まったくの趣味でケサル王伝の関連人物やエピソードを紹介していきます。
ケサル王伝はチベットから中央アジアにかけて、吟遊詩人たちによって伝えられてきた一大長編叙事詩として知られています。
仏教的な世界観の中で、散文による語りの部分と韻文詩によるキャラクターたちの口上によって構成されているのが特徴です。
おそらく戦場における口上合戦や神仏への詠歌などが見せ場(詩人にとっての聞かせどころ)なのだろうと思います。
エピソードが数多く存在する上、それぞれに異なるバージョンが存在しており全貌を把握するのは無理そうです。
全ての内容において“バージョンによる”という但し書きがあるものと思ってください。
文学としてエピソードの繋がりを気にして作られたものではないため、数々の矛盾を抱えています(死んだはずの人物が後々登場したり、人間関係や人物像が違っていたり)。
エピソードの流れは『格萨尔文库』(上海古籍出版社)や『格薩爾王全傳』(降邊嘉措, 吳偉)などの情報をベースにしています。
漢訳版を頼りにして、あくまでも読めた範囲での情報をつづっていきます。
リン国は東チベットのあたりに位置すると見られ、かつて存在したリンツァン王国との関連性が指摘される
ムクポ氏幼系による王朝が続いている
ムクポ氏は古代部族ドン族の一支族で、さらに長系(セルパ)、中系(オムプ)、幼系(ムチャン / ムパ)の三系統に分かれている
他にも古代部族ドゥ族などが存在
ケサル(གེ་སར / ge sar / 格薩爾) / チョル(jo ru) / センチェン・ノルプ・ダドゥル(seng chen nor bu dgra 'dul) / トゥーパ・ガワ(thos pa dga' ba)
人物:
リンの王。ムクポ氏幼系
天神の息子。センロン王とゴク妃(龍女メトク・ランゼーの転生)の息子
変化の術を多用。パドマサンバヴァやティソン・デツェンの生まれ変わりと語られる。怒ったり嫉妬したり割と人間臭い
生まれが 1027 年という説があるが、物語の成立はそれよりも古い。下ラダック版ではトゥントゥプ(don grub)。モンゴルのゲセルにあたる
事績:
地にはびこる悪を平定するため天より遣わされる。四方の四敵との戦い。十八大国との戦い。二度の地獄行。ドゥクモとメサを伴い天に帰る
所持:
刀剣:タプパレンメー / チェトクシェルキ / ディクパイティクソルスム / トゥクパチェンティク / ナムアンゴンショクパ / パルナントンパル / バルワツェグ / ミクシリレルティ / 青色剣(sngon mo g.yug chod) / 漢刀(ngang yag leb chen / ngang dkar leb chen)
斧鎌:ダワカルポ / タクリハルシャク
槍戟:カムスムダンドゥル / ドゥンペルアジャムリンモ
杖棒:キェンカル
変種:ギャタクタヲ / ドゥルタジゴ / ドゥルナクドムグ / パヲントンコル / ワジビタ / 縄(stong gsum rang 'gug)
弓矢:シンシュンゴンポ / ダカルポイラムテン / ダモセルダジュクリン / ダモナクポイソクチョ / ダモマルポイタクダク / トンカルマ / ポレーキェーシュ / ラルグーキルパ
盾:ナムキェーマパリ / バルマルリンサプ
防具:シルパトクドゥク / タルトゥキュントゥル / トンデジクメー / ニェパキョプチェー / マモイラド / ランデシルノン
装飾:カンテイレータル
法具:ダムチェンチャクパ / バルワコルヨン
乗物:キャングーペルポ / タメリンジュクボ
センチャム・ドゥクモ(སེང་ལྕམ་འབྲུག་མོ / seng lcam 'brug mo / 森姜珠牡)
人物:
ケサルの后
キャロ部の長トンパ・ギェルツェンの娘
下ラダック版ではヤプトゥンパ(yabs thon pa)の娘ドゥクマ('aBru-gu-ma)
事績:
チョル(ケサル)と結ばれる。ホル王にさらわれ子を為す。ケサルと共に天に上る
所持:
変種:キルジャク / ポンティル / ラデュク
乗物:トムク / 黒騾馬(rgod ma blo khrid)
登場:
『瑪域封地』など
ギャツァ・シェルカル(རྒྱ་ཚ་ཞལ་དཀར / rgya tsha zhal dkar / 嘉察協噶) / シェルル・カルポ(zhal lu dkar po)
人物:
リンの王子。鎮東将軍(対ジャン)。四公子の一人。七勇士の長。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ムクポ氏幼系
センロン王の息子。ケサルの異母兄。中国の皇帝の甥
バージョンによって死に際が異なる(シェンパのキャラクターの違いが影響)
下ラダック版では類似キャラが何人か存在。モンゴルのツァサ・シキルにあたる
事績:
ゴク戦。ホル戦(死亡)。ジャル(伽域)戦やメリン戦の一バージョンでは顕現して参戦
所持:
刀剣:サムパレクチュー / シャポトゥムチュー / ヤシカルテン / 水刀(gnam lcags chu gri rbad gcod) / 刀剣(shel 'od rang 'bar)
斧鎌:水晶斧(dgra 'dul shel gyi dgra sta)
槍戟:神矛(stong nyid 'big byed) / 矛(gnam lcags 'khol ma)
変種:神索(dkar mo sprin 'dzin)
弓矢:弓(dgra gzhi rang 'dul) / 神弓(gza' rgod 'khyil ba)
防具:カルモラサン / ツァリトクケプ / ナムカレプチェン
乗物:ギャチャソクカル / 白馬(cang shes gong mdzes / cang shes ngang dkar / can shes ngang mdzes) / 神馬(shel bya khyung lding)
登場:
『誕生編』など
ダラ・ツェギェル(དགྲ་ལྷ་རྩེ་རྒྱལ / dgra lha rtse rgyal / 扎拉澤傑) / ナンギェル・カルポ(snang rgyal dkar po)
人物:
リンの王太子・王。ムクポ氏幼系。神子(lha sras)
ギャツァの息子。ケサルの甥。ロン王ウカルの娘(チンゴンの妹)アメン・ケータ(a sman sked phra)の夫
オムプ・タクロン騒動の際には双方潰そうとするなど過激な一面も
事績:
ホル戦以降全ての戦いに参加。父の仇シェンパを赦す。タクシク戦以降指揮を任される。天に上ったケサルの跡を継ぐ
所持:
刀剣:ヤシカルテン
槍戟:槍(nam mkha' dgu chod) / 長矛(gshin rje'i khram shing)
変種:縄(sprin 'dzin dkar mo) / 縄(a long dgu 'khyil)
弓矢:ロクグーキュクヤク / 漢弓(dkar mo 'then skyid / gzi chen ger 'gugs) / 弓(gnam sa rang 'gug)
盾:盾(gser 'khor dra ma)
乗物:ギャチャソクカル / 青馬(rlung gshog sngon po / khyung gshog sngon po / khyung rdzong sngon po / sngon po 'phur shes) / 馬(dung seng g.yu ral) / 馬(bya rta rlung sngon)
登場:
『ホル・リン大戦』など
センロン・カマ・リキェー(センルン / སེང་བློན / seng blon ga ma ri skyes / 森倫)
人物:
リンの前王。四王(四叔伯)の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ムクポ氏幼系
ギャツァ、ケサル、マルレプらの父
終盤まで生存している
事績:
ゴク戦(ケサルの母となる妃を得る)。ホル戦。ジャン戦。シャンシュン戦。スムパ戦。ケサルの天上への帰還前に病死
所持:
乗物:カンカルギェンチェン
登場:
『天嶺九部』など
ロンツァ・タゲン(རོང་ཚ་ཁྲ་རྒན / rong tsha khra rgan / 絨察査根) / ノルツァ・タギェン / タギェン・ニマ / カネ・コムポ(ga ne gom po)
人物:
リンの総管王(spyi dpon)。四王(四叔伯)の長。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ムクポ氏幼系の長老
センロンやトトゥンの兄。ケサルの伯父。ナンチュン・ユタクらの父
相当な歳のはずだが終盤まで遠征に参加。トトゥンのたしなめ役から揉め事の調停、捕虜の監察、預言の伝達など重鎮としての存在感
事績:
ゴク戦(レンパ・チュギェルを失う)。魔国遠征の際はギャツァと共に留守を守る。ホル戦以降ほとんどの戦いに参加。ケサルの二度目の地獄行の後死去
所持:
刀剣:ナンチェンウート
弓矢:ツァンパレプチェン / 弓(dkar po rang grol)
乗物:シャキャンテルゴ
登場:
『天嶺九部』など
タクロン・トトゥン(སྟག་རོང་ཁྲོ་ཐུང / stag rong khro thung / 達絨晁通) / トギェル(khro rgyal)
人物:
リンの大臣。四王(四叔伯)の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。タクロン部の長。四母王(ma-bzhi dpon po)
ケサルの叔父。息子たちはリンの主力。ノルプ・ツェギェルやトゥンセン・カルヤク(dung seng dkar yag)といったマイナーな息子たちも
ハヤグリーヴァ(Rta-mgrin)の化身と語られる。妖術の使い手(変化や幻術)。野心家でトラブルメーカー。タクロン部はデンマ部に対して何らかの影響力を持っていそう(縁戚関係?)
『誕生編』の冒頭ではリン王家の系図に入っていない。下ラダック版では Agu の一人タイゴ・タイトゥン(khra’i mgo khra’i thung)。モンゴルのチョトン・ノヤンにあたる
事績:
チョル(ケサル)を殺そうとするが失敗。競馬を開催。ホル戦(ホルへの寝返り。シクペンとニャツァを失う。リンの統治)。モン戦以降ほとんどの戦いに参加。タクシク戦(トクグーを失う)。カチェ戦(ラグーを失う)。ギャ国(中国)行きに同行。センロンの死後内乱を起こし遂に始末される
所持:
刀剣:ヤルラキェングク / ランチェンベーチュー / 湾刀(shang lang nag po) / 毒尖剣(mon chod dug lce)
斧鎌:鉄斧(lcags nag stong chod)
杖棒:キェンカル
弓矢:ワンミウルチェン
乗物:パルワンガナク / 鵞黄馬(ngang ba lding shes / ngang ba gser mig) / 馬(khyung rta 'phur shes / go rgan lding shes) / 黄羊馬(rgo ba skya ris / ra thod ser po) / 赤馬(dmar po glog zhags) / 馬(srin rta rngog nag)
登場:
『天嶺九部』など
ラプ・ナムカ・センシェル(ནམ་མཁའ་སེང་ཞལ / lha bu nam mkha' seng zhal / 朗卡森協)
人物:
アケ(アキー)部の人。四王(四叔伯)の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ムクポ氏長系の長老
『賽馬称王』でロンツァ、センロン、トトゥンらと四兄弟という表現をされているが実際の兄弟ではなさそう
事績:
ホル戦
所持:
乗物:馬(lha rta ngang 'dzi)
登場:
『誕生編』など
ロンツァ・マルレプ(རོང་ཚ་དམར་ལེབ / rong tsha dmar leb / 絨察瑪勒)
人物:
リンの王子。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ムクポ氏幼系
ケサルの異母兄弟。モン戦ではトトゥンの息子とされている
事績:
ホル戦(死亡)。ジャン戦(死亡)
所持:
刀剣:マルチェンチャンマ
乗物:マチャティカル
登場:
『誕生編』など
アタク・ツェグー(ཨ་སྟག་ཙེ་རྒོད / a stag rtse rgod)
人物:
リンの王子(rgyal sras)
カンリ戦ではケサルの息子とされている
事績:
ジャン戦。ソクポ戦。ペルポ戦。カンリ戦
所持:
刀剣:大刀(leb chen rdo rje 'phred gcod)
弓矢:弓(gnam sa glog dmar 'gugs chen)
登場:
『ジャン・リン大戦』など
セルパイ・ニブム・タルヤク(ཉི་འབུམ་དར་ཡག / gser pa'i nyi 'bum dar yag / 色巴尼奔達雅) / セルパ・ペンギ / ラタル(lha dar)
人物:
リンの将軍。三虎将の鷹(khra)。四公子の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。セルパ部。ムクポ氏長系の首領
三虎将の中では出番が多い
事績:
ホル戦以降全ての戦いに参加。ホル戦(クルセル王を討つ)
所持:
刀剣:カンカルツェスム / 刀剣(gser nag reg chod) / 刀剣(dpal rgyas g.yang nor)
槍戟:黒槍(dug lce me 'bar) / 矛(rtse dgu dregs pa)
乗物:セルダンニマイトゥルコル / 銅色馬(ngang ba gser sgong / ngang pa gser rgod) / 馬(rag pa gser sgong)
登場:
『天嶺九部』など
オムプ・アヌ・パセン(ཨ་ནུ་དཔའ་སེང / 'om bu a nu dpa' seng / 文布阿努巴森)
人物:
リンの将軍。三虎将の鷲(glag)。四公子の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。オムプ部。ムクポ氏中系の首領
ケサルの年下の親族(甥または従弟?)
事績:
ホル戦。ジャン戦。モン戦。タクシク戦(死亡)。ペルヲ戦。カンリ戦
所持:
刀剣:刀剣('brong lce gsod pa'i spu gri)
乗物:マルポルンショク
登場:
『誕生編』など
ムチャン・リンチェン・タルル(རིན་ཆེན་དར་ལུ / dmu spyang rin chen dar lu / 穆姜仁欽達魯) / リンチェン・タルブム
人物:
リンの将軍。三虎将の狼(spyang)。四公子の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ムチャン部。ムクポ氏幼系の首領
直接前線に立つことは少ない。座組などで格の高さがうかがえる。武力は主力に比べ後れを取る
事績:
ホル戦以降ほとんどのエピソードに登場。ベラ戦(死亡)
所持:
刀剣:撥風刀(ngar ma reg gcod)
乗物:ユチャティペル / 馬(gangs ri lding shes)
登場:
『賽馬称王』など
ツァシャン・デンマ・チャンタ(ཚ་ཞང་འདན་མ་བྱང་ཁྲ / tsha zhang 'dan ma byang khra / 察香丹瑪絳査) / デンマ・サムドゥプ('dan ma bsam 'grub) / ユギェル・トクグー(g.yu rgyal thog rgod)
人物:
リンの大臣(bka' blon)。鎮西将軍(対ホル)または鎮北将軍(対魔)。七勇士の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。デンマ部
ユウー・ブムメの父または兄弟
三大神箭手の一人。主力中の主力で見せ場も多い。エピソードが進むにつれデンマ部の首領という位置づけに。シェンパとのコンビ。政治家らしい老獪さを発揮
下ラダック版ではAguの一人ダンマ・チャンタ(sdang ma spyang khra)
事績:
ホル戦以降全ての戦いに参加。ジャン戦(シェンパとのエピソード(『辛丹相争』))。モン戦(名将クラ・トクギェルとの戦い)。ギャ国(中国)行きに同行
所持:
刀剣:ジャンワユマル / 扁刀(dmar mo yar 'debs) / 匕首(gnam lcags spra ris)
槍戟:長矛(sbrul nag me 'bar)
弓矢:カルモテンキー
乗物:ングルトゥクデンパ / 棗騮馬(rkyang khra 'phur shes) / 青馬(khu byug sngon po rlung gshog / sngon po g.yu rgod / rlung gshog sngon po) / 黒馬(nag khra 'cham shes / nag khra 'phur shes)
登場:
『天嶺九部』など
センタク・アトム(སེང་སྟག་ཨ་དོམ / seng stag a dom / 森達阿冬) / パラ・ミチャン・カルポ(dpa' la mi spyang dkar po / 巴拉穆江噶布) / パラ・ムチャン(dpa' la dmu spyang) / タルジェ・キュンギェル(dar rje khyung rgyal)
人物:
リンの将軍。鎮南将軍(対モン)。七勇士の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。無敵や人中狼の二つ名。中系
パサル・ダワの父
主力中の主力で見せ場も多い。個人戦最強格
事績:
ホル戦以降全ての戦いに参加。モン戦(パサル・ダワを失う)
所持:
刀剣:レプチェンシンジェ / 宝剣(stong gsum g.yug chod / khams gsum g.yug chod) / 短刀(me 'od glog lce)
槍戟:長矛(gangs ri dkar po)
弓矢:白螺弓(gangs ri 'gying chen / dkar mo leb chen / a long 'khyil ba / dkar mo 'khyil ba / khams gsum zil gnon)
乗物:トンリラクカル / 馬(rag pa rlung gshog)
登場:
『誕生編』など
ガデイ・チューキョン・ペルナク(ཆོས་སྐྱོང་བེར་ནག / dga' bde'i chos skyong ber nag / 噶徳曲回白納) / ドゥガデ('bru dga' bde) / トプデン・ミチェン・セルポ(stobs ldan mi chen ser po)
人物:
リンの大臣(bka' blon)。七勇士の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。四公子の一人リンチェン・タルルの側近。ガデ地方のドゥ族の首領。大力士の二つ名
リン譜代の中ではデンマやセンタクに次ぐ主力。腕力自慢でありながら術の素養も兼ね備える。術戦ではトトゥンと共にケサルのサポート役を務める
二腕のマハーカーラ(ber nag can)と関連?
事績:
ホル戦以降全ての戦いに参加。ギャ国(中国)行きに同行
所持:
刀剣:ナクポトクチュー / 火炎刀(glog lce me 'bar) / 毒舌剣(se ral dug lce) / 黒刀(btab pa thebs gcod)/ 刀剣(dgra ske dum gcod)
槍戟:長矛(dug sbrul lce rtse) / 長矛(chu srin dug lce) / 黒矛(bdud dgra'i gla 'gug)
変種:黒縄(khams gsum rang 'gugs) / 黒縄(spu gri rlung 'dzin)
盾:黒盾(rdo rje'i srung 'khor)
乗物:ルンナクジェーチュー / 馬('brong rgod shugs chen) / 黒馬(nag po 'brong nag / 'brong nag shugs chen)
登場:
『天嶺九部』など
チュール・プイ・タルペン(ཆོས་ལུ་བུ་ཡི་དར་འཕེན / chos lu bu yi dar 'phen / 曲魯達彭)
人物:
リンの将軍。七勇士の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。四公子の一人アヌ・パセンの側近。毒人の二つ名
序盤以降ほぼ登場しない?
