投稿日: 2020/05/04 6:40:02
八極拳の名人と呼ばれ、神槍とも呼ばれた李書文は、晩年、最後の弟子(関門弟子)である、劉雲焦に、自分の武術の到達点としてまとめ上げた八極拳を伝えました。
劉雲焦は、台湾で武壇国術推広中心(武壇)を設立し、武術を指導する傍ら、台湾総統府侍衛隊の武術教官も務めました。
直弟子に蘇昱彰や徐紀がいます。
その弟子から指導を受けた者に松田隆智や大柳勝がいます。
1975年、松田隆智氏により『謎の拳法を求めて』が出版され、中国武術全般について日本に普及されることとなりました。
1985年4月、劉雲焦氏自らが執筆し、大柳勝氏が訳した『八極拳』(新星出版社)が刊行されました。
現在でも、我が国において、武壇八極拳に関する文献として唯一のものだと言えます。
内容は、八極拳概説の後、主として、「大八極拳」の概要が解説されています。
同時期に、台湾で、「小八極拳」の図書が刊行されました。「八極拳が両国の親善の一助となれば」という劉氏の願いが込められていたようです。
劉雲焦氏の直弟子である蘇昱彰氏や徐紀氏、またその後、金立言氏によって広く世界各地で普及されることとなりました。
徐紀氏は主にアメリカで、金立言氏は主に中国で、そして蘇昱彰氏は台湾の他、日本・ベネズエラ・ニューヨークなどで指導にあたられました。
金立言氏は「大内八極拳」として整理されました。
蘇昱彰氏は八極拳の他に自身が幼少の頃から修練してきた蟷螂拳も指導しました。
練習内容は、小八極拳、大八極拳、六大開拳が中心で、他にいくつかの基礎練習があったようです。
また、劉雲焦氏は、八極拳の要素を統合した套路である「八極連環拳」を創設されました。
蘇昱彰氏は、金剛八式と、前段階として、丁字八歩式という単式練習を加えられています。
技法の特徴としては、李書文が晩年に外家拳的であった八極拳に、「五行気」を基にした発勁(発力)理論・技法を取り込み、八極拳を内家拳的なものへと改編したものとなっています。
また、新たに再構成された、六大開の理論と技法を展開し、相当奥の深い内容となっています。
晩年の李書文が残した八極拳の風格は、動作が直線的で俊敏なものであり、簡素なものとなっています。
当道場で練習している武術は、上記の武壇の系統となります。下記リンク記事にて、詳しく説明しておりますので、ご参照下さい。
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