まったくの趣味でケサル王伝の関連人物やエピソードを紹介していきます。
ケサル王伝はチベットから中央アジアにかけて、吟遊詩人たちによって伝えられてきた一大長編叙事詩として知られています。
仏教的な世界観の中で、散文による語りの部分と韻文詩によるキャラクターたちの口上によって構成されているのが特徴です。
おそらく戦場における口上合戦や神仏への詠歌などが見せ場(詩人にとっての聞かせどころ)なのだろうと思います。
エピソードが数多く存在する上、それぞれに異なるバージョンが存在しており全貌を把握するのは無理そうです。
全ての内容において“バージョンによる”という但し書きがあるものと思ってください。
文学としてエピソードの繋がりを気にして作られたものではないため、数々の矛盾を抱えています(死んだはずの人物が後々登場したり、人間関係や人物像が違っていたり)。
エピソードの流れは『格萨尔文库』(上海古籍出版社)や『格薩爾王全傳』(降邊嘉措, 吳偉)などの情報をベースにしています。
漢訳版を頼りにして、あくまでも読めた範囲での情報をつづっていきます。
リン国は東チベットのあたりに位置すると見られ、かつて存在したリンツァン王国との関連性が指摘される
ケサル(ge sar / 格薩爾) / チョル(jo ru) / センチェン・ノルプ・ダンドゥル(seng chen nor bu dgra 'dul) / トゥーパ・ガワ(thos pa dga' ba)
人物:
リンの王。ムクポ氏幼系
天神の息子。センロン王とゴク妃(龍女メトク・ランゼーの転生)の息子
変化の術を多用。パドマサンバヴァやティソン・デツェンの生まれ変わりと語られる
生まれが 1027 年という説があるが、物語の成立はそれよりも古い。下ラダック版ではトゥントゥプ(don grub)。モンゴルのゲセルにあたる
事績:
地にはびこる悪を平定するため天より遣わされる。四方の四敵との戦い。十八大国との戦い。最終的に天に帰る
所持:
刀剣:タプパレンメー / チェトクシェルキ / ディクパイティクソルスム / トゥクパチェンティク / ナムアンゴンショクパ / パルナントンパル / バルワツェグ / ミクシリレルティ
斧鎌:ダワカルポ / タクリハルシャク
槍戟:カムスムダンドゥル / ドゥンペルアジャムリンモ
杖棒:キェンカル
変種:ギャタクタヲ / ドゥルタジゴ / ドゥルナクドムグ / パヲントンコル / ワジビタ
弓矢:シンシュンゴンポ / ダカルポイラムテン / ダモセルダジュクリン / ダモナクポイソクチョ / ダモマルポイタクダク / トンカルマ / ポレーキェーシュ / ラルグーキルパ
盾:ナムキェーマパリ / バルマルリンサプ
防具:シルパトクドゥク / タルトゥキュントゥル / トンデジクメー / ニェパキョプチェー / マモイラド / ランデシルノン
装飾:カンテイレータル
法具:ダムチェンチャクパ / バルワコルヨン
乗物:キャングーペルポ / タメリンジュクボ
センチャム・ドゥクモ(seng lcam 'brug mo / 森姜珠牡)
人物:
ケサルの后
キャロ部の長トンパ・ギェルツェンの娘
下ラダック版ではヤプトゥンパ(yabs thon pa)の娘ドゥクマ('aBru-gu-ma)
事績:
チョル(ケサル)と結ばれる。ホル王にさらわれ子を為す
所持:
変種:キルジャク / ポンティル / ラデュク
乗物:トムク / 黒騾馬グーマロティー(rgod ma blo khrid)
登場:
『瑪域封地』など
ギャツァ・シェルカル(rgya tsha zhal dkar / 嘉察協噶) / シェルル・カルポ(zhal lu dkar po)
人物:
リンの王子。鎮東将軍(対ジャン)。四公子の一人。七勇士の長。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ムクポ氏幼系
センロン王の息子。ケサルの異母兄。中国の皇帝の甥
バージョンによって死に際が異なる(シェンパのキャラクターの違いが影響)
下ラダック版では類似キャラが何人か存在。モンゴルのツァサ・シキルにあたる
事績:
ゴク戦。ホル戦(死亡)。ジャル(伽域)戦やメリン戦の一バージョンでは顕現して参戦
所持:
刀剣:サムパレクチュー / シャポトゥムチュー / ヤシカルテン
防具:カルモラサン / ツァリトクケプ / ナムカレプチェン
乗物:ギャチャソクカル
登場:
『誕生編』など
ダラ・ツェギェル(dgra lha rtse rgyal / 扎拉澤傑) / ナンギェル・カルポ(snang rgyal dkar po)
人物:
リンの王太子・王。ムクポ氏幼系。神子(lha sras)
ギャツァの息子。ケサルの甥
事績:
ホル戦以降全ての戦いに参加。父の仇シェンパを赦す。タクシク戦以降指揮を任される。天に上ったケサルの跡を継ぐ
所持:
刀剣:ヤシカルテン
弓矢:ロクグーキュクヤク / 漢弓カルモテンキー(dkar mo 'then skyid)
乗物:ギャチャソクカル / 青馬(rlung gshog sngon po / khyung gshog sngon po / khyung rdzong sngon po / sngon po 'phur shes)
登場:
『ホル・リン大戦』など
センロン・カマ・リキェー(センルン / seng blon ga ma ri skyes / 森倫)
人物:
リンの前王。四王(四叔伯)の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ムクポ氏幼系
ギャツァ、ケサル、マルレプらの父
事績:
ゴク戦(ケサルの母となる妃を得る)。ホル戦。ジャン戦。シャンシュン戦
所持:
乗物:カンカルギェンチェン
登場:
『天嶺九部』など
ロンツァ・タゲン(rong tsha khra rgan / 絨察査根) / ノルツァ・タギェン / タギェン・ニマ / カネ・コムポ(ga ne gom po)
人物:
リンの総管王(spyi dpon)。四王(四叔伯)の長。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ムクポ氏幼系の長老
センロンやトトゥンの兄。ケサルの伯父。ナンチュン・ユタクらの父
相当な歳のはずだが終盤まで遠征に参加
事績:
ゴク戦(レンパ・チュギェルを失う)。魔国遠征の際はギャツァと共に留守を守る。ホル戦以降ほとんどの戦いに参加
所持:
刀剣:ナンチェンウート
弓矢:ツァンパレプチェン
乗物:シャキャンテルゴ
登場:
『天嶺九部』など
タクロン・トトゥン(stag rong khro thung / 達絨晁通) / トギェル(khro rgyal)
人物:
リンの大臣。四王(四叔伯)の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。タクロン部の長。四母王(ma-bzhi dpon po)
ケサルの叔父。息子たちはリンの主力
ハヤグリーヴァ(Rta-mgrin)の化身と語られる。妖術の使い手(魔王ルツェンに変化するなど)。野心家でトラブルメーカー。タクロン部はデンマ部に対して何らかの影響力を持っていそう(縁戚関係?)
『誕生編』の冒頭ではリン王家の系図に入っていない。下ラダック版では Agu の一人タイゴ・タイトゥン(khra’i mgo khra’i thung)。モンゴルのチョトン・ノヤンにあたる
事績:
チョル(ケサル)を殺そうとするが失敗。競馬を開催。ホル戦(ホルへの寝返り。シクペンとニャツァを失う。リンの統治)。モン戦以降ほとんどの戦いに参加。タクシク戦(トクグーを失う)。カチェ戦(ラグーを失う)
所持:
刀剣:ヤルラキェングク / 湾刀シャンランナクポ(shang lang nag po) / 毒尖剣モンチュートゥクチェ(mon chod dug lce)
斧鎌:鉄斧チャクナクトンチュー(lcags nag stong chod)
杖棒:キェンカル
弓矢:ワンミウルチェン
乗物:パルワンガナク / 鵞黄馬(ngang ba lding shes / ngang ba gser mig) / 馬(khyung rta 'phur shes / go rgan lding shes) / 黄羊馬(rgo ba skya ris / ra thod ser po)
登場:
『天嶺九部』など
ラプ・ナムカ・センシェル(lha bu nam mkha' seng zhal / 朗卡森協)
人物:
アケ(アキー)部の人。四王(四叔伯)の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ムクポ氏長系の長老
『賽馬称王』でロンツァ、センロン、トトゥンらと四兄弟という表現をされているが実際の兄弟ではなさそう
事績:
ホル戦
所持:
乗物:馬ラタンガンジ(lha rta ngang 'dzi)
登場:
『誕生編』など
ロンツァ・マルレプ(rong tsha dmar leb / 絨察瑪勒)
人物:
リンの王子。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ムクポ氏幼系
ケサルの異母兄弟。モン戦ではトトゥンの息子とされている
事績:
ホル戦(死亡)。ジャン戦(死亡)
所持:
刀剣:マルチェンチャンマ
乗物:マチャティカル
登場:
『誕生編』など
セルパイ・ニブム・タルヤク(gser pa'i nyi 'bum dar yag / 色巴尼奔達雅) / セルパ・ペンギ / ラタル(lha dar)
人物:
リンの将軍。三虎将の鷹(khra)。四公子の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。セルパ部。ムクポ氏長系の首領
三虎将の中では出番が多い
事績:
ホル戦以降全ての戦いに参加。ホル戦(クルセル王を討つ)
所持:
刀剣:カンカルツェスム / セルナクレクチュー(gser nag reg chod)
乗物:セルダンニマイトゥルコル
登場:
『天嶺九部』など
オムプ・アヌ・パセン('om bu a nu dpa' seng / 文布阿努巴森)
人物:
リンの将軍。三虎将の鷲(glag)。四公子の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。オムプ部。ムクポ氏中系の首領
ケサルの年下の親族(甥または従弟?)