事績:
ホル戦。ジャン戦。モン戦。ンガリー戦
所持:
刀剣:炎刀(spu gri me lce) / 青柄剣(yu sngon spu gri gzig mjug)
弓矢:弓(dkar thog seng chen)
乗物:ムククディンシェー / 漢馬(g.yu bya rtis sngon)
登場:
『賽馬称王』など
タクロン・アヌ・シクペン(ཨ་ནུ་གཟིག་འཕེན / a nu gzig 'phen / 阿努色潘)
人物:
リンの将軍。七勇士の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。タクロン部
トトゥンの息子
事績:
チョル(ケサル)を排除しようとするトトゥンと対立。ホル戦(死亡)。ジャン戦
所持:
乗物:ポロクトンチャム
登場:
『天嶺九部』など
タクロン・ニャツァ・アテン(ཉ་ཚ་ཨ་བརྟན / nya tsha a brtan / 念察阿旦) / アテン・トゥクキ・メトク
人物:
リンの将軍。鎮北将軍(対魔)または鎮西将軍(対ホル)。七勇士の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。タクロン部。毒人の二つ名
事績:
チョル(ケサル)を排除しようとするトトゥンと対立。ホル戦(死亡)。ジャン戦。トゥク戦
所持:
刀剣:シャポトゥムチュー
乗物:カンリディンシェー
登場:
『賽馬称王』など
キャロ・トンパ・ギェルツェン(トゥンパ / སྟོན་པ་རྒྱལ་མཚན / skya lo ston pa rgyal mtshan / 嘉洛敦巴堅賛)
人物:
リンの有力者。四ギェルツェンの一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。キャロ部首領。ゴクの藩王
ドゥクモの父
富豪という描写。終盤まで生存している
事績:
ホル戦。ジャン戦。シャンシュン戦
所持:
乗物:馬(dgu brgya rwa can)
登場:
『天嶺九部』など
デンマ・クル・ギェルツェン(གུ་རུ་རྒྱལ་མཚན / 'dan ma gu ru rgyal mtshan / 丹瑪古如堅賛) / グルル(sgur ru)
人物:
リンの有力者。四ギェルツェンの一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。デンマ部首領。幼系三淑伯の一人。シュクラ長官(shugs ra dpon po)
当初はデンマ部のトップという位置づけだったが後のエピソードではツァシャン・デンマの部下という扱いに(別人の可能性もなくはない)
事績:
ホル戦(死亡?)。シャンシュン戦(死亡)。ベラ戦
所持:
乗物:馬(rma bya khrig ger)
登場:
『賽馬称王』など
カルル・ニマ・ギェルツェン(ཉི་མ་རྒྱལ་མཚན / dkar ru nyi ma rgyal mtshan / 噶如尼瑪堅賛)
人物:
リンの有力者。四ギェルツェンの一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。カルル部首領
事績:
ホル戦。ジャン戦。アタク戦
所持:
乗物:馬(glog dmar 'khyug shes)
登場:
『賽馬称王』など
ナクル・タルワ・ギェルツェン(ཐར་བ་རྒྱལ་མཚན / nag ru thar ba rgyal mtshan / 納如塔巴堅賛)
人物:
リンの有力者。四ギェルツェンの一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ナクル部首領
事績:
ホル戦。ジャン戦
登場:
『賽馬称王』など
ドンツェン・ナング・アペル(གདོང་བཙན་སྣང་ངུ་ཨ་དཔལ / gdong btsan snang ngu a dpal / 東賛) / ナング・アテン(朗俄阿丹) / ティンチャ
人物:
リンの大臣(bka' blon)。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。タクロン部。チェリ戦やトゥク戦においてはセルパ部の重臣
トトゥンの息子。ある時期からトトゥンとの関係が消えている
兄弟の中ではコンスタントに登場。馬術が得意。チェリ戦ではナング・アペルとナング・アテンの二人の兄弟に分割される
事績:
チョル(ケサル)を排除しようとするトトゥンに協力。賽馬では最後までチョルと争う。ホル戦以降多くの戦いに参加。ギャ国(中国)行きに同行
所持:
刀剣:刀剣(btab pa reg gcod)
弓矢:弓(leb chen skya ring) / 弓(a lung 'khyil pa)
乗物:ユチャテウンゴン / 仔馬(khri 'gyam sngon mo)
登場:
『賽馬称王』など
ナンチュン・ユタク(སྣང་ཆུང་གཡུ་སྟག / snang chung g.yu stag / 朗瓊玉達) / ナンチュン・ユイ・メトク(昂瓊玉依梅朶) / ナング・ユタク(snang ngu g.yu stag)
人物:
リンの将軍。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ムクポ氏幼系
ロンツァ・タゲンの息子(ケサルの兄弟とされることも)
事績:
ホル戦(死亡)。ジャン戦
所持:
乗物:マチャティチェン
登場:
『誕生編』など
アバル・プイ・ペンタク(ཨ་འབར་བུ་ཡི་འཕེན་སྟག / a 'bar bu yi 'phen stag)
人物:
リンの将軍。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ムクポ氏長系
シンシンとアバルの息子
事績:
ホル戦。タクシク戦。アタク戦(死亡)
所持:
乗物:メリツプシェー
登場:
『賽馬称王』
セルパイ・プチュン・タルヤク(བུ་ཆུང་དར་ཡག / gser pa'i bu chung dar yag)
人物:
リンの将軍。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。セルパ部。ムクポ氏長系
所持:
乗物:ンガンワセルゴン
登場:
『賽馬称王』
プヤク・ドゥクギェー(བུ་ཡག་འབྲུག་རྒྱས / bu yag 'brug rgyas) / プヤク・ドゥクギェル(bu yag 'brug rgyal) / キャロイ・ケルプ・ドゥクギェー
人物:
リンの将軍。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。キャロ部
ドゥクモの弟
事績:
ホル戦(死亡)。ジャン戦(死亡)
所持:
乗物:グギャラチク
登場:
『賽馬称王』など
チャンティ・ンガムチェン(སྤྱང་ཁྲི་རྔམ་ཆེན / spyang khri rngam chen) / オムプ・チャンティ・リンチェン
人物:
リンの将軍。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。オムプ部。ムクポ氏中系。幼系(ブムパ)とされることも
事績:
ホル戦。チェリ戦。ソクポ戦
所持:
乗物:ナクポドンドゥル
登場:
『賽馬称王』など
チョンガ・パサル・ダワ(དཔའ་སར་ཟླ་བ / bco lnga dpa' gsar zla ba)
人物:
リンの将軍。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
センタク・アトムの息子
事績:
ホル戦。ジャン戦。モン戦(死亡)
所持:
乗物:トゥンチャユンゴク / 棕色馬(rag pa 'gros chen)
登場:
『賽馬称王』など
センセン(སེང་སེང / seng seng) / シンシン(སིང་སིང / sing sing)
人物:
リンの将軍・チャクナク長官(lcags nag dpon po)。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
所持:
乗物:ルンキトゥルコル
登場:
『賽馬称王』
ムパイ・シェルカル・ギャンタク(ཤེལ་དཀར་རྒྱང་གྲགས / mu pa'i shel dkar rgyang grags)
人物:
リンの将軍。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。Mupa 族(ムチャン部)
ギャツァの名に因む
事績:
ホル戦。ジャン戦(バージョンによっては活躍)。モン戦。タクシク戦。ソクポ戦。チェリ戦。カチェ戦。メリン戦
所持:
刀剣:タクカルトンシク
乗物:キュンナクティカル
登場:
『賽馬称王』など
クンワ・プイ・キャタ(གུང་བ་བུ་ཡི་སྐྱ་ཁྲ / gung ba bu yi skya khra)/ プイ・タキャ(bu yi khra skya) / コンポ・プイ・トギェル / アヌ・タショク(a nu khra shog)
人物:
リンの将軍。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
タクロン部またはアケ部(ナムカ・センシェルの子)
キャタ・ラタルとの混同があるかも
事績:
ジャン戦。モン戦。タクシク戦(死亡)。ソクポ戦。アタク戦。ペルヲ戦。カンリ戦。ティン戦
所持:
乗物:ナクタトゥルシェー
登場:
『賽馬称王』など
グーポ・ニマ・ルントゥプ(ཉི་མ་ལྷུན་གྲུབ / rgod po nyi ma lhun grub)
人物:
リンの将軍。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ムチャン部。ムクポ氏幼系
事績:
ホル戦。ジャン戦
所持:
乗物:ムククトンチャム
登場:
『賽馬称王』など
ユヤク・ゴンポ・トントゥプ(グンポ / གཡུ་ཡག་མགོན་པོ་སྟོང་ཐུབ / g.yu yag mgon po stong thub)
人物:
リンの将軍。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
所持:
乗物:ノルプルンジン
登場:
『天嶺九部』など
アケ・ツァンパイ・ンゴルク(ཨ་གེ་ཚངས་པའི་ངོ་ལུག / a ge tsangs pa'i ngo lug) / tshangs pa'i a sge ngo lug
人物:
リンの人。三羊兄弟(兄弟ではない)の長。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。アケ(アキー)部。ムクポ氏長系
ナムカ・センシェルの息子。バージョンによってはソクポの有力者の息子
事績:
ホル戦。ジャン戦。タクシク戦(ユラへの使者)。ソクポ戦(死亡)
所持:
乗物:馬(dngul kar ldem pa)
登場:
『賽馬称王』など
ムパイ・タルジャム・ンゴルク(མུ་པའི་དར་འཇམ་ངོ་ལུག / mu pa'i dar 'jam ngo lug) / タルブム・ンゴルク(dar 'bum ngo lug) / 'bum pa'i dar spyang ngo lug
人物:
リンの人。三羊兄弟(兄弟ではない)の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。Mupa 族(ムチャン部)
事績:
ホル戦。ソクポ戦(死亡)
登場:
『賽馬称王』など
タクロン・シンツァ・ンゴルク(སྟག་རོང་སྲིན་ཚ་ངོ་ལུག / stag rong srin tsha ngo lug)
人物:
リンの人。三羊兄弟(兄弟ではない)の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。タクロン部
事績:
ホル戦。ジャン戦。タクシク戦(死亡)。ソクポ戦(死亡)。ベラ戦
所持:
乗物:馬(khyung nag 'phur shes)
登場:
『賽馬称王』など
リンチェン・タルパイ・スーナム(གླིང་ཆེན་ཐར་པའི་བསོད་ནམས / gling chen thar pa'i bsod nams)
人物:
リンの有力者。二福命兄弟(兄弟ではない)の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ムクポ氏中系の長老。または長系
事績:
ホル戦
所持:
乗物:馬(khyung nag lding shes)
登場:
『誕生編』など
ミチェン・ギェルワイ・ルントゥプ(མི་ཆེན་རྒྱལ་བའི་ལྷུན་གྲུབ / mi chen rgyal ba'i lhun grub)
人物:
リンの有力者。二福命兄弟(兄弟ではない)の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ムクポ氏長系
事績:
ホル戦(死亡)。ジャン戦。チェリ戦
所持:
乗物:馬(gwa ba khri 'jam)
登場:
『天嶺九部』など
セルキ・アガム(གསེར་གྱི་ཨརྒྷཾ / gser gyi a rgham)
人物:
リンの百戸長(rgya dpon)。二毅勇兄弟(兄弟ではない)の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。中系の長官。または長系
登場:
『天嶺九部』など
パンテ・マルル(བན་དེ་དམར་ལུ / ban de dmar lu)
人物:
リンの百戸長(rgya dpon)。二毅勇兄弟(兄弟ではない)の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
セルキ・アガム(gser gyi a rgham)に代わる人物(互換か後継か)
事績:
モン戦。タクシク戦。ソクポ戦。アタク戦。ベラ戦
所持:
乗物:馬(sha skya drel mgo)
登場:
『賽馬称王』など
テルツェ・シェーチョク(གྲལ་རྩེ་ཤེས་མཆོག / gral rtse shes mchog) / (dbu rtse shel mchog)
人物:
リンの千戸長(stong dpon)。二毅勇兄弟(兄弟ではない)の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。Dra 族。中系または長系
所持:
乗物:馬(stong rgyug dal 'jam)
登場:
『天嶺九部』など
キェーチョク・タルパ・ギェルツェン(skyes mchog thar pa rgyal mtshan) / ヤタイ・キェーチョク・タルパ(ཡ་ཐའི་སྐྱེས་མཆོག་ཐར་པ / ya tha'i skyes mchog thar pa)
人物:
リンの人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
事績:
ホル戦(死亡)
所持:
乗物:馬(mtshal lu me stag)
登場:
『天嶺九部』など
ワンポ・タルペン(དབང་པོ་དར་འཕེན / dbang po dar 'phen)
人物:
リンの判事(dbang gcod)。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
所持:
乗物:馬(gser ldan 'phur shes)
登場:
『賽馬称王』など
エルマ・ラタル(ཝེར་མ་ལྷ་དར / wer ma lha dar) / エルマ・タタル
人物:
リンの調停者(gzu chen)。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
事績:
ジャン戦。タクシク戦。ソクポ戦
所持:
乗物:馬(ngang ba rtsal ldan)
登場:
『賽馬称王』など
クンガ・ニマ(ཀུན་དགའ་ཉི་མ / kun dga' nyi ma)
人物:
リンの医者(lha rje)。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
所持:
乗物:馬(ser po gser nya)
登場:
『賽馬称王』など
クンシェー・ティクポ(ཀུན་ཤེས་ཐིག་པོ / kun shes thig po) / クンシェル・ティクレ(kun shel thig le)
人物:
リンの占い師(mo ma)。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
所持:
乗物:馬(mtshal lu rting dkar)
登場:
『賽馬称王』など
カチェ・ミクマル(ཁ་ཆེ་མིག་དམར / kha che mig dmar)
人物:
リンの呪い師(sgyu mkhan)。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
所持:
乗物:馬(gwa ba 'gros ldan)
登場:
『賽馬称王』など
ラプク・ヤンカル(ལྷ་བུག་ཡང་དཀར / lha bug yang dkar)
人物:
リンの星見(rtsis pa)。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
所持:
乗物:馬(dung mdog 'chams shes)
登場:
『賽馬称王』など
ミチュン・カデ(མི་ཆུང་ཁ་བདེ / mi chung kha bde / 米瓊卡徳) / カマ・シクゴ(ga ma gzig mgo / 噶瑪司郭)
人物:
リンの司膳官(gsol blon)。三側近の一人(隠遁したケサルに面会できる)。三十英雄(phu nu sum cu)の一人? ゴクの孤児
ソマ(sro ma)という兄弟がいる?
背が低く弁舌が巧み。『ホル・リン大戦』以前にホルへ移り住む(経緯は不明)
トトゥンへのツッコミ役。戦えばトトゥンよりも強いらしい
事績:
リン戦(ホル軍に帯同。降伏)。ジャン戦以降多くの戦いに参加。ギャ国(中国)行きに同行
所持:
刀剣:タモデプシェー / 小刀(thur rtse lnga mo)
弓矢:弓(me ris glog 'khyug)
乗物:カムキャチュカル / 馬(bya la byi'u gshog)
登場:
『賽馬称王』など
ラグー・ブムル(ལྷ་རྒོད་འབུམ་ལུ / lha rgod 'bum lu / 拉郭奔勒)
人物:
リンの将軍。タクロン部公子(stag sras / rong sras)
トトゥンの息子。モン王シンティの娘メトク・ランゼー(me tog lha mdzes)の夫
トトゥンに振り回される。マニ・カラ、ユウーあたりと行動をともにする。ユティのライバル的存在
事績:
モン戦以降多くのの戦いに参加。カチェ戦(死亡)。ペルヲ戦(捕虜)
所持:
刀剣:刀剣(shes rab 'bar ba) / 刀剣(dug ral gling dgu)
槍戟:長矛(nam mkha' 'brug lce) / 毒矛(phag nag dug lce) / 長矛(dar khra phyug mo)
弓矢:弓('brug grags ya med)
乗物:棕色馬(bra nag rlung 'dzin) / 馬(me ri 'tshub shes) / 馬(rma bya mtshal lu) / 馬(nor bu rlung gshog) / 馬(sprin dkar rol ba) / 馬(mtshal dmar rlung gshog) / 馬(dmar chung zi ra)
登場:
『モン・リン大戦』など
ノルプ・ツェギェル(ནོར་བུ་རྩེ་རྒྱལ / nor bu rtse rgyal)
人物:
リンの将軍。タクロン部公子(stag sras / stag phrug)
トトゥンの息子
事績:
アタク戦。トゥク戦。ミヌプ戦。カンリ戦。ティン戦
所持:
刀剣:刀剣(shang dkar stag lce / shang dkar dgra lce)
槍戟:黒矛(dug lce nagr ma)
弓矢:弓(skar chen rang 'od)
乗物:馬(g.yu 'brug rgyang mdzes) / 赤馬(mtshal dmar rlung shugs)
登場:
『アタク瑪瑙国』など
マニ・カラ(མ་ཎི་ཀ་ར / ma Ni ka ra) / マニ・パラ(ma ni pha la)
人物:
リンの将軍。インド(rgya gar)の人。ギャ族の可能性も
バージョンによってはタクロン部ニャツァの遺児(母をインドの人とすれば矛盾はないか?)。スムパ王クンツェンの娘メトク・ツォモ(me tog mtsho mo)の夫
ラグー、ユウーあたりと行動をともにする
事績:
モン戦(死亡?)。タクシク戦。ソクポ戦。チェリ戦。ペルヲ戦。トゥク戦。ベラ戦。カンリ戦。スムパ戦(従軍はなし?)。ジャル戦
所持:
乗物:浅灰馬(gangs ri rgyang mdzes) / 馬(seng ge gro dmar)
登場:
『モン・リン大戦』など
トクグー・バルワ(ཐོག་རྒོད་འབར་བ / thog rgod 'bar ba)
人物:
リンの十万戸長('bum dpon)。タクロン部
バージョンによってはトトゥンの息子
事績:
モン戦。タクシク戦(死亡)。カンリ戦
所持:
刀剣:紅柄刀(bsam chod dmar po)
弓矢:鉄弓(sngon mo leb chen) / 角弓(mchog drug 'bar ba)
乗物:馬(rma bya khri dkar) / 馬(g.yu skyes rlung gshog)
登場:
『モン・リン大戦』など
カンネ・ユトク・ペーマ(ཁང་ནེ་གཡུ་ཐོག་པདྨ / khang ne g.yu thog pad+ma) / カンレ(khang le)
人物:
リンの将軍。タクロン部
タクロン部は独自に動くことが多いので出番は多い
事績:
シャンシュン戦。カチェ戦。トゥク戦。ベラ戦。メリン戦。カンリ戦。ティン戦。ムクク戦(死亡)
登場:
『シャンシュン珍珠国』など
チャチェン・カルマ(བྱ་ཆེན་ཀརྨ་དགྲ་འདུལ / bya chen ka+rma)
人物:
リンの将軍。タクロン部
タクロン部は独自に動くことが多いので出番は多い
事績:
モン戦。チェリ戦。シャンシュン戦。カチェ戦。トゥク戦。ベラ戦。メリン戦。カンリ戦。ティン戦。ムクク戦(死亡)
所持:
刀剣:食肉刀(sha zan sdig pa)
乗物:馬(dung phrug 'phur shes) / 馬(ngang ba 'phur shes)
登場:
『モン・リン大戦』など
トギェル・ペルマル(ཁྲོ་རྒྱལ་བེར་དམར / khro rgyal ber dmar)
人物:
リンの将軍。タクロン部。カンリ戦においてはベラの駐留官。ガデ地方出身
チューキョン・ペルナクの身内? トトゥンへの忠誠心は高そう
タクロン部は独自に動くことが多いので出番は多い。漢訳版ではトトゥン(トギェル)やガデと混同されることも
事績:
アタク戦。チェリ戦。シャンシュン戦。カチェ戦。トゥク戦。ベラ戦。メリン戦。カンリ戦。ティン戦。ムクク戦。ジャル戦
所持:
乗物:棗騮馬(glog dmar 'khyug shes / sha rkyang rngog dkar) / 赤馬(dmar po lding shes)
登場:
『アタク瑪瑙国』など
トツァ・マルレプ(ཁྲོ་ཚ་དམར་ལེབ / khro tsha dmar leb) / ロンツァ・マルレプ
人物:
リンの千戸長(stong dpon)。タクロン部
スムパ戦では偽物が登場
事績:
モン戦。タクシク戦。アタク戦。チェリ戦
登場:
『モン・リン大戦』など
ユウー・ブムメ(གཡུ་འོད་འབུམ་མེ / g.yu 'od 'bum me)
人物:
リンの将軍。デンマ部公子('dan sras)。カンリ戦においてはタマル(rta dmar)地方の領主
ツァシャン・デンマの息子または兄弟
ラグー、マニ・カラあたりと行動をともにする
事績:
ジャン戦。タクシク戦。ソクポ戦。チェリ戦。カンリ戦。ティン戦。ジャル戦
所持:
刀剣:刀剣(dug ral me 'od 'bar ba)
弓矢:鉄弓(nam mkha' go 'gyed)
乗物:玉馬(nor bu 'dzong shes) / 馬(chu bya 'phur shes)
登場:
『ジャン・リン大戦』など
カラ・セーポ・ノルサン(ཁ་ར་སྲས་པོ་ནོར་བཟང / kha ra sras po nor bzang) / カリン・セーポ(kha ring sras po)
人物:
リンの将軍。デンマ部
事績:
シャンシュン戦。トゥク戦。ムクク戦。ジャル戦
所持:
乗物:馬(gro sngon rlung gshog) / 馬(ngang ba rngog nag)
登場:
『トゥク兵器国』など
ナンセル・ユタク(སྣང་གསལ་གཡུ་སྟག / snang gsal g.yu stag) / ナンセー・ユタク / ユタク・ナング(g.yu stag snang ngu)
人物:
リンの将軍。キャロ部公子(skya sras)
事績:
ソクポ戦。アタク戦。トゥク戦(トクグー王を討つ)。ミヌプ戦。カンリ戦。ティン戦。ジャル戦
所持:
刀剣:ランチェンベーチュー / 大刀(ngar ma leb chen)
乗物:馬(g.yu bya 'jum shes) / 馬(khyung sngon g.yu ris) / 馬(dgu brgya ra gcig)
登場:
『アタク瑪瑙国』など
ドルジェ・タクギェー(རྡོ་རྗེ་དྲག་རྒྱས / rdo rje drag rgyas) / ドルジェ・タクギェル(rdo rje grags rgyal) / ドルジェ・タクパ
人物:
リンの将軍。キャロ部
事績:
アタク戦。トゥク戦。ベラ戦。ティン戦
登場:
『アタク瑪瑙国』など
パヲ・トクブム(དཔའ་བོ་ཐོག་འབུམ / dpa' bo thog 'bum)
人物:
リンの将軍。ンゴロ部(sngo lo)
キャロ部に組み込まれる
事績:
アタク戦。トゥク戦。ティン戦。ジャル戦
所持:
乗物:馬(sngon po bya 'dzin)
登場:
『アタク瑪瑙国』など
タドン・テンジン・タクパ(ཁྲ་གདོང་བསྟན་འཛིན་གྲགས་པ / khra gdong bstan 'dzin grags pa)
人物:
リンの将軍。セルパ部
セルパ部のエース
事績:
シャンシュン戦。カチェ戦。トゥク戦。ベラ戦。カンリ戦。ティン戦。スムパ戦。ムクク戦。ジャル戦
所持:
刀剣:立断刀(mi mgo dgu chod) / 触断剣(zer ma g.yug chod) / 日絶刀(gser 'od reg gcod) / 砍象刀(glang chen rbad chod / dug med glang chen rbad gcod)
乗物:馬(rag pa g.yu rngog) / 馬(gser bya lding shes)
登場:
『トゥク兵器国』など
キャタ・ラタル(སྐྱ་ཁྲ་ལྷ་དར / skya khra lha dar) / bkra shis
人物:
リンの将軍。アケ(アキー)部。セルパ部
クンワ・プイとの混同があるかも
事績:
ソクポ戦。アタク戦。シャンシュン戦。トゥク戦
登場:
『ソクポ馬国』など
ニマ・サムトゥプ(ཉི་མ་བསམ་གྲུབ / nyi ma bsam grub) / ニギェル
人物:
リンの将軍・ヤタ長官(ya mtha'i dpon po)。ドン族。セルパ部
事績:
ソクポ戦。アタク戦。シャンシュン戦。トゥク戦(死亡)
登場:
『ソクポ馬国』など
ラル(ལྷ་ཀླུ / lha klu)
人物:
リンの将軍・マニン長官(rma nyin rdzong dpon po)。三十英雄(phu nu sum cu)の一人とも。オムプ部
オムプ部のエース。ジャン軍と行動。ジャル戦でマニン公子ルガ(rma nyin sras po klu dga')が登場するが息子もしくは本人?
