貼山靠。八極拳の六大開拳の練習段階。八極参劈掛と劈掛掌(劈掛拳)。八極拳と劈掛掌(劈掛拳)との融合
投稿日: 2016/12/10 14:22:33
貼山靠に限らず、当流の八極拳の六大開拳には、それぞれ、三つの段階が存在します。
基本的に、第一段階では、形態を整える段階となります。
そのため、定歩による練習を行います。この段階では、技の形態に必要な筋力を身につけ、威力の養成を行います。
貼山靠に関して言えば、靠法(体当たり)の練習から始めます。
この段階では、一般的な貼山靠のイメージと同じく、対打として、練習生同士で、体当たりでぶつかり合う練習や、樹木に、体当たりでぶつかる練習を行います。
これにより、この貼山靠という技の形態に威力を持たせます。
これは、以後に練習する、貼山靠の技術を習得するために、最低限の威力が必要だからです。
しかし、この靠法(体当たり)の練習は、六大開拳の貼山靠としては、本意ではありません。
なぜなら、本来、六大開拳という套路(型)は、相手の動きや、攻撃を封じる制敵法や、相手の防御技法や構えを開く、開門法を練習するものだからです。
二段階では、六大開拳の貼山靠という技に含まれている、制敵法や開門法を練習する段階だと言えます。
歩法は、活歩となり、身法も活法となります。
この段階になれば、震脚のような、地面を踏み鳴らす動作は、行わなくなります。
このような、勢法でなければ、貼山靠の制敵法や開門法は、運用出来ないからです。
つまり、この段階の貼山靠は、靠法(体当たり)という、形態を基準としてはいますが、靠法(体当たり)という技ではない、という事です。
また、六大開拳の技、全てに言える事ですが、この二段階で練習する内容が、本来の六大開拳の練習内容となります。
貼山靠でいうならば、この二段階において、靠法(体当たり)の練習や、用法練習をするのは、無意味です。
むしろ、靠法(体当たり)という形態に捕らわれる事から、逆効果にもなり得ます。
三段階では、八極参劈掛の練習を行います。
つまり、八極拳の技法と、劈掛掌(劈掛拳)の技法を融合させる事です。
一般的な多くの八極拳門派では、この融合させる度合いは、八極拳の割合が多いようです。
当流の李書文系の八極拳(李氏八極拳)と近い系統である、長春八極拳でも、七割を八極拳で運用するそうです。
しかし、当流の八極拳では、八極拳と劈掛掌(劈掛拳)の割合は、五割づつで、同配分とします。
そのため、当流の八極拳の動作は、他派に比べて、柔軟な動きをするとも言えます。
また、昔は学生に、八極拳を教えても、劈掛掌(劈掛拳)は、簡単に教えてはならない、と言っていた程、重要視していました。
実際、八極拳の技術だけでは、ただ鈍臭いだけの、使いものにならない武術にしかなりません。
貼山靠を例に出すなら、当たり前の話ですが、いきなり靠法(体当たり)でぶつかろうとしても、カウンターを貰うだけです。
もちろん、ただ、劈掛掌(劈掛拳)の、遠い間合いの攻撃を織り交ぜるという訳でもありません。
また、当流の八極拳では、大八極拳や八極連環拳などでも、劈掛掌(劈掛拳)との、技術的な融合を目指しますが、特に、この六大開拳の三段階では、練習内容として、重視します。
しかし、六大開拳の三段階の、本来の練習内容は、劈掛掌(劈掛拳)との融合を練習するだけではありません。
ただ、劈掛掌(劈掛拳)と融合しただけでは、うまく機能しないからです。
そして、この六大開拳の三段階の本来の練習をしなければ、六大開拳だけではなく、八極拳という武術自体の運用が、うまくいかなく、最悪使いものにならなくなります。
つまり、六大開拳の三段階の練習とは、八極参劈掛を起点としていますが、それだけを練習するものではないという事です。
下記リンクのnoteでは、当ホームページでは解説していない、秘伝や秘訣などの技術を一部公開しています。通常公開されない、技術の深い内容や具体的内容、練習法などです。諸事情により、教室に通えない方などに、実際の教室での教習内容と同レベルの内容を、できる限り解かりやすく解説しているサイトです。よかったら、下記リンクよりご覧ください。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