事績:
ホル戦。ジャン戦。モン戦。タクシク戦(死亡)
所持:
乗物:マルポルンショク
登場:
『誕生編』など
ムチャン・リンチェン・タルル(dmu spyang rin chen dar lu / 穆姜仁欽達魯) / リンチェン・タルブム
人物:
リンの将軍。三虎将の狼(spyang)。四公子の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ムチャン部。ムクポ氏幼系の首領
直接前線に立つことは少ない。座組などで格の高さがうかがえる。武力は主力に比べ後れを取る
事績:
ホル戦以降ほとんどのエピソードに登場。ベラ戦(死亡)
所持:
乗物:ユチャティペル
登場:
『賽馬称王』など
ツァシャン・デンマ・チャンタ(tsha zhang 'dan ma byang khra / 察香丹瑪絳査) / デンマ・サムドゥプ('dan ma bsam 'grub) / ユギェル・トクグー(g.yu rgyal thog rgod)
人物:
リンの大臣(bka' blon)。鎮西将軍(対ホル)または鎮北将軍(対魔)。七勇士の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。デンマ部
ユウー・ブムメの父または兄弟
三大神箭手の一人。主力中の主力で見せ場も多い。エピソードが進むにつれデンマ部の首領という位置づけに
下ラダック版ではAguの一人ダンマ・チャンタ(sdang ma spyang khra)
事績:
ホル戦以降全ての戦いに参加。ジャン戦(シェンパとのエピソード(『辛丹相争』))。モン戦(名将クラ・トクギェルとの戦い)
所持:
刀剣:ジャンワユマル
弓矢:カルモテンキー
乗物:ングルトゥクデンパ / 棗騮馬キャンタプルシェー(rkyang khra 'phur shes) / 馬クチュクンゴンポルンショク(khu byug sngon po rlung gshog) / 黒馬ナクタチャムシェー(nag khra 'cham shes)
登場:
『天嶺九部』など
センタク・アトム(seng stag a dom / 森達阿冬) / パラ・ミチャン・カルポ(dpa' la mi spyang dkar po / 巴拉穆江噶布) / パラ・ムチャン(dpa' la dmu spyang) / タルジェ・キュンギェル(dar rje khyung rgyal)
人物:
リンの将軍。鎮南将軍(対モン)。七勇士の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。無敵や人中狼の二つ名。中系
パサル・ダワの父
主力中の主力で見せ場も多い。個人戦最強格
事績:
ホル戦以降全ての戦いに参加。モン戦(パサル・ダワを失う)
所持:
刀剣:レプチェンシンジェ / 宝剣(stong gsum g.yug chod / khams gsum g.yug chod)
弓矢:白螺弓(gangs ri 'gying chen / dkar mo leb chen / a long 'khyil ba)
乗物:トンリラクカル
登場:
『誕生編』など
ガデイ・チューキョン・ペルナク(dga' bde'i chos skyong ber nag / 噶徳曲回白納) / ドゥガデ('bru dga' bde) / トプデン・ミチェン・セルポ(stobs ldan mi chen ser po)
人物:
リンの大臣(bka' blon)。七勇士の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。四公子の一人リンチェン・タルルの側近。ガデ地方のドゥ族の首領。大力士の二つ名
リン譜代の中ではデンマやセンタクに次ぐ主力。トトゥンと共に対術師のサポート役を務める(術の素養?)
二腕のマハーカーラ(ber nag can)と関連?
事績:
ホル戦以降全ての戦いに参加
所持:
刀剣:ナクポトクチュー
槍戟:長矛トゥクドゥルチェルツェ(dug sbrul lce rtse)
乗物:ルンナクジェーチュー
登場:
『天嶺九部』など
チュール・プイ・タルペン(chos lu bu yi dar 'phen / 曲魯達彭)
人物:
リンの将軍。七勇士の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。四公子の一人アヌ・パセンの側近。毒人の二つ名
序盤以降ほぼ登場しない?
事績:
ホル戦。ジャン戦。モン戦。ンガリ戦
所持:
刀剣:炎刀プティメルチェ(spu gri me lce) / 青柄剣ユンゴンプティシクジュク(yu sngon spu gri gzig mjug)
乗物:ムククディンシェー
登場:
『賽馬称王』など
タクロン・シクペン(stag rong gzig 'phen / 達絨色彭) / アヌ・シクペン
人物:
リンの将軍。七勇士の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。タクロン部
トトゥンの息子
事績:
チョル(ケサル)を排除しようとするトトゥンと対立。ホル戦(死亡)。ジャン戦
所持:
乗物:ポロクトンチャム
登場:
『天嶺九部』など
ニャツァ・アテン(nya tsha a brtan / 念察阿旦) / アテン・トゥクキ・メトク
人物:
リンの将軍。鎮北将軍(対魔)または鎮西将軍(対ホル)。七勇士の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。タクロン部。毒人の二つ名
事績:
チョル(ケサル)を排除しようとするトトゥンと対立。ホル戦(死亡)。ジャン戦。トゥク戦
所持:
刀剣:シャポトゥムチュー
乗物:カンリディンシェー
登場:
『賽馬称王』など
キャロ・トンパ・ギェルツェン(トゥンパ / skya lo ston pa rgyal mtshan / 嘉洛敦巴堅賛)
人物:
リンの有力者。四ギェルツェンの一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。キャロ部首領。ゴクの藩王
ドゥクモの父
富豪という描写
事績:
ホル戦。ジャン戦。シャンシュン戦。スムパ戦。ンガリ戦
所持:
乗物:馬グギャラチェン(dgu brgya rwa can)
登場:
『天嶺九部』など
デンマ・クル・ギェルツェン('dan ma gu ru rgyal mtshan / 丹瑪古如堅賛)
人物:
リンの有力者。四ギェルツェンの一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。デンマ部首領。幼系三淑伯の一人
当初はデンマ部のトップという位置づけだったが後のエピソードではツァシャン・デンマの部下という扱いに(別人の可能性もなくはない)
事績:
ホル戦(死亡?)。シャンシュン戦(死亡)
所持:
乗物:馬マチャティクケル(rma bya khrig ger)
登場:
『賽馬称王』など
カルル・ニマ・ギェルツェン(dkar ru nyi ma rgyal mtshan / 噶如尼瑪堅賛)
人物:
リンの有力者。四ギェルツェンの一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。カルル部首領
事績:
ホル戦。ジャン戦。アダク戦
所持:
乗物:馬ロクマルキュクシェー(glog dmar 'khyug shes)
登場:
『賽馬称王』など
ナクル・タルワ・ギェルツェン(nag ru thar ba rgyal mtshan / 納如塔巴堅賛)
人物:
リンの有力者。四ギェルツェンの一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ナクル部首領
事績:
ホル戦。ジャン戦
登場:
『賽馬称王』など
ドンツェン・ナング・アペル(gdong btsan snang ngu a dpal / 東賛) / ナング・アテン(朗俄阿丹) / ティンチャ
人物:
リンの大臣(bka' blon)。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。タクロン部
トトゥンの息子
兄弟の中ではコンスタントに登場。チェリ戦においてはセルパ部の人とされておりナング・アペルとナング・アテンは兄弟という設定に
事績:
チョル(ケサル)を排除しようとするトトゥンに協力。賽馬では最後までチョルと争う。ホル戦以降多くの戦いに参加
所持:
弓矢:弓レプチェンキャリン(leb chen skya ring) / 弓カルチェンランウー(skar chen rang 'od)
乗物:ユチャテウンゴン
登場:
『賽馬称王』など
ナンチュン・ユタク(snang chung g.yu stag / 朗瓊玉達) / ナンチュン・ユイ・メトク(昂瓊玉依梅朶) / ナング・ユタク(snang ngu g.yu stag)
人物:
リンの将軍。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ムクポ氏幼系
ロンツァ・タゲンの息子(ケサルの兄弟とされることも)
事績:
ホル戦(死亡)。ジャン戦
所持:
乗物:マチャティチェン
登場:
『誕生編』など
アバル・プイ・ペンタク(a 'bar bu yi 'phen stag)
人物:
リンの将軍。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ムクポ氏長系
シンシンとアバルの息子
事績:
ホル戦。タクシク戦。アダク戦(死亡)
所持:
乗物:メリツプシェー
登場:
『賽馬称王』
セルパイ・プチュン・タルヤク(gser pa'i bu chung dar yag)
人物:
リンの将軍。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。セルパ部。ムクポ氏長系
所持:
乗物:ンガンワセルゴン
登場:
『賽馬称王』
プヤク・ドゥクギェー(bu yag 'brug rgyas) / プヤク・ドゥクギェル(bu yag 'brug rgyal) / キャロイ・ケルプ・ドゥクギェー
人物:
リンの将軍。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。キャロ部
ドゥクモの弟
事績:
ホル戦(死亡)。ジャン戦(死亡)
所持:
乗物:グギャラチク
登場:
『賽馬称王』など
チャンティ・ンガムチェン(spyang khri rngam chen) / オムプ・チャンティ・リンチェン
人物:
リンの将軍。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。オムプ部。ムクポ氏中系。幼系(ブムパ)とされることも
事績:
ホル戦。チェリ戦。ソクポ戦(バージョンによる)
所持:
乗物:ナクポドンドゥル
登場:
『賽馬称王』など
チョンガ・パサル・ダワ(bco lnga dpa' gsar zla ba)
人物:
リンの将軍。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
センタク・アトムの息子
事績:
ホル戦。ジャン戦。モン戦(死亡)
所持:
乗物:トゥンチャユンゴク / 棕色馬ラクパドゥーチェン(rag pa 'gros chen)
登場:
『賽馬称王』など
センセン(seng seng) / シンシン(sing sing)
人物:
リンの将軍・チャクナク長官(lcags nag dpon po)。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
所持:
乗物:ルンキトゥルコル
登場:
『賽馬称王』
ムパイ・シェルカル・ギャンタク(mu pa'i shel dkar rgyang grags)
人物:
リンの将軍。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。Mupa 族(ムチャン部)
ギャツァの名に因む
事績:
ホル戦。ジャン戦(バージョンによっては活躍)。モン戦。タクシク戦。ソクポ戦。チェリ戦。カチェ戦。メリン戦
所持:
刀剣:タクカルトンシク
乗物:キュンナクティカル
登場:
『賽馬称王』など
クンパ・プイ・キャタ(gung pa bu yi skya khra)/ プイ・タキャ(bu yi khra skya) / コンポ・プイ・トギェル / アヌ・タショク(a nu khra shog)
人物:
リンの将軍。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
タクロン部またはアケ部(ナムカ・センシェルの子)
事績:
ジャン戦。モン戦。タクシク戦(死亡)。ソクポ戦。アダク戦。カンリ戦。ティン戦
所持:
乗物:ナクタトゥルシェー
登場:
『賽馬称王』など
グーポ・ニマ・ルントゥプ(rgod po nyi ma lhun grub)
人物:
リンの将軍。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ムチャン部。ムクポ氏幼系
事績:
ホル戦。ジャン戦
所持:
乗物:ムククトンチャム
登場:
『賽馬称王』など
ユヤク・ゴンポ・トントゥプ(グンポ / g.yu yag mgon po stong thub / 玉雅貢布冬図)
人物:
リンの将軍。十三青年の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
事績:
トゥク戦。カンリ戦。ティン戦
所持:
乗物:ノルプルンジン
登場:
『天嶺九部』など
アケ・ツァンパイ・ンゴルク(a ge tsang pa'i ngo lug / 阿格倉巴俄魯) / tshangs pa'i a sge ngo lug
人物:
リンの人。三羊兄弟(兄弟ではない)の長。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。アケ(アキー)部。ムクポ氏長系
ナムカ・センシェルの息子。バージョンによってはソクポの有力者の息子
事績:
ホル戦。ジャン戦。タクシク戦(ユラへの使者)。ソクポ戦(死亡)
所持:
乗物:馬ングルカルデンパ(dngul kar ldem pa)
登場:
『賽馬称王』など
ムパ・タルジャム・ンゴルク(mu pa dar 'jam ngo lug) / タルブム・ンゴルク(dar 'bum ngo lug) / 'bum pa'i dar spyang ngo lug
人物:
リンの人。三羊兄弟(兄弟ではない)の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。Mupa 族(ムチャン部)
事績:
ホル戦。ソクポ戦(死亡)
登場:
『賽馬称王』など
タクロン・シンツァ・ンゴルク(stag rong srin tsha ngo lug)
人物:
リンの人。三羊兄弟(兄弟ではない)の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。タクロン部
事績:
ホル戦。ジャン戦。タクシク戦(死亡)。ソクポ戦(死亡)
所持:
乗物:馬キュンナクプルシェー(khyung nag 'phur shes)
登場:
『賽馬称王』など
リンチェン・タルパイ・スーナム(gling chen thar pa'i bsod nams / 嶺慶塔巴索朗)
人物:
リンの有力者。二福命兄弟(兄弟ではない)の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ムクポ氏中系の長老。または長系
事績:
ホル戦
所持:
乗物:馬キュンナクディンシェー(khyung nag lding shes)
登場:
『誕生編』など
ミチェン・ギェルワイ・ルントゥプ(mi chen rgyal ba'i lhun grub / 米慶傑哇隆珠)
人物:
リンの有力者。二福命兄弟(兄弟ではない)の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。ムクポ氏長系
事績:
ホル戦(死亡)。ジャン戦。チェリ戦
所持:
乗物:馬ガワティンジャム(gwa ba khri 'jam)
登場:
『天嶺九部』など
セルキ・アガム(gser gyi a rgham / 甲本賽吉阿干)
人物:
リンの百戸長(rgya dpon)。二毅勇兄弟(兄弟ではない)の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。中系の長官。または長系
登場:
『天嶺九部』など
パンテ・マルル(ban de dmar lu)
人物:
リンの百戸長(rgya dpon)。二毅勇兄弟(兄弟ではない)の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
セルキ・アガム(gser gyi a rgham)に代わる人物(互換か後継か)
事績:
モン戦。タクシク戦。ソクポ戦。アダク戦
所持:
乗物:馬シャキャテルゴ(sha skya drel mgo)
登場:
『賽馬称王』など
テルツェ・シェーチョク(gral rtse shes mchog / 東本哲孜喜曲) / (dbu rtse shel mchog)
人物:
リンの千戸長(stong dpon)。二毅勇兄弟(兄弟ではない)の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人。Dra 族。中系または長系
所持:
乗物:馬トンギュクテルジャム(stong rgyug dal 'jam)
登場:
『天嶺九部』など
キェーチョク・タルパ・ギェルツェン(skyes mchog thar pa rgyal mtshan) / ヤタイ・キェーチョク・タルパ(ya tha'i skyes mchog thar pa / 雅徳塔巴)
人物:
リンの人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
事績:
ホル戦(死亡)
所持:
乗物:馬ツェルルメスタク(mtshal lu me stag)
登場:
『天嶺九部』など
ワンポ・タルペン(dbang po dar 'phen / 達盼)
人物:
リンの判事(dbang gcod)。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
所持:
乗物:馬セルデンプルシェー(gser ldan 'phur shes)
登場:
『賽馬称王』など
エルマ・ラタル(wer ma lha dar / 威瑪拉達) / エルマ・タタル
人物:
リンの調停者(gzu chen)。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
事績:
ジャン戦。タクシク戦。ソクポ戦
所持:
乗物:ンガンワツェルデン(ngang ba rtsal ldan)
登場:
『賽馬称王』など
クンガ・ニマ(kun dga' nyi ma / 貢噶尼瑪)
人物:
リンの医者(lha rje)。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
所持:
乗物:馬セルポセルニャ(ser po gser nya)
登場:
『賽馬称王』など
クンシェー・ティクポ(kun shes thig po) / クンシェル・ティクレ(kun shel thig le)
人物:
リンの占い師(mo ma)。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
所持:
乗物:馬ツェルルティンカル(mtshal lu rting dkar)
登場:
『賽馬称王』など
カチェ・ミクマル(kha che mig dmar)
人物:
リンの呪い師(sgyu mkhan)。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
所持:
乗物:馬ガワドゥーデン(gwa ba 'gros ldan)
登場:
『賽馬称王』など
ラプク・ヤンカル(lha bug yang dkar)
人物:
リンの星見(rtsis pa)。三十英雄(phu nu sum cu)の一人
所持:
乗物:馬トゥンドクチャムシェー(dung mdog 'chams shes)
登場:
『賽馬称王』など
ミチュン・カデ(mi chung kha bde / 米瓊卡徳) / カマ・シクゴ(ga ma gzig mgo / 噶瑪司郭)
人物:
リンの司膳官(gsol blon)。三側近の一人。三十英雄(phu nu sum cu)の一人? ゴクの孤児
背が低く弁舌が巧み。『ホル・リン大戦』以前にホルへ移り住む(経緯は不明)
トトゥンへのツッコミ役
事績:
リン戦(ホル軍に帯同。降伏)。ジャン戦以降多くの戦いに参加。ケサルのギャ国(中国)行きに同行
所持:
刀剣:タモデプシェー / 小刀トゥルツェンガモ(thur rtse lnga mo)
乗物:カムキャチュカル / 馬チャラチウショク(bya la byi'u gshog)
登場:
『賽馬称王』など
ラグー・ブムル(lha rgod 'bum lu / 拉郭奔勒)
人物:
リンの将軍。タクロン部
トトゥンの息子。モン王シンティの娘メトク・ランゼー(me tog lha mdzes)の夫
マニ・カラ、ユウーあたりと行動をともにする。ユティのライバル的存在
事績:
モン戦以降ほとんどの戦いに参加。カチェ戦(死亡)
所持:
刀剣:シェーラプバルワ(shes rab 'bar ba)
弓矢:弓ドゥクダクヤメー('brug grags ya med)
乗物:棕色馬タナクルンジン(bra nag rlung 'dzin) / 馬メリツプシェー(me ri 'tshub shes)
登場:
『モン・リン大戦』など
マニ・カラ(ma ni ka ra) / マニ・パラ(ma ni pha la)
人物:
リンの将軍。インド(rgya gar)の人。ギャ族の可能性も
バージョンによってはタクロン部ニャツァの遺児(母をインドの人とすれば矛盾はないか?)
ラグー、ユウーあたりと行動をともにする
事績:
モン戦(死亡?)。タクシク戦。ソクポ戦。チェリ戦。カンリ戦。スムパ戦
所持:
乗物:浅灰馬カンリギャンゼー(gangs ri rgyang mdzes) / 馬センケトマル(seng ge grod dmar)
登場:
『モン・リン大戦』など
トクグー・バルワ(thog rgod 'bar ba / 崩奔托規巴瓦)
人物:
リンの十万戸長('bum dpon)。タクロン部
バージョンによってはトトゥンの息子
事績:
モン戦。タクシク戦(死亡)。カンリ戦
所持:
刀剣:紅柄刀サムチューマルポ(bsam chod dmar po)
弓矢:鉄弓ンゴンモレプチェン(sngon mo leb chen)
乗物:馬マチャティカル(rma bya khri dkar)
登場:
『モン・リン大戦』など
カンネ・ユトク・ペーマ(khang ne g.yu thog pad+ma / 康頼玉托白瑪)
人物:
リンの将軍。タクロン部
事績:
シャンシュン戦。カンリ戦。ティン戦。カチェ戦。メリン戦。ムク戦
登場:
『シャンシュン珍珠国』など
チャチェン・カルマ(bya chen kar+ma / 夏慶噶瑪)
人物:
リンの将軍。タクロン部
事績:
モン戦。チェリ戦。シャンシュン戦。カチェ戦。カンリ戦。ティン戦。メリン戦。ムク戦
所持:
刀剣:食肉刀シャセンディクパ(sha zan sdig pa)
登場:
『モン・リン大戦』など