事績:
ソクポ戦。アタク戦。チェリ戦。シャンシュン戦。カチェ戦。トゥク戦。メリン戦。カンリ戦。ティン戦。ムクク戦
所持:
刀剣:刀剣(hub chen dgu chod) / 青銅刀(li tsha khrag 'thung)
乗物:マチャツェルル / 馬(rkyang ngu rlung gshog)
登場:
『賽馬称王』など
ミカル・ラウ・サムトゥプ(མི་དཀར་ལྷའུ་བསམ་གྲུབ / mi dkar lha'u bsam grub)
人物:
リンの将軍。三十英雄(phu nu sum cu)の一人とも。ドゥ族。オムプ部
オムプ部のエース。ジャン軍と行動。トトゥンの大言を真に受けるため大英雄の器ではないとされる
事績:
アタク戦。シャンシュン戦。カチェ戦。トゥク戦。ミヌプ戦。メリン戦。カンリ戦。ティン戦。ムクク戦。ジャル戦
所持:
刀剣:刀剣(dom nag khrag 'thung) / 刀剣('chi btag kha rlangs) / 毒舌刀(sbrul nag dug lce)
弓矢:聖弓(tshangs pa leb chen)
乗物:白馬(ngang dkar 'gro skyid / dkar mo 'cham ches / ngang ba rlung shugs) / 馬('gru rta 'chams shes)
登場:
『賽馬称王』など
ティツァ・タクモ・トクドゥク(ཁྲི་ཚ་སྟག་མོ་ཐོག་སྡུག / khri tsha stag mo thog sdug) / タクモ・トクディク
人物:
リンの将軍。オムプ部
事績:
ソクポ戦。アタク戦。トゥク戦(死亡)。ジャル戦
登場:
『ソクポ馬国』など
ナムカ・トクギュル(ནམ་མཁའ་ཐོག་འགྱུར / nam mkha' thog 'gyur) / ナムカ・トクギェル / ナムカ・ダドゥル(nam mkha' dgra 'dul)
人物:
リンの将軍。ドゥ族公子('bru sras)
事績:
ホル戦。ジャン戦。モン戦。タクシク戦。ジャル戦
所持:
乗物:馬(gser ri nor bu sprin shugs)
登場:
『ホル・リン大戦』など
アタク(ཨ་གྲགས / a grags)
人物:
リンの千戸長(stong dpon)。マ地方のドン族。オムプ部。トゥク戦では下ソクポの領主
トトゥンの大言を真に受けるため大英雄の器ではないとされる
事績:
ソクポ戦。アタク戦。カチェ戦。トゥク戦。ベラ戦。カンリ戦。ティン戦。ジャル戦
所持:
刀剣:刀(sngo mnyen lcags kyi 'phrul 'khor can)
乗物:馬(smug gu rlung ldem)
登場:
『アタク瑪瑙国』など
カムパ・ユデン(ཁམ་པ་གཡུ་ལྡན / kham pa g.yu ldan) / カムパ・ユテン(khams pa g.yu brtan) / カムパ・ユデム
人物:
リンの将軍。三大神箭手の一人。マ地方のドン族
出身はリンのようだがホルの将軍として扱われている
事績:
モン戦。タクシク戦。ソクポ戦。アタク戦。シャンシュン戦。ペルヲ戦。カンリ戦。ティン戦
所持:
弓矢:弓(mchog dkar 'gug pa)
乗物:灰色馬(kham skya mchu dkar)
登場:
『モン・リン大戦』など
ドントゥク・グーギェル・タクパ(འབྲོང་ཕྲུག་རྒོད་རྒྱལ་གྲགས་པ / 'brong phrug rgod rgyal grags pa) / ドントゥプ・グーギェル
人物:
リンの将軍。ムチャン部
事績:
ソクポ戦。アタク戦。カチェ戦。トゥク戦(死亡)。ジャル戦
所持:
刀剣:飲血刀(khrag 'thung ngar ma / ngar chen khrag 'thung)
乗物:馬(gro bo lding 'gros)
登場:
『ソクポ馬国』など
ドンサン・ツェルマル・ラグー(འབྲོང་བཟང་མཚལ་དམར་ལྷ་རྒོད / 'brong bzang mtshal dmar lha rgod)
人物:
リンの将軍。ムチャン部
事績:
アタク戦。チェリ戦。カチェ戦。トゥク戦。ムクク戦。ジャル戦
所持:
弓矢:鉄弓(g.yu 'brug 'khyil ba)
乗物:赤馬(rma bya mtshal lu / dmar po 'tshub shes / mtshal lu rlung gshog) / 馬(skya khra 'phur shes)
登場:
『アタク瑪瑙国』など
リン以外の出身で降伏組、死亡復活組、リン戦不参加組など様々
アタク・ラモ(ཨ་སྟག་ལྷ་མོ / a stag lha mo / 阿達拉姆) / アタク・ルモ(ཨ་སྟག་ཀླུ་མོ / a stag klu mo / 阿達魯姆) / アタラモ
人物:
ケサルの妃。北地の藩王? 女傑(dpa' mo)の二つ名
北地ルツェン王の妹。トゥンキュン・カルル(dung khyung dkar lu)やルトゥク・ウーカル(klu phrug 'od dkar / ルツェンのこと?)という兄がいるとする話も
三大神箭手の一人。参戦率は高いが見せ場は多くない印象
下ラダック版では Agu の一人ペルマイ・アタク(dpal ma’i a stag)
事績:
ケサルに魔王退治の秘策を授ける。ホル戦以降ほとんどの戦いに参加。チェリ戦(戦後チェリを統治)。死後地獄から救い出される
所持:
刀剣:ドゥルナクシャセン / 紅柄刀(dgu zi yu dmar) / 飲血刀(srin po khrag 'thung)
槍戟:長矛(skya ring sha zan) / 尖矛(dug lce ngar ma)
変種:縄(zer ma rang 'gug)
弓矢:リヲグクチェン / ンガムチェンダンドゥル / 銅弓(dmar po 'dug ring)
乗物:ラクパタクラク / 黒馬('brong nag smu gu / nag po 'brong 'dur / rlung nag 'phur lding / khyung nag khra rgod 'phur shes) / 騾馬(rkyang dkar 'phur shes) / 騾馬(nyi ma dgu chod) / 魔馬(nag po sug dkar) / 馬(rag dkar thang slebs) / 馬(bang gi rlung gnon)
登場:
『降魔』など
カタル・チンゴン(チングン / ག་དར་ཕྱིང་སྔོན / ga dar phying sngon / 噶達秦恩) / アヌ・センテン(a nu seng phran)
人物:
リンの大臣・司設官(zhu ga dar blon po)。三側近の一人。元は魔王ルツェンの大臣。ロンの王子(ロン王を名乗ってはいる)
ロンに生き別れの家族がいる。父はロン王ギェルワ・ウカル(rgyal ba dbu dkar)。妹はアメン・ケータ(a sman sked phra)。妻はタルザ・ルンノン(dar bza' rlung non)。王妃の一人メサの兄弟とかケサルの前世の親族とかいう情報もあるが未確認
ルツェン王によって五頭の妖怪に変えられた。たまに戦場にも出る
事績:
八歳でルツェンにさらわれる。ケサルに降伏。ホル戦。ジャン戦。モン戦。ソクポ戦。チェリ戦。シャンシュン戦。カチェ戦。ペルヲ戦。カンリ戦。ジャル戦。ギャ国(中国)行きに同行
所持:
刀剣:ナンチェンンガルマ
乗物:馬(khyung ngu ldem pa) / 白馬(sprin dkar rtsal chen) / 馬(khyung sngon rag nag lding shes)
登場:
『降魔』など
ウティ・レクパ(ཨུ་ཧྲི་ལེགས་པ / u tri legs pa / u hri legs pa) / ウク・レクパ / ユティ・レクパ
人物:
リンの将軍。北地の公子(byang sras)
アタク・ラモの子と見られるような描写も
事績:
カチェ戦。トゥク戦。ベラ戦。カンリ戦。ティン戦。ジャル戦
所持:
乗物:馬(chu ri stong 'khyam)
登場:
『カチェ玉国』など
シェンパ・メルツェ(ཤན་པ་མེ་རུ་ཙེ / shan pa me ru tse / 辛巴梅乳澤) / ディクチュー・シェンパ・メル(sdig gcod shan pa me ru)
人物:
リンの将軍・ホルの藩王。元はホルのクルカル王の重臣。リン戦では前軍統帥。シェンパ部(shan pa)
5 人兄弟の長兄または五弟。シェンツァ・ルンラの祖父という描写も
主力中の主力で見せ場も多い。斧使いだが毒炎刀の描写も目立つ。バージョンによって人物像が異なる(冷徹な軍人タイプだったり、義に篤い人格者タイプだったり)
下ラダック版では類似キャラが何人か存在
事績:
商人を襲っていたがチョル(ケサル)に追い払われる(『瑪域封地』)。リン戦(ギャツァを討つ。降伏)。ジャン戦以降ほとんどの戦いに参加。ジャン戦(デンマとのエピソード(『辛丹相争』)。ユラを捕らえる)。トゥク戦(一時病気。戦後トゥクに駐留)。その後の一部エピソードでは死亡扱い。ギャナク行中でトゥク戦で死ぬはずだったと語られている。ケサルの地獄行前に病死
所持:
刀剣:アシトゥクレルバルワ / 食肉刀(sdig pa sha gzan) / 断石刀(sngon mo sha zan rdo gcod / leb rgan rdo chod) / 短刀(sha pho rdul chod)
斧鎌:ナムチャクシェルキタティ / 食肉斧(sdig pa sha zan)
槍戟:毒矛(dug lce rtse dgu / rno ring dug lce)
変種:神索(nyi zla rang 'dzin)
弓矢:ペーマテンキー / 弓(ra rgod 'khyil ba) / 毒弓(nag po mgo dgu) / 弓(lcags nag dgra 'dul)
乗物:マルチュンカラ / 棕色馬(rag rta 'phur shes) / 青馬(gro lo thod skya / khra bo thod skya) / 黒馬(rag nag rlung gi gshog po) / 馬(glog lce 'phar ma)
登場:
『ホル・リン大戦』など
タンツェ・ユドゥク(ཐང་ཙེ་གཡུ་འབྲུག / thang rtse g.yu 'brug) / タンチェ・ユドゥク
人物:
リンの大法臣(chos blon)または司膳官(gsol blon)。三側近の一人(隠遁したケサルに面会できる)。元はホルのクルセル王の重臣。リン戦では左軍統帥
ギャツァに命を助けられる描写も
事績:
リン戦(降伏)。ジャン戦。モン戦(死亡)。ンガリー戦。ソクポ戦。シャンシュン戦。カチェ戦(従軍なし)。ペルヲ戦。カンリ戦。スムパ戦。ムクク戦
所持:
弓矢:弓(khams gsum dbang sdud)
乗物:追風馬(g.yu bya rlung gshog / g.yu rngog rlung gshog) / 馬(mtshal bu ldem shes) / 棕螺馬(rag pa 'phur shes)
登場:
『ホル・リン大戦』など
タンカル・ツェグー(ཐང་དཀར་ཙེ་རྒོད / thang dkar rtse rgod) / タンカル・ツェルチェン / タンカル・チェグー
人物:
リンの将軍。元はホルの将軍。リン戦ではクルセル部後軍。タンパ部(thang pa)またはシェンパ部(shan pa)
事績:
リン戦(降伏?)。モン戦。タクシク戦。ソクポ戦(死亡)。チェリ戦。シャンシュン戦。ベラ戦。ムクク戦。ジャル戦
所持:
刀剣:風剣(bser ma g.yug chod / zer ma dug can)
乗物:突厥馬(grug gu 'phur shes / gru gu 'phar cog)
登場:
『ホル・リン大戦』など
シェンツァ・ルンラ(ཤན་ཚ་རླུང་ལྷ་མགྱོགས་ལྡན / shan tsha rlung lha mgyogs ldan)
人物:
リンの将軍。ホルの人。シェンパ部(shan pa)
シェンパの後継(孫や甥とされる)。スムパ王ニマの娘ヤンドン・チューツォ(dbyangs sgron chos mtsho)の夫
漢訳版ではシェンパと混同されることも。エピソードごとに年齢設定がまちまち
事績:
ジャン戦。ソクポ戦。チェリ戦。ペルヲ戦。トゥク戦(病気のシェンパに代わる)。ベラ戦(ほぼ主役)。ミヌプ戦。メリン戦。カンリ戦。ティン戦。スムパ戦。ジャル戦
所持:
刀剣:アシトゥクレルバルワ / 食肉刀(sdig pa sha gzan) / 刀剣(gnam lcags so can)
槍戟:長矛(srid pa'i sprin chod)
変種:縄(bya 'dzin dmar po)
弓矢:ホル弓(thog 'brug kha sprod)
乗物:マルチュンカラ / 馬(me ri rlung shugs 'bar ba / me ri 'tshub shes) / 赤馬(dmar po thang slebs / btsan rta thang slebs / btsan rdel thang slebs) / 青馬(sngon po rlung gshog)
登場:
『ジャン・リン大戦』など
ンガムチェン・ドゥクダ(རྔམ་ཆེན་འབྲུག་སྒྲ / rngam chen 'brug sgra) / ンガムチェン・ドゥクタク(rngam chen 'brug grags)
人物:
リンの将軍。ホルの人。クルセル部。トゥク戦においてはアタクの首領
事績:
ソクポ戦。アタク戦。シャンシュン戦。カチェ戦。トゥク戦。ベラ戦。カンリ戦。ティン戦。ムクク戦。ジャル戦
所持:
刀剣:刀剣(gzi nag me 'bar) / 霹靂剣(me lce thog gcod / rlung gi spu gri reg chod) / 尖弯刀(ri ba'i thong so gug mo)
乗物:鵞黄色馬(ngang ba g.yu rngog)
登場:
『ソクポ馬国』など
ナムラ・トクベプ(གནམ་ལྷ་ཐོག་འབེབས / gnam lha thog 'bebs)
人物:
リンの将軍。ホルの人。クルセル部またはクルカル部
事績:
ソクポ戦。アタク戦。カチェ戦。トゥク戦。カンリ戦。ティン戦(死亡)。ムクク戦。ジャル戦
所持:
刀剣:刀剣(dkar mo ling chod)
槍戟:矛(gnam lcags 'phrul lce)
変種:縄(sprin 'dzin dkar mo)
弓矢:弓(dkar mo 'gug yag)
乗物:馬(thang dkar lding shes) / 馬(gnam rta dkar po 'phur shes)
登場:
『ソクポ馬国』など
カルツォク・タヤク(སྐར་ཚོགས་ཁྲ་ཡག / skar tshogs khra yag / skar tshogs bkra yag) / カルツォク・タリー(skar tshogs khra ris / dkar tshogs khra ris)
人物:
リンの将軍。ホルの人。タヲ部(khra bo)?
事績:
アタク戦。カチェ戦。トゥク戦。ティン戦(死亡)。ムクク戦
登場:
『アタク瑪瑙国』など
ダチェン・カマル(སྒྲ་གཅན་ཁ་དམར / sgra gcan kha dmar / dgra can kha dmar) / ダツェン・カマル
人物:
リンの将軍。ホルの人。ニャパ部(nya pa)
事績:
シャンシュン戦。トゥク戦。ベラ戦。ティン戦。ジャル戦
登場:
『シャンシュン珍珠国』など
ユラ・トクギュル(གཡུ་ལྷ་ཐོག་འགྱུར / g.yu lha thog 'gyur / 玉拉) / ユラ・トクツィン / ユギェル(g.yu rgyal)
人物:
リンの将軍・ジャンの藩王。リン侵攻軍の総大将?
