: 義賊で反乱指導者
事績: サファヴィー朝のアッバース1世に抵抗/ジェラーリーの反乱に参加
所持: ミスリ/デリクリデミール
年代: 16世紀頃
登場: 『キョロール』 - トルコ~アゼルバイジャンの叙事詩
ムラト4世
人物: オスマン帝国のスルタン/短気で残酷な人物
事績: サファヴィー朝との戦い/バグダード攻略
所持: ハンギアウ?/カラバリ
年代: d. 1640
レバント
バアル/アダド
人物: ウガリットやアッカドの天候神/ヤムやモートの兄弟
所持: イツビリク/アイムール/ヤグルシュ/ツァマドゥ
アナト
人物: バアルの配偶神/愛や戦いを司る
所持: アナトノケン/アクハトノユミ
モート
人物: ウガリットの地下神/バアルの兄弟
所持: ウルマヌ/タカル
ダニルウ
人物: ハルナイムの王
事績: エルに祈り子を授かる/アクハト殺しに係わったものを呪う
所持: ウクラユ?
登場: 『アクハト叙事詩』
アクハト
人物: ハルナイムの王ダニルウの息子
事績: コシャル・ハシス神の弓を巡りアナトに殺される
所持: アクハトノユミ
登場: 『アクハト叙事詩』
ヤハウェ(YHVH)
人物: イスラエルの唯一神/苛烈な一面
所持: マツマツィアーマツミアー/マツマツィート/マツマツィートマツィヤー/マツマツィヤフ/メザムゼフマズミヤー/ハバブハラリム/バラクヘレブ/ヤハウェノケン/ヨハク/カスティアー/カスティエル/ドメーカシュティア/バティアンガルシュラブ
ケルビエル
人物: 智天使の長
所持: ラハトハヘレブ/シェキナーノユミ
ミカエル
人物: 大天使/熾天使とされることも
所持: ミカエルノタテ
アダム
人物: 最初の人間/イヴの夫
事績: エデンの園を追放される
所持: アダムノコロモ
登場: 『創世記』
エノク
人物: ヤレドの息子/アダムの血を引く
事績: 天に上げられメタトロンにされる/ラビのイシュマエルと出会う
所持: メトシェラノケン
登場: 『創世記』/『エノク書』
メトシェラ
人物: エノクの息子/ノアの祖父
事績: 魔神を退治
所持: メトシェラノケン
登場: 『創世記』
セム/シェム(Shem)
人物: ノアの息子/アジア人の先祖とされる
事績: サナア(イエメン)建設
所持: シェムノケン
登場: 『創世記』/『Sīrat Sayf ibn Dhī Yazan』 - アラビアの叙事詩
ニムロド/ベル
人物: ハムの孫/ノアの曾孫/優れた狩人
事績: バベルの塔を建設/アブラハムとの対立/アルメニアではベルとしてハイクに撃たれる
所持: アダムノコロモ
登場: 『創世記』/聖書の解釈書
アブラハム/イブラーヒーム
人物: 最初の預言者/ユダヤ人とアラブ人の祖
事績: 神の啓示を受ける/息子イサクを神に捧げようとする
所持: アブラハムノナイフ
年代: 紀元前21世紀頃
登場: 『創世記』
イサク
人物: アブラハムの息子/ヤコブの父
事績: 井戸掘り
所持: レミーア
年代: 紀元前21世紀頃
登場: 『創世記』
アンミ・エンシ/Ammu-anshi/Ammunenshi
人物: カナンの部族長
事績: エジプトから逃れて来たシヌヘを娘の婿に/周辺部族との戦い
所持: ケメト
年代: エジプトのアメンエムハト1世の死が紀元前1962年
登場: 『シヌヘの物語』
アロン/ハールーン
人物: イスラエルの祭司/モーセの兄/雄弁
事績: 十の災いの実行役
所持: アロンノツエ/ホシェンミシュパト
登場: 『出エジプト記』
モーセ/ムーサー
人物: イスラエルの指導者
事績: ヘブライ人を連れエジプトを出る/シナイ山で十戒を授かる
所持: ネフシュタンノボウ/モーセノツエ/ローセンブラント
年代: 紀元前16世紀または紀元前13世紀
登場: 『出エジプト記』/『エルサレムのセヘレイン』 - フランスの武勲詩
ケナズ
人物: エサウの孫/アブラハムの曾孫/大士師オトニエルの父
事績: アムル人45000を殺す
所持: ケナズノケン
登場: 『創世記』/『聖書古代誌』