トギェル・ペルマル(khro rgyal ber dmar)
人物:
リンの将軍。タクロン部。ガデ地方出身
チューキョン・ペルナクの身内? トトゥンへの忠誠心は高そう
事績:
アダク戦。チェリ戦。トゥク戦。シャンシュン戦。カチェ戦。カンリ戦。ティン戦。メリン戦。ムク戦。ジャル戦
所持:
乗物:棗騮馬(glog dmar 'khyug shes / sha rkyang rngog dkar)
登場:
『アダク瑪瑙国』など
ユウー・ブムメ(g.yu 'od 'bum me)
人物:
リンの将軍。デンマ部公子('dan sras)
ツァシャン・デンマの息子または兄弟
ラグー、マニ・カラあたりと行動をともにする
事績:
ジャン戦。タクシク戦。ソクポ戦。チェリ戦。カンリ戦。ティン戦。ジャル戦
所持:
刀剣:トゥクレルメウーバルワ(dug ral me 'od 'bar ba)
弓矢:鉄弓ナムカゴギェー(nam mkha' go 'gyed)
乗物:玉馬ノルプゾンシェー(nor bu 'dzong shes)
登場:
『ジャン・リン大戦』など
カラ・セーポ・ノルサン(kha ra sras po nor bzang) / カリン・セーポ(kha ring sras po)
人物:
リンの将軍。デンマ部
事績:
トゥク戦。シャンシュン戦。ムク戦。ジャル戦
登場:
『トゥク兵器国』など
ナンセル・ユタク(snang gsal g.yu stag) / ナンセー・ユタク
人物:
リンの将軍。キャロ部
事績:
ソクポ戦。アダク戦。トゥク戦。カンリ戦。ティン戦。ミヌプ戦。ジャル戦
登場:
『アダク瑪瑙国』など
タドン・テンジン・ダクパ(テンジン・タクパ / khra gdong bstan 'dzin grags pa / 察東丹増扎巴)
人物:
リンの将軍。セルパ部
事績:
トゥク戦。シャンシュン戦。カチェ戦。カンリ戦。ティン戦。スムパ戦。ムク戦
登場:
『トゥク兵器国』など
ラル(lha klu / 拉魯)
人物:
リンの将軍・マニン長官(rma nyin rdzong dpon po)。三十英雄(phu nu sum cu)の一人とも。オムプ部
事績:
ソクポ戦。アダク戦。トゥク戦。シャンシュン戦。カチェ戦。カンリ戦。ティン戦。メリン戦。ムク戦
所持:
刀剣:フプチェングチュー(hub chen dgu chod) / 青銅刀リツァタクトゥン(li tsha khrag 'thung)
乗物:マチャツェルル
登場:
『賽馬称王』など
ミカル・ラウ・サムトゥプ(mi dkar lha'u bsam grub / 珠米噶桑珠)
人物:
リンの将軍。三十英雄(phu nu sum cu)の一人とも。ドゥ族。オムプ部
トトゥンの大言を真に受けるため大英雄の器ではないとされる
事績:
アダク戦。トゥク戦。シャンシュン戦。カチェ戦。カンリ戦。ティン戦。ミヌプ戦。メリン戦。ンガリ戦。ムク戦
所持:
刀剣:トムナクタクトゥン(dom nag khrag 'thung)
弓矢:聖弓ツァンパレプチェン(tshangs pa leb chen)
乗物:白馬(ngang dkar 'gro skyid / dkar mo 'cham ches)
登場:
『賽馬称王』など
ナムカ・トクギュル(nam mkha' thog 'gyur)
人物:
リンの将軍。ドゥ族公子('bru sras)
事績:
ホル戦。ジャン戦。モン戦。タクシク戦。ジャル戦
登場:
『ホル・リン大戦』など
アダク(アタク / a grags / 阿扎)
人物:
リンの千戸長(stong dpon)。マ地方のドン族
トトゥンの大言を真に受けるため大英雄の器ではないとされる
事績:
ソクポ戦。アダク戦。カチェ戦。カンリ戦。ティン戦
所持:
刀剣:刀ンゴニェンチャクキトゥルコルチェン(sngo mnyen lcags kyi 'phrul 'khor can)
登場:
『アダク瑪瑙国』など
カムパ・ユデン(kham pa g.yu ldan / 康巴玉登) / カムパ・ユテン(khams pa g.yu brtan)
人物:
リンの将軍。三大神箭手の一人。マ地方のドン族
出身はリンのようだがホルの将軍として扱われている
事績:
モン戦。タクシク戦。ソクポ戦。アダク戦。シャンシュン戦。カンリ戦。ティン戦
所持:
弓矢:弓チョクカルグクパ(mchog dkar 'gug pa)
乗物:灰色馬カムキャチュカル(kham skya mchu dkar)
登場:
『モン・リン大戦』など
ツェルマル・ラグー(mtshal dmar lha rgod / 察瑪拉郭)
人物:
リンの将軍。ムチャン部
事績:
アダク戦。チェリ戦。トゥク戦。カチェ戦。ムク戦
所持:
弓矢:鉄弓ユドゥクキルワ(g.yu 'brug 'khyil ba)
乗物:赤馬(rma bya mtshal lu / dmar po 'tshub shes)
登場:
『アダク瑪瑙国』など
リン以外の出身で降伏組、死亡復活組、リン戦不参加組など様々
アタク・ラモ(a stag lha mo / 阿達拉姆) / アタク・ルモ(a stag klu mo / 阿達魯姆) / アタラモ
人物:
ケサルの妃。北地の藩王? 女傑(dpa' mo)の二つ名
北地ルツェン王の妹。トゥンキュン・カルル(dung khyung dkar lu)やルトゥク・ウーカル(klu phrug 'od dkar / ルツェンのこと?)という兄がいるとする話も
三大神箭手の一人。参戦率は高いが見せ場は多くない印象
下ラダック版では Agu の一人ペルマイ・アタク(dpal ma’i a stag)
事績:
ケサルに魔王退治の秘策を授ける。ホル戦以降ほとんどの戦いに参加。チェリ戦(戦後チェリを統治)。地獄から救い出される
所持:
刀剣:紅柄刀グシユマル(dgu zi yu dmar) / ドゥルナクシャセン
槍戟:長矛キャリンシャセン(skya ring sha zan)
弓矢:リヲグクチェン / ンガムチェンダンドゥル / 銅弓マルポドゥクリン(dmar po 'dug ring)
乗物:ラクパタクラク / 紫黒馬ドンナクムク('brong nag smu gu) / 騾馬キャンカルプルシェー(rkyang dkar 'phur shes) / 馬ルンナクプルディン(rlung nag 'phur lding)
登場:
『降魔』など
カタル・チンゴン(チングン / ga dar phying sngon / 噶達秦恩)
人物:
リンの大臣・司設官(zhu ga dar blon po)。三側近の一人
元は魔王ルツェンの大臣。魔王によって五頭の妖怪に変えられた。たまに戦場にも出る
王妃の一人メサの兄弟とかケサルの前世の親族とかいう情報もあるが未確認
事績:
ケサルに降伏。ホル戦。ジャン戦。モン戦。ソクポ戦。チェリ戦。シャンシュン戦。カチェ戦。ケサルのギャ国(中国)行きに同行
所持:
刀剣:ナンチェンンガルマ
乗物:馬キュングデムパ(khyung ngu ldem pa) / 白馬ティンカルツェルチェン(sprin dkar rtsal chen) / 馬キュンゴンラクナクディンシェー(khyung sngon rag nag lding shes)
登場:
『降魔』など
シェンパ・メルツェ(shan pa me ru tse / 辛巴梅乳澤) / ディクチュー・シェンパ・メル(sdig gcod shan pa me ru)
人物:
リンの将軍・ホルの藩王。元はホルのクルカル王の重臣。リン戦では前軍統帥。シェンパ部(shan pa)
5 人兄弟の長兄または五弟。シェンツァ・ルンラの祖父という描写も
主力中の主力で見せ場も多い。斧使いらしいが毒炎刀の描写が目立つ。バージョンによって人物像が異なる(冷徹な軍人タイプだったり、義に篤い人格者タイプだったり)
下ラダック版では類似キャラが何人か存在
事績:
商人を襲っていたがチョル(ケサル)に追い払われる(『瑪域封地』)。リン戦(ギャツァを討つ。降伏)。ジャン戦以降ほとんどの戦いに参加。ジャン戦(デンマとのエピソード(『辛丹相争』)。ユラを捕らえる)。トゥク戦(死亡?)。その後の一部エピソードでは死亡扱い。ケサルの地獄行前に病死
所持:
刀剣:アシトゥクレルバルワ / 食肉刀ディクパシャセン(sdig pa sha gzan) / 断石刀(sngon mo sha zan rdo gcod / leb rgan rdo chod) / 短刀シャポドゥルチュー(sha pho rdul chod)
斧鎌:ナムチャクシェルキタティ
槍戟:毒矛(dug lce rtse dgu / rno ring dug lce)
弓矢:ペーマテンキー / ラグーキルワ(ra rgod 'khyil ba) / 毒弓ナクポゴング(nag po mgo dgu)
乗物:マルチュンカラ / 棕色馬ラクタプルシェー(rag rta 'phur shes) / 青馬(gro lo thod skya / khra bo thod skya) / 黒馬ラクナクルンキショクポ(rag nag rlung gi gshog po)
登場:
『ホル・リン大戦』など
タンツェ・ユドゥク(thang rtse g.yu 'brug / 唐澤玉周)
人物:
リンの大法臣(chos blon)または司膳官(gsol blon)。三側近の一人。元はホルのクルセル王の重臣。リン戦では左軍統帥
ギャツァに命を助けられる描写も
事績:
リン戦(降伏)。ジャン戦。モン戦(死亡)。ソクポ戦。シャンシュン戦。カンリ戦。スムパ戦。ンガリ戦。ムク戦
所持:
乗物:追風馬ユチャルンショク(g.yu bya rlung gshog / g.yu rngog rlung gshog)
登場:
『ホル・リン大戦』など
タンカル・ツェグー(thang dkar rtse rgod) / タンカル・ツェルチェン
人物:
リンの将軍。元はホルの将軍。リン戦ではクルセル部後軍。タンパ部(thang pa)またはシェンパ部(shan pa)
事績:
リン戦(降伏?)。モン戦。タクシク戦。ソクポ戦(死亡)。シャンシュン戦。ムク戦。ジャル戦
所持:
刀剣:風剣(bser ma g.yug chod / zer ma dug can)
乗物:突厥馬(grug gu 'phur shes / gru gu 'phar cog)
登場:
『ホル・リン大戦』など
ンガムチェン・ドゥクダ(rngam chen 'brug sgra / 安慶珠扎) / ンガムチェン・ドゥクダク(ンガムチェン・ドゥクタク / rngam chen 'brug grags)
人物:
リンの将軍。ホルの人。クルセル部
事績:
ソクポ戦。アダク戦。トゥク戦。シャンシュン戦。カチェ戦。カンリ戦。ティン戦。ムク戦。ジャル戦
所持:
刀剣:シナクメバル(gzi nag me 'bar)
登場:
『ソクポ馬国』など
ナムラ・トクベプ(gnam lha thog 'bebs)
人物:
リンの将軍。ホルの人。クルセル部またはクルカル部
事績:
ソクポ戦。アダク戦。トゥク戦。カチェ戦。カンリ戦。ティン戦(死亡)。ムク戦。ジャル戦
登場:
『ソクポ馬国』など
シェンツァ・ルンラ(shan tsha rlung lha mgyogs ldan / 辛察隆拉覚登)
人物:
リンの将軍。ホルの人。シェンパ部(shan pa)
シェンパの後継(孫とも)
事績:
ジャン戦。ソクポ戦。チェリ戦。カンリ戦。ティン戦。スムパ戦。ミヌプ戦。メリン戦。ジャル戦
所持:
刀剣:食肉刀ディクパシャセン(sdig pa sha gzan)
乗物:馬メリルンシュクバルワ(me ri rlung shugs 'bar ba)
登場:
『ジャン・リン大戦』など
ユラ・トクギュル(g.yu lha thog 'gyur / 玉拉托琚) / ユラ・トクツィン / ユギェル(g.yu rgyal)
人物:
リンの将軍・ジャンの藩王。リン侵攻軍の総大将?