ジャン王サタムの息子。ユティやゴンティの兄弟。ニティ・カルチェンとの兄弟設定はなさそう
主力中の主力だが見せ場はシェンパほどではない印象。タクロン部とは険悪。モンやオムプ部との共同作戦が多い
事績:
リン戦(シェンパに騙され捕らえられる)。モン戦以降ほとんどの戦いに参加
所持:
刀剣:クシキャリン / 霹靂剣(gnam lcags stong 'jams / gnam lcags rhog sdug) / 短剣(dug rtse ngar ma)
槍戟:神矛(sbrul nag dug lce)
変種:縄(me chen glog 'khyug)
弓矢:ンガルマドゥクタク / 鉄弓(nag po thog 'bebs) / 鉄弓(ri bo 'gug chen) / 弓(khyung dkar mdzo ra)
乗物:ナムヤクンゴンモ / 馬(g.yu bya rlung gshog) / 馬(ngang ba khyung gshog) / 馬(sngon po g.yu 'brug rlung gshog)
登場:
『ジャン・リン大戦』など
ユティ・クンゴン(クングン / གཡུ་ཁྲི་གུང་སྔོན / g.yu khri gung sngon / 玉赤) / ユティ・クンジェ(g.yu khri gung rje)
人物:
リンの将軍。オムプ部首領
ジャン王サタムの息子。ユラやゴンティの兄弟。ニティ・カルチェンとの兄弟設定はなさそう
リン戦当時はまだ子供。リン譜代の家臣団から複雑な感情を向けられている(特にタクロン部とは険悪)。ラグーのライバル的存在。オムプ部はジャン軍と一体化するほどにまとまっている
事績:
リン戦(降伏)。モン戦以降多くの戦いに参加。タクシク戦(オムプ部の首領に)。カチェ戦(死亡?)。メリン戦(死亡)
所持:
刀剣:羅刹刀(srin po sha zan) / 刀剣(smug nad gzi 'od) / 刀剣('brong ra dgu chod) / 食肉刀(sdig pa sha bzan)
乗物:青馬(khu byug rtsal chen / khu byug 'phur shes) / 棕色馬(chu rta 'phur shes / rag nag 'tshub shes) / 青龍馬(g.yu 'brug sngon mo / klu ra g.yu sgong / g.yu 'brug sprin gshog) / 馬(g.yu bya rlung gshog) / 馬(nor bu cang shes) / 馬(zi ra 'phur shes)
登場:
『ジャン・リン大戦』など
ペトゥル・プイ・ラグー(བེ་ཐུལ་བུ་ཡི་ལྷ་རྒོད / be thul bu yi lha rgod) / ペルトゥル(ber thul)
人物:
リンの将軍。元はジャンの大臣
リン戦で討たれているが他の人物の例もあわせみて生存扱い(別人という解釈も可能)
事績:
リン戦(ケサルに討たれる)。アタク戦。チェリ戦。カチェ戦。トゥク戦。ベラ戦。カンリ戦。ティン戦。ムクク戦
所持:
刀剣:ソルワレクチュー
弓矢:鉄弓(nam mkha' thog 'bebs)
乗物:黒馬(bya rgod 'phur lding) / 馬(rlung dmar 'phur shes) / 馬(skar chen 'phur shes)
登場:
『ジャン・リン大戦』など
ユタプ(གཡུ་ཁྲབ / g.yu khrab)
人物:
リンの将軍・クチュク長官(khu byug dpon po)。ジャンの人
クチュク長官ペーマの互換キャラ?(ソクポ戦はバージョン違い)
事績:
モン戦。タクシク戦。ソクポ戦。ミヌプ戦
所持:
乗物:馬(gro lo sngong zhur) / 青馬(g.yu bya 'phur shes)
登場:
『モン・リン大戦』など
ペーマ・ニタク(པདྨ་ཉི་གྲགས / pad+ma nyi grags)
人物:
リンの将軍・クチュク長官(khu byug dpon po)。ジャンの人
クチュク長官ユタプの互換キャラ?(ソクポ戦はバージョン違い)
事績:
ソクポ戦。アタク戦。チェリ戦。シャンシュン戦。トゥク戦。ティン戦。ムクク戦。ジャル戦
所持:
乗物:馬(g.yu rta rlung sngon)
登場:
『アタク瑪瑙国』など
タクツェン(གྲགས་བཙན / grags btsan / drag btsan) / タクツェン・マルポ(brag btsan dmar po)
人物:
リンの将軍・ミリ長官(rmi li dpon po)。ジャンの人
ミリは独立した勢力として描かれるようになる
事績:
ソクポ戦。トゥク戦。ティン戦。ムクク戦。ジャル戦
所持:
刀剣:風刀(spu gri reg gcod) / 刀剣(sngon po ya tsha rlung chod / ya tsha drung chod) / 千断刀(stong chod ngar ma)
槍戟:長矛(sgro ring dug lce)
変種:神索(bar snang rlung 'dzin)
弓矢:鉄弓('brug chen rang grags)
乗物:馬(rag pa 'phur shes) / 馬(wal ba rngog nag) / 馬(me ri 'phur shes)
登場:
『トゥク兵器国』など
タムパ・カラ(དམ་པ་ཀ་ར / dam pa ka ra) / タムワ・カラ
人物:
リンの将軍。ジャン領ミニャク(mi nyag)の人
ミニャク(西夏)は独立した勢力とされることもある
事績:
カチェ戦。トゥク戦。メリン戦。カンリ戦(死亡)。ティン戦(死亡)
登場:
『カチェ玉国』など
セラ・ヤメー(སེ་ར་ཡ་མེད / se ra ya med) / セルワ・ヤメー(ser ba ya med) / チャクド・プイ・ヤメー
人物:
リンの将軍。ジャン領チャクド(lcags rdo)の人
事績:
カチェ戦。トゥク戦。ベラ戦。ムクク戦。ジャル戦
所持:
刀剣:飲血刀(khrag 'thung ngar ma)
登場:
『カチェ玉国』など
トゥンキョン・タクラ・ティカル(དུང་སྐྱོང་སྟག་ལྷ་ཁྲི་དཀར / dung skyong stag lha khri dkar)
人物:
リンの将軍(モンの藩王?)。元はモンの将軍
白梵天王の息子(snang gsal dri med)の転生
中盤~終盤の主力。ジャンや魔国との共同作戦が多い
事績:
リン戦(デンマ、センタク、シェンパに捕らえられる)。タクシク戦以降ほとんどの戦いに参加。ペルヲ戦(戦後ペルヲに駐留)。スムパ戦(死亡)
所持:
刀剣:タワレクチュー / 刀剣(srog gcod 'bar ba) / 鋼刀(shang dkar stag rtse)
槍戟:毒矛(rno ring dug lce) / 長矛(dpal 'khyil kun mdzes)
弓矢:毒弓(tshangs pa leb chen) / 白螺弓(a long 'khyil ba / dkar mo leb chen / dkar mo 'khyug shes / a long 'gugs chen)
乗物:トゥンチャナタ
登場:
『モン・リン大戦』など
ダワ・タプツェン(ཟླ་བ་ཁྲབ་བཙན / zla ba khrab btsan) / ダワ・タツェン(zla ba khra btsan) / ダワ・ティツェン(zla ba khri btsan)
人物:
リンの将軍。元はモンの将軍
中盤~終盤の主力
事績:
リン戦(ユラに捕らえられる)。タクシク戦以降多くの戦いに参加
所持:
刀剣:サムパレクチュー / 毒剣(dug lce ngar ma / me 'od dug lce) / 刀(sag thag mda'i 'gel rdzogs) / 天鉄刀(gnam lcags 'bar ba)
槍戟:槍(sngon ring srog gcod)
乗物:追風馬(khu byug 'phur shes) / 馬(pho rog stong 'khyam / ngang ba stong 'byams) / 馬(sprin dkar rlung 'dzin)
登場:
『モン・リン大戦』など
ユドゥク・タクギェル(གཡུ་འབྲུག་སྟག་རྒྱལ / g.yu 'brug stag rgyal) / ユドゥク・トクギェル(g.yu 'brug thog rgyal)
人物:
リンの将軍。元はモンの将軍
リン戦で討たれているが他の人物の例もあわせみて生存扱い(別人という解釈も可能)
事績:
リン戦(センタクに討たれる?)。アタク戦。チェリ戦。ムクク戦。ジャル戦
登場:
『モン・リン大戦』など
ナムラ・ノルサン(གནམ་ལྷ་ནོར་བཟང / gnam lha nor bzang) / ナムチャク・ノルサン
人物:
リンの将軍。モン領ツーカ(tshos kha)の人
事績:
ソクポ戦。アタク戦。シャンシュン戦。トゥク戦。ベラ戦。ティン戦
登場:
『ソクポ馬国』など
シンロン・マチャ・ツェンポ(ཤིང་རོང་རྨ་བྱ་བཙན་པོ / shing rong rma bya btsan po) / マチャ・ティツェン / マチャ・ティテン
人物:
リンの将軍。モンの人。トゥク戦においては上ソクポ軍に所属
事績:
チェリ戦。トゥク戦。ベラ戦。ミヌプ戦。ジャル戦
所持:
刀剣:死刀(nam mkha' dgu chod) / 刀剣(zi ra gnam lcags)
槍戟:長矛(lcags nag dug lce zi ra me 'bar)
乗物:馬(pho rog smug gu) / 馬(dmar chung glod dmar 'khyugs shes)
登場:
『チェリ珊瑚国』など
シェルカル・デンパ(ཞལ་དཀར་ལྡན་པ / zhal dkar ldan pa) / タクツァン・シェルカル(gnyen mo stag tshang zhal dkar) / タクツァ・シェルカル(stag tsha zhal dkar)
人物:
リンの将軍(タクシクの藩王?)。ユタン長官(g.yu thang dpon po)。元はタクシクの大臣(nang blon)。リン戦では東部将領を引き継ぐ。三大シェルカルの一人
ソクポ戦の一バージョンではリンへの復讐のためソクポを戦争に巻き込んだ挙句自分はリンに降伏するというムーブをかましている
事績:
リン戦(讒言にあいリンへ亡命)。ソクポ戦以降多くの戦いに参加。ソクポ戦(バージョンによって陣営が異なる)
所持:
刀剣:ヤシ刀(ya zi sprin dkar ling chod) / 寛刃剣(dkar mo leb chen) / 水晶剣(shel dkar stong chod / shel dkar dgu gcod)
弓矢:弓(wer ma 'brug stong) / 漢弓(ngang ma leb chen)
乗物:白馬(dkar mo 'phur shes / thang dkar 'phur shes / thang dkar lding shes) / 馬(dung rta 'phur shes)
登場:
『タクシク財宝国』など
トプチェン・リンチェン・タクパ(སྟོབས་ཆེན་རིན་ཆེན་གྲགས་པ / stobs chen rin chen grags pa) / トプギェル・リンチェン(stobs rgyal rin chen)
人物:
リンの将軍(ソクポの藩王?)
上ソクポ(または中ソクポ)ニャンティ王の息子でラウ・グーデムの弟
リン戦においては徹底抗戦派として描かれることも。チェリ戦でモンのリンチェン・タクパが将軍格で登場するが同一?(話者の取り違え?)
事績:
リン戦(降伏)。アタク戦。シャンシュン戦。カチェ戦。トゥク戦。ベラ戦。メリン戦。カンリ戦。スムパ戦(死亡)。ムクク戦。ジャル戦
所持:
乗物:馬(ngang ba lding shes) / 馬(nor bu khyung lding)
登場:
『ソクポ馬国』など
タクマル・トプチェン(སྟག་དམར་སྟོབས་ཆེན / stag dmar stobs chen) / タマル(rta dmar)
人物:
リンの将軍。元は上ソクポ(または中ソクポ)の大臣。四大力士(stobs chen)の一人
リン戦においては徹底抗戦派として描かれることも。ソクポ領軍を指揮することが多い
事績:
リン戦(降伏)。シャンシュン戦以降ほとんどの戦いに参加
所持:
変種:縄(dkar po bya 'dzin)
弓矢:蒙古弓('brong nag 'gying chen) / 蒙古弓(lcags mo 'dzum chen)
乗物:馬(mgyogs pa tho ru kha sngon / ngar ma rnga gri kha sngon) / 蒙古馬(rag pa rlung gshog / rag pa sprin 'dzin) / 馬(ngang ba rgod ldem) / 馬(dmar po rlung gshog)
登場:
『ソクポ馬国』など
ランチェン・ナムカ・トクスン(གླང་ཆེན་ནམ་མཁའ་ཐོག་བཟུང / glang chen nam mkha' thog bzung) / ナムカ・キャレン(nam mkha' skya rengs) / ナムカ・トクジン(nam mkha' thog 'dzin)
人物:
リンの将軍。元は下ソクポの将軍。南部将領
リン戦で討たれているが他の人物の例もあわせみて生存扱い(別人という解釈も可能)
事績:
リン戦(トゥンキョンやユラに討たれる)。アタク戦。シャンシュン戦。トゥク戦。ベラ戦。カンリ戦。スムパ戦。ムクク戦。ジャル戦
所持:
刀剣:霹靂刀(gnam lcags pad ma dgu 'gril) / 刀剣(me lce glog 'od) / 姜刀(gzig nag rnga ma)
乗物:蒙古馬(nam mkha' lding shes)
登場:
『ソクポ馬国』など
ニマ・タクパ(ཉི་མ་གྲགས་པ / nyi ma grags pa) / ニタク(nyi grags)
人物:
リンの将軍・アタクの藩王。元はアタクの国王
ツェンキャ・ヤメー(btsan skya ya med)、ティデ・ツェンポ(khri sde btsan po)という二人の弟がいる
リンに降伏した王はいるが、軍の統率者として戦場に出てくるのは珍しい。服属後は普通に強い
事績:
リン戦(降伏)。チェリ戦。シャンシュン戦。カチェ戦。トゥク戦。ベラ戦。ミヌプ戦。カンリ戦(?)。ムクク戦。ジャル戦
所持:
刀剣:食肉刀(stag mo sha zan / dmar nag sdig pa sha zan) / 黒鉄刀(rngam chen lcags nag g.yug chod) / 紅色刀(dmar mo reg gcod / dmar mo thog mda' reg chod) / 刀剣(rno gcod ngar ma) / 湾刀(zo ra reg chod)
乗物:馬(se ra ya med) / 紅棕馬(smug gu rlung ldem) / 馬(bya rgod thang smug) / 棕色馬(rag dkar g.yu rngog) / 馬(smug nag ldem shes) / 馬(gser ri rlung shugs)
登場:
『アタク瑪瑙国』など
ラプ・アニェー・シェルカル(ལ་ཕུ་ཨ་མྱེས་ཞལ་དཀར / la phu a myes zhal dkar) / ラトゥー・ルンプ・シェルカル(la stod lung phu zhal dkar) / ラプ・ルントゥー・シェルカル(la phu lung stod zhal dkar) / アヌ・シェルカル(a nu zhal dkar)
人物:
リンの将軍。元はアタクの将軍。三大シェルカルの一人
アタク戦における強敵
事績:
リン戦(ユティに捕らえられる)。シャンシュン戦。トゥク戦。ベラ戦。ムクク戦。ジャル戦
所持:
刀剣:帯風剣(sngon po rlung ldan / sngon po rlung ldem)
乗物:棗紅馬(gro rgod 'phur shes) / 鵞白馬(ngang pa lding 'gros / dung bya 'phur shes)
登場:
『アタク瑪瑙国』など
タクカル・タンセー・ジクメー(བྲག་དཀར་ཐང་སྲས་འཇིགས་མེད / brag dkar thang sras 'jigs med)
人物:
リンの将軍。元はアタクの万戸長(khri dpon)
事績:
リン戦(降伏)。シャンシュン戦。トゥク戦。ティン戦。ミヌプ戦。ムクク戦。ジャル戦
所持:
刀剣:刀剣(khyung nag dang ru)
乗物:青馬(rag pa gser mig) / 馬(ngang ba rlung gshog) / 馬(dkar po shugs 'chang)
登場:
『アタク瑪瑙国』など
パヲ・チュートゥプ(དཔའ་བོ་ཆོས་གྲུབ / dpa' bo chos grub) / チュードゥプ(ཆོས་འགྲུབ / chos 'grub)
人物:
リンの将軍(チェリの藩王?)。元はチェリの大臣(bka' blon)
中盤~終盤の主力。デンマやシェンパ並みに見せ場が多い印象。リン戦のドンギェル・シェルカルが出ないバージョンの人物?
事績:
リン戦。シャンシュン戦(戦後シャンシュンを統治)。カチェ戦。ベラ戦。メリン戦。カンリ戦。スムパ戦。ムクク戦。ジャル戦
所持:
刀剣:シンポタクトゥン / 刀剣(lcags nag gzi 'od) / 利剣(zeg ma reg gcod)
槍戟:長矛(rno chod dug lce) / 長矛(sbrul nag dug lce / sbrul nag shar mchong)
変種:索縄(khams gsum rang 'gugs)
弓矢:銅弓(ri bo 'gug chen / pa tra 'khyil chen)
乗物:赤馬(me ri 'tshub shes / rlung dmar 'tshub shes) / チェリ馬(mtshal rta rlung gshog)
登場:
『チェリ珊瑚国』など
ドンギェル・シェルカル(འབྲོང་རྒྱལ་ཞལ་དཀར / 'brong rgyal zhal dkar) / ドンギェー・シェルカル('brong rgyas zhal dkar)
人物:
リンの将軍。元はチェリの大臣(gung blon)。北部将領。ドンツァ(ldong tsha)の人
リン戦のチュートゥプが出ないバージョンの人物?
事績:
リン戦(ラグーに捕らえられる)。トゥク戦。ムクク戦。ジャル戦
所持:
刀剣:大刀(bsam chod 'bar ba)
乗物:黄馬(gser bya lding shes)
登場:
『チェリ珊瑚国』など
タクモ・ティテン(སྟག་མོ་ཁྲི་བརྟན / stag mo khri brtan) / タクモ・ティツェン(stag mo khri btsan)
人物:
リンの将軍。元はシャンシュン国の将軍。南部将領
リン戦とチェリやトゥク戦のタイミングが前後していそう
事績:
リン戦(降伏)。チェリ戦。トゥク戦。カンリ戦。スムパ戦(従軍なし)。ジャル戦
所持:
刀剣:食肉剣(sdig pa sha zan) / 紅色刀(dmar po srog chod)
槍戟:毒矛(phan nag dug lce / phag nag dug rtse)
乗物:赤馬(tsha lu rlung gshog) / 馬(rag nag 'phur shes) / 馬(lcags rta spring shugs)
登場:
『シャンシュン珍珠国』など
ティンシュー・トゥルチェ(མཐིང་ཤོད་འཕྲུལ་ལྕེ / mthing shod 'phrul lce / mthing shod 'khrul lce) / ティンシュー・ドゥクチェ(mthing shod 'brug lce) / ティンショク・トゥルチェ(mthing shog 'phrul lce)
人物:
リンの将軍。元はカチェ国の将軍
事績:
リン戦(タンツェに捕らえられる)。カンリ戦。ティン戦。スムパ戦(死亡)。ジャル戦
登場:
『カチェ玉国』など
トンモイ・シドゥー・ナクゴ(ཤི་བདུད་ནག་མགོ / grong mo'i shi bdud nag mgo) / シドゥー・トムー・ナクゴ(shi bdud gro mus nag mgo) / トム・シドゥー・ナクポ(gro mu shi bdud nag po) / トンメー・シンドゥー・ナクポ(grong med gshin bdud nag po)
人物:
リンの将軍。元はトゥク国の将軍
火槍(銃)使い。いじめを乗り越え後にトゥク領軍の主力に
事績:
リン戦(シェンパらに捕まりロンツァ・タゲン預かりに。辱めを受けながらも情報を提供)。ベラ戦。メリン戦。スムパ戦。ジャル戦
所持:
刀剣:玉花刀(stong chod g.yu khra) / 漢刀(ngang yag leb chen / ngang dkar leb chen)
登場:
『トゥク兵器国』など
ラダ・チダク・ヤメー(ར་འདྲ་འཆི་བདག་ཡ་མེད / ra 'dra 'chi bdag ya med) / チダク・シンジェ('chi bdag gshin rje)
人物:
リンの将軍。元はベラの大臣
ラドゥー(ra bdud)の兄弟。ラツェン王の親族という可能性も?
ベラ戦における強敵の一人
事績:
リン戦(リンチェン・タルルを討つ。木鳥にさらわれ降伏)。チェリ戦。メリン戦。スムパ戦。ジャル戦
所持:
刀剣:霹靂剣(gnam lcags dum gcod) / 食肉剣(sdig pa sha zan) / 刀剣(leb chen srog gcod / lcags nag srog gcod)
斧鎌:戦斧(stag mo reg gcod)
槍戟:魔矛(nag po so ring)
弓矢:藤弓(wer ma 'gug ring / glang chen rang 'gugs) / 弓(mnyen gyong ra shing)
乗物:黒馬(kham nag rlung shugs / kham nag rlung gshog / me ri 'tshub shes) / 馬(gzig nag dug ri stong 'khyam)
登場:
『ベラ山羊国』など
ミヌプ・マチャ・ケルゾン(མི་ནུབ་རྨ་བྱ་ཁེར་རྫོང / mi nub rma bya kher rdzong)
人物:
リンの将軍。ミヌプ(ミヌプ・マチャ)の人? トゥク戦ではモンの人とされている
『ミヌプ繻緞国』には見当たらない人物だが、地名として mi nub rma bya が登場(盗賊の出身地)。ミヌプ・マチャのケルゾンか、ミヌプのマチャ・ケルゾンか。登場タイミングは『ミヌプ繻緞国』よりも前と思われる
事績:
アタク戦。シャンシュン戦。トゥク戦。ティン戦。ムクク戦
登場:
『アタク瑪瑙国』など
ノルサン(ནོར་བཟང / nor bzang)
人物:
リンの将軍・ンガリーの藩王(mnga' ris dpon po)。トゥク戦ではオムプ部の人とされている
『ンガリー金国』中に名前が見られない。ダサン(zla bzang)というキャラとの互換?
事績:
ソクポ戦。アタク戦。トゥク戦。ベラ戦。ティン戦
所持:
刀剣:水刀(mun pa reg gcod)
乗物:馬(gnam lha dkar chen)
登場:
『アタク瑪瑙国』など
四方四敵までの流れ
■ 概要
下界にはびこる悪を平定するため天神の息子トゥーパ・ガワ(ケサル)の派遣が決まる(『天嶺九部』)
ギャツァ誕生 ~ チョル(ケサル)誕生 ~ マ地方送り(『誕生編』)
トトゥンの競馬 ~ ケサル即位(『賽馬称王』)
四方四敵の平定を祈願する祭儀(『世界公桑』)
四方四敵その一
北方に位置するとされる国(チャンタン(Byang-thang)高原か?)
■ 概要
北の魔王ルツェンにより、ケサルの妃の一人メサ(me bza' 'bum skyid)がさらわれる
メサ救出のためケサルが単独で潜入、ルツェンの妹アタク・ラモや大臣チンゴンらの助けを得てルツェンを撃破
その後メサとラモに骨抜きにされたケサルは国を忘れ、しばし魔国で遊興に耽る
■ 動員
リン:ケサル
■ 主なキャラ
ルツェン(ཀླུ་བཙན / klu btsan / 魯賛)
人物:
北の魔王
アタク・ラモの兄
寄魂物を持つ。その後のエピソードで設定が盛られていく
事績:
ケサルの妃メサをさらう。ケサルに討たれる
所持:
刀剣:水刀(chu gri wer ma) / 響銅刀(li kha bsam chod) / 印度刀(khams gsum srog gcod) / 飲血剣(dmar po khrag 'thung)
斧鎌:斧(brel ba rlung gcod)
変種:漢地風袋(rkyal ba 'khun 'debs)
乗物:魔馬(rwa skyes kham pa)
アタク・ラモ(a stag lha mo) / アタク・ルモ(a stag klu mo)
※上記
カタル・チンゴン(チングン / ga dar phying sngon)
※上記
四方四敵その二
西方に位置するとされる国(ウイグルか?)
