投稿日: 2016/10/13 9:26:13
八卦掌には、走圏と呼ばれる歩法の練習法が存在します。
この走圏という練習法の要求は、門派(流派)や、系統によって様々です。
しかし、全ての門派に共通する事があります。
それは、円周上を歩くという事です。
つまり、八卦掌という武術にとって、この走圏と呼ばれる円周上を歩く歩法は、重要な訓練だという事です。
当流の八卦掌においても、重要な練習法です。
しかし、八卦掌を本格的に訓練する場合、走圏の練習から始める訳ではありません。
確かに、本当の意味で、八卦掌という武術の修得を目指すのであれば、走圏の練習は必要不可欠です。
しかし、その前段階として、練習しなければならない事があります。
一般的に呼ばれる基本功や、基礎体力、基礎筋力は当然の話しですが、それだけではありません。
当流の教習内容としては、他にも訓練する要求はありますが、走圏という歩法のみに限定するならば、数種類の練習法があります。
当流では、まず、馬歩(騎馬式)において、重心の形成から行います。
この段階の訓練と、それに付随した歩法の要領が、明確に理解出来ていなければ、ただ円周上を歩くウォーキングになってしまうからです。
次に、数種類の歩法練習を行います。
この段階では、まだ、円周上を歩く事はなく、本来ならば、ここまでの練習に多くの時間を費やします。
走圏の練習や、その後に行う套路(型)の練習は、上記の練習を行った後になります。
つまり、多くの練習法と技術が、この走圏という技法には内包されており、八卦掌という武術は、この歩法を基準として形成されているとも言えるという事です。
また、走圏という練習法は、八卦掌という武術をする限り、永久に練習する必要があるとも言えるものです。
前述の通り、それだけ重要であり、中核的な技術だといえます。
八卦掌の創始者である、董海川は、どれくらい走圏を練習すれば良いか、という弟子の問いに、中心に立っている木が自分の後ろを付いてくるような感覚が起こるようになれば良い、と答えたそうです。