ジャン王サタムの息子。ユティやゴンティの兄弟。ニティ・カルチェンとの兄弟設定はなさそう。タクロン部とは険悪
主力中の主力だが見せ場はシェンパほどではない印象
事績:
リン戦(シェンパに騙され捕らえられる)。モン戦以降ほとんどの戦いに参加
所持:
刀剣:クシキャリン / 霹靂剣(gnam lcags stong 'jams / gnam lcags rhog sdug)
槍戟:神矛ドゥルナクトゥクチェ(sbrul nag dug lce)
弓矢:ンガルマドゥクタク / 鉄弓ナクポトクベプ(nag po thog 'bebs)
乗物:ナムヤクンゴンモ / 馬ユチャルンショク(g.yu bya rlung gshog)
登場:
『ジャン・リン大戦』など
ユティ・クンゴン(クングン / g.yu khri gung sngon / 玉赤貢恩) / ユティ・クンジェ(g.yu khri gung rje)
人物:
リンの将軍。オムプ部首領
ジャン王サタムの息子。ユラやゴンティの兄弟。ニティ・カルチェンとの兄弟設定はなさそう。タクロン部とは険悪
リン戦当時はまだ子供。ラグーのライバル的存在
事績:
リン戦(降伏)。モン戦以降多くの戦いに参加。タクシク戦(オムプ部の首領に)。メリン戦(死亡)
所持:
刀剣:羅刹刀シンポシャセン(srin po sha zan) / ムクネーシウー(smug nad gzi 'od)
乗物:青馬クチュクツェルチェン(khu byug rtsal chen) / 棕色馬(chu rta 'phur shes / rag nag 'tshub shes) / 青龍馬(g.yu 'brug sngon mo / klu ra g.yu sgong)
登場:
『ジャン・リン大戦』など
ペトゥル・プイ・ラグー(be thul bu yi lha rgod / 柏堆) / ペルトゥル(ber thul / 柏堆)
人物:
リンの将軍。元はジャンの大臣
リン戦で討たれているが他の人物の例もあわせみて生存扱い(別人という解釈も可能)
事績:
リン戦(ケサルに討たれる)。アダク戦。チェリ戦。トゥク戦。カチェ戦。カンリ戦。ティン戦。ムク戦
所持:
刀剣:ソルワレクチュー
乗物:黒馬チャグープルディン(bya rgod 'phur lding)
登場:
『ジャン・リン大戦』など
チャクド・プイ・ヤメー(lcags rdo bu yi ya med) / チメー・チャクド('chi med lcags rdo)
人物:
リンの将軍。元はジャンの将軍。リン侵攻軍の三大将の一人
リン戦で討たれているが他の人物の例もあわせみて生存扱い(別人という解釈も可能)
事績:
リン戦(デンマに討たれる)。モン戦(死亡)。シャンシュン戦。カチェ戦。メリン戦。ジャル戦
登場:
『ジャン・リン大戦』など
ペーマ・ニダク(ペーマ・ニタク / pad+ma nyi grags / 白瑪尼扎)
人物:
リンの将軍・クチュク長官(khu byug dpon po)。ジャンの人
モン戦やタクシク戦に登場するクチュク長官ユタプ(g.yu khrab)の後任?互換キャラ?
事績:
ソクポ戦。アダク戦。チェリ戦。トゥク戦。シャンシュン戦。ティン戦。ムク戦
登場:
『アダク瑪瑙国』など
ダクツェン(タクツェン / grags btsan) / タクツェン(drag btsan)
人物:
リンの将軍・ミリ長官(rmi li dpon po)。ジャンの人
事績:
ソクポ戦。トゥク戦。ティン戦。ムク戦。ジャル戦
登場:
『トゥク兵器国』など
トゥンキョン・タクラ・ティカル(dung skyong stag lha khri dkar / 洞炯達拉)
人物:
リンの将軍(モンの藩王?)。元はモンの将軍
白梵天王の息子(snang gsal dri med)の転生
中盤~終盤の主力
事績:
リン戦(デンマ、センタク、シェンパに捕らえられる)。タクシク戦以降ほとんどの戦いに参加。スムパ戦(死亡)。メリン戦(バージョンによるが戦後メリンを統治)
所持:
刀剣:タワレクチュー / ソクチューバルワ(srog gcod 'bar ba) / 鋼刀シャンカルタクツェ(shang dkar stag rtse)
槍戟:毒矛ノリントゥクチェ(rno ring dug lce)
弓矢:毒弓ツァンパレプチェン(tshangs pa leb chen) / 白螺弓(a long 'khyil ba / dkar mo leb chen / dkar mo 'khyug shes)
乗物:トゥンチャナタ
登場:
『モン・リン大戦』など
ダワ・タプツェン(zla ba khrab btsan / 達瓦曹賛) / ダワ・タツェン(zla ba khra btsan) / ダワ・ティツェン(zla ba khri btsan)
人物:
リンの将軍。元はモンの将軍
中盤~終盤の主力
事績:
リン戦(ユラに捕らえられる)。タクシク戦以降多くの戦いに参加
所持:
刀剣:サムパレクチュー / 毒剣(dug lce ngar ma / me 'od dug lce) / 刀サクタクダイゲルゾク(sag thag mda'i 'gel rdzogs) / 天鉄刀ナムチャクバルワ(gnam lcags 'bar ba)
槍戟:槍ンゴンリンソクチュー(sngon ring srog gcod)
乗物:追風馬クチュクプルシェー(khu byug 'phur shes)
登場:
『モン・リン大戦』など
ユドゥク・タクギェル(g.yu 'brug stag rgyal) / ユドゥク・トクギェル(g.yu 'brug thog rgyal)
人物:
リンの将軍。元はモンの将軍
リン戦で討たれているが他の人物の例もあわせみて生存扱い(別人という解釈も可能)
事績:
リン戦(センタクに討たれる?)。アダク戦。チェリ戦。ムク戦。ジャル戦
登場:
『モン・リン大戦』など
シェルカル・デンパ(zhal dkar ldan pa / 協噶丹巴)
人物:
リンの将軍(タクシクの藩王?)。元はタクシクの大臣(nang blon)。リン戦では東部将領を引き継ぐ。三大シェルカルの一人
ソクポ戦の一バージョンではリンへの復讐のためソクポを戦争に巻き込んだ挙句自分はリンに降伏するというムーブをかましている
事績:
リン戦(讒言にあいリンへ亡命)。ソクポ戦(バージョンによって陣営が異なる)。アダク戦。チェリ戦。シャンシュン戦。カチェ戦。カンリ戦。ティン戦。スムパ戦。ムク戦
所持:
刀剣:ヤシティンカルリンチュー(ya zi sprin dkar ling chod) / 寛刃剣カルモレプチェン(dkar mo leb chen) / 水晶剣(shel dkar stong chod / shel dkar dgu gcod)
弓矢:弓エルマドゥクトン(wer ma 'brug stong)
乗物:白馬(dkar mo 'phur shes / thang dkar 'phur shes / thang dkar lding shes)
登場:
『タクシク財宝国』など
トプチェン・リンチェン・ダクパ(リンチェン・タクパ / stobs chen rin chen grags pa / 仁欽扎巴) / トプギェル・リンチェン(多傑仁欽)
人物:
リンの将軍(ソクポの藩王?)
上ソクポ(または中ソクポ)ニャンティ王の息子でラウ・グーデムの弟
リン戦においては徹底抗戦派として描かれることも。チェリ戦でモンのリンチェン・ダクパが将軍格で登場するが同一?(話者の取り違え?)
事績:
リン戦(降伏)。アダク戦。トゥク戦。シャンシュン戦。カチェ戦。カンリ戦。スムパ戦(死亡)。メリン戦。ムク戦
登場:
『ソクポ馬国』など
タクマル・トプチェン(stag dmar stobs chen / 達瑪多欽) / タマル(rta dmar)
人物:
リンの将軍。元は上ソクポ(または中ソクポ)の大臣。四大力士(stobs chen)の一人
リン戦においては徹底抗戦派として描かれることも。ソクポ領軍を指揮することが多い
事績:
リン戦(降伏)。トゥク戦以降ほとんどの戦いに参加
登場:
『ソクポ馬国』など
ランチェン・ナムカ・トクスン(glang chen nam mkha' thog bzung / 朗卡托松) / ナムカ・キャレン(nam mkha' skya rengs) / ナムカ・トクジン(nam mkha' thog 'dzin)
人物:
リンの将軍。元は下ソクポの将軍。南部将領
リン戦で討たれているが他の人物の例もあわせみて生存扱い(別人という解釈も可能)
事績:
リン戦(トゥンキョンやユラに討たれる)。アダク戦。トゥク戦。シャンシュン戦。カンリ戦。スムパ戦。ムク戦。ジャル戦
所持:
刀剣:霹靂刀ナムチャクペーマグンディル(gnam lcags pad ma dgu 'gril) / メルチェロクウー(me lce glog 'od)
登場:
『ソクポ馬国』など
ニマ・ダクパ(ニマ・タクパ / nyi ma grags pa / 阿扎尼瑪扎巴) / ニダク(ニタク / nyi grags)
人物:
リンの将軍・アダクの藩王。元はアダクの国王
ツェンキャ・ヤメー(btsan skya ya med)、ティデ・ツェンポ(khri sde btsan po)という二人の弟がいる
リンに降伏した王はいるが、軍の統率者として戦場に出てくるのは珍しい
事績:
リン戦(降伏)。チェリ戦。トゥク戦。シャンシュン戦。カチェ戦。カンリ戦。ミヌプ戦。ムク戦。ジャル戦
登場:
『アダク瑪瑙国』など
タクカル・タンセー・ジクメー(brag dkar thang sras 'jigs med)
人物:
リンの将軍。元はアダクの万戸長(khri dpon)
事績:
リン戦(降伏)。トゥク戦。シャンシュン戦。ティン戦。ミヌプ戦。ムク戦
所持:
刀剣:キュンナクタンル(khyung nag dang ru)
乗物:青馬ラクパセルミク(rag pa gser mig)
登場:
『アダク瑪瑙国』など
パヲ・チュートゥプ(dpa' bo chos grub / 巴高曲珠) / チュードゥプ(chos 'grub)
人物:
リンの将軍(チェリの藩王?)。元はチェリの大臣(bka' blon)
中盤~終盤の主力。デンマやシェンパ並みに見せ場が多い印象。リン戦のドンギェル・シェルカルが出ないバージョンの人物?
事績:
リン戦。シャンシュン戦(戦後シャンシュンを統治)。カチェ戦。カンリ戦。スムパ戦。メリン戦。ムク戦。ジャル戦
所持:
刀剣:シンポタクトゥン
槍戟:長矛ノチュートゥクチェ(rno chod dug lce)
変形:索縄カムスムラングク(khams gsum rang 'gugs)
乗物:馬(me ri 'tshub shes / rlung dmar 'tshub shes)
登場:
『チェリ珊瑚国』など
ドンギェル・シェルカル('brong rgyal zhal dkar)
人物:
リンの将軍。元はチェリの大臣(gung blon)。北部将領。ドンツァ(ldong tsha)の人
リン戦のチュートゥプが出ないバージョンの人物?