ケサル王伝の中でも屈指のボリューム
■ 概要
ケサル不在の間、ホルのクルカル王がケサルの后ドゥクモを狙ってリンに攻め入る
リン軍は王兄ギャツァ・シェルカルの下ホル軍と渡り合うが、内通者トトゥンが混乱をもたらす
クルセル王を討つなど意地を見せるが、ドゥクモは奪われギャツァもトトゥンとシェンパの計略により討たれてしまう
ドゥクモからの便りで我に返ったケサルは魔国から帰還、リンをトトゥンから取り戻したのち単身ホルに潜入する(バージョンによってはそのままクルカルを暗殺して終了)
ダラ率いるリン軍とラモ率いる魔国軍がホルに攻め入り、クルカルに取り入ったケサルと連動して内外からホルを攻略する
■ 動員
リン(前半):ギャツァ、ニブム、パセン、リンチェン、デンマ、センタク、ガデ、タルペン、シクペン、ニャツァ、ドンツェン、ロンツァ・タゲン、ロンツァ・マルレプなど
リン(後半):ケサル、ダラ、ロンツァ・タゲン、ニブム、リンチェン、デンマ、センタク、ガデ、タルペンなど
魔:ラモ、チンゴン
■ 主なキャラ
クルカル(གུར་དཀར / gur dkar) / 白帳王
人物:
ホルの三王の一人。クルカル部の長。勇士たち(dpa' thul)を率いる
寄魂物を持つ。ドゥクモとの間に子をもうける
事績:
ケサルの妻ドゥクモをさらう。鍛冶屋タンニェー(thang rnyed)として近づいてきたケサルを重用(バージョンによる)。ケサルに討たれる
所持:
刀剣:トンデンガルマ
乗物:馬(gangs ri 'phur shes) / 騾馬(nyi ma dgu chod)
クルセル(གུར་སེར / gur ser) / 黄帳王
人物:
ホルの三王の一人。クルセル部の長
寄魂物を持つ
事績:
ニブムまたはケサルに討たれる
所持:
刀剣:フデラチュー
クルナク(གུར་ནག / gur nag) / 黒帳王
人物:
ホルの三王の一人。クルナク部の長
寄魂物を持つ。影が薄い
事績:
辺境へ逃亡またはケサルに討たれる
シェンパ・メルツェ(shan pa me ru tse)
※上記
シラ・トクギェル(ཟི་ར་ཐོག་རྒྱལ / zi ra thog rgyal)
人物:
ホルの右軍統帥。クルセル部
事績:
ギャツァに討たれる
所持:
弓矢:銀弓(dung lo dngul mchog)
乗物:鵞黄馬(ngang ba rtsal chen)
タンツェ・ユドゥク(thang rtse g.yu 'brug)
※上記
タンナク・ツェギェル(ཐང་ནག་ཙེ་རྒྱལ / thang nag rtse rgyal)
人物:
ホルの中軍統帥。クルナク部
事績:
シクペンに討たれる
所持:
刀剣:黒背刀(spu gri ltag nag)
槍戟:鉄矛(bdud mtshon rno chod)
乗物:黒馬(nag po 'brong 'dur)
トゥク・バルチェン(གྲུ་གུ་འབལ་ཆེན / gru gu 'bal chen)
人物:
ホルの本陣付。ギョクパ部(mgyogs pa)
事績:
リンの将軍たちを討つ。消息不明
トプチェン・ランポ・タバル(སྟོབས་ཆེན་གླང་པོ་ཁྲ་འབར / stobs chen glang po khra 'bar)
人物:
ホルの本陣付。シェンパ部(shan pa)。四大力士(stobs chen)の一人
シェンパの五弟または長兄。ホル戦における強敵の一人
事績:
リンの将軍たちを討つ。ケサルに討たれる
所持:
刀剣:黒刀(gzi chen mig gcig)
弓矢:白螺弓(dung gzhu skar chen)
乗物:追風馬(rlung shugs 'dzom chen)
クンジェ・ユヤク・ティツン(གཡུ་ཡག་ཁྲི་བཙུན / gung rje g.yu yag khri btsun)
人物:
ホルの左軍本部統帥。クルカル部
クルカル王の息子
事績:
ニャツァに討たれる
所持:
刀剣:即断刀(rnon po spu gri brug gcod)
槍戟:長矛(skya ring nam mkha')
乗物:白馬(seng ge stobs chen / dkar po lding shes)
ラプ・レクパ(Lhabu Legpa) / ラウ・レクパ(ལྷའུ་ལེགས་པ / lha'u legs pa)
人物:
ホルの将軍。クルカル部
クルカル王の息子。中国の皇帝の甥
リン戦では毒炎刀がシェンパのものになっている。ギャツァとは仲が良かったという描写も
事績:
皇帝から宝を賜る場面で名が出る。ギャツァに討たれる
所持:
刀剣:アシトゥクレルバルワ / 白背刀(gzi chung ltag dkar)
弓矢:白鉄弓(skya rengs'od dkar)
防具:ツァリトクトゥプ
登場:
『誕生編』
チュータル(ཆོས་དར / chos dar)
人物:
ホルの有力者。ガルワ部(mgar ba)の首領。鍛冶集団の頭領
三人の息子たちを持つ。娘はケサルの仮の姿タンニェー(thang rnyed)の妻
事績:
息子たちがリン軍に討たれる。タンニェーを気に入り婿に取る。娘と共にリンに降る
四方四敵その三
東方に位置するとされる国(雲南地方か?)
■ 概要
天女のお告げによりジャン王サタムがリンへの侵攻を開始、ケサルも軍を招集する
開戦前にデンマとシェンパの諍いがおこる(『辛丹相争』)
シェンパの計略で王子ユラ・トクギュルを捕らえたことを皮切りにして本格的に開戦
ジャンの侵攻軍を退け、逆にジャン領内へ進軍を開始
得意の変化によってサタム王を暗殺し都を陥落させるが、王妃や王子たちの命は助けた
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、パセン、デンマ、センタク、ガデ、タルペン、トトゥン、ドンツェン、ロンツァ・タゲンなど
魔:ラモ、チンゴン
ホル:シェンパ、シェンツァ
■ 主なキャラ
サタム(ས་དམ / sa dam / ས་ཐམ / sa tham / 薩丹)
人物:
ジャンの王。勇士たち(pwa thul)を率いる
ユラ・トクギュルらの父
事績:
ケサルに騙し討ちされる
所持:
刀剣:ルンポケーチュー / 黒刀(shan gri khrag gcod) / 食肉刀(sdig pa sha gzan)
乗物:魔馬(mun pa rlung gshog)
ユラ(g.yu lha)
※上記
ユティ(g.yu khri)
※上記
ニティ・カルチェン(ཉི་ཁྲི་སྐར་ཆེན / nyi khri skar chen / Nyitri Karchen)
人物:
ジャンの王子・大臣
サタム王の息子。中国の皇帝の甥
『ジャン・リン大戦』では王子設定がなくなってそう。黎明刀を使っている様子もない
事績:
皇帝から宝を賜る場面で名が出る。リンへの増援として派遣される。タルペンに討たれる
所持:
刀剣:クシキャリン
防具:ブムキェルトントゥプ
乗物:馬(lu gu 'khyam shes)
登場:
『誕生編』
ユタプ(གཡུ་ཁྲབ / g.yu khrab)
人物:
ジャンの大臣・セルラ長官(gser lha dpon po)
ドンドゥル・ナクポ('brong 'dur nag po)の父
後のエピソードではジャンのクチュク長官ユタプという人物が登場
事績:
リンへの増援として派遣されるが撤退。ニブムに討たれる
所持:
刀剣:紅刃刀(rngam nag mtshon gri kha dmar / rngam nag so dmar)
ケルキェー(ཁེར་སྐྱེས / kher skyes)
人物:
ジャンの大臣・ツェルマル長官(mtshal dmar dpon po)
事績:
リンへの増援として派遣される。デンマに討たれる
所持:
刀剣:パルナンルンチュー
ペルトゥル(ber thul)
※上記
ドゥクリン・ペルデン・グーポ(འབྲུག་རིན་དཔལ་ལྡན་རྒོད་པོ / 'brug rin dpal ldan rgod po) / ドゥクダ・ペルデン・グーポ('brug sgra dpal ldan rgod po)
人物:
ジャンの将軍。リン侵攻軍の三大将の一人
事績:
デンマ、ニブム、ガデ、センタク、タルペンの五人がかりで倒される
チメー・チャクド・ナクポ(འཆི་མེད་ལྕགས་རྡོ་ནག་པོ / 'chi med lcags rdo nag po)
人物:
ジャンの将軍。リン侵攻軍の三大将の一人
事績:
リンへ派遣されるが撤退。デンマに討たれる
クンガ・ジクメー(ཀུན་དགའ་འཇིགས་མེད / kun dga' 'jigs med)
人物:
ジャンの大臣・法王(chos rgyal)。有力者の一人
事績:
リンへの増援として派遣されるが撤退。デンマに討たれる
所持:
刀剣:青鋒刀(spu gri dug ral 'bar ba)
弓矢:赤弓(khrun ri dmar mo) / 黒鉄弓(nag po zur gsum rang grub)
乗物:黒馬(nag po dgu zhon)
四方四敵その四
南方に位置するとされる国(ブータンか?)
■ 概要
ジャン戦の後(ケサル 45 歳の時)、モンを平定し空行母の転生メトクを救出するよう白梵天王からお告げが下る
名将クラ・トクギュルや術師テウラン・ラマなどが立ちはだかるが、寄魂物を破壊するなどして討ち取っていく
白梵天王の息子の転生であるトゥンキョンを確保
城を包囲され、空へ逃れようとするシンティを討ちモンの征服を完了する
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、パセン、リンチェン、デンマ、センタク、ガデ、タルペン、トトゥン、ロンツァ・タゲンなど
魔:ラモ、チンゴン
ホル:シェンパ、タンツェ、タンカル
ジャン:ユラ、ユティ
■ 主なキャラ
シンティ(ཤིང་ཁྲི / shing khri / 辛赤)
人物:
モンの王。勇士たち(a grags)を率いる
メトク・ランゼー(me tog lha mdzes)の父
寄魂物を持つ
事績:
タンツェなどを討つ。逃げるところをケサルに討たれる
所持:
刀剣:利剣(mun pa reg chod)
弓矢:毒鉄弓(ri bo rtse 'gul / nag po thog 'bebs)
乗物:赤馬(dmar po mi zan)
クラ・トクギェル(སྐུ་ལྷ་ཐོག་རྒྱལ / sku lha thog rgyal / 古拉妥傑)
人物:
モンの将軍
アヌ・ユペル(a nu g.yu dpal)とユドゥク・トクグー(g.yu 'brug thog rgod)という二人の兄がいる
モン戦における強敵。寄魂物を持つ
事績:
パサル・ダワなどを討つ。降伏を拒否し討たれる
所持:
刀剣:飲血剣(ngar ma khrag 'thung / ngar chen dug gi)
弓矢:鉄弓(a long 'khyil ba)
防具:兜(nyi ma rang shar / 陽光普照) / 鎧(rin chen spungs pa)
乗物:鵞黄馬(ngang ba gser ldan)
テウラン・ラマ・カンチク(ཐེའུ་རང་བླ་མ་རྐང་གཅིག / the'u rang bla ma rkang gcig)
人物:
赤面羅刹山に住む邪教(ボン教?)の上師(ラマ)
事績:
モン王を占う。ケサルによって地中に封じられる
トゥンキョン・タクラ・ティカル(dung skyong stag lha khri dkar)
※上記
ダワ・タプツェン(zla ba khrab btsan)
※上記
トンデン・ウーカル(སྟོང་ལྡན་འོད་དཀར / stong ldan 'od dkar)
人物:
モンの将軍。テウラン・ラマの弟子
事績:
ラマの下に派遣される。下山し戦線に復帰。降伏(デンマに討たれるバージョンも)。シャンシュン戦においてリンの将軍として登場
所持:
乗物:追風馬(mtshal zhur rlung gshog)
ユドゥク・トクギェル(g.yu 'brug thog rgyal)
※上記
十八大国その一。タクシク財牛国とも
西方に位置するとされる国(言葉的にはタジクだが、実際はイランと見られる)
ボン教が盛ん(ボン教の聖地はタクシクにあったとされる)
十八大国の構成は話者によって大きく異なっているが、タクシクはまず共通してこの位置に置かれている
強敵はそこそこいたが、後々リン軍に加わる人物は少ない印象
■ 概要
モン戦から三年後、トトゥンが王子ダラに献上するためタクシク王の馬を盗んだことで、タクシク軍とタクロン部軍がにらみ合う事態に
交渉の場でのタクロン部の騙し討ちにより戦闘が勃発、当初は互角の戦い
タクロン部は徐々に押されていき、ケサルに泣きつき援軍を頼んだことで全面戦争に発展
パセンが討たれるなど犠牲者を出しながらも、セルティ王とツェンラを討ち征服を完了する
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、パセン、リンチェン、デンマ、センタク、ガデ、トトゥン、ラグー、ミチュンなど
魔:ラモ、チンゴン、ルタ・パヲ(ru hra dpa' bo)など
ホル:シェンパ、タンカルなど
ジャン:ユラ、ユティ、クチュク長官ユタプ(g.yu khrab)など
モン:トゥンキョン、ダワなど
■ 主なキャラ
セルティ・ニマ(གསེར་ཁྲི་ཉི་མ / gser khri nyi ma) / コレ(go le rgyal po)
人物:
タクシクの王。勇士たち(gyad mi)を率いる
事績:
ケサルに討たれる
所持:
乗物:紫黒馬('brong 'dul smug po / 'brong nag 'dur ba / 'brong nag 'phur shes)
タグー・ダワ(ཁྲ་རྒོད་ཟླ་བ / khra rgod zla ba) / タプグー・ダワ(khrab rgod zla ba)
人物:
タクシクの王子
事績:
パセンを討つ。デンマに討たれる
所持:
刀剣:食肉剣(sha gzan stong chod)
槍戟:長矛(rno ring glog 'khyug)
弓矢:鉄弓(sngon mo dgu sgril)
乗物:棕色馬(bra nag kha ser)
ツェンラ・ドルジェ・バルワ(བཙན་ལྷ་རྡོ་རྗེ་འབར་བ / btsan lha rdo rje 'bar ba)
人物:
タクシクの将軍。西部将領
タクシク戦における強敵の一人
事績:
最後までリン軍に立ちはだかる。ダラに討たれる
所持:
刀剣:紅色剣(rdo chod 'bum sde)
乗物:赤馬(dmar po 'khyug shes / me ri 'tshub shes / dmar po rlung gshog)
ミナク・トプデン(མི་ནག་སྟོབས་ལྡན / mi nag stobs ldan)
人物:
タクシクの将軍。南部将領。四大力士(stobs chen)の一人
タクシク戦における強敵の一人
事績:
ユラとトゥンキョンに討たれる
所持:
弓矢:鉄弓(nag po dgu sgril / sngon mo leb chen)
乗物:黒馬(pho rog smug 'dzong / nag po rlung gshog)
トゥンティ・ナムラ・カルチュン(དུང་ཁྲི་གནམ་ལྷ་དཀར་ཆུང / dung khri gnam lha dkar chung)
人物:
タクシクの将軍。東部将領(シェルカルの前任)
タクシク戦序盤の強敵
事績:
トクグー・バルワと相討ちになる
所持:
槍戟:長矛(dung dkar dgu sgril)
乗物:白螺馬(dkar mo 'phur shes)
シェルカル・デンパ(zhal dkar ldan pa)
※上記
十八大国その二(必ずしも十八大国に含まれるわけではない)
北方に位置する国(mnga' ris はチベット高原西部のガリー地区を指す)
ボリュームが少なく、戦闘などはまさに処理といった感じで淡々と進んでいく
敵である七魔臣は特筆するほどでもないので名前だけ(stobs ldan zangs ral、stobs ldan rdo rje、btsan skya kha sho、mi nag mdung thung、stag mgo zangs mchu、mig dmar khrag ral、kha la me 'bar)
他のエピソードとのつながりがなく、どこに入るのか断定はできないが以下のことからこの辺と推測(なんならタクシク戦より前もありえる)
動員が初期メンバー(特にタルペン)
シェンパが生存
ドンツェンにタクロン公子の設定が残っている
ソクポ戦あたりからンガリー・ノルサンが登場している
■ 概要
ンガリーの大臣ツェンラの息子ユギェルは、七魔臣に牛耳られる祖国を離れリンにたどり着く
シェンパの紹介でケサルに面会し七魔臣の排除を訴えるが、三年は待てと説得される
三年後、天女タレ・ウーカル(ケサルの妹)が時を告げ、ケサルは精鋭たちを引き連れンガリーへ向かう
七魔臣を次々と討ち、ンガリーの解放に成功
■ 動員
リン:ケサル、デンマ、センタク、ガデ、タルペン、ロンツァ・タゲン、ドンツェン、ミチュン
ホル:シェンパ、タンツェ
■ 主なキャラ
ダワ・トンドゥプ(ダワ・トゥンドゥプ / ཟླ་བ་དོན་འགྲུབ / zla ba don 'grub)
人物:
ンガリーの王(chos rgyal)
七魔臣に国を牛耳られ、やることもなく寝てばかりいる
事績:
夢でケサルが訪れ七魔臣を討つことを知り喜ぶ。戦後ケサルに服属
ユギェル・トクグー(གཡུ་རྒྱལ་ཐོག་རྒོད / g.yu rgyal thog rgod)
人物:
ンガリーの大臣ツェンラ・ドルジェ(btsan lha rdo rje)の息子
ケサルやシェンパ、ドゥクモらに可愛がられる
事績:
国の惨状をケサルに直訴。ンガリー侵攻までの三年間ダラに仕える。ケサルに従いンガリーへ
十八大国その三
おそらく西方から北方ぐらいに位置する国(モンゴルと見られる)。タクシクとは近そう(バージョンによってはタクシクの残党が逃げ込んでいる)
上ソクポ(sog stod)と下ソクポ(sog smad)、バージョンによっては中ソクポ(sog bar)が存在。下ソクポはソクポ鎧甲国とも
上中下の三国バージョン、上下の二国バージョン、下のみの一国バージョンなどがある
話者によっては十八大国編の中盤以降のエピソードとなっている
■ 概要
タクシク戦後、白仏母のお告げによりソクポへの遠征が決定
前哨戦としてトトゥンとタクナク・ラマによる呪術合戦が行われる
上ソクポ(または中ソクポ)編では王子ラウや名将トプチェンらを降す(バージョンによっては丸々カットされている)
下ソクポ編では軍神のお告げを受けた(またはタクシクの残党の口車に乗った)ティツェン王が攻撃を仕掛けてきたので応戦
ティツェン王を討ち征服を完了、ソクポ領はタクマル・トプチェン(またはリンチェン・タクパ)とカルマ・ティンレーに任せる
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、ユティ、リンチェン、デンマ、センタク、ガデ、ロンツァ、トトゥン、ラグー、ミチュンなど
魔:ラモ、チンゴンなど
ホル:シェンパ、タンカル、シェンツァなど
ジャン:ユラなど
モン:トゥンキョン、ダワなど
タクシク:シェルカル
ンガリー:ノルサン
■ 主なキャラ
ニャンティ・ラカル(ཉང་ཁྲི་ལྷ་དཀར / nyang khri lha dkar) / ニャンティ(nyang khri / myang khri)
人物:
上ソクポ(または中ソクポ)の王。勇士たち(ru 'dzin)を率いる
ラウやリンチェンの父
事績:
好戦的なラウやリンチェンを諫める。リンに降伏
所持:
乗物:蒙古馬(rag pa rnga nag)
ラウ・グーデム(ལྷའུ་རྒོད་ལྡེམ / lha'u rgod ldem)
人物:
上ソクポ(または中ソクポ)の王子
ニャンティ王の息子でリンチェンの兄
事績:
ダラに討たれる
所持:
乗物:馬(sprin dkar 'tshub shes)
トプチェン・リンチェン・タクパ(stobs chen rin chen grags pa)
※上記
タクマル・トプチェン(stag dmar stobs chen) / タマル(rta dmar)
※上記
タクナク・ラマ・シェルカル(སྟག་ནག་བླ་མ་ཞལ་དཀར / stag nag bla ma zhal dkar)
人物:
ソクポの上師(ラマ)。ニャンティ王に仕える。一国バージョンでは下ソクポの北部(または西部)将領
事績:
トトゥンとの呪術対決。ケサルに討たれる
所持:
刀剣:毒刀(dug nag leb chod)
弓矢:鉄弓(kham pa 'brug grags)
乗物:馬(rag nag 'tshub shes)
マンジェ・ティツェン(མང་རྗེ་ཁྲི་བཙན / mang rje khri btsan / 莽吉赤賛) / ティツェン・ニマ(ཁྲི་བཙན་ཉི་མ / khri btsan nyi ma / 赤賛尼瑪) / タタ(rta khra rgyal po)
人物:
下ソクポの王。勇士たち(ru 'dzin)を率いる
カルマ・ティンレー(ka+rma 'phrin las)の父
タクシクやギャナク(中国)とは友好関係。バージョンによっては良識をもった人物として描かれることも
事績:
リンや父王に反抗的な上ソクポのリンチェン王子を説得する。軍神のお告げを真に受けリンに挑む。ケサルに討たれる
タクシクの残党シェルカル・デンパの口車に乗りリン戦に介入。ケサルに討たれる
所持:
弓矢:霹靂弓(gnam lcags rin chen thog 'bebs)
乗物:棗紅馬(rag dkar thig le brgya ba)
ランチェン・ナムカ・トクスン(glang chen nam mkha' thog bzung / 朗卡托松) / ナムカ・キャレン(nam mkha' skya rengs)
※上記
十八大国その四
おそらく北方に位置する国(北方とされるチェリの道すがら)
〇○戦の後というはっきりとした情報はないが、動員状況から見て少なくともソクポ戦の後と思われる
十八大国編の中ではおおよそ前目に語られるエピソード
苦戦するような強敵は少なかった印象
■ 概要
リンの隊商がチェリの兵に襲撃され、空行母がチェリ遠征のお告げを下す
遠征を前にオムプ部とタクロン部の争いが勃発、ロンツァ・タゲンが収める
リン軍はアタクに道を借りようとするが、ニタク王は羅刹女に煽られリン軍への攻撃を開始
卵生九兄弟やアニェー・シェルカルなどを打ち破る
ニタク王を降しアタクを収めた後、改めてチェリを目指す
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、ユティ、デンマ、センタク、ガデ、ロンツァ・タゲン、トトゥン、ドンツェン、ラグーなど
魔:ラモ
ホル:シェンパ、ンガムチェンなど
ジャン:ユラなど
モン:トゥンキョン、ダワなど
タクシク:シェルカルなど
ソクポ:リンチェン、ナムカ・トクスンなど
ンガリー:ノルサン
■ 主なキャラ
ニマ・タクパ(nyi ma grags pa) / ニタク(nyi grags)
※上記
ラプ・アニェー・シェルカル(ལ་ཕུ་ཨ་མྱེས་ཞལ་དཀར / la phu a myes zhal dkar) / ラトゥー・ルンプ・シェルカル(la stod lung phu zhal dkar) / アヌ・シェルカル(a nu zhal dkar)
※上記
タクカル・タンセー・ジクメー(brag dkar thang sras 'jigs med)
※上記
ニェンラ・ドゥクグー(གཉན་ལྷ་འབྲུག་རྒོད / gnyan lha 'brug rgod) / パニェン・ラドゥク・ユグー(dpa' gnyan lha 'brug g.yu rgod)
人物:
アタクの将軍。卵生九兄弟の一人。黄老大
羅刹女の子供たち。王臣ではなく独立勢力か
事績:
シェンパに討たれる
十八大国その五
北方に位置するとされる国
話者によってはアタク戦との間に別エピソードを挟んだり、アタク戦直後だがシャンシュンやベラは征服済みという設定で開始したり
リン軍内のもめ事(ラルとタクロン部、ラモとドンツェン)が描かれている
■ 概要
アタクを征服したリン軍はチェリへの進軍を再開
途中ベハル・ソクカ率いる赤谷十二部族が合流、四大臣や王兄ヤクギェルの軍を打ち破っていく
トトゥンへの発言を巡りオムプ部のマニン長官ラルとタクロン部が一触即発の事態に(デンマが収める)
王族に一旦逃亡を許すもユラたちが撃破、チェリ領の統治はアタク・ラモに任される
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、ユティ、デンマ、センタク、ガデ、ロンツァ・タゲン、トトゥン、ドンツェン、ラグーなど
魔:ラモ、チンゴン
ホル:シェンパ、シェンツァ、タンカルなど
ジャン:ユラ、ペトゥルなど
モン:トゥンキョン、ダワなど
タクシク:シェルカル
ソクポ:リンチェン
アタク:ニマ
シャンシュン:タクモ
ベラ:チダクなど
チェリ赤谷:トゥンキュン・ウーカル(dung khyung 'od dkar)
■ 主なキャラ
タクツェ・ユグー(སྟག་རྩེ་གཡུ་རྒོད / stag rtse g.yu rgod) / タクツェン(སྟག་བཙན་རྒྱལ་པོ / stag btsan rgyal po) / タクラ・ツェンポ(སྟག་ལྷ་བཙན་པོ / stag lha btsan po)
人物:
チェリの王
兄ヤクギェルと弟トゥマルがいる。タルチェン・シウー(thar chen gzi 'od)という息子がいる
寄魂物をもつ
事績:
王城から脱出。ユラに討たれる
所持:
刀剣:断風剣(me lce rlung chod) / 風雲剣(sprin rlung stong gcod) / 魔刀(gza' bdud dgu gcod / lha bdud dgu gcod)
登場:
『アタク瑪瑙国』
ヤクギェル・トゥーカル(གཡག་རྒྱལ་ཐོད་དཀར / g.yag rgyal thod dkar)
人物:
チェリの王兄
変化の術の使い手
事績:
リン軍に呪術戦をしかける。牛に変化するが捕らえられニェンチェン・タンラ神の坐騎に
所持:
刀剣:水晶刀(me shel stong gsum 'od 'bar)
乗物:白馬(g.yu yi rngog ma)
トゥマル(འཕྲུ་དམར་རྒྱལ་པོ / 'phru dmar rgyal po) / トンティ・タマル(སྟོང་ཁྲི་རྟ་དམར / stong khri rta dmar) / タクマル・ティギェル(སྟག་དམར་ཁྲི་རྒྱལ / stag dmar khri rgyal)
人物:
チェリの王弟
事績:
王城に入ったリン軍に特攻をかける。リンチェン・タクパに討たれる
所持:
斧鎌:斧(dmar po gru bzhi)
セントゥク・トクラ・ツェンポ(སེང་ཕྲུག་ཐོག་ལྷ་བཙན་པོ / seng phrug thog lha btsan po)
人物:
チェリの大臣(gung blon)。東部将領
チェリ戦における強敵
事績:
デンマに討たれる。ジャル戦においてリンの将軍として登場
所持:
刀剣:斬魔刀(shi bdud khros pa) / 魔刀(gza' bdud khrag 'thung / gshin rje klu bdud khrag 'thung)
乗物:白騮馬(skyang dkar 'phur shes) / 馬(klu rta lding shes)
ドンギェル・シェルカル('brong rgyal zhal dkar)
※上記
パヲ・チュートゥプ(dpa' bo chos grub) / チュードゥプ(chos 'grub)
※上記
ベハル・ソクカ(བྷེ་ཧར་སོག་ཁ / bhe har sog kha) / ハラ・ソクカ(ha ra sog kha)
人物:
赤谷(lung dmar)十二部族の首領
トゥンキュン・ウーカル(dung khyung 'od dkar)やティテン・カルポ(khri brtan dkar po rtse rgyal)という息子たちがいる
事績:
ダラ一行を歓待し褒美を授かる。リン軍に息子トゥンキュンを同行させる。息子と共にトゥク戦に参加
所持:
刀剣:青光剣(sngon po g.yug chod)
乗物:黒馬('brong rgod rngam chen) / 白馬(seng ge rtsal ldan)
十八大国その六
北方に位置するとされる国(zhang zhung はチベット高原西部)
シャンシュンはボン教の中心地
〇○戦の後というはっきりとした情報はないが、動員状況から見て少なくともチェリ戦の後と思われる(チェリ戦のバージョンの中にはシャンシュン戦の後としているものも)
カチェ戦との前後は不明
リン軍の主力と渡り合える武将が揃っていた印象だが、その後リン軍入りした人物は少ない?
