投稿日: 2016/11/04 13:46:15
形意拳には、多くの名人がいます。また、形意拳からは、意拳や太気拳が派生しました。
下記では、これらの武術の名人である、尚雲祥、孫禄堂、王向斉、澤井健一について、紹介したいと思います。
尚雲祥は、郭雲深、孫禄堂らと共に、形意拳の近世三大名手の一人に数えられます。
実戦の逸話や伝説を数多く残す形意門の英雄です。
彼は、1864年に鐙職人の家に生まれ、初め北京で馬大義より、功力拳を学びました。
後に、李存義より、形意拳を学び大成しました。
彼は、北京の五城兵営において匪賊の取り締まりなどを行う、捕盗官の仕事に従事しました。
また、宮廷に使える宦官の長であった、李總管の護院の職にもついています。
後に、彼は天津にて、郭雲深より教授を受け、「半歩崩拳、あまねく天下を打つ」の代名詞を引き継いだといわれています。
孫禄堂は、清末民初の武術家で、形意拳と八卦掌の達人であり、孫式太極拳の創始者でもあります。
彼は、郭雲深より、形意拳を学び、程廷華から、八卦掌を学び大成しました。
後に、武式太極拳の赤為真からも学び、内家三拳の合一論を提唱しました。
著書には「形意拳学」「八卦掌学」「太極拳学」「拳意述真」などがあります。
王向斉は、少年時代に、郭雲深の閉門弟子(最後の弟子)となり、形意拳及びその核心である「站」、踐鑚裏の「老三拳」と「龍虎」の二法を学び、また、師伯にあたる、張樹徳より古傳の大槍を学びました。
後に、独自の創意工夫の末に、「意拳」(大成拳)を創始しました。
彼の弟子には、趙道新、韓星垣、姚宗勣、日本人唯一であった、澤井健一などが有名です。
澤井健一は、1903年福岡の生まれで、柔道5段、剣道4段、居合道4段であったといわれています。
後に中国に渡り、当時、国手と称されていた、王向斉より、意拳(大成拳)を学びました。
彼は、この意拳の養成法である「立禅」に注目し、「揺」「這」などの練習法を加え、「太気拳」(太氣至誠拳)を創始しました。
また、日本に帰国してから、「極真会館」の創始者である、大山倍達とも親交があったようです。