事績:
リン戦(ラグーに捕らえられる)。トゥク戦。ムク戦。ジャル戦
所持:
刀剣:大刀サムチューバルワ(bsam chod 'bar ba)
乗物:黄馬セルチャディンシェー(gser bya lding shes)
登場:
『チェリ珊瑚国』など
ティンシュー・トゥルチェ(mthing shod 'phrul lce / mthing shod 'khrul lce) / ティンシュー・ドゥクチェ(mthing shod 'brug lce) / ティンショク・トゥルチェ(mthing shog 'phrul lce)
人物:
リンの将軍。元はカチェ国の将軍
事績:
リン戦。カンリ戦。ティン戦。スムパ戦(死亡)。ジャル戦
登場:
『カチェ玉国』など
タクモ・ティテン(stag mo khri brtan / 達莫赤丹) / タクモ・ティツェン(stag mo khri btsan)
人物:
リンの将軍。元はシャンシュン国の将軍。南部将領
リン戦とチェリやトゥク戦のタイミングが前後していそう
事績:
リン戦(降伏)。チェリ戦。トゥク戦。カンリ戦。スムパ戦。ジャル戦。
所持:
刀剣:食肉剣ディクパシャセン(sdig pa sha zan)
槍戟:毒矛(phan nag dug lce / phag nag dug rtse)
乗物:赤馬ツァルルンショク(tsha lu rlung gshog)
登場:
『シャンシュン珍珠国』など
ミヌプ・マチャ・ケルゾン(mi nub rma bya kher rdzong)
人物:
リンの将軍。ミヌプ(ミヌプ・マチャ)の人?
『ミヌプ繻緞国』には見当たらない人物だが、地名として mi nub rma bya が登場(盗賊の出身地)。ミヌプ・マチャのケルゾンか、ミヌプのマチャ・ケルゾンか。登場タイミングは『ミヌプ繻緞国』よりも前と思われる
事績:
アダク戦。トゥク戦。シャンシュン戦。ティン戦。ムク戦
登場:
『アダク瑪瑙国』など
ノルサン(nor bzang)
人物:
リンの将軍・ンガリの藩王
『ンガリ金国』中に名前が見られない(リン戦当時の王はダワ・トンドゥプ(zla ba don 'grub))
事績:
ソクポ戦。アダク戦。トゥク戦。ティン戦
登場:
『アダク瑪瑙国』など
四方四敵までの流れ
■ 概要
下界にはびこる悪を平定するため天神の息子トゥーパ・ガワ(ケサル)の派遣が決まる(『天嶺九部』)
ギャツァ誕生 ~ チョル(ケサル)誕生 ~ マ地方送り(『誕生編』)
トトゥンの競馬 ~ ケサル即位(『賽馬称王』)
四方四敵の平定を祈願する祭儀(『世界公桑』)
四方四敵その一
北方に位置するとされる国(チャンタン(Byang-thang)高原か?)
■ 概要
北の魔王ルツェンにより、ケサルの妃の一人メサ(me bza' 'bum skyid)がさらわれる
メサ救出のためケサルが単独で潜入、ルツェンの妹アタク・ラモや大臣チンゴンらの助けを得てルツェンを撃破
その後メサとラモに骨抜きにされたケサルは国を忘れ、しばし魔国で遊興に耽る
■ 動員
リン:ケサル
■ 主なキャラ
ルツェン(klu btsan)
人物:
北の魔王
アタク・ラモの兄
寄魂物を持つ。その後のエピソードで設定が盛られていく
事績:
ケサルの妃メサをさらう。ケサルに討たれる
所持:
刀剣:水刀チュティエルマ(chu gri wer ma) / 響銅刀リカサムチュー(li kha bsam chod) / 印度刀カムスムソクチュー(khams gsum srog gcod) / 飲血剣マルポタクトゥン(dmar po khrag 'thung)
斧鎌:斧テルワルンチュー(brel ba rlung gcod)
変形:漢地風袋キェルワクンデプ(rkyal ba 'khun 'debs)
乗物:魔馬ラキェーカムパ(rwa skyes kham pa)
アタク・ラモ(a stag lha mo / 阿達拉姆) / アタク・ルモ(a stag klu mo / 阿達魯姆)
※上記
カタル・チンゴン(チングン / ga dar phying sngon / 噶達秦恩)
※上記
四方四敵その二
西方に位置するとされる国(ウイグルか?)
ケサル王伝の中でも屈指のボリューム
■ 概要
ケサル不在の間、ホルのクルカル王がケサルの后ドゥクモを狙ってリンに攻め入る
リン軍は王兄ギャツァ・シェルカルの下ホル軍と渡り合うが、内通者トトゥンが混乱をもたらす
クルセル王を討つなど意地を見せるが、ドゥクモは奪われギャツァもトトゥンとシェンパの計略により討たれてしまう
ドゥクモからの便りで我に返ったケサルは魔国から帰還、リンをトトゥンから取り戻したのち単身ホルに潜入する(バージョンによってはそのままクルカルを暗殺して終了)
ダラ率いるリン軍とラモ率いる魔国軍がホルに攻め入り、クルカルに取り入ったケサルと連動して内外からホルを攻略する
■ 動員
リン(前半):ギャツァ、ニブム、パセン、リンチェン、デンマ、センタク、ガデ、タルペン、シクペン、ニャツァ、ドンツェン、ロンツァ・タゲン、ロンツァ・マルレプなど
リン(後半):ケサル、ダラ、ロンツァ・タゲン、ニブム、リンチェン、デンマ、センタク、ガデ、タルペンなど
魔:ラモ、チンゴン
■ 主なキャラ
クルカル(gur dkar) / 白帳王
人物:
ホルの三王の一人。クルカル部の長
寄魂物を持つ。ドゥクモとの間に子をもうける
事績:
ケサルの妻ドゥクモをさらう。鍛冶屋タンニェー(thang rnyed)として近づいてきたケサルを重用(バージョンによる)。ケサルに討たれる
所持:
刀剣:トンデンガルマ
乗物:馬カンリプルシェー(gangs ri 'phur shes) / 騾馬ニマグチュー(nyi ma dgu chod)
クルセル(gur ser) / 黄帳王
人物:
ホルの三王の一人。クルセル部の長
寄魂物を持つ
事績:
ニブムまたはケサルに討たれる
所持:
刀剣:フデラチュー
クルナク(gur nag) / 黒帳王
人物:
ホルの三王の一人。クルナク部の長
寄魂物を持つ。影が薄い
事績:
辺境へ逃亡またはケサルに討たれる
シェンパ・メルツェ(shan pa me ru tse / 辛巴梅乳澤)
※上記
シラ・トクギェル(zi ra thog rgyal / 司拉托加)
人物:
ホルの右軍統帥。クルセル部
事績:
ギャツァに討たれる
所持:
弓矢:銀弓トゥンロングルチョク(dung lo dngul mchog)
乗物:鵞黄馬ンガンワツェルチェン(ngang ba rtsal chen)
タンツェ・ユドゥク(thang rtse g.yu 'brug / 唐澤玉周)
※上記
タンナク・ツェギェル(thang nag rtse rgyal / 唐納澤嘉)
人物:
ホルの中軍統帥。クルナク部
事績:
シクペンに討たれる
所持:
刀剣:プティタクナク(spu gri ltag nag)
槍戟:鉄矛ドゥツォンノチュー(bdud mtshon rno chod)
乗物:黒馬ナクポドンドゥル(nag po 'brong 'dur)
トゥク・バルチェン(gru gu 'bal chen / 朱固巴慶)
人物:
ホルの本陣付。ギョクパ部(mgyogs pa)
事績:
リンの将軍たちを討つ。消息不明
トプチェン・ランポ・タバル(stobs chen glang po khra 'bar / 多欽朗波査巴)
人物:
ホルの本陣付。シェンパ部(shan pa)。四大力士(stobs chen)の一人
シェンパの五弟または長兄。ホル戦における強敵の一人
事績:
リンの将軍たちを討つ。ケサルに討たれる
所持:
刀剣:黒刀シチェンミクチク(gzi chen mig gcig)
弓矢:白螺弓トゥンシュカルチェン(dung gzhu skar chen)
乗物:追風馬ルンシュクゾムチェン(rlung shugs 'dzom chen)
クンジェ・ユヤク・ティツン(gung rje g.yu yag khri btsun / 貢傑玉雅赤尊)
人物:
ホルの左軍本部統帥。クルカル部
クルカル王の息子
事績:
ニャツァに討たれる
所持:
刀剣:プティトゥクチュー(rnon po spu gri brug gcod)
槍戟:長矛キャリンナムカ(skya ring nam mkha')
乗物:白馬センケトプチェン(seng ge stobs chen / dkar po lding shes)
ラプ・レクパ(Lhabu Legpa) / ラウ・レクパ(lha'u legs pa / 拉烏頼巴)
人物:
ホルの将軍。クルカル部
クルカル王の息子。中国の皇帝の甥
リン戦では毒炎刀がシェンパのものになっている。ギャツァとは仲が良かったという描写も
事績:
皇帝から宝を賜る場面で名が出る。ギャツァに討たれる
所持:
刀剣:アシトゥクレルバルワ / 白背刀シチュンタクカル(gzi chung ltag dkar)
弓矢:白鉄弓キャレンウーカル(skya rengs'od dkar)
防具:ツァリトクトゥプ
登場:
『誕生編』
チュータル(chos dar)
人物:
ホルの有力者。ガルワ部(mgar ba)の首領。鍛冶集団の頭領
三人の息子たちを持つ。娘はケサルの仮の姿タンニェー(thang rnyed)の妻
事績:
息子たちがリン軍に討たれる。タンニェーを気に入り婿に取る。娘と共にリンに降る
四方四敵その三
東方に位置するとされる国(雲南地方か?)