エフド
人物: 大士師/ベニヤミン族
事績: モアブ王エグロンを暗殺
所持: エフドノタンケン
登場: 『士師記』
ヤエル
人物: ケニの人ヘベルの妻/士師デボラやバラクの時代
事績: カナンの将軍シセラを殺す
所持: ヤエルノツチ/ヤエルノクギ
登場: 『士師記』
サウル
人物: 初代イスラエル王/ベニヤミン族
事績: 士師サムエルに油を注がれ王に/ダヴィデを登用/ペリシテに敗れ自害
所持: シャバツ
年代: 紀元前10世紀
登場: 『サムエル記』
ゴリアテ
人物: ペリシテの巨人
事績: イスラエル攻めでダヴィデに敗れる
所持: ゴリアテノヤリ/アルバタール
登場: 『サムエル記』
ダヴィデ/ダウード
人物: イスラエル王/ベツレヘムの羊飼い/竪琴の腕前/九偉人の一人
事績: ゴリアテを倒す/ユダの王に/サウルの息子を殺しイスラエル統一
所持: アルバタール/ハレフ/ザータルフドゥル/キミョウナタレヌノノケン/ダヴィドノケン
年代: 1000 BC-961 BC
登場: 『サムエル記』
ソロモン/スライマーン
人物: イスラエル王/ダヴィデの息子/最盛期をもたらす
事績: 神から知恵を与えられる/エルサレム神殿建設
所持: ソロモンノユビワ/シャムシーレゾモロドネガル?
年代: 971 BC-931 BC
登場: 『列王記』/『ソロモン書』
アーシフ・イブン・バルキヤー(Asif ibn Barkhiya)
人物: ソロモンの大臣/伝説の武具の所持者
事績: シバの王位をソロモンに譲らせるよう取り計らう
所持: アーサフノケン/カムカーム/サムシャーム
モデル: ベレキヤの子アサフ(ダヴィデの楽長)
登場: 『クルアーン』/『アミール・ハムザの冒険』
ユディト
人物: ユダヤの女性
事績: アッシリアの将軍ホロフェルネスを殺す
所持: ユディトノケン
年代: 紀元前6世紀前半
登場: 『ユディト記』
ゼカリヤ
人物: ユダヤの預言者
事績: エルサレム神殿の再建に尽力
所持: カッロス/スコイニスマ
年代: 紀元前6世紀後半(バビロン捕囚後)
登場: 『ゼカリヤ書』
ユダ・マカバイ/イェフダ・ハマカビ
人物: ユダヤの反乱指導者/アポロニオスのライバル/九偉人の一人
事績: セレウコス朝の支配に抵抗/マカバイ戦争を主導/エラサの戦いで戦死
所持: ユダマカバイノケン
年代: 紀元前2世紀
登場: 『マカバイ記』
ペトロ
人物: イエスの使徒の一人/カトリックの初代ローマ教皇
事績: 兵士の耳を切り落とした
所持: セイペトロノケン(セイピョトラノケン)
年代: d. 64/68
登場: 新約聖書
ゲオルギオス/ジェルジオ
人物: キリスト教の聖人/パレスチナの人
事績: 竜退治伝説/ディオクレティアヌス帝の迫害により殉教
所持: アスカロン/カリブ/セイケヴォルクノヤリ
年代: d. 303
ハーリト・ビン・アビー・シャミル(Harith bin Abi Shamir Al-Gassani)/ハーリト・ガッサニ
人物: ビザンツ帝国下のシリアを支配
事績: ムハンマドからイスラム転向を勧める手紙が届く
所持: アルミクザム
年代: ムハンマドと同時代
ムルシド(Murshid)
マジド・アッ=ディーン・アブー・サラマ・ムルシド(Majd al-Din abu Salamah Murshid)
人物: シャイザル(シリア)の領主/詩人ウサーマ・イブン・ムンキズの父
事績: 領主の地位をすぐに投げ出す/十字軍との戦い
所持: アルジャミー?
年代: d. 1137
登場: 『Kitab al-I'tibar』 - ウサーマ・イブン・ムンキズの自伝
マルーフ(Ma'ruf)
人物: イスマーイール派の長(スルタン)/長ハジャル(Hajar b. Asad)の息子/バイバルスの盟友
事績: バイバルスとの決闘と和解/キリスト教軍からアレッポの門を守り抜き死亡
所持: ザータルハヤート
年代: 13世紀
登場: 『Sirat al-Zahir Baibars』 - バイバルスの叙事詩