■ 概要
トトゥンがシャンシュン隊商の荷物を奪ったことでシャンシュン王が激怒、タクロン部を攻める
救援を求められたケサルは軍を招集、シャンシュンとの全面戦争へ
シャンシュン軍はシェーチェンやチャンモを中心に粘り強く戦うが、リン軍に打ち破られていく
最終的にルントゥプ王が討たれ、シャンシュン領の統治はチュートゥプに任される
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、ユティ、リンチェン、デンマ、センタク、ガデ、ロンツァ・タゲン、トトゥン、ラグー、ミチュンなど
魔:ラモ、チンゴンなど
ホル:シェンパ、タンカル、ンガムチェンなど
ジャン:ユラ、クチュク長官ペーマなど
モン:トゥンキョン、ダワなど
タクシク:シェルカル
ソクポ:リンチェン、タクマル、ナムカ・トクスンなど
アタク:ニマ、タクカル、ラプ・シェルカル
チェリ:チュートゥプなど
■ 主なキャラ
ルントゥプ・タクパ(ལྷུན་གྲུབ་གྲགས་པ / lhun grub grags pa)
人物:
シャンシュンの王。勇士たち(stag thul)を率いる
事績:
ケサルに討たれる
トクツェン・ロクウー(ཐོག་བཙན་གློག་འོད / thog btsan glog 'od)
人物:
シャンシュンの将軍。西部将領
シャンシュン戦における強敵の一人。下級将官クラスのキル数が多い
事績:
リンの将軍たちを討つ。センタクに討たれる
所持:
刀剣:鋼刀(lcags nag gzi 'od) / 雌剣(sha pho ru chod / sha pho dum chod)
乗物:馬(kham chung shugs ldan)
タクモ・ティテン(stag mo khri brtan)
※上記
シェーチェン・ニマ・ウーデン(ཤེས་ཆེན་ཉི་མ་འོད་ལྡན / shes chen nyi ma 'od ldan)
人物:
シャンシュンの将軍
シャンシュン戦における強敵の一人
事績:
最後までリン軍に抵抗。ダラに討たれる
ルンライ・チャンモ・ユントゥン(རླུང་ལྷའི་སྤྱང་མོ་གཡུང་དྲུང / rlung lha'i spyang mo g.yung drung)
人物:
シャンシュンの将軍
シャンシュン戦における強敵の一人。シャンシュン軍の中に別のルンラ・ユントゥン(rlung lha g.yung drung)も存在?
事績:
最後までリン軍に抵抗。チュートゥプに討たれる
所持:
刀剣:刀剣(nam mkha' 'phur shes)
十八大国その七
西方に位置するとされる国(カシミールか?)
銅刀(li gri)はカチェの戦士を象徴する武器として語られている
アタク、チェリ戦以降でトゥク戦の前であることが示されている
シャンシュン戦との前後は不明
ここでもタクロン部とオムプ部のもめ事が語られている
■ 概要
カチェのティテン王がリンに侵攻、空行母からの報せを受けたケサルは軍を招集し迎え撃つ
トトゥンがカチェに寝返りオムプ部隊商への襲撃を手引きし、タクロン部とオムプ部は一触即発の事態に(諸将が仲裁)
カチェ軍に急襲されたタクロン部はラグーを失うなど痛手を負い、結局はケサルに泣きつく
ペルポ(ネパール)軍や術師たちの加勢を受けたカチェ軍と、要害である鉄城(lcags rdzong)を巡り激戦を繰り広げるが、リン軍が何とか制する
ティテン王を討ちカチェの征服を完了、後のことはティンシューら生き残った大臣たちに任せる
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、ユティ、リンチェン、デンマ、センタク、ガデ、ロンツァ・タゲン、トトゥン、ラグー、ミチュンなど
魔:ラモ、チンゴンなど
ホル:シェンパ、タンツェなど
ジャン:ユラなど
モン:トゥンキョン、ダワなど
タクシク:シェルカル
ソクポ:リンチェン、タクマルなど
アタク:ニマ
チェリ:チュートゥプなど
■ 主なキャラ
ティテン・ルペル(ཁྲི་བརྟན་ཀླུ་དཔལ / khri brtan klu dpal)
人物:
カチェの王。ペルポ(bal po / ネパール)、ウルカ('ol kha / 山南)、ニュクカ(smyug kha)の征服者。勇士たち(rda ra)を率いる
兄ルヤク・ルリン(klu yag ru ring)と弟シンドゥー・ドンマル(gshin bdud gdong dmar)がいる
大臣テンパ・ランシャル(shes gsal dran pa rang shar)とはソリが合わない
事績:
ケサルに討たれる
所持:
刀剣:銅刀(sdig pa sha gzan)
ルヤク・ルリン(ཀླུ་ཡག་རུ་རིང / klu yag ru ring)
人物:
カチェの諸侯(gung rje)。リン侵攻の先遣隊
ティテン王の兄。漢訳では途中から王の叔父となっている
事績:
リンから逃げ帰る。ユラに討たれる
所持:
刀剣:銅刀(ngar ma dum chod)
シンドゥー・ドンマル(གཤིན་བདུད་གདོང་དམར / gshin bdud gdong dmar)
人物:
カチェの将軍。リン侵攻の増援隊
ティテン王の弟
事績:
ユティらを討つ。ケサルに討たれる
所持:
刀剣:銅刀(sdig pa sha gzan / sdig pa srog zan) / 刀剣(zangs dmar reg gcod)
弓矢:銅弓(pa tra 'khyil ler)
乗物:赤馬(me gshog rlung mgyogs)
ザドゥー・トゥクチュ・コルマ(གཟའ་བདུད་དུག་ཆུ་ཁོལ་མ / gza' bdud dug chu khol ma)
人物:
カチェの将軍。火水風三将のうち水将(chu)。リン侵攻の増援隊
カチェ戦における強敵の一人
事績:
センタクに討たれる
ドゥージェ・ルンナク・ツプシェー(བདུད་རྗེ་རླུང་ནག་འཚུབ་ཤེས / bdud rje rlung nag 'tshub shes) / ルンナク・ツプマ(rlung nag 'tshub ma)
人物:
カチェの将軍。火水風三将のうち風将(rlung)。リン侵攻の増援隊
カチェ戦における強敵の一人。下級将官クラスのキル数が多い
事績:
リンの将軍たちを討つ。ガデに討たれる
所持:
刀剣:刀剣(mun nag glog lce) / 銅刀(bsam chod rno ring)
槍戟:長矛(sbrul lce me 'bar / sbrul lce 'bar ba)
乗物:馬(brang nag rgyug pa) / 馬(rlung nag gshog ldan)
タゴ・ミクマル(ཁྲ་མགོ་མིག་དམར / khra mgo mig dmar)
人物:
カチェの将軍。リン侵攻の増援隊
カチェ戦における強敵の一人
事績:
ラグーを討つ。チュートゥプに討たれる
ティンシュー・トゥルチェ(mthing shod 'phrul lce)
※上記
チューバル・カラ(ཆོས་འབར་ཀ་ར / chos 'bar ka ra)
人物:
カチェの呪術師(sngags nag)
ンガクワン・ジクメー(ngag dbang 'jigs med)という弟子を持つ
後々『トゥク兵器国』のエピソードに登場すると語られる。ただし『トゥク兵器国』内で確認できていない。『メリン金国』ではメリン王の要請でメリンの戦局を占う
事績:
シェンパを戦闘不能にまで追い込むがガデには術が通用しないとみて逃亡。メリンでは逃亡するところを捕まりケサルらに地中に封じられる
十八大国その八(必ずしも十八大国に含まれるわけではない)
南方に位置する国(bal po はネパールを指す)
動員状況から見てタクシク戦以降、さらにウルカ('ol kha)軍が加わっていることからカチェ戦より後か
トゥク戦ではトゥクの将軍が逃れているが前後はどちらとも言えず(シェンパの状況からトゥク戦前ということに)
■ 概要
トトゥンがペルヲの公主ムティク(mu tig lha mdzes)へ求婚すべくペルヲ宮殿に潜入するが、家臣ともども捕らえられる
トトゥンは一人逃亡し以降潜伏、一方リン軍の報復を恐れるペルヲ宮中は主戦論派が押し切る形でまとまる
神鶴の報告でトトゥンらが捕まったことを知ったケサルはペルヲに向けて兵を起こす
テン四内臣や王子トクグー、さらに南方ティトゥプ王(khri thub rgyal po)の援軍が破られるとペルヲの王族は公主ムティクを残し逃走
降伏した公主をケサルの側室に迎えペルヲの征服を完了、ペルヲにはトゥンキョンを駐留させる
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、パセン、デンマ、センタク、ガデ、ロンツァ・タゲン、トトゥン、ラグーなど
魔:ラモ、チンゴンなど
ホル:シェンパ、タンツェ、シェンツァなど
ジャン:ユラなど
モン:トゥンキョンなど
タクシク:シェルカル
ンガリー:ダサン(zla bzang rgyal po)
■ 主なキャラ
ノルプ・ラサン(ནོར་བུ་ལྷ་བཟང / nor bu lha bzang) / ノルサン
人物:
ペルヲの王
二男三女の父。公主ムティクは三女
寄魂物を持つ。リン戦は乗り気ではなかったが臣下の暴走を止められなかった
事績:
リン軍が王城へ迫ると一族で山中へ逃走
トクグー・ヤメー(ཐོག་རྒོད་ཡ་མེད / thog rgod ya med)
人物:
ペルヲの王子・摂政(khri tshab)
ペルヲ戦における強敵の一人
事績:
リンの将軍たちを討つ。トゥンキョンに捕らえられる。バージョンによってはカンリ戦にリンの将軍として登場
所持:
槍戟:矛(skya ring dgyes pa)
弓矢:鉄弓(a mo mchog drug)
乗物:白馬(sprin dkar 'gying yag / khri dkar 'phur shes) / 馬(dung bya 'od dkar)
ンゴンシェー・ラウ・デムパ(ングンシェー / མངོན་ཤེས་ལྷའུ་ལྡེམ་པ / mngon shes lha'u ldem pa) / シェーチェン・ラウ・デムパ
人物:
ペルヲの大臣。テン四内臣(gung blon then gyi bzhi)の一人
ペルヲ戦における強敵の一人。神算と称される
事績:
宮中に潜入したトトゥンを捕らえる。天女に討たれる
シャリ・ザグー・ブムトゥプ(ཤ་རི་གཟའ་རྒོད་འབུམ་ཐུབ / sha ri gza' rgod 'bum thub)
人物:
ペルヲの大臣。テン四内臣(gung blon then gyi bzhi)の一人
ペルヲ戦における強敵の一人。夜叉の加護
事績:
リンの将軍たちを討つ。ダラに討たれる
十八大国その九
北方に位置するとされる国(突厥や吐谷渾と訳される)で、侵攻対象のクギェル・プー(sku rgyal bod)地域はアムド地方またはチベット全域を指している(吐蕃と訳される)
火槍(銃)はトゥクの戦士を象徴する武器として語られている
ケサル王伝の中でも屈指のボリュームで、登場人物も 600 人を超えるが、後々リン軍に加わる人物は少ない印象
動員状況から見てシャンシュン戦よりも後か
リンとトゥクだけでなくクギェル・プー視点もフィーチャーされている
また、ここでもタクロン部とオムプ部のもめ事が語られる
■ 概要
チェリ戦の後(3 年後?)、ケサルは戦神のお告げによりトゥクへの遠征を決定し軍を招集
一方、トゥクのトクグー王は後妻にそそのかされクギェル・プー地域に侵攻、デンティ王はケサルに救援を求める
ダラを総大将とする遠征軍は王兄タクマル率いるトゥク軍を破り、一方クギェル・プー軍もユドゥク・タクパ率いるトゥク軍を撃退する
トゥク領内へ侵攻したリン軍は王城を目の前にして苦戦を強いられるが、クギェル・プー軍が合流したことで形勢は逆転
トクグー王は偽降伏で油断させダラを拉致しようとするが、ロンツァ・タゲンらに計略を見破られ失敗
トトゥンの言動を発端にしたタクロン部とオムプ部の争いが、リン軍全体を巻き込む内乱へと拡大するが、敵味方に分かれたある兄弟の悲劇により停戦
ダラは内乱の処理に頭を悩ませるが、天母の策によりタクロン部とオムプ部の和解に成功
徹底抗戦を決めたトクグー王やチャナクを討ちトゥクの征服を完了、トゥクにはシェンパらホル軍を駐留させる
■ 動員
リン:ダラ、ニブム、ユティ、リンチェン、デンマ、センタク、ガデ、ロンツァ・タゲン、トトゥン、ラグーなど
魔:ウティ・レクパなど
ホル:シェンパ、ナムラ・トクベプ、シェンツァなど
ジャン:ユラ、ペトゥル、クチュク長官ペーマ、ミリ長官タクツェンなど
モン:トゥンキョン、ダワなど
タクシク:シェルカルなど
ソクポ:ルティ・ダウー(klu khri zla 'od)、タクマル、リンチェン、千戸長アタク、ナムカ・トクスンなど
アタク:ニマ、ンガムチェンなど
チェリ:ラモなど
シャンシュン:タクモ
クギェル・プー:タクパ・ルントゥプ(gtsang sras grags pa lhun grub)、タクラ・ユルギェル(ngom stag ra g.yul rgyal)など
■ 主なキャラ
ユルギェル・トクグー(གཡུལ་རྒྱལ་ཐོག་རྒོད / g.yul rgyal thog rgod)
人物:
トゥクの王。勇士たち(g.yul rngog)を率いる
兄タクマル・ナムラ・ツェンポ(stag dmar gnam lha btsan po)と三人?の弟たちがいる。天女を後妻に迎える
トゥク王選出の際大臣チャナク・ミクチクの推薦を受けた。武勇に優れておりリンの大将クラスを物ともしない。複数の寄魂物を持つ。前世はインドの呪術師。妻とその姉妹たちに振り回される?