■ 概要
天女のお告げによりジャン王サタムがリンへの侵攻を開始、ケサルも軍を招集する
開戦前にデンマとシェンパの諍いがおこる(『辛丹相争』)
シェンパの計略で王子ユラ・トクギュルを捕らえたことを皮切りにして本格的に開戦
ジャンの侵攻軍を退け、逆にジャン領内へ進軍を開始
得意の変化によってサタム王を暗殺し都を陥落させるが、王妃や王子たちの命は助けた
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、パセン、デンマ、センタク、ガデ、タルペン、トトゥン、ドンツェン、ロンツァ・タゲンなど
魔:ラモ、チンゴン、アヌ・センテン(a nu seng phran)
ホル:シェンパ、シェンツァ
■ 主なキャラ
サタム(sa dam / sa tham / 薩丹)
人物:
ジャンの王
ユラ・トクギュルらの父
事績:
ケサルに騙し討ちされる
所持:
刀剣:ルンポケチュー / 黒刀シェンティタクチュー(shan gri khrag gcod)
乗物:魔馬ムンパルンショク(mun pa rlung gshog)
ユラ(g.yu lha)
※上記
ユティ(g.yu khri)
※上記
ニティ・カルチェン(nyi khri skar chen / Nyitri Karchen)
人物:
ジャンの王子・大臣
サタム王の息子。中国の皇帝の甥
『ジャン・リン大戦』では王子設定がなくなってそう。黎明刀を使っている様子もない
事績:
皇帝から宝を賜る場面で名が出る。リンへの増援として派遣される。タルペンに討たれる
所持:
刀剣:クシキャリン
防具:ブムキェルトントゥプ
乗物:馬ルクキャムシェー(lu gu 'khyam shes)
登場:
『誕生編』
ユタプ(g.yu khrab)
人物:
ジャンの大臣・セルラ長官(gser lha dpon po)
ドンドゥル・ナクポ('brong 'dur nag po)の父
後のエピソードではジャンのクチュク長官ユタプという人物が登場
事績:
リンへの増援として派遣されるが撤退。ニブムに討たれる
所持:
刀剣:紅刃刀(rngam nag mtshon gri kha dmar / rngam nag so dmar)
ケルキェー(kher skyes)
人物:
ジャンの大臣・ツェルマル長官(mtshal dmar dpon po)
事績:
リンへの増援として派遣される。デンマに討たれる
所持:
刀剣:パルナンルンチュー
ペルトゥル(ber thul)
※上記
ドゥクリン・ペルデン・グーポ('brug rin dpal ldan rgod po) / ドゥクダ・ペルデン・グーポ('brug sgra dpal ldan rgod po)
人物:
ジャンの将軍。リン侵攻軍の三大将の一人
事績:
デンマ、ニブム、ガデ、センタク、タルペンの五人がかりで倒される
チメー・チャクド・ナクポ('chi med lcags rdo nag po)
※上記
クンガ・ジクメー(kun dga' 'jigs med)
人物:
ジャンの大臣・法王(chos rgyal)。有力者の一人
事績:
リンへの増援として派遣されるが撤退。デンマに討たれる
所持:
刀剣:青鋒刀プティトゥクレルバルワ(spu gri dug ral 'bar ba)
弓矢:赤弓トゥンリマルモ(khrun ri dmar mo) / 黒鉄弓ナクポスルスムラントゥプ(nag po zur gsum rang grub)
乗物:黒馬ナクポグション(nag po dgu zhon)
四方四敵その四
南方に位置するとされる国(ブータンか?)
■ 概要
ジャン戦の後(ケサル 45 歳の時)、モンを平定し空行母の転生メトクを救出するよう白梵天王からお告げが下る
名将クラ・トクギュルや術師テウラン・ラマなどが立ちはだかるが、寄魂物を破壊するなどして討ち取っていく
白梵天王の息子の転生であるトゥンキョンを確保
城を包囲され、空へ逃れようとするシンティを討ちモンの征服を完了する
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、パセン、リンチェン、デンマ、センタク、ガデ、タルペン、トトゥン、ロンツァ・タゲンなど
魔:ラモ、チンゴン、アヌ・センテン(a nu seng phran)
ホル:シェンパ、タンツェ、タンカル
ジャン:ユラ、ユティ
■ 主なキャラ
シンティ(shing khri / 辛赤)
人物:
モンの王。六十勇士(a grags)を擁する
メトク・ランゼー(me tog lha mdzes)の父
寄魂物を持つ
事績:
タンツェなどを討つ。逃げるところをケサルに討たれる
所持:
刀剣:利剣ムンパレクチュー(mun pa reg chod)
弓矢:毒鉄弓(ri bo rtse 'gul / nag po thog 'bebs)
乗物:赤馬マルポミセン(dmar po mi zan)
クラ・トクギェル(sku lha thog rgyal / 古拉妥傑)
人物:
モンの将軍
アヌ・ユペル(a nu g.yu dpal)とユドゥク・トクグー(g.yu 'brug thog rgod)という二人の兄がいる
モン戦における強敵。寄魂物を持つ
事績:
パサル・ダワなどを討つ。降伏を拒否し討たれる
所持:
刀剣:飲血剣ンガルマタクトゥン(ngar ma khrag 'thung / ngar chen dug gi)
弓矢:鉄弓アロンキルワ(a long 'khyil ba)
防具:兜ニマランシャル(nyi ma rang shar / 陽光普照) / 鎧リンチェンプンパ(rin chen spungs pa)
乗物:鵞黄馬ンガンワセルデン(ngang ba gser ldan)
テウラン・ラマ・カンチク(the'u rang bla ma rkang gcig)
人物:
赤面羅刹山に住む邪教(ボン教?)の上師(ラマ)
事績:
モン王を占う。ケサルによって地中に封じられる
トゥンキョン・タクラ・ティカル(dung skyong stag lha khri dkar)
※上記
ダワ・タプツェン(zla ba khrab btsan)
※上記
トンデン・ウーカル(stong ldan 'od dkar)
人物:
モンの将軍。テウラン・ラマの弟子
事績:
ラマの下に派遣される。下山し戦線に復帰。降伏(デンマに討たれるバージョンも)。シャンシュン戦においてリンの将軍として登場
所持:
乗物:追風馬ツェルシュルルンショク(mtshal zhur rlung gshog)
ユドゥク・トクギェル(g.yu 'brug thog rgyal)
※上記
十八大国その一。タクシク財牛国とも
西方に位置するとされる国(言葉的にはタジクだが、実際はイランと見られる)
ボン教が盛ん(ボン教の聖地はタクシクにあったとされる)
十八大国の構成は話者によって大きく異なっているが、タクシクはまず共通してこの位置に置かれている
強敵はそこそこいたが、後々リン軍に加わる人物は少ない印象
■ 概要
モン戦から三年後、トトゥンが王子ダラに献上するためタクシク王の馬を盗んだことで、タクシク軍とタクロン部軍がにらみ合う事態に
交渉の場でのタクロン部の騙し討ちにより戦闘が勃発、当初は互角の戦い
タクロン部は徐々に押されていき、ケサルに泣きつき援軍を頼んだことで全面戦争に発展
パセンが討たれるなど犠牲者を出しながらも、セルティ王とツェンラを討ち征服を完了する
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、パセン、リンチェン、デンマ、センタク、ガデ、トトゥン、ラグーなど
魔:ラモ、チンゴン、ルタ・パヲ(ru hra dpa' bo)など
ホル:シェンパ、タンカルなど
ジャン:ユラ、ユティ、クチュク長官ユタプ(g.yu khrab)など
モン:トゥンキョン、ダワなど
■ 主なキャラ
セルティ・ニマ(gser khri nyi ma / 賽赤尼瑪) / コレ(go le)
人物:
タクシクの王。勇士たち(gyad mi)を率いる
事績:
ケサルに討たれる
所持:
乗物:紫黒馬('brong 'dul smug po / 'brong nag 'dur ba / 'brong nag 'phur shes)
タグー・ダワ(khra rgod zla ba / 察郭達瓦) / タプグー・ダワ(khrab rgod zla ba)
人物:
タクシクの王子
事績:
パセンを討つ。デンマに討たれる
所持:
刀剣:シャセントンチュー(sha gzan stong chod)
槍戟:長矛ノリンロクキュク(rno ring glog 'khyug)
弓矢:鉄弓ンゴンモグスディル(sngon mo dgu sgril)
乗物:棕色馬タナクカセル(bra nag kha ser)
ツェンラ・ドルジェ・バルワ(btsan lha rdo rje 'bar ba / 賛拉多傑)
人物:
タクシクの将軍。西部将領
タクシク戦における強敵の一人
事績:
最後までリン軍に立ちはだかる。ダラに討たれる
所持:
刀剣:紅色剣ドチューブムデ(rdo chod 'bum sde)
乗物:赤馬(dmar po 'khyug shes / me ri 'tshub shes / dmar po rlung gshog)
ミナク・トプデン(mi nag stobs ldan / 米納多丹)
人物:
タクシクの将軍。南部将領。四大力士(stobs chen)の一人
タクシク戦における強敵の一人
事績:
ユラとトゥンキョンに討たれる
所持:
弓矢:鉄弓(nag po dgu sgril / sngon mo leb chen)
乗物:黒馬(pho rog smug 'dzong / nag po rlung gshog)
トゥンティ・ナムラ・カルチュン(dung khri gnam lha dkar chung / 東赤南拉嘎瓊)
人物:
タクシクの将軍。東部将領(シェルカルの前任)
タクシク戦序盤の強敵
事績:
トクグー・バルワと相討ちになる
所持:
槍戟:長矛トゥンカルグスディル(dung dkar dgu sgril)
乗物:白螺馬カルモプルシェー(dkar mo 'phur shes)
シェルカル・デンパ(zhal dkar ldan pa)
※上記
十八大国その二
おそらく西方から北方ぐらいに位置する国(モンゴルと見られる)。タクシクとは近そう(バージョンによってはタクシクの残党が逃げ込んでいる)
上ソクポ(sog stod)と下ソクポ(sog smad)、バージョンによっては中ソクポ(sog bar)が存在。下ソクポはソクポ鎧甲国とも
上中下の三国バージョン、上下の二国バージョン、下のみの一国バージョンなどがある
話者によっては十八大国編の中盤以降のエピソードとなっている
■ 概要
タクシク戦後(ケサル 48 歳過ぎ?)、白仏母のお告げによりソクポへの遠征が決定
前哨戦としてトトゥンとタクナク・ラマによる呪術合戦が行われる
上ソクポ(または中ソクポ)編では王子ラウや名将トプチェンらを降す(バージョンによっては丸々カットされている)
下ソクポ編では軍神のお告げを受けた(またはタクシクの残党の口車に乗った)ティツェン王が攻撃を仕掛けてきたので応戦
ティツェン王を討ち征服を完了、ソクポ領はタクマル・トプチェン(またはリンチェン・ダクパ)とカルマ・ティンレーに任せる
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、リンチェン、デンマ、センタク、ガデ、ロンツァ、トトゥン、ラグー、ミチュンなど
魔:ラモ、チンゴンなど
ホル:シェンパ、タンカル、シェンツァなど
ジャン:ユラ、ユティなど
モン:トゥンキョン、ダワなど
タクシク:シェルカル
■ 主なキャラ
