ヨニンカンの駆け引き

  1. 第一戦目の関係の読み方
    最初自分が、役のジャックやジョーカーもなく、無関係グループと思われる時は、取り敢えず向かい席の人と同じグループと考えて打ちます。
    ※ 隣の人と同じグループになる確率より、向かいの人と組む確率は2倍です。
    二重カンの人がいる時は、特に変わった打ち方をしますから、よく流れを見ることが大事です。
    また、関係が不明の時は、絵札を一人に多く獲らせないで、(スコンクが入る可能性が高いので)万遍なく獲らせるように、獲得絵札の少ない人の権利に絵札をノセることも時には必要です。

  2. 基本的な札の出し方
    ヨニンカンは、絵札を多く獲ったチームが勝ちです。
    従って、味方の権利の時には絵札を『ツケ』たり『ノセ』たりします。
    逆に敵の権利の時には、絵札が『ツラレ』ていない限り、『ガス』札を出します。
    ※ 『ツラレ』ている時は、ジョーカーを出すことが必要な場合もあります。
    味方には、絵札を獲らせ、敵には絵札を与えないこと。
    ※ 味方の手札が極端に悪く、敵が「16」または「逆16」を狙っていると分かった場合は、早目に敵に絵札を獲らせ「スコン」または「逆スコン」を成立させることも必要な場合があります。

    【用語の解説 その1】
    『権利』とは、現在の場に出ている札の中で一番強い札のことを言います。
    例えば、既に絵札(A,K,Q,J)が出てしまっている場合は、「10」が権利になります。
    『ツケル』とは、味方の権利の時に、同じ紋柄の弱い絵札を出して味方に取らせることを言います。
    『ノセル』とは、種類の違う紋柄の絵札を出して、取らせることを言います。
    『ツラレ』るとは、その絵札より出す札がなく、仕方なく出す場合を言います。
    ※ 味方にジョーカーを出させるために故意に『ツケ』たり『ノセ』たりする場合もあります。
    『ガス』とは、 ジョーカー、絵札 以外の札つまり、各紋の5~10の札のことを言います。

  3. 役(やく)について
    役札の枚数は、通常(グラフ・ダイヤ・ハートが役の時)10枚で、スーペの役の時だけ9枚あります。
    通常は1人平均2.5枚ですから、3枚あれば多い方です。
    各自にまんべんなく渡っていても、役で2巡すれば役ナシの人が出てくるのが普通です。

  4. 自分が『親』の時の打ち方
    (1) 自分にジョーカーがある時
    最後の巡(第10巡目)に出したジョーカーは何の力もなく無視されます。
    したがって、それまでにチャンスがあったら、役請求をしたり、必ず絵札が出てきそうな紋柄を狙って紋柄指定をして請求します。

    【用語の解説 その2】
    ジョーカーを出して絵札を1~3枚獲得することを、それぞれ『1丁アゲ』~『3丁アゲ』と呼んでいます。
    ジョーカーを出して、紋柄を指定して請求し、絵札が1枚も獲得できなかった時は『カラフリ』と呼んでいます。
    ※『カラフリ』も時には必要な場合もあります。
    例えば、
    ①最後の役札を出させたい時
    ②どうしても、権利を取って、次の巡の打ち出し親になりたい時
    などです。
    最後の前の巡(第9巡目)は、特に『踊り番』とか『フリ番』と呼んでいます。

    (2) 自分に役札や他の紋の権利札が多くある時
    ①まず、『役ボリ』をする。
    ※ 『役ボリ』とは、役請求を連続して行い、全ての役札を場に出させることを言います。
    ②役で切られる心配がなくなったら、権利札で攻める。
    ※ 但し、ジョーカーが残っていると痛い目にあいます。

    (3) 自分に役札が多くあるが、他の紋の権利札が少ない時
    『役ボリ』はしないで、『アナ』を作って、こまめに切って絵札を獲得するようにします。

    (4) 自分に役札も他の紋の権利札も少ないか全くない時 ~『ガス』しかない時
    ジッと辛抱してその巡が終わるのを待ちます。
    自分の手札が悪い場合でも、味方の手札が良いこともあるので諦めないこと。

  5. 自分が『子』の時の打ち方
    (1) 自分にジョーカーがある時
    敵の権利のときに、3枚の絵札を獲れれば最高ですが、めったにありません。
    一般的には、敵がA(ピン)などを出した時に、
    ①敵が他の絵札を『ツケ』たり、『ノセ』たりした時
    ②味方が『ツラレ』て絵札を出した時
    ③自分が『ツラレ』そうになった時
    には、ジョーカーを出します。

  6. 『親』『子』に共通する打ち方
    (1) できるだけ『アナ』を作るようにする
    『アナ』があると、
    ①敵が権利の時は、役(切り札)で切ることができる
    ②味方が権利の時は、絵札を『ノセ』ることができる
    など、戦略上大変有利です。
    『アナ』は、最初からできている場合もありますが、たいていは、1巡目、2巡目と進行するにつれてできてきます。

    (2) A(ピン)がある時は、早目に出すようにする
    『アナ』ができれば、如何にA(ピン)であっても切られる可能性が強くなりますので、早目に出し、味方が『ツケ』やすいようにします。
    ※ 但し、ジョーカーが残っている時は、気を付ける必要があります。
    ※ 逆に、A(ピン)を『フカ』す場合もあります。
    ある紋の最初の打ち出しの時には、たいていA(ピン)を持っている人はそれを出すのが普通ですが、わざと『フカ』して次の巡に出す場合もあります。
    ※ 但し、この場合敵に切られる可能性が非常に強くなります。1,2巡すれば『アナ』ができるのが普通なので、自分の手札にその紋柄で残るのはA(ピン)が1枚の時くらいしか『フカ』さない方が、賢明です。

    【用語の解説 その3】
    『アナ』とは、1枚もその紋の札がない状態を言います。
    『フカス』とは、出すべき時に出さないことを言います。