事績:
リンの将軍たちを討つ。ナンセル・ユタクに討たれる
所持:
刀剣:奪命刀(mthong ba srog chod / reg chod srog gi spu gri)/ 火星刀(reg chod zi ra)
槍戟:短矛('bar ba'i thog mdung)
変種:縄(khyung 'dzin sbrul zhags) / 魔縄(srog gi spu gri)
弓矢:鉄弓(nam mkha' 'brug grags)
火器:火槍(gza' rgod khra ring) / 火槍(dmar mo thog 'bebs / dmar po srog bdud) / 短火槍(mi zad 'khor lo)
乗物:馬(skar mda' khra ril) / 馬(rab dkar khri skyid / nyi ma khri skyid) / 馬(smug nag 'phur shes) / 馬(shwa rkyang mchu dkar) / 馬(me ri 'gyug shes)
セルリン・センケ・タクパ(གསེར་གླིང་སེང་གེ་གྲགས་པ / gser gling seng ge grags pa)
人物:
トゥクの大臣。中トゥク防衛の主将
トゥク王選出の際ユネ・ユドゥク・タクパ(g.yu ne g.yu 'brug grags pa)を推薦した。侵攻に対しては慎重派
トゥク戦における強敵の一人
事績:
ユラなど四人がかりで捕らえられる。ミヌプ戦においてリンの将軍として登場
所持:
乗物:馬(gser bya lding chen) / 馬(ngang dkar zhur yon / rag dkar sngo zhur)
アンゴン・チャナク・ミクチク(アングン / ཨ་མགོན་བྱ་ནག་མིག་གཅིག / a mgon bya nag mig gcig)
人物:
トゥクの大臣。クギェル・プー侵攻軍の一人
トゥク王選出の際トクグーを推薦した
トゥク戦における強敵の一人。後半の主力。ネパールに逃げて帰れなくなるなど前半は良い所がない
事績:
リン軍に敗れペルポ(bal po / ネパール)に逃れる。トクグー王に召還され復帰。リンの将軍たちを討つ。最後まで抵抗するがセンタクに討たれる
所持:
刀剣:火炎刀(me 'od glog lce) / 食肉刀(sdig pa sha zan)
槍戟:標槍(zhags ri rab rdul)
変種:鉄輪(gnam lcags mtshon cha 'kor lo)
弓矢:鉄弓(nam mkha' thog 'bebs)
火器:火槍(srog bdud 'bum thub) / 雷箭(nyen skyel thog dmar / khra ring thog 'bebs)
乗物:馬('brong g.yag khyug gshog) / 馬('phar ba rgyug 'dzom)
タクグー・キュンディン(སྟག་རྒོད་ཁྱུང་ལྡིང / stag rgod khyung lding) / タクグー・キュンギェル(stag rgod khyung rgyal)
人物:
トゥクの将軍。鷲虎雷三将のうち虎将(stag)
トゥク戦における強敵の一人。幻術の使い手
事績:
偽降伏作戦を指揮。ガデに捕らえられる
所持:
刀剣:霹靂刀(gnam lcags 'bar ba brgya chod / gnam lcags thog lce 'bar ba)
トンモイ・シドゥー・ナクゴ(grong mo'i shi bdud nag mgo)
※上記
ンガダク・デンティ(མངའ་བདག་གདན་ཁྲི / mnga' bdag gdan khri)
人物:
クギェル・プーの王
事績:
トゥクの侵攻を受けケサルに救援を要請。リン軍の勢いを借りトゥクへ軍を派遣
十八大国その十(必ずしも十八大国に含まれるわけではない)
おそらく西方から南方ぐらいに位置する国(ヴァレンドラ地方?)
カンリ戦ではカンリ(ラダック地方)の周辺国とされている
シェンパがトゥク戦で死亡したという設定を採用しており、後継者シェンツァの活躍に焦点があてられている
チェリ戦のバージョンの中にはベラ戦の後としているものも
トゥクの技術である木鳥(shing bya)が登場している(以降のエピソードでもしばしば登場)
■ 概要
トゥク戦の後、空行母のお告げによりリヌプ(ミヌプ)征伐を開始、途中ベラまで軍を進める
ベラ王ラツェンはリンに従う方針を決めるも、トトゥンのせいで決裂し戦いとなる
リン軍はリンチェン・タルルなどを失いながらも、大臣ラドゥや将軍タナク・ラマなどを討ちベラ軍を追い詰める
降伏を受け入れベラを収めた後、リン軍は改めてリヌプ(ミヌプ)を目指す
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、ユティ、リンチェン、デンマ、センタク、ガデ、トトゥン、ラグーなど
魔:ラモ、ウティ・レクパ
ホル:シェンツァ、ンガムチェンなど
ジャン:ユラ、ペトゥルなど
モン:トゥンキョン、ダワなど
タクシク:シェルカル
ソクポ:タクマル、リンチェン、ナムカ・トクスンなど
アタク:ニマ、ラプ・シェルカルなど
チェリ:チュートゥプ
トゥク:シドゥー
クギェル・プー:タクパ・ルントゥプ(gtsang sras grags pa lhun grub)、ワンチュク・ギェルツェン(mgar dbang phyug rgayl mtshan)など
■ 主なキャラ
ラツェン・トクグー(ར་བཙན་ཐོག་རྒོད / ra btsan thog rgod)
人物:
ベラの王
事績:
周囲に説得され渋々降伏
ジャン・タナク・ラマ(འཇང་རྟ་ནག་བླ་མ / 'jang rta nag bla ma)
人物:
ベラの将軍
ベラ戦における強敵の一人。なかなか死ねない
事績:
戦況を悲観し二度自決するが、その度に神仙が生き返らせる(そのまま転生させると巨悪になるため)。シェンツァに討たれる
所持:
刀剣:南刀(dgra mtha' gcod pa / stag mo reg gcod / stag mo rbad gcod)
ラダ・チダク・ヤメー(ra 'dra 'chi bdag ya med)
※上記
ラドゥー・ルドゥー・ンガルマ(ར་བདུད་ཀླུ་བདུད་ངར་མ / ra bdud klu bdud ngar ma)
人物:
ベラの大臣
ラダの兄弟。ラツェン王の親族という可能性も?
ベラ戦における強敵の一人
事績:
センタクに討たれる
所持:
刀剣:立断刀(stong chen hab gcod / zer ma lcags gcod)
弓矢:毒弓(me chen 'brug grags)
十八大国その十一
リヌプ綢緞国(ri nub dar rdzong)とも表記され、ともにミャンマーを指す
インドの下部かつ漢地の上方でベラの右側とされている(地図の南北を逆に見るかたち?チベット世界観の独特な表現?)
上ミヌプ、中ミヌプ、下ミヌプが存在し、三人姉弟が治めていた(うち中ミヌプ王は亡くなっており下ミヌプと統一されている)
火槍(銃)や熱気球などが登場する
■ 概要
ベラ戦の後、その友邦国であるミヌプはリン軍への対応を巡って意見が分かれ、強硬派の中・下ミヌプは臨戦態勢に入る
空行母のお告げによってミヌプの動きを知ったケサルは、ミヌプを平定すべく進軍を開始する
中・下ミヌプは対リン恭順派の上ミヌプに侵攻するが、上ミヌプの救援に駆けつけたリン軍に撃退される
ケサルは得意の変化によって敵地に潜入し大臣チャティらを暗殺、女王タルルの寄魂物を破壊した上でタルルを討つ
中・下ミヌプは大臣ダティや魔臣ティトゥプらを中心に抵抗を続けるが、リン軍には敵わず鎮圧される
戦利品を巡りアタク、ホル、北地が揉めたりしつつも、ミヌプは女王ラルの下統一され、ミヌプの平定が完了する
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、ユティ、デンマ、センタク、ガデ、ロンツァ・タゲン、トトゥン、ラグー、ミチュンなど
魔:ラモ
ホル:シェンツァなど
ジャン:ユラなど
モン:トゥンキョンなど
ソクポ:タクマルなど
アタク:ニマなど
トゥク:セルリンなど
ベラ:タンセー・ルントゥプ(thang sras lhun grub)など
上ミヌプ:ユドゥク・トクツェン(g.yu 'brug thog btsan)、ナング・メトク・タクパ(snang ngu me tog grags pa)など
■ 主なキャラ
ラル・ドンモ(ラル・ドゥンモ / ལྷ་ལུ་སྒྲོན་མོ / lha lu sgron mo) / ラドン(ラドゥン / lha sgron)
人物:
上ミヌプの女王
タルルの妹。兄の中ミヌプ王ユドゥク(g.yu 'brug)は故人
空行母の化身
事績:
リンへの恭順を決定しタルルを説得するが物別れとなる。ミヌプの統一女王となる
所持:
刀剣:宝剣(srid gsum g.yug chod / 'jig rten g.yug chod)
槍戟:火矛(me sbrul 'phrul gyi rang 'bar)
変種:縄(mu stegs rlung 'dzin)
乗物:馬(gyi ling pho chen)
タルル・ドンモ(タルル・ドゥンモ / དར་ལུ་སྒྲོན་མོ / dar lu sgron mo) / タルドン(タルドゥン / dar sgron)
人物:
下ミヌプの女王で中ミヌプの君主も兼任
ラルの姉。弟の中ミヌプ王ユドゥク(g.yu 'brug)は故人
寄魂物を持つ
事績:
リンへの徹底抗戦を決める。ケサルに討たれる
所持:
弓矢:毒弓(a long 'khyil can)
乗物:孔雀馬('od phrug rma bya sding 'gyur / rma bya je mgyogs / g.yu bya rti'u sngon)
チャティ・ブムパ(བྱ་ཧྲི་འབུམ་པ / bya hri 'bum pa)
人物:
下ミヌプの大臣(bka' blon)
ミヌプ戦における強敵の一人
事績:
上ミヌプ侵攻。負傷撤退。ケサルらに暗殺される
所持:
刀剣:弯鈎刀(smug po thul 'khyil)
ダティ・ブムパ(རྡ་ཧྲི་འབུམ་པ / rda hri 'bum pa)
人物:
下ミヌプの大臣(bka' blon)
ミヌプ戦における強敵の一人。幻術の使い手
事績:
中ミヌプ防衛戦。ダラに討たれる
所持:
乗物:馬(rlung gcod 'tshub shes)
イェーチュー・ティトゥプ(ཡས་ཆོད་ཁྲི་ཐུབ / yas chod khri thub) / ヤメー・ティトゥプ(ya med khri thub)
人物:
下ミヌプの将軍。魔臣(bdud rje)七兄弟の一人
ミヌプ戦における強敵の一人。幻術の使い手
事績:
中ミヌプ防衛戦で最後まで抵抗。ケサルに捕まる
十八大国その十二(バージョン 1)
北方に位置するとされる国(現在メリンはアメリカを指す言葉だがここでは無関係)
リヌプ(ミヌプ)の技術である飛船が登場している
前提となるエピソードは不明だが、トゥク戦やミヌプ戦以降と思われる
■ 概要
メリンの王弟ダガが一乞食として国を追われ、リンへ向かう
天母のお告げを受けたケサルはダガを迎え入れ、メリンの窮状を救うべくメリン討伐に立つ
ダガの情を汲みティツン王に向け降伏勧告を行うが、拒否され戦いとなる
当初は互角に戦いを進めたメリン軍だが、要所の雑曲河を奪われると一気に崩れ王城に迫られる
リヌプの飛船により王城は陥落、ティツン王親子を撃破した後、メリン領はダガに任せられる
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、ユティ、リンチェン、デンマ、センタク、ガデ、ロンツァ・タゲン、トトゥン、ラグーなど
魔:ラモなど
ホル:シェンツァなど
ジャン:ユラなど
モン:トゥンキョン、ダワなど
ソクポ:タクマル、リンチェンなど
チェリ:チュートゥプ
カチェ:ユドゥク・トクグー(g.yu 'brug thog rgod)
トゥク:センケ、シドゥーなど
ベラ:ラダ
■ 主なキャラ
ナムル・ティツン(གནམ་རུ་ཁྲི་བཙུན / gnam ru khri btsun) / ティツン・ロクマル(khri btsun glog dmar)
人物:
メリンの王。勇士たち(rta rtul)を率いる
ナムル(gnam ru)王の三人息子の一人。タティ(rta khri lha bdud)とダガの兄。チョヲの父
暴虐な性格で民衆を苦しめる
事績:
ダガ・ニマを獄死させようとする。乞食に化けたダガを知らずに追放。最後まで抵抗するがセンタクに討たれる
チョヲ・ナムラ(ཇོ་བོ་གནམ་ར / jo bo gnam ra)
人物:
メリンの王子
ティツン王の息子
王を諫める冷静さと激しい戦いぶりが語られる
事績:
最後まで抵抗。ユティを討つ。ケサルが慈悲の心を見せ浄土へ送る
チャラ・ワンル・ラプツェン(བྱ་ལྷ་དབང་རུ་ལྷ་བཙན / bya lha dbang ru lha btsan)
人物:
メリンの将軍。先遣三大将の一人
ドゥルラとシンジェ・ンゴマル(gshin rje ngo dmar)の兄弟?
メリン戦における強敵の一人
事績:
ユラに討たれる
ドゥルラ・メルチェ・ロクマル(སྦྲུལ་ལྷ་མེ་ལྕེ་གློག་དམར / sbrul lha me lce glog dmar)
人物:
メリンの将軍。先遣三大将の一人
チャラとシンジェ・ンゴマル(gshin rje ngo dmar)の兄弟?
メリン戦における強敵の一人。リン軍の主力クラスを退ける
事績:
捕らえられ降伏を受け入れずに生き埋めにされる
ダガ・ニマ(ཟླ་དགའ་ཉི་མ / zla dga' nyi ma) / クラ・トクギェル(gu ra thog rgyal)
人物:
メリンの王子
ナムル(gnam ru)王の三人息子の一人。ティツンとタティ(rta khri lha bdud)の弟。デンマの娘婿
弓の腕前。兄たちから疎まれる。ケサルからクラ・トクギェルの名を与えられる
事績:
兄に投獄されるが脱出。乞食として追放された後リンへ。リン軍の一員としてメリンへ。戦後メリンの統治を任される
所持:
刀剣:蛇剣(sbrul nag me 'bar)
槍戟:長矛(srin po rme? 'dul)
変種:縄(sprin 'dzin glog 'khyug)
乗物:馬(bye ma □ khyebs)
十八大国その十二(バージョン 2)
バージョン 1 同様、北方に位置するとされる
リン側の登場人物は少なくミニマムな編成となっているが、ギャツァの活躍で補っている
精鋭ぞろいということもあってか指揮官クラスの被害描写は少ないが、それなりに苦戦はしている様子
トゥク戦の後とされるが、ベラ戦~ミヌプ戦との前後は不明
火砲や象型兵器などが登場
■ 概要
トゥク戦の一年半後、天母のお告げでメリンによる侵攻計画を知る
ケサルは軍を招集しメリンへ、パドマサンバヴァより遣わされた兄ギャツァも加わる
メリンに入り妖術や地形に悩まされるもギャツァの喝を受け何とか立て直すと、リン軍は一路王宮を目指す
四方の将軍や匪盗七兄弟、そしてタクラ王自身も退けられ、メリン軍には絶望感が漂う
タクラ王らは黒呪師の言を受け伽地('ja' yul)へ逃亡を図るも討たれ、メリンの地は 11 歳の少年ダティ・トゥンキョン(zla khri dung skyong)に任される
■ 動員
リン:ケサル、ギャツァ、ダラ、ユティ、デンマ、センタク、ガデ、ロンツァ・タゲン、トトゥン、ラグー、ミチュン
魔:ラモ、アヌ・タショク(a nu khra shog)
モン:トゥンキョン
チェリ:チュートゥプ
トゥク:タクグー・ギュルメー(stag rgod 'gyur med)、センラン・ドルジェ・タプツェン(seng rang rdo rje khab btsan)
■ 主なキャラ
タクラ(བྲག་ལྷ / brag lha)
人物:
メリンの王。勇士たち(stag 'phen)を率いる
弟トゥクリ・メバル(dug ri me 'bar)と息子トンリ・ブムトゥプ(stong ri 'bum thub)がいる
一応民衆の目を気にしたりはする
事績:
リンへの侵攻を企てる。批判的な弟や老臣を投獄。最後は伽地へ逃亡を図るがギャツァに討たれる
所持:
刀剣:刀剣(lcags rdo ling chod)
乗物:黒馬(bdud 'brong nag po)
トプチェン・グードン・ナクポ(སྟོབས་ཆེན་རྒོད་འབྲོང་ནག་པོ / stobs chen rgod 'brong nag po)
人物:
メリンの将軍。西方の首領(dpon po)
メリン戦における強敵の一人。ケサルとも互角に渡り合う
事績:
王や王子を失うが最後まで抵抗。ケサルに討たれる
所持:
刀剣:断山刀(ri bo rbad chod)
槍戟:長矛(zer ma dug lce) / 丳戈(gnam lcags ngar ma'i gsal shing)
乗物:紅虎(rgya stag dmar po / rgya stag ngar chen)
トプギェル・タクモ・リタ(སྟོབས་རྒྱལ་སྟག་མོ་རི་བཀྲ / stobs rgyal stag mo ri bkra)
人物:
メリンの将軍。東方の首領(dpon po)
メリン戦における強敵の一人
事績:
チュートゥプに討たれる
所持:
乗物:馬(khyung rgod 'phur shes)
ヤクギェル・トゥル・ブムガ(གཡག་རྒྱལ་ཐུ་ལུ་འབུམ་དགའ / g.yag rgyal thu lu 'bum dga')
人物:
メリンの将軍。南方の首領(dpon po)
メリン戦における強敵の一人
事績:
トゥンキョンに討たれる
所持:
乗物:馬(stong gsum yul skor)
キェーパイ・ラガ(སྐྱེས་པའི་ལྷ་དགའ / skyes pa'i lha dga')
人物:
メリンの将軍。アヤン匪盗(a yan jag pa)七兄弟の首領(jag dpon)
メリン戦における強敵の一人。ジャル戦で盗賊団が登場するが関連性は不明
事績:
王らの逃亡計画を待てず、独断で伽地へ逃亡
所持:
刀剣:刀剣(lcags rdo ling chod)
十八大国その十三(バージョン 1)
西方に位置するとされる(ラダック地方のこと)
ベラやティンロン、チェリなどが周辺国となっている
ベラがリンに従属した後の話と見られるが、ベラの位置描写にズレがあるので別の国という可能性も(ミヌプ戦やメリン戦との前後は不明)
シェンパがトゥク戦で死亡、ラグーがカチェ戦で死亡という設定を採用している
バージョン 2 同様にピタ(bi tra)五子が登場するが名前が異なる(ngoms bdud dpung ring、stong khri rab dga'、'bum thub bdud rgod lan med、rgya shod stong bdud、nang chen khri dgra lag dmar)
■ 概要
トゥク戦の後、カンリのションヌ王はリンに従属を決めた周辺国ベラに侵攻
パドマサンバヴァのお告げによりカンリの動きを知ったケサルは、カンリの圧力を受けるベラ、チェリ、タマル(rta dmar)からの救援要請を受け出陣
ピタ五子を主力とするカンリの侵攻軍と遭遇したリン軍はこれを破り、撤退に追い込む
カンリ国境付近での戦いのさなか、ユラやトゥンキョンが捕虜となる事態が起こるが、ケサルを慕う敵将ティンロン・ラグーにより無事救出される
三路から押し寄せるリン軍を食い止められず、ションヌ王は討ち死にしカンリは降伏、カンリ領はティンロン・ラグーに任される
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、パセン、リンチェン、デンマ、センタク、ガデ、ロンツァ・タゲン、トトゥン、ドンツェン、ミチュンなど
魔:ラモ、チンゴンなど
ホル:シェンツァ、タンツェなど
ジャン:ユラ、ユティなど
モン:トゥンキョン、ダワなど
タクシク:シェルカル
ソクポ:タクマル、リンチェン、ナムカ・トクスンなど
アタク:ニマなど
チェリ:チュートゥプ
シャンシュン:タクモなど
カチェ:ティンシューなど
トゥク:シェーラプ(shes rab grags pa)
ベラ:センティ(seng khri dom mgo)
■ 主なキャラ
ションヌ・ガヲ(གཞོན་ནུ་དགའ་བོ / gzhon nu dga' bo)
人物:
カンリの王。勇士たち(dom thul)を率いる
魔王の生まれ変わり。寄魂物を持つ
事績:
批判的な老臣を罷免。最後まで抵抗するがケサルに討たれる
所持:
刀剣:毒剣(ngar ma reg gcod / dug lce 'bar ba)
ンゴムドゥー・プンリン(ངོམས་བདུད་དཔུང་རིང / ngoms bdud dpung ring)
人物:
カンリの大臣(blon chen)。ベラ侵攻軍
ピタ(bi tra)五子の長兄
カンリ戦における強敵の一人
事績:
ベラからの撤退戦でデンマに討たれる
所持:
刀剣:夜叉刀(srin po'i khrag 'thung / gshin rje'i khram shing)
弓矢:雷霆弓('brug sgra stong ldir)
乗物:黒馬(bya nag lding shes)
ティンロン・ラグー・ンガムツェン(མཐིང་རོང་ལྷ་རྒོད་རྔམ་བཙན / mthing rong lha rgod rngam btsan)
人物:
カンリの大臣(blon po)。北路(上ラダック)の守将
王への忠誠とケサルへの敬意で板挟み。名前から見てティンロンの出身か?
事績:
ケサルからの信書を受けユラやトゥンキョンらを密かに救出。センタクに捕まり降伏。戦後カンリを任される
カチェ・トプデン(ཁ་ཆེ་སྟོབས་ལྡན / kha che stobs ldan)
人物:
カンリの内臣(nang blon)。国境警備軍
カンリ戦における強敵の一人
事績:
リンの将軍たちを討つ。ダラに討たれる
所持:
刀剣:大刀(so kha mun 'thibs / mun pa'i so kha)
ワンティ・ツェングー(དབང་ཁྲི་བཙན་རྒོད / dbang khri btsan rgod)
人物:
カンリの内臣(nang blon)
カンリ戦における強敵の一人
事績:
王と共に最後まで戦うがチュートゥプに討たれる
タクパ・ブムガ(གྲགས་པ་འབུམ་དགའ / grags pa 'bum dga') / タクブム / タクパ・ブムグー(grags pa 'bum rgod)
人物:
カンリの百戸長(brgya dpon)・万戸長(khri dpon)。国境警備軍。ティンロンでは十万戸長('bum dpon)を称する
ティンロン戦にも登場。強さの描写はないがしぶとい
事績:
ユラやトゥンキョンを捕虜にする。万戸長に出世。国の命運が尽きたと見るやティンロンへ逃亡
ティンロンではタクグー王を唆し戦争を引き起こす。最後はユラに捕らえられ犬扱いされる
十八大国その十三(バージョン 2)
バージョン 1 同様に西方に位置するとされる
同じ語り手なのかペルポ戦の設定が引き継がれており、トゥク戦以降との前後は不明だがスムパ戦は終わっている様子
また、リンの公子たち(ドン族八公子)の活躍に焦点が当てられているのが特徴的
バージョン 1 同様にピタ(bi tra)五子が登場するが名前が異なる(me skyes stong 'joms、chu skyes bzlog med、sa skyes khri thub、gnam skyes dpung ring、rlung skyes ngom nag)
■ 概要
漢訳を確認できないので細部は不明
タクロン部とカンリが戦うところから始まっている(お告げを受けたトトゥンがカンリに攻め入るが敗れる?)