ニャンティ・ラカル(nyang khri lha dkar / 娘赤拉噶) / ニャンティ(nyang khri / myang khri)
人物:
上ソクポ(または中ソクポ)の王
ラウやリンチェンの父
事績:
好戦的なラウやリンチェンを諫める。リンに降伏
所持:
乗物:蒙古馬ラクパンガナク(rag pa rnga nag)
ラウ・グーデム(lha'u rgod ldem / 拉吾)
人物:
上ソクポ(または中ソクポ)の王子
ニャンティ王の息子でリンチェンの兄
事績:
ダラに討たれる
所持:
乗物:馬ティンカルツプシェー(sprin dkar 'tshub shes)
トプチェン・リンチェン・ダクパ(リンチェン・タクパ / stobs chen rin chen grags pa)
※上記
タクマル・トプチェン(stag dmar stobs chen / 達瑪多欽) / タマル(rta dmar)
※上記
タクナク・ラマ・シェルカル(stag nag bla ma zhal dkar)
人物:
ソクポの上師(ラマ)。ニャンティ王に仕える。一国バージョンでは下ソクポの北部(または西部)将領
事績:
トトゥンとの呪術対決。ケサルに討たれる
所持:
刀剣:トゥクナクレプチュー(dug nag leb chod)
弓矢:鉄弓カムパドゥクダク(kham pa 'brug grags)
乗物:馬ラクナクツプシェー(rag nag 'tshub shes)
マンジェ・ティツェン(mang rje khri btsan / 莽吉赤賛) / ティツェン・ニマ(khri btsan nyi ma / 赤賛尼瑪) / タタ(rta khra)
人物:
下ソクポの王
カルマ・ティンレー(kar+ma 'phrin las)の父
タクシクやギャナク(中国)とは友好関係。バージョンによっては良識をもった人物として描かれることも
事績:
リンや父王に反抗的な上ソクポのリンチェン王子を説得する。軍神のお告げを真に受けリンに挑む。ケサルに討たれる
タクシクの残党シェルカル・デンパの口車に乗りリン戦に介入。ケサルに討たれる
所持:
弓矢:霹靂弓ナムチャクリンチェントクベプ(gnam lcags rin chen thog 'bebs)
乗物:棗紅馬ラクカルティクレギャワ(rag dkar thig le brgya ba)
ランチェン・ナムカ・トクスン(glang chen nam mkha' thog bzung / 朗卡托松) / ナムカ・キャレン(nam mkha' skya rengs)
※上記
十八大国その三
おそらく北方に位置する国(北方とされるチェリの道すがら)
〇○戦の後というはっきりとした情報はないが、動員状況から見て少なくともソクポ戦の後と思われる
十八大国編の中ではおおよそ前目に語られるエピソード
苦戦するような強敵は少なかった印象
■ 概要
リンの隊商がチェリの兵に襲撃され、空行母がチェリ遠征のお告げを下す
遠征を前にオムプ部とタクロン部の争いが勃発、ロンツァ・タゲンが収める
リン軍はアダクに道を借りようとするが、ニダク王は羅刹女に煽られリン軍への攻撃を開始
卵生九兄弟やアニェー・シェルカルなどを打ち破る
ニダク王を降しアダクを収めた後、改めてチェリを目指す
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、デンマ、センタク、ガデ、ロンツァ・タゲン、トトゥン、ドンツェン、ラグーなど
魔:ラモ
ホル:シェンパ、ンガムチェンなど
ジャン:ユラ、ユティなど
モン:トゥンキョン、ダワなど
タクシク:シェルカルなど
ソクポ:リンチェン、ナムカ・トクスンなど
ンガリ:ノルサン
■ 主なキャラ
ニマ・ダクパ(ニマ・タクパ / nyi ma grags pa / 阿扎尼瑪扎巴) / ニダク(ニタク / nyi grags)
※上記
ラプ・アニェー・シェルカル(la phu a myes zhal dkar) / ラトゥー・ルンプ・シェルカル(la stod lung phu zhal dkar) / アヌ・シェルカル(a nu zhal dkar)
人物:
アダクの将軍。三大シェルカルの一人
アダク戦における強敵
事績:
ユティに捕らえられる。トゥク戦やシャンシュン戦においてリンの将軍として登場
所持:
乗物:棗紅馬トグープルシェー(gro rgod 'phur shes) / 鵞白馬(ngang pa lding 'gros / dung bya 'phur shes)
タクカル・タンセー・ジクメー(brag dkar thang sras 'jigs med)
※上記
ニェンラ・ドゥクグー(gnyan lha 'brug rgod) / パニェン・ラドゥク・ユグー(dpa' gnyan lha 'brug g.yu rgod)
人物:
アダクの将軍。卵生九兄弟の一人。黄老大
羅刹女の子供たち。王臣ではなく独立勢力か
事績:
シェンパに討たれる
十八大国その四
北方に位置するとされる国
話者によってはアダク戦との間に別エピソードを挟んだり、アダク戦直後だがシャンシュンやベラは征服済みという設定で開始したり
リン軍内のもめ事(ラルとタクロン部、ラモとドンツェン)が描かれている
■ 概要
アダクを征服したリン軍はチェリへの進軍を再開
途中ベハル・ソクカ率いる赤谷十二部族が合流、四大臣や王兄ヤクギェルの軍を打ち破っていく
トトゥンへの発言を巡りオムプ部のマニン長官ラルとタクロン部が一触即発の事態に(デンマが収める)
王族に一旦逃亡を許すもユラたちが撃破、チェリ領の統治はアタク・ラモに任される
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、デンマ、センタク、ガデ、ロンツァ・タゲン、トトゥン、ドンツェン、ラグーなど
魔:ラモ、チンゴン
ホル:シェンパ、シェンツァ、タンカルなど
ジャン:ユラ、ユティ、ペトゥルなど
モン:トゥンキョン、ダワなど
タクシク:シェルカル
ソクポ:リンチェン
アダク:ニマ
シャンシュン:タクモ
ベラ:チプダクなど
■ 主なキャラ
タクツェ・ユグー(stag rtse g.yu rgod) / タクツェン(stag btsan rgyal po) / タクラ・ツェンポ(stag lha btsan po)
人物:
チェリの王
兄ヤクギェルと弟トゥマルがいる。タルチェン・シウー(thar chen gzi 'od)という息子がいる
寄魂物をもつ
事績:
王城から脱出。ユラに討たれる
所持:
刀剣:メルチェルンチュー(me lce rlung chod) / ティンルントンチュー(sprin rlung stong gcod) / 魔刀(gza' bdud dgu gcod / lha bdud dgu gcod)
登場:
『アダク瑪瑙国』
ヤクギェル・トゥーカル(g.yag rgyal thod dkar)
人物:
チェリの王兄
変化の術の使い手
事績:
リン軍に呪術戦をしかける。牛に変化するが捕らえられニェンチェン・タンラ神の坐騎に
所持:
刀剣:水晶刀メシェルトンスムウーバル(me shel stong gsum 'od 'bar)
乗物:白馬ユインゴクマ(g.yu yi rngog ma)
トゥマル('phru dmar rgyal po) / トンティ・タマル(stong khri rta dmar) / タクマル・ティギェル(stag dmar khri rgyal)
人物:
チェリの王弟
事績:
王城に入ったリン軍に特攻をかける。リンチェン・ダクパに討たれる
所持:
斧鎌:斧マルポトゥプシ(dmar po gru bzhi)
セントゥク・トクラ・ツェンポ(seng phrug thog lha btsan po)
人物:
チェリの大臣(gung blon)。東部将領
チェン戦における強敵
事績:
デンマに討たれる。ジャル戦においてリンの将軍として登場
所持:
刀剣:斬魔刀シドゥトゥーパ(shi bdud khros pa) / 魔刀(gza' bdud khrag 'thung / gshin rje klu bdud khrag 'thung)
乗物:白騮馬キャンカルプルシェー(skyang dkar 'phur shes)
ドンギェル・シェルカル('brong rgyal zhal dkar)
※上記
パヲ・チュートゥプ(dpa' bo chos grub / 巴高曲珠) / チュードゥプ(chos 'grub)
※上記
ベハル・ソクカ(bhe har sog kha) / ハラ・ソクカ(ha ra sog kha)
人物:
赤谷(lung dmar)十二部族の首領
トゥンキュン・ウーカル(dung khyung 'od dkar)やティテン・カルポ(khri brtan dkar po rtse rgyal)という息子たちがいる
事績:
ダラ一行を歓待し褒美を授かる。リン軍に息子トゥンキュンを同行させる
所持:
刀剣:青光剣ンゴンポユクチュー(sngon po g.yug chod)
乗物:黒馬ドングーンガムチェン('brong rgod rngam chen) / 白馬センケツェルデン(seng ge rtsal ldan)
十八大国その五
北方に位置するとされる国(シャンシュンはチベット高原西部)
シャンシュンはボン教の中心地
〇○戦の後というはっきりとした情報はないが、動員状況から見て少なくともチェリ戦の後と思われる
リン軍の主力と渡り合える武将が揃っていた印象だが、その後リン軍入りした人物は少ない?
■ 概要
トトゥンがシャンシュン隊商の荷物を奪ったことでシャンシュン王が激怒、タクロン部を攻める
救援を求められたケサルは軍を招集、シャンシュンとの全面戦争へ
シャンシュン軍はシェーチェンやチャンモを中心に粘り強く戦うが、リン軍に打ち破られていく
最終的にルントゥプ王が討たれ、シャンシュン領の統治はチュートゥプに任される
■ 動員
リン:ケサル、ダラ、ニブム、リンチェン、デンマ、センタク、ガデ、ロンツァ・タゲン、トトゥン、ラグーなど
魔:ラモ、チンゴンなど
ホル:シェンパ、タンカル、ンガムチェンなど
ジャン:ユラ、ユティ、クチュク長官ペーマなど
モン:トゥンキョン、ダワなど
タクシク:シェルカル
ソクポ:リンチェン、タクマル、ナムカ・トクスンなど
アダク:ニマ、タクカル、ラプ・シェルカル
チェリ:チュートゥプなど
■ 主なキャラ
ルントゥプ・ダクパ(ルントゥプ・タクパ / lhun grub grags pa)
人物:
シャンシュンの王。勇士たち(stag thul)を率いる
事績:
ケサルに討たれる
トクツェン・ロクウー(thog btsan glog 'od)
人物:
シャンシュンの将軍。西部将領
シャンシュン戦における強敵の一人。下級将官クラスのキル数が多い
事績:
センタクに討たれる
所持:
刀剣:鋼刀チャクナクシウー(lcags nag gzi 'od) / 雌剣(sha pho ru chod / sha pho dum chod)
乗物:馬カムチュンシュクデン(kham chung shugs ldan)
タクモ・ティテン(stag mo khri brtan / 達莫赤丹)
※上記
シェーチェン・ニマ・ウーデン(shes chen nyi ma 'od ldan)
人物:
シャンシュンの将軍
シャンシュン戦における強敵の一人
事績:
最後までリン軍に抵抗。ダラに討たれる
ルンライ・チャンモ・ユントゥン(rlung lha'i spyang mo g.yung drung)
人物:
シャンシュンの将軍
シャンシュン戦における強敵の一人。シャンシュン軍の中に別のルンラ・ユントゥン(rlung lha g.yung drung)も存在?
事績:
最後までリン軍に抵抗。チュートゥプに討たれる
所持:
刀剣:ナムカプルシェー(nam mkha' 'phur shes)