その後ケサルが軍を招集、カンリ軍と交戦、ピタ五子、トゥクツァ(dug tsha)九子、ロデ(lho sde)九子らが次々と登場
最終的にションヌ王を討ち、カンリの大臣ラロン・ペンタク(lha blon 'phen rtags)あたりに戦後処理させたか
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、パセン、デンマ、センタク、ガデ、ロンツァ・タゲン、トトゥン、ラグーなど
魔:ラモなど
ホル:シェンパ、タンツェ
ジャン:ユラ
モン:トゥンキョン
タクシク:シェルカル
ソクポ:ユントゥン(g.yung drung 'chi med)
アタク:ニマ
チェリ:チュートゥプ
ンガリー:ダサン(zla bzang rgyal po)など
ペルヲ:トクグー(thog rgod ya med)
■ 主なキャラ
ションヌ・ガヲ(གཞོན་ནུ་དགའ་བོ / gzhon nu dga' bo)
人物:
カンリの王
ダワ・タルギェー(gzhon skyes zla ba dar rgyas)という息子がいる
魔王の生まれ変わり
事績:
息子をトトゥンに殺される。おそらくケサルに討たれる
所持:
刀剣:刀剣(mun pa sgo brgyad)
乗物:馬(khri dkar stong rgyugs)
メキェー・トンジョム(མེ་སྐྱེས་སྟོང་འཇོམས / me skyes stong 'joms) / メキェー・トンゾム(me skyes stong 'dzoms)
人物:
カンリの将軍
ピタ(bi tra)五子の一人
カンリ戦における強敵の一人
事績:
おそらくトゥンキョンに討たれる
所持:
乗物:馬(me bya khri rgyugs)
チュキェー・ドクメー(ཆུ་སྐྱེས་བཟློག་མེད / chu skyes bzlog med)
人物:
カンリの将軍
ピタ(bi tra)五子の一人
カンリ戦における強敵の一人
事績:
最終盤まで抵抗を続け、おそらくダラ達に討たれる
所持:
槍戟:黒矛(ri bo dgu phug)
十八大国その十四(必ずしも十八大国に含まれるわけではない)。ティンケ鉄国(mthing ge lcags rdzong)とも
おそらく西方から北方ぐらいに位置する国(ムクク戦では西方と明示)。カンリ(ラダック)の周辺国とされる
斧使いが目立つ
■ 概要
カンリ戦の後、リン軍はティンロンに逃げ込んだタクパ・ブムガを追う
ティンロンでは一旦リン軍と和平を結ぶことでまとまりかけるが、タクパ・ブムガに煽られたタクグー王は徹底抗戦を誓う
三路に分かれたリン軍は、ルツァ(klu tsha)五子やタクパ・ブムガが率いるティンロン軍を打ち破りながら王城を目指す
最後はケサルがタクグー王に仏道を説き改心させ、ティンロンの征服を完了
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、ユティ、デンマ、センタク、ガデ、ロンツァ・タゲン、トトゥン、ドンツェンなど
魔:ラモ、ウティ・レクパ
ホル:シェンツァ、ンガムチェンなど
ジャン:ユラ、ペトゥル、クチュク長官ペーマなど
モン:トゥンキョン、ダワなど
タクシク:シェルカル
ソクポ:タクマル
チェリ:シワ(zhi ba 'od dkar)
カチェ:ティンシュー
ンガリー:ノルサン
■ 主なキャラ
タクグー・ンガムツェン(སྟག་རྒོད་རྔམ་བཙན / stag rgod rngam btsan)
人物:
ティンロン(ティンケ)の王。勇士たち(zla thul)を率いる
寄魂物を持つ。それなりの武力
事績:
対峙したケサルの言葉に打たれ降伏。ムクク戦ではリンの将軍として登場(死亡)
所持:
刀剣:飲血刀(sring po khrag 'thung) / 食肉刀(sdig pa sha bzan)
乗物:馬(rlung nag 'phur shes)
タルマ・ブムトゥプ(དར་མ་འབུམ་ཐུབ / dar ma 'bum thub) / タルブム(dar 'bum)
人物:
ティンロンの大臣(bka' blon)
ルツァ五子の一人。大魚の腹の中で育った五兄弟
ティンロン戦における序盤の強敵
事績:
リンの将軍たちを討つ。大岩に潰される
所持:
斧鎌:閃電斧(me 'od glog zhags)
乗物:西寧馬(zi ling rkyang bu 'phur shes)
ハラ・メバル(ཧ་ལ་མེ་འབར / ha la me 'bar)
人物:
ティンロンの将軍
ルツァ五子の一人。大魚の腹の中で育った五兄弟
ティンロン戦における中盤の強敵。かなりのキル数
事績:
リンの将軍たちを討つ。チュートゥプに討たれる
所持:
斧鎌:霹靂斧(dgra sta ngar ma / dgra sta g.yug pa)
乗物:火光馬(me 'od rlung shugs) / 火炎双翼馬(me gshog rgyug pa / me gshog dmar po)
トゥクド・ンゴナク(དུག་རྡོ་ངོ་ནག / dug rdo ngo nag)
人物:
ティンロンの将軍
ルツァ五子の一人。大魚の腹の中で育った五兄弟
ティンロン戦における終盤の強敵
事績:
リンの将軍たちを討つ。ガデに討たれる
所持:
斧鎌:天鉄斧(gnam lcags dgra sta ngar ma)
乗物:黒紫馬(smu gu 'cham shes) / 烏鴉馬(bya rog lding shes)
十八大国その十五(必ずしも十八大国に含まれるわけではない)
おそらく北方に位置する国で、トゥクの向こう側で大海のこちら側と表現される(sum pa はアムド地方の一部で蘇毗とも)
ケサルの隠遁生活の描写から、メリン戦、ティンロン戦以降でムクク戦以前と考えられる
全伝ではカンリ戦の後、文庫ではメリン戦の後においている
全体的にサクサク進軍している印象だが、主力クラスを討つほどの強敵も存在
■ 概要
トトゥンがスムパ王クンツェンの娘をさらい、一族の公子マニ・カラの妻とする
スムパから出された捜索部隊はトトゥンを拉致すると、トトゥンからの情報によりリンの隊商を襲撃、荷主であるニブムやユティと交戦
パドマサンバヴァのお告げやニブムらの報告を受けたケサルはスムパ討伐を決意、軍を招集する
リン軍はカチェ・ティンシュー、ソクポ・リンチェン、モン・トゥンキョンらの犠牲を払いつつもスムパ王城まで進軍
逃亡したクンツェン王をケサルが説得、城内の降伏を受け入れスムパの征服を完了する
戦後ケサルは修行のため隠遁生活に入る
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、ユティ、デンマ、センタク、ガデ、ロンツァ・タゲン、トトゥン、ミチュンなど
魔:ラモ
ホル:シェンツァ、タンツェ
ジャン:ユラ、クチュク長官
モン:トゥンキョンなど
タクシク:シェルカル
ソクポ:タクマル、リンチェン、ナムカ・トクスンなど
チェリ:チュートゥプ
カチェ:ティンシューなど
トゥク:シドゥー
ベラ:ラダ
■ 主なキャラ
クンツェン・ティギェル(གུང་བཙན་ཁྲི་རྒྱལ / gung btsan khri rgyal)
人物:
スムパの王
トゥンダ・ウーカル(dung zla 'od dkar)とメトク・ツォモ(me tog mtsho mo)という二人の娘がいる
羅刹の生まれ変わり
事績:
トトゥンに娘メトクをさらわれる。リン軍が王城に迫ると我先に逃亡。追ってきたケサルの言葉に打たれ降伏
トクグー・メバル(ཐོག་རྒོད་མེ་འབར / thog rgod me 'bar) / トクグー・バルワ
人物:
スムパの大臣(blon chen)。東路十万の大将
スムパ戦における強敵の一人。漢訳版ではスムパのユントゥン・トクグー(g.yung drung thog rgod)と混同?
事績:
タクロン部へ潜入。本営での決戦でトゥンキョンと相討ち、またはデンマに討たれる
所持:
刀剣:鳴鐘刀(sing sgra 'khyil ler)
乗物:銅色馬(zangs dmar khyung chen)
プンドゥー・ラクマル(ཕུང་བདུད་ལག་དམར / phung bdud lag dmar)
人物:
スムパの大臣(blon po)。西路十万の大将
スムパ戦における強敵の一人
事績:
タクロン部へ潜入。タクロンの大臣トツァ・マルレプに化けトトゥンを拉致。トゥンキョンに討たれる
所持:
刀剣:青玉刀(khri gcod g.yu sngon / me lce reg chod)
槍戟:紅纓矛(ba dan rlung g.yab)
乗物:黄黒馬(kham nag sha zan)
ユドゥク・トチュ・トゥクナク(གཡུ་འབྲུག་ཁྲོ་ཆུ་དུག་ནག / g.yu 'brug khro chu dug nag) / トチュ・ナクポ
人物:
スムパの大臣(blon chen)。スムパ三ナクポの一人
スムパ戦における強敵の一人
事績:
カチェ・ティンシューやソクポ・リンチェンらを討つ。本営での決戦でガデに討たれる
所持:
刀剣:大刀(bzang 'od ngar chen)
弓矢:鉄弓(thog 'od leb chen)
乗物:戦馬(rkyang mo lding shes)
十八大国その十六
東方に位置するとされる
ケサルの隠遁生活の描写からスムパ戦の後と考えられる
話者によっては中盤あたりに置いている(シェンパやシェンツァの描写を見るとそれもありうる)
武将数の割に強敵は多くない印象
トトゥンの水晶飛船(ステルス機能付き)が活躍する
■ 概要
シャンシュン戦の後、隠居したケサルに空行母のお告げが下りムクク遠征が決まる
ダラを主将とするリン軍はムクク領内へ入ると制敵三将軍率いるムクク軍と交戦、これを撃退する
その勢いで王子ナムカイ・ロトゥーと龍精魔三大臣が固める三城を次々と攻略、ニマ王の援軍も退け三城を確保する
王都決戦にてケサルが直々にニマ王を討ち、残された王妃らが降伏し戦闘は終結する
戦後は王子ナムカイ・ロトゥーを新王に、将軍センケ・ダドゥルをティンロン王に、公主ヤンドンをシェンパの孫シェンツァの妻に迎えムククの征服を完了する
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、ユティ、リンチェン、デンマ、センタク、ガデ、ロンツァ・タゲン、トトゥン、ドンツェン、ラグー、ミチュンなど
魔:ラモなど
ホル:シェンパ、ンガムチェン、タンツェなど
ジャン:ユラ、ミリ長官タクツェン、クチュク長官ペーマ、ペトゥルなど
モン:トゥンキョン、ダワなど
タクシク:シェルカル
ソクポ:リンチェン、タクマル、ナムカ・トクスンなど
アタク:ニマなど
チェリ:チュートゥプなど
ティン:タクグー
■ 主なキャラ
ニマ・ツェンギェル(ཉི་མ་བཙན་རྒྱལ / nyi ma btsan rgyal)
人物:
ムククの王。ボン教総主。勇士たち(ha yang)を率いる
ナムカイ・ロトゥーやヤンドン・チューツォ(dbyangs sgron chos mtsho)の父
武勇もなかなか。家族に弱い一面も
事績:
ケサルに討たれる
所持:
刀剣:飲血刀(lcags nag gzi 'od khrag 'thung / lcags nag gzi 'od khams 'khrug)
乗物:騾馬('dzam gling nyi ma)
ジクメー・ナムカイ・ロトゥー(འཇིགས་མེད་ནམ་མཁའི་བློ་གྲོས / 'jigs med nam mkha'i blo gros)
人物:
ムククの王子
ニマ王の息子。ヤンドン・チューツォ(dbyangs sgron chos mtsho)の兄
事績:
三城防衛戦。ラモに捕らえられる。戦後ムクク王に
所持:
刀剣:百断刀(byang bu brgya chod)
ルジェ・カムスム・ソクダク(ཀླུ་རྗེ་ཁམས་གསུམ་སྲོག་བདག / klu rje khams gsum srog bdag)
人物:
ムククの大臣。龍精魔三大臣のうち龍君(klu rje)
ムクク戦における強敵の一人
事績:
三城防衛戦。シェンパに討たれる
所持:
刀剣:藍天剣(nam mkha' g.yug chod)
乗物:馬(g.yu 'brug dpung 'dzin) / 馬(khu byug 'phur shes)
センケ・ダドゥル(སེང་གེ་དགྲ་འདུལ / seng ge dgra 'dul) / センケ・グドゥル(seng ge dgu 'dul)
人物:
ムククの将軍。制敵(dgra 'dul)三将軍の一人。先遣部隊
事績:
辺境でリン軍に敗れる。王の不興を買い追放される。カンツァ・バルワ(rkang tsha 'bar ba)とともにリン軍に投降。戦後ティンロン王に
所持:
刀剣:食肉刀(dom nag sha bzan)
ツェンラ・バルワ(བཙན་ལྷ་འབར་བ / btsan lha 'bar ba)
人物:
ムククの将軍。十万戸長('bum dpon)
ムクク戦における強敵の一人。ドンツェンの愛馬を拝借
事績:
三城防衛戦。人材枯渇の中で十万戸長に就任。ティン王タクグーを討つ。シェンパに捕らえられ処刑される
所持:
刀剣:飲血刀(shang dkar dom nag khrag 'thung) / 意断刀(bsam gcod ngar ma)
弓矢:青龍弓(g.yu 'brug ra shing)
乗物:赤馬(rlung rta 'phar ba) / ユチャテウンゴン
十八大国その十七(必ずしも十八大国に含まれるわけではない)
南東に位置するとされる
西方でのウラン金子国(u lang gser khams)戦の後とされているが、ウラン戦が独立したエピソードとして存在するかは不明
ウラン戦がどのあたりに入るのかは不明だが、動員状況から見れば少なくともペルポ戦よりも後か(全伝ではムクク戦の後においている)
次のギャナク行は征服戦ではないためここが実質的な十八大国最終戦で、各勢力を結集したリン軍の登場武将はかなりの数となっている
若手(○○ sras)の活躍が目立っているのが特徴的で、特にウラン王子ブムチェーの描写は多い
ここでも飛船(ミヌプ製とウラン製)が登場
■ 概要
ウラン金子国との戦いの後、天女のお告げによりジャル遠征が決定する
天界からギャツァが合流し、ジャルの内情を知るウラン王子ブムチェーの案内を頼りにジャル領内へ攻め入る
辺境では匪盗六兄弟を撃破、要塞の攻防戦ではジャル王トクラの送り出した三大将を退ける
武力で敵わぬとみたジャル軍は、術師トクミン(thog min sgyu ma 'phrul shes)らによる幻術戦を仕掛けるが不発に終わる
王都決戦にて王兄センケ(seng ge dgra 'dul)やトクラ王を討ち取りジャルを降伏させると、王子トゥクリを新王に据えジャルの征服を完了する
■ 動員
リン:ケサル、ギャツァ、ニブム、ユティ、デンマ、センタク、ガデ、ロンツァ・タゲン、トトゥン、ドンツェン、ラグーなど
魔:ラモ、ウティ・レクパなど
ホル:シェンパ、シェンツァ、ンガムチェンなど
ジャン:ユラ、ペトゥル、ミリ長官タクツェン、クチュク長官ペーマなど
モン:トゥンキョン、ダワなど
タクシク:タクパ・ルントゥプ(grags pa lhun grub)、シェルカルなど
ソクポ:ルティ・ダウー(klu khri zla 'od)、タクマル、リンチェン、ナムカ・トクスンなど
アタク:ニマ、タクカル、ラプ・シェルカルなど
チェリ:チュートゥプ、ドンギェーなど
シャンシュン:タクモなど
カチェ:ティンシューなど
トゥク:センケ、シドゥーなど
ベラ:チダクなど
ミヌプ:ダサン・チョクガ(zla bzang mchog dga')など
ペルポ:ダティ・ロクシャク(zla khri glog zhags)
ウラン:ブムチェー・ティツェン('bum gces khri btsan)など
■ 主なキャラ
トクラ・ダドゥル(ཐོག་ལྷ་དགྲ་འདུལ / dbang btsan thog lha dgra 'dul) / ナムサ・トクツェン(bdud rje gnam sa thog btsan)
人物:
ジャルの王。勇士たち(be rtul)を率いる
センケ・ダドゥルの弟。トゥクリの父
寄魂物をもつ。若い王だが、悪のカリスマとしての将来性を危ぶまれ天界に目をつけられる。戦力が劣っているのは重々承知
事績:
ケサルに討たれる
所持:
刀剣:刀剣(reg gcod ngar ma)
トゥクリ・メバル(དུག་རི་མེ་འབར / dug ri me 'bar)
人物:
ジャルの王子
トクラの息子
事績:
捕虜となりケサルに諭され降伏。戦後ジャル王に
所持:
刀剣:刀剣(dug ral reg gcod 'bar ba)
乗物:馬(nag po lcags nag)
ティジェ・ルンナク・バルチャン(ཁྲི་རྗེ་རླུང་ནག་སྦར་བཅང / khri rje rlung nag sbar bcang)
人物:
ジャルの将軍。火水風三将のうち風将(rlung)
ジャル戦における強敵の一人。活躍期間はわずか
事績:
デンマに討たれる
所持:
刀剣:刀剣(dum ra stong chod)
弓矢:角弓(sngon mo leb chen)
乗物:馬(lcags rta 'phur shes)
ザグー・ハリ・メバル(གཟའ་རྒོད་ཧ་རི་མེ་འབར / gza' rgod ha ri me 'bar)
人物:
ジャルの将軍。火水風三将のうち火将(me)
ジャル戦における強敵の一人
事績:
王都決戦でガデに討たれる
所持:
刀剣:刀剣(dmar mo tshad gcod)
ナムカ・チダク・グーポ(ནམ་མཁའ་འཆི་བདག་རྒོད་པོ / nam mkha' 'chi bdag rgod po)
人物:
ジャルの将軍。トントゥプ匪盗(stong thub jag pa)六兄弟の首領(jag dpon)。辺境警備
事績:
王にリン軍の襲来を報告。ニブムに討たれる
十八大国その十八
東方に位置するとされる(中国のこと)
■ 概要
ギャ国の皇帝カラ・クンコン(ka ra kun kon)が龍王の娘ニマ・ティキー(nyi ma khri skyid)を后に迎える
天神、龍神、念神らはニマが実は羅刹の血肉から生じた存在であることを知り、計略をもって弱らせることに成功する
ニマはより強大な存在となるべく、己が復活するまで遺体を守るよう皇帝カラに言い含め一旦死ぬ
その話を聞いた小公主アコンチョ(a kong jo)は母の復活を阻止すべく、唯一その力を持つケサルを頼る
天母のお告げでその使命を知ったケサルは、アコンチョからの手紙に記された聖なる品々を苦労の末に揃える
十二人の伴を引き連れギャ国に入ると、ケサルは分身を使い皇帝との親睦に興じる一方で皇后の遺体を燃やしその復活を阻止する
激怒した皇帝はケサルを責め殺そうとするがケサルはそれを物ともせず、恐れを抱いた皇帝は最終的に和解する
ギャ国からの帰路、死期を悟ったシェンパの出迎えを受けその最期を看取る
ロン地(rong yul)ではチンゴンと生き別れだった家族(ロン王一家)が再会、話の流れで王太子ダラとロン王ウカル(rgyal ba dbu dkar)の娘(チンゴンの妹)アメン・ケータ(a sman sked phra)の結婚が決まる
■ 動員
リン:ケサル、デンマ、ガデ、トトゥン、ドンツェン、ミチュンなど
魔:チンゴン
他に十八大国としてあげられるのは
ギャカル仏法国(rgya gar chos rdzong)。ギャカル薬国(rgya gar sman rdzong)というバージョンも。インドを指す。おそらくジャル・リンあたりと入れ替えか。何ならこちらの方がメジャーなのかも
チリン鉄国(phyi gling lcags rdzong)
マアラヤ薬国(ma'a la ya sman rdzong)
ツァリ薬国(tsa ri sman rdzong)
トゥンカル虎国(dung dkar stag rdzong)
ペルリ米国(bal ri 'bras rdzong)
エンディングまでの流れ
■ 概要
アタク・ラモ死去 ~ 地獄行(『地獄救妻』)
ゴクモ死去 ~ 地獄行 ~ ロンツァ・タゲン死去(『地獄救母』)
センロン死去 ~ ダラに後事を託す ~ ケサルが天へ帰る(『安